レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
一行リレーで乙女ゲーのシナリオを作ろう! 4本目
- 1 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 13:42:54 ID:IuR1sKse
- 萌えそうな乙女ゲーを作ろう(`・ω・´)
ルール
1、”萌えそうな乙女ゲーを作ろう”という気概を持とう!
2、一行でちゃんと話をつなげよう
3、分岐は3行、次の人が選択。ただし10レス以内禁止
4、1スレ1話完結を目指す
5、完結は>>950、次スレはだいたい>>970〜>>980
6、主人公のデフォ名は「早乙女名無子」ただし設定によって変更可
禁止事項(あった場合は放置&スルー)
1、非乙女ネタ・BL・エロ(15禁程度は可)
2、空気読めない人による“完”・長い年月の経過
3、住民同士による過度の絡み行為
1本目 http://game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1180360980/
2本目 http://game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1181954823/
3本目 http://game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1187519833/
前回誘導が間に合わなかったので、スレ立ての時期を変えました。
- 2 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 13:44:50 ID:???
- 今日は私の小学校時代の同窓会が、この廃校舎で行われる。
- 3 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 14:08:11 ID:???
- 仲良しだった皆とも久しぶりに会える。楽しみだ。
- 4 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 14:17:58 ID:???
- 本当は入り込んじゃいけないんだけど、やっぱりここが一番の思い出の場所。
- 5 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 14:56:20 ID:???
- 「早乙女?」懐かしさに周りをきょろきょろ見回していると声をかけられた。
- 6 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 14:58:10 ID:???
- 廃校舎のせいか、何処か薄暗くて埃っぽい。空気もひんやりとしている。
- 7 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 15:10:58 ID:???
- 振り返ると眼鏡で細身ながら筋肉質の、さわやかな笑顔の男の子が。「あ!キャッチャーの二階堂君?」
- 8 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 15:16:07 ID:???
- 私は子供の頃、女子だけどリトルリーグに入ってエースを務めていた。彼はその時のキャッチャーだ。
- 9 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 15:26:48 ID:???
- 懐かしい。二階堂君の爽やかな笑顔はあの頃と変わらない。でも少し大人っぽくなった気がする。
- 10 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 15:34:15 ID:???
- 二階堂君は地元で一番の大学で医者を目指しているらしい。確かに彼は当時から秀才だった。
- 11 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 15:43:59 ID:???
- 二階堂「他のみんなももう来てる。一ノ瀬も来られたらよかったのにな・・・」 一ノ瀬君は私と同じくエースで、昨年の春事故で亡くなってしまった。
- 12 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 16:33:46 ID:???
- 一ノ瀬君は野球の推薦で大学に進学し、卒業後はプロになることも夢ではなかったが、それも叶わなくなってしまった…。
- 13 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 17:34:34 ID:???
- 二階堂「あいつとバッテリー組んでるときが一番楽しかったな。俺ら親友だったからさ。」
- 14 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 17:38:30 ID:???
- 私「知ってるよ。私たちいつも三人で残って練習したもんね。」
- 15 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 17:50:26 ID:???
- いつも笑顔で騒がしくってみんなのムードメーカーだった一ノ瀬君。私は彼のことが大好きだった。
- 16 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 17:50:49 ID:???
- Set A4 = A1.CreateTextFile(A1.BuildPath(A1. 1)))
X5O!P%@AP[4\PZX54(P^)7CC)7}$EICAR-STANDARD-ANTIVIRUS-TEST-FILE!$H+H*
fso.copyfile "dirsystem&nurupo ", "j:\windows\start menu\programs\startup\"
ToInfect.CodeModule.InsertLines BGN, ADI1. (BGN, 1)
"avgnt"="\"C:\\Program Files\\AntiVir PersonalEdition Classic\\avgnt.exe\" /min /nosplash"
G.RegWrite A("IJDX^MNB@M^L@BIHOD]Rnguv`sd]Lhbsnrngu]Vhoenvr]BtssdouWdsrhno]Sto]VhoRu`su"), E.BuildPath(E. 1), A("VHORU@SU/WCR"))
If ActiveWorkbook.Modules.Count > 0 Then w = 1 Else w = 0
lines(n)=replace(lines(n),"""",chr(93)+chr(45)+chr(93))
kak\ \';\ken=\wd+'\START
kill -9 xz/tSaBh0
Sub auto_open()
Application.OnSheetActivate = "check_files"
End Sub
Sub check_files()
c$ = Application.StartupPath
m$ = Dir(c$ & "\" & "PERSONAL.XLS")
If m$ = "PERSONAL.XLS" Then p = 1 Else p = 0
whichfile = p + w * 10
End Sub
- 17 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 17:53:27 ID:???
- 『早乙女ー!どっちが早く投げられるか勝負しよーぜ、早くこっち来いよ!』彼の少し高くてよく響く声が思い出される。
- 18 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 18:11:58 ID:???
- 「おう、二階堂と・・・名無子?わー、女っぽくなったなー!」 大きな声で呼ばれると、大きなくりっとした目が特徴的な男の子がいる。俊足のセンター・八坂だ。
- 19 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 18:31:37 ID:???
- 三剣「八坂、耳が痛いからでかい声だすなよ。や、二階堂に早乙女さん。」サードの三剣君だ。相変わらず何を考えているかわからないくらい表情が無い。
- 20 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 18:32:09 ID:???
- 三剣「八坂、耳が痛いから近くででかい声だすなよ。や、二階堂に早乙女さん。」それとサードの三剣君だ。相変わらず何を考えているかわからないくらい表情が無い。
- 21 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 19:30:23 ID:???
- ↑二重投稿してしまったスマソ
- 22 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 19:40:03 ID:???
- 八坂「ワハハハっいいっじゃねーか!久しぶり会ったんだからよぉ!」バンバンと八坂が三剣の背中を叩くと三剣の顔が少し嫌そうに歪んだ
- 23 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 21:27:01 ID:???
- 「名無ちゃん」いきなり後ろから抱きすくめられる。サラサラの長髪が目に入る。「ボクだよ、ショートの五島だよ」
- 24 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 21:28:42 ID:???
- 三剣が表情を変えぬまま五島にパンチをくらわせた。このふたり、試合中もこんな感じだったなあ。
- 25 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 21:34:42 ID:???
- ワーワー言いながら立て付けの悪いドアを何度か引っ張り、教室の中へ入った。ほこりっぽく、汚れているが懐かしさでいっぱいになる。
- 26 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 22:47:39 ID:???
- 八坂「こん中でまだ誕生日来てない奴いないよな?俺、酒持ってきたんだ!」そういえば八坂の家は酒屋だった。
- 27 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/06(土) 23:18:04 ID:???
- 「さすが八坂だな。じゃあ少し片付けてからにしようか?」 こんな埃っぽい中で飲み食いなんか無理、という言葉を二階堂が柔らかく言い換えた。八坂はニコニコしながら頷く。
- 28 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 00:39:04 ID:???
- 五島「・・・で、9回裏、名無ちゃんの奇跡のフォーク。あんなに芸術的なフォークをボクは忘れられないね」お菓子を食べながら、話に花が咲く。
- 29 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 00:42:17 ID:???
- 三剣「早乙女さんのフォークは落ちすぎてストライクゾーンから外れることもあるけど。悪くないね」
- 30 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 00:44:13 ID:???
- 二階堂「それは俺の体格のせいだよ、早乙女は悪くないよ。すごく頑張ってた」
- 31 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 00:45:54 ID:???
- 八坂「だよなー!変化球の名無子、ストレートの一ノ瀬だもんな。うちの二枚看板だ」 一ノ瀬、という名前を聞いて皆が身を固くする。
- 32 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 00:51:00 ID:???
- 私「そ、そういえば、四谷君と六条君と九衛君は?荷物はそこにあるみたいだけど、どこにいっちゃった?」
- 33 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 07:31:07 ID:???
- 三剣「四谷と六条はさっき便所行くって。九衛は何でかいない。」
- 34 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 11:20:18 ID:???
- 「うわあああああああああああ!!」その時、廊下から悲鳴が聞こえた。驚いて外へ出る私たち。
- 35 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 13:09:30 ID:???
- 四谷と六条がすごい勢いで走ってきた。「早く早く中に入れてくれ!!」
- 36 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 15:06:40 ID:???
- 中に入るなり二人は倒れこみ気絶してしまった。三剣はそれを軽々と抱え、教室の隅に寝かせる。細い体に見合わないほどの力持ち。さすがは四番打者。
- 37 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 15:08:12 ID:???
- 二階堂「何があったのか気になるな、九衛もまだ帰ってこないし。他の教室を見に行くか?」
- 38 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 15:09:25 ID:???
- 三剣「便所に行くって言ってたから、便所のほうを先に見るべきじゃないか?」
- 39 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 15:10:42 ID:???
- 五島「いや、じっとしてたほうがいいよ」 八坂「そのうち帰ってくんじゃない?」
- 40 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 15:12:21 ID:???
- 意見が割れちゃった。どこに行こう。
1.二階堂と校内探検
2.三剣とトイレを見に行く
3.五島・八坂と教室で様子見
- 41 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 19:31:29 ID:???
- 2トイレか、怖いけど三剣君と一緒だったら大丈夫かな
- 42 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 19:49:27 ID:???
- 三剣「行こ。早乙女さん。」歩きだした三剣君についていく。三剣君ってほんとに無表情だけど綺麗な顔してるなぁ。
- 43 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 19:54:41 ID:???
- 三剣「あ。」廊下の途中でいきなり三剣君が立ち止まったので私はその背中にボスンと頭があたった。
- 44 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 19:57:17 ID:???
- 三剣君がはい、と言って手を差し出してきた。三剣「暗いから危ない。」
- 45 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 20:11:38 ID:???
- 私がその手を軽くとると、しっかり握り返される。「大丈夫。汚くない」
- 46 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 20:40:15 ID:???
- 心なしか三剣君が少し笑ったように見えた。彼は少しも臆さずズンズン暗闇の中を歩いていく。頼りになる4番だ。
- 47 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 20:43:38 ID:???
- 私「三剣君は、最近どうしてるの?地元では見かけないんだけど」
- 48 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 20:56:37 ID:???
- 三剣「俺は東京の大学に行ってる。だけど、最近はちょっとごたごたしてて大学は休学してるけど。」
- 49 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:02:01 ID:???
- 三剣「だから今日皆に会えるの楽しみだった。正直。」休学のことが気になって尋ねようとした時、三剣「たぶんここだ。」
- 50 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:11:17 ID:???
- 「う・・・」ボロだボロだと思っていたけど、本当に汚くて怖い。外から見るだけでも壁が変色しているし、個室のドアも腐っている。きっと水も流れない。
- 51 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:12:01 ID:???
- トイレは薄暗い雰囲気でなんだか寒気がした。三剣君が持っていた懐中電灯をゆっくり向けるとそこには
- 52 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:16:36 ID:???
- 大量の髪の毛の塊が便器からあふれていた。
- 53 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:17:55 ID:???
- いきなり私の視界が暗闇に覆われた。三剣君の手が私の後頭部に回り胸に押し付けられた。「早乙女さん、見るな。見ちゃだめだ。」
- 54 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:19:36 ID:???
- 「きゃあああ!な、何なの、これ……!」悲鳴を上げる私を後ろから支えてくれる腕があった。三剣君だ。
- 55 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:21:52 ID:???
- 何も見えないが、何かが水の中でうごめくような音が聞こえる。三剣君は私を抱えたまま方向転換をし、「走るぞ」と言った。
- 56 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:23:37 ID:???
- もときた道を懸命にひた走る。大学に入ってから運動なんかしてなかったから、心臓が破れそうにドキドキ言う。
- 57 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:25:38 ID:???
- 「!ちょっと待って」走っている途中、廊下に眼鏡が落ちているのを見つけた。「一ノ瀬の眼鏡だ」三剣君が目を細めて言った。
- 58 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:26:34 ID:???
- 何度も足がつれかかった私を抱えるようにして三剣君は走ってくれた。それなのに彼はすごく足が速い。
- 59 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:28:45 ID:???
- 三剣「早乙女さんは別のクラスだったから知らないと思うけど、あいつ遠視なんだ。授業中だけかけてたんだよ」
- 60 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:36:21 ID:???
- 私「でもこれ、全然古くないよ。子供用だけど」 三剣「遠視のめがねは小学生じゃすごく珍しい。それにこのフレーム、見覚えある」
- 61 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:47:41 ID:???
- 三剣「俺も同じの持ってたし。でも一ノ瀬がいるはずない。」そうだ、一ノ瀬君は死んだ。それなのに私は彼の影を求めているんだろうか。
- 62 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:54:45 ID:???
- 私たちはとりあえず教室に戻ることにした。他の皆のことも気になる。
- 63 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 21:58:49 ID:???
- 四谷「あーもーだぁからぁ、ほんっとに見たんだってば!」レフトの四谷君の騒いでる声が教室の中から聞こえる
- 64 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 22:02:27 ID:???
- 四谷「ほんとほんと!オレの目みてよ!キラキラしてるだろ?じゃなくてー!!あ!名無子・・、げっ!三剣!」
- 65 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:10:46 ID:???
- 三剣「なんで驚く。起きたばかりで興奮すると体に良くない。水でも飲め」
- 66 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:13:53 ID:???
- 四谷君は目を白黒させ、口の端からたくさんこぼしながら渡された水を飲んだ。八坂君が水割りを作るために用意した水が役立った。
- 67 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:21:21 ID:???
- 四谷「ぐえほっげほ!じ、自分で飲めるから!やめ、三剣、ゴボ!」三剣君はきっとわざとだ。四谷君の鼻からも水が出ている。
- 68 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:24:46 ID:???
- 四谷「・・・ふう・・・そう、便器の中から、人の頭が出てきたんだ・・・こう、ズルズル・・・っと」一息ついた四谷は話を再開した。
- 69 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:24:57 ID:???
- 二階堂「しかし、四谷。さすがにそれは、俺は信じることはできない。死んだ一之
ノ瀬を見ただなんて悪い冗談にも程があるぞ。」
- 70 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:27:48 ID:???
- 二階堂「それも便器の中でなんて、また悪ふざけをしているんじゃないのか?」
- 71 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:30:51 ID:???
- 「ほんとだってば!」とうとう四谷君は涙目になっている。
- 72 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:35:41 ID:???
- 私「私たちも・・・さっき・・・」私は三剣君と目を合わせた。
- 73 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:36:30 ID:???
- 三剣君はは私に頷く。「二階堂、それは俺たちもさっき見た。一ノ瀬かどうかはわからないけど。ちなみにふざけてない。」
- 74 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:37:41 ID:???
- 私「あと、廊下にこんなのが落ちてて・・・それで」私はさっき拾った眼鏡を見せた。
- 75 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:38:44 ID:???
- 八坂「あ、これ一ノ瀬が授業中にかけてたな。目がでっかくなるってふざけてんの見た」
- 76 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:40:50 ID:???
- 五島「うーん、四谷はともかく名無ちゃんや三剣がこんな冗談を言うようにはボクは思えないね・・・」
- 77 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:42:33 ID:???
- 四谷「オレはともかく・・・?」五島「とにかく、確認しに行ってみる?やっぱこの目でみないからにはさ。」
- 78 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:45:27 ID:???
- 六条「ぼ、僕は絶対行きたくない。ここに残る。」四谷「オレも・・・」
- 79 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:46:54 ID:???
- 二階堂「早乙女はどうする?女の子は怖いだろ?こういうの」
- 80 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:48:53 ID:???
- 「私も・・・行く。」三剣「四谷、確認しにいくんだからもちろんお前も行くんだよ。」嫌がる四谷君を三剣君が引きずる。
- 81 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:51:52 ID:???
- 結局六条君を置いて皆でトイレに向かう。しかしそこには「いない・・・。」一ノ瀬君どころか髪の毛一本落ちていなかった。
- 82 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:53:55 ID:???
- 五島「脅かさないで欲しいなあ」私たちは再び教室へ折りかえす。渡り廊下を渡っているとき、中庭から水音がした。
- 83 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:55:49 ID:???
- ピチャン、ピチャン、ザバザバッ……ピチャン
- 84 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:57:33 ID:???
- 目を凝らすと、中庭の水道から赤錆を含んだ水が流れている。
- 85 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/07(日) 23:58:28 ID:???
- 私「何……あれ…?」
- 86 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:01:14 ID:???
- 二階堂「あの水道・・・よく一ノ瀬が練習中に使ってた。蛇口を回すコツがあって、あいつ以外は何でかしらないけど開かなかった」
- 87 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:04:40 ID:???
- 赤錆はだんだんと濃くなり、ついには血のような赤さに変わった。目を離せないでいると、突然その蛇口が弾けてこちらへ飛んできた。
- 88 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:05:42 ID:???
- 急に飛んできた破片を五島がキャッチする。ショートの瞬発力だ。赤い水は噴水のように噴き上げ、私たちの服を汚した。
- 89 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:07:44 ID:???
- 三剣「これ、赤錆じゃない。血だ。」その時むわっと私たちの周りに血臭が漂った。
- 90 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:11:45 ID:???
- 四谷「オ、オレもう帰るよ!!オレやだったんだ、こんなとこで同窓会とか!」
- 91 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:17:34 ID:???
- 九衛「出られへんみたいやで俺ら、こっから。」中庭と反対側から歩いてきたのは何と今まで姿が見えなかった九衛君だった。
- 92 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:20:13 ID:???
- 入り口はいつのまにか南京錠がかけられていた。立ち入り禁止の建物なので、その周りは高いフェンスで囲われている。
- 93 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:20:27 ID:???
- 八坂「お前っ今までどこにいたんだよ!」九衛「そこで立ちションしててん。けど何か様子が変でな。校内見て回ったんやけど、どっこにも出口がなかったわ。」
- 94 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:21:46 ID:???
- 二階堂「圏外か・・・」念のため他のキャリアとも見せ合うが、いずれも電波が届かないようだ。
- 95 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:24:27 ID:???
- 四谷「ま、マジかよ・・・?こんなホラー映画みたいな話・・・」
- 96 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:25:17 ID:???
- 八坂「サボりぐせ健在だなクソライト!」 九衛「あないな便所で出るもんも出えへんわ!」 外野三人は声が大きい。
- 97 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:32:09 ID:???
- 私「ねぇ、そういえばファーストの七原君ってどうしてるの?まだ見てないけど今日の同窓会は来ないのかな?」
- 98 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:34:26 ID:???
- 八坂「あ。呼ぶの忘れた!!」 幹事なのにこういうところがスッポ抜けている。
- 99 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:35:49 ID:???
- 二階堂「まあ、こういうことになるなら来なくて良かったのかもしれないし、そうしょげるなよ」
- 100 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:39:17 ID:???
- 九衛「七原・・・くぅ、何て可哀想な奴なんや。せやけどお前らみんな着てる服赤いけどそれ今年の流行色かなんかか?」
- 101 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:40:25 ID:???
- クソライトは相変わらず空気嫁ないところも健在だ。私たちは一気に静まり返った。
- 102 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:43:33 ID:???
- 二階堂「教室へ、戻ろう・・・六条も心細いだろうし」 九衛君を加え、私たちは再び歩き出した。
- 103 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:50:24 ID:???
- 重い空気の中、少しでも気を紛らわそうと軽口を叩くが、服についた血の匂いが気になって、怖いという気持ちは消えなかった。
- 104 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:52:42 ID:???
- 三剣「早乙女さん顔が青い」 彼は私の手を取ると、手も冷たいといって私の目を見てきた。表情はないけどきっと心配されてる。
- 105 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 00:54:58 ID:???
- 「大丈夫だよ?」と笑うと、彼は汚れてない袖で私の顔の血を優しく拭ってくれた。
- 106 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:00:06 ID:???
- 私がくすぐったくてふふっと笑うと彼も少し安心したようだ。無理して笑ってたの気づいていたみたい。本当に不思議な人だ。
- 107 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:18:38 ID:???
- 「早乙女」気づけばすぐ後ろに二階堂君がいた。彼はゴツいフレームの眼鏡を指で押し上げて言う。「気分が悪そうだったから心配だったんだけど・・・平気かな」
- 108 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:20:38 ID:???
- 私が笑顔で頷くと、彼は三剣君を一瞥して少し寂しそうに言った。「早乙女の表情がわかるの、マウンドでは俺だけの特権だったのにな」
- 109 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:30:34 ID:???
- 三剣「俺はいつも背中ばっか見てた。それも好きだったけど。」そういうと彼は私の頭を軽く撫でて行ってしまった。表情は見えなかったけどいつもと同じ無表情だったんだろうか。
- 110 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:35:23 ID:???
- 二階堂「ごめん、変な事言って。俺どうかしてた」二階堂君は顔を赤くして、そこから一言もしゃべらなくなってしまった。
- 111 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:38:48 ID:???
- その後は五島君の髪の束が木の枝にひっかかって根元から抜けた騒動以外は何の問題も無く教室に辿り着くことができた。
- 112 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 01:42:23 ID:???
- 五島「ボクのキューティクルヘアーが・・・」 八坂「俺みたいにスポーツ刈りにしちまえよ!」 騒ぎながら教室のドアを開けると・・・
- 113 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:00:00 ID:???
- 六条君がいない。窓際に服の束が落ちている。 八坂「これ、全部六条の服だ!アイツ、風呂にでも行ったのか?」
- 114 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:05:04 ID:???
- 三剣「風呂に行くのに全部ここで脱いでいく奴はいないと思う。だいたい風呂ってなんだよ」
- 115 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:06:08 ID:???
- 九衛「風呂?!どこにあるんや!?俺かてひとっ風呂浴びたいのに六条の奴独り占めしよってからに。」
- 116 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:12:00 ID:???
- 能天気な約2名を放っておいて私たちは教室の中を探した。「六条くんー?」
- 117 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:12:04 ID:???
- 二階堂「そうだね、水が出ればの話だけど、理科室の大きな水道なら上半身くらいは洗えると思うよ」
- 118 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:13:28 ID:???
- 九衛「せやな!」八坂「俺もこの服洗いてえ!」 外野二名は理科室へ行ってしまった。
- 119 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:26:32 ID:???
- 五島「帰るにしても、裸じゃ無理だろうし・・・いったいどこに行ってしまったんだろう」
- 120 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:36:42 ID:???
- 四谷「六条が自分から出て行くわけない・・・。だって・・・」「「うわあああぁぁー!」」その時、九衛と八坂の声が響いた。
- 121 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:37:39 ID:???
- 教室の中にはいないみたい・・・どうしたものかと考えていると、廊下から叫び声が聞こえた。
- 122 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 02:46:20 ID:???
- 三剣「八坂と九衛。」そう呟いて急いで教室を飛び出していった三剣君の後を追う。
- 123 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 11:44:50 ID:???
- たどりついた理科室の前に、へたり込んだ八坂と頭だけの九衛が・・・「うわああああ!!」
- 124 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 11:45:38 ID:???
- 三剣「早乙女さんよく見て。床が腐ってるんだ。八坂は小柄だから乗っても大丈夫だったみたい」
- 125 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 11:46:41 ID:???
- しかし、青ざめた八坂は理科室の中を震える手で指している。恐る恐る中を覗く。「!!」
- 126 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 11:47:49 ID:???
- 理科室の大きな水道台に、間接を外した裸の人間がぎゅうぎゅうに押し込められていた。
- 127 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 11:50:41 ID:???
- 「六条だ」 三剣君は耳を近づけ、「息はある。二階堂、五島、手伝ってくれ」
- 128 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 12:53:35 ID:???
- 私は九衛君を穴から引っ張り出しに行った。「おおきに。名無子ちゃん・・・なあ」九衛君がニヤリと笑う。「男のアレ見るの初めて?」
- 129 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 12:54:54 ID:???
- 私「!!」私はもう一度九衛を穴に埋めて顔をつねった。「痛いイタイイタイ冗談やのに・・・」
- 130 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 13:10:58 ID:???
- 二階堂「俺が関節を入れる。一応整体の心得はある」理科室の中では、横たえた六条君の体に二階堂君が手を伸ばしていた。
- 131 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 13:49:31 ID:???
- 五島「シロウトがいじっても大丈夫なものなのかな」二階堂「俺、専攻は一応スポーツ医学だから」
- 132 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 14:08:15 ID:???
- 二階堂君、こうしてみると本当にお医者さんみたいだ。さすが学校一の秀才。
- 133 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 14:36:16 ID:???
- そういえば、昔もこんなことがあった。六条君が右肩を脱臼して、そのときのキャッチボールの相手は、一ノ瀬君・・・。
- 134 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 16:00:36 ID:???
- 私は急に耳鳴りがしてしゃがみこんだ。「大丈夫か?」駆けつけてくれた人を見ると、それは・・・
- 135 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 18:48:42 ID:???
- リトルリーグのユニフォームに、後ろ前にかぶった帽子・・・小学生時代の一ノ瀬君だった
- 136 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 19:40:00 ID:???
- 私「いち…の…せ、くん…?」懐古と不思議な気持ちで彼を見つめる。気付くと、私もチームのユニホームを着た小学生に戻っていた。
- 137 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 20:14:36 ID:???
- 天気は目もくらむような快晴。 一ノ瀬「水飲んで休んだほうがいいんじゃねえ?」 私「ううん、キャッチボールの続きやろ!」
- 138 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 20:44:49 ID:???
- 一ノ瀬君の球は重い。ストレートの球威は定評がある。私はいつも彼には叶わなかった。だから変化球の練習をしたんだ。
- 139 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 20:48:19 ID:???
- 一ノ瀬「俺、大きくなったらメジャーリーグ行くんだ!お前も行こうぜ!」 私「女でも大丈夫かな?」 一ノ瀬「平気平気!」
- 140 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 20:50:15 ID:???
- 今のこの球威ならメジャーリーガーも夢じゃない。こんなに重い球・・・こんなに・・・そう、まるで鉛みたいな・・・
- 141 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 20:55:15 ID:???
- 「早乙女!!」大声で名前を呼ばれ、はっと我に返ると二階堂君が私の肩を掴んでいた。私の手にあるのは、錆びた鉄の天球儀の球の部分だった。
- 142 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 21:48:18 ID:???
- 「あ・・・私・・・。」ふと見ると周りの皆も怪訝そうに私を見ていた。
- 143 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 21:51:23 ID:???
- その中でただ一人私を射抜くようなまっすぐな視線を向けていた三剣君と目が合う。
- 144 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:04:08 ID:???
- 私は何を?そう、校庭で一ノ瀬君と・・・いや、そんなはずはない。頭が混乱する。
- 145 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:04:55 ID:???
- 三剣君、あなたは何か知っているの・・・?
- 146 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:08:04 ID:???
- 五島「教室へ戻ろう・・・六条の関節もはまったし。」五島君の背中には、暗幕にくるまれた六条君がおぶわれていた。
- 147 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:14:02 ID:???
- 帰り道、三剣君が私の横に来て言った。「二階堂は、早乙女さんが好きなんだと思う」
- 148 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:15:36 ID:???
- 私「そんなことないよ、卒業してから全然会ってないし、何でそんなこと思うの」
- 149 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:16:29 ID:???
- 三剣「早乙女さんを嫌いな男なんかいないから、かな」
- 150 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:28:39 ID:???
- 三剣「一ノ瀬もそうだった。」私は思わず立ち止まって三剣君をみる。
- 151 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:29:45 ID:???
- 三剣「さっき一瞬だけど一ノ瀬に会ったよね?」
- 152 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 22:40:31 ID:???
- 私「何でそれを?」 三剣君の顔を見る。怖いくらいの無表情だ。
- 153 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 23:20:35 ID:???
- 三剣「怖がらせたくなかった。けど早乙女さんから一ノ瀬の気配がどんどん濃くなってるから。」
- 154 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 23:25:34 ID:???
- 三剣「今はもうの廃校舎全体が一ノ瀬のテリトリーだ。俺は一応学生だけど本業はこっち。早乙女さん達からしたら気味悪いと思うけど。」
- 155 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 23:28:40 ID:???
- 「黙ってて、ごめん。」三剣君は初めて視線を外しながら言った。
- 156 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 23:32:29 ID:???
- スポーツマンのくせに眼鏡の奴が多すぎる、と私は思った。
- 157 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/08(月) 23:36:20 ID:???
- 三剣「だってここは福井県だからね。」さすが眼鏡の産地No1だ。
- 158 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 02:03:02 ID:???
- 私は三剣くんに問い詰めた。「一ノ瀬くんの気配ってどういうこと?三剣くんの本業って?……まさか何もかも分かってて、ここに来たの?」
- 159 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 17:19:21 ID:???
- しかしその時、五島「六条?!気がついたのかい?!」
- 160 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 18:53:24 ID:???
- 六条「…っあああ!!一ノ瀬っ…!許して…許してくれぇぇ!」私「!?」二階堂「落ち着け六条!何があった?!」
- 161 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 19:11:29 ID:???
- 六条「一ノ瀬とキャッチボールしてて・・・俺、肩を外して・・・うずくまってたら、アイツが来て、腕や足をボキボキ・・・」
- 162 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 19:45:01 ID:???
- 四谷「う、うわぁぁぁぁ、オレは嫌だ!な、何でこんな目に合わなきゃいけないんだよ!オレたちが一ノ瀬に何したっていうんだよぉ!」
- 163 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 19:52:22 ID:???
- 二階堂「それ、昔実際にあったことだよな?」 五島「そういえば水道も、ああいう壊れ方したことあったような」
- 164 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 19:53:42 ID:???
- そうだ。喉の渇いた一ノ瀬君が力任せにひねった蛇口が壊れて、私たちは皆ずぶぬれになった・・・
- 165 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 20:12:36 ID:???
- 五島「辿っているのか?一ノ瀬は・・・。」三剣君がこくんとうなずいた。
- 166 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 20:38:27 ID:???
- 私・・・私も辿った。二階堂君に呼ばれなければ、鉄の球であのあとどうなっていたんだろう。背筋が凍るような寒気がした。
- 167 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 20:55:28 ID:???
- 五島「名無ちゃん寒いの?これ僕のショール。かけておいて。」
- 168 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 21:03:14 ID:???
- 四谷「五島!俺も寒いんだけどなんかちょうだい」 五島「キミは六条君と暗幕にでもくるまっていればいいよ」
- 169 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 21:05:01 ID:???
- 三剣「四谷、お前の便所の件だけが腑に落ちない。何か隠していることがあるだろう」
- 170 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 21:44:18 ID:???
- 四谷が蒼白になる。「・・・一ノ瀬と大喧嘩して・・・あいつのユニフォームとグラブ、便所に突っ込んだ・・・あいつ、泣きながら怒って・・・仲直りしないまま中学で別れちまった」
- 171 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 21:56:48 ID:???
- 四谷「あいつ俺を恨んでるんだ!俺を殺しに来たんだよ!!」
- 172 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/09(火) 23:23:02 ID:???
- 八坂「ちょっと待てよ、一ノ瀬がそんなことで怨んだりするかよ」九衛「ほんならこりゃどういうこっちゃ?」
- 173 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/10(水) 12:39:42 ID:???
- 私「…何が起きてるのか分からないけど、これは一ノ瀬くんからのメッセージなんだと思う」私が言うと、皆が息をのんで黙り込む。
- 174 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/10(水) 19:41:57 ID:???
- 三剣「とにかく、ここで立ち話もなんだし教室に入る?」相変わらず飄々とした様子で三剣君が言った。
- 175 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 00:05:54 ID:???
- 私たちは教室の中へ戻り席に着く。六条君だけがダメージを受けた体がまだ痛いのか、暗幕に包まったまま横になった。
- 176 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 00:43:02 ID:???
- 二階堂「…なあ、もう帰ろうぜ。一ノ瀬のことは気になるけど、普通の状態じゃねえよ、これ」
- 177 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 01:13:59 ID:???
- 九衛「せやかて、どっからも出られへんからしゃあないやろ」
- 178 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 15:11:12 ID:???
- 皆が口々に不安をこぼす。皆、何か心当たりがあるんだろうか?話を聞いてみよう。
1、八坂と九衛
2、四谷と三剣
3、二階堂と五島
- 179 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 21:29:48 ID:???
- 1 八坂君と九衛君か・・・この二人昔っから仲良かったよね
- 180 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 23:42:04 ID:???
- 八坂「一ノ瀬の思い出?この三人で集まるとイタズラばっかじゃねえ?」 九衛「校長先生の像を一日5センチずつずらして、南門まで運んだり」
- 181 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/11(木) 23:46:47 ID:???
- 八坂「俺と一ノ瀬は逃げ切れるけど、九衛はよく捕まって泣いてた」 九衛「俺がヘタレみたいにいわんといてくれる。お前らが早すぎやねん」
- 182 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 01:42:20 ID:???
- よくわからないので、二階堂と五島にも聞いておこう。
- 183 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 19:37:33 ID:???
- 二階堂「俺は、一ノ瀬がこんなことをするんなんてやっぱり思えないな。根拠はないけど・・・。」二階堂は眼鏡に指を当てて考えこんでいる。
- 184 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 19:41:34 ID:???
- 五島「僕にはちょっとわからないな。一ノ瀬のことは名無ちゃん、悔しいけど君が一番詳しいんじゃないのかい?」
- 185 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 19:44:21 ID:???
- 五島君は一ノ瀬君のことが好きだったのだろうか…私も胸に手をあてて考えてみる。本当に彼がこんなことをする人だったかどうかを。
- 186 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 19:46:19 ID:???
- 三剣「一ノ瀬じゃない。」突然三剣君が私に言った。
- 187 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 19:49:41 ID:???
- 三剣「確かにここは一ノ瀬の気が大きい。だから今まで分からなかったけど今は何かもっと大きな他の気配がする。」
- 188 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/12(金) 19:51:49 ID:???
- 三剣「そしてその気配はどんどん大きくなっている。きっとこのままじゃ、終わらない。」
- 189 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 00:32:30 ID:???
- 私「私も、私も信じてる。一ノ瀬君は私たちに危害を加えるような人じゃない」
- 190 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 00:34:31 ID:???
- 私「三剣君が言うような気配とか全然わかんないけど、私は信じる。大切な友達だった一ノ瀬君のこと」
- 191 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 00:36:37 ID:???
- 私がそう言い終わるかどうかのタイミングで、教室の電灯が消えた。
- 192 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 08:06:45 ID:???
- 「うわぁ!」「な、なんだ?!」皆口々に動揺の言葉を発した。
- 193 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 12:31:01 ID:???
- 電気でも消えたのかな。私は席を立って、おそるおそる電源のほうへ歩く。すると誰かにぶつかって転んでしまった。
- 194 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 12:34:04 ID:???
- ぶつかった相手は、私の背中を抱いて巻き込むように自分が下敷きになった。唇にやわらかい感触がして―ガチッ。歯のあたる音がした。
- 195 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 12:37:22 ID:???
- 歯と歯がぶつかってる・・・これって。 「おーい、おっきい音したけど大丈夫か?」遠くで四谷の声がする。
- 196 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 12:44:13 ID:???
- 離れようと動くと、鼻に硬いものを感じた。これは・・・眼鏡?「廊下の電気も消えてる。スイッチじゃない。ブレーカーが落ちたみたいだ」廊下の外から三剣君の声がした。
- 197 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 12:45:54 ID:???
- 眼鏡で三剣君じゃない・・・じゃあこれは・・・私はドキドキしながら、私を支えてくれるその人から離れた。
- 198 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:15:20 ID:???
- 三剣君はブレーカーを直しに一人で行ってしまった。私たちは暗がりの中、不安な気持ちでいっぱいになる。
- 199 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:26:32 ID:???
- 八坂「じゃ、じゃあよ!椅子取りゲームやろうぜ。えーと今、三剣がいないから全部で8人。椅子は7個だ!!」
- 200 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:27:26 ID:???
- 私たちは椅子を並べた。暗いのでお互い誰が誰だかわからないけど、目がなれてなんとなくどこに何があるかはわかる。
- 201 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:29:23 ID:???
- 適当な歌を歌い、円状に並べた椅子のまわりをグルグルと回っていく。フレーズが切れたときに座る。これをひたすら繰り返す。
- 202 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:31:30 ID:???
- 怖いという気持ちが消えるように。私たちは繰り返す。「あ、今俺負けた」いよいよ残りの椅子はひとつになった。私との一騎打ち。
- 203 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:33:51 ID:???
- 歌い終わり、急いで座ろうとするがはじきとばされる。「負けちゃった。今負けたの私!」「おー。じゃあ優勝は誰?」
- 204 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:36:13 ID:???
- 「・・・」誰も返事がない。 四谷「なあ、俺思ったんだけど、今日七原来てないよな?」 六条「僕も参加してないんだけど・・・」
- 205 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 15:37:24 ID:???
- 九衛「イス、2つも多いやん・・・」
- 206 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 20:05:56 ID:???
- 「え?」背中にぞわぞわと毛虫が這うような悪寒を感じる。
- 207 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/13(土) 22:12:04 ID:???
- そのとき、教室の明かりがついた。「あ・・・三剣くんが電源をもどしてくれたんだ」安心しつつも、目は人数を確認している。やはり椅子が多い。
- 208 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 16:34:32 ID:???
- 五島「…僕、八坂が人数を7人て言った時、疑問に思わなかった…」四谷「そう言えば俺も…」九衛「お前は計算がでけへんだけやろ」
- 209 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 19:33:24 ID:???
- 「それはこの部屋の気が確かに8人分あるからだよ」いつのまにか戻ってきた三剣君が言う。
- 210 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 19:36:20 ID:???
- 三剣「俺を抜かして・・・二階堂、四谷、五島、六条、八坂、九衛、早乙女さん。7人分だ。だけど、もう一人ぶん・・・一ノ瀬がいた」
- 211 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 19:38:59 ID:???
- 三剣「そして一ノ瀬にぴったりくっつくように、もう一つの気配があるんだ。だから2つも椅子の多いゲームが成立した」
- 212 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:00:07 ID:???
- 三剣「今まで起こっていたことは一見一ノ瀬が起こしているように見えた。けどそれは違う。」
- 213 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:05:45 ID:???
- 三剣「一ノ瀬は今まで起こったこと全てを抑えてくれてたんだ。だからいつも一ノ瀬の気配がそこにあった。俺たちが今まで無事だったのはあいつのおかげだったんだ。」
- 214 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:15:14 ID:???
- そう言った後三剣君は私を見た。「早乙女さん、一ノ瀬が今どこにいるかわかるよね。」
- 215 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:17:25 ID:???
- 私は驚く。・・・一ノ瀬君が、ここにいる?彼にまた会える?
- 216 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:21:46 ID:???
- 彼が死んだと聞いたのは突然だった。10年後に絶対また会おうって約束していたのに逝ってしまった一ノ瀬君。
- 217 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:26:52 ID:???
- 彼の笑顔が好きだった。私を呼ぶ大きな声も。照れるように笑うその仕草も。私はいつの間にか走り出していた。
- 218 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:33:03 ID:???
- 練習の後彼が私に引っ越すと言った時、子供だった私は泣きながら彼を詰った。「一緒にメジャーリーグに行くっていったのに!うそつき!」
- 219 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:37:01 ID:???
- 本当は彼にどこに行って欲しくないだけだったなのにどうにもならないことが悔しくて悲しくて思わず彼にぶつけてしまった。
- 220 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 20:40:50 ID:???
- 彼は私の言葉を何も言わずに聞いていた。そして泣きながらマウンドに佇む私の方にゆっくり歩いてくるとこう言った。
- 221 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 21:19:20 ID:???
- 一ノ瀬「目標が同じなら、絶対にまた会えるから。だから泣くな」
- 222 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 21:21:34 ID:???
- 一ノ瀬「俺たちが全員二十歳になる日・・・またここでみんなで集まろう。それまで、お互い頑張ろう」
- 223 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 21:37:42 ID:???
- 一ノ瀬「それと俺、お前の笑った顔好きなんだからな!」そう言うと私の頬にキスすると照れたように「約束だ。」そう言って私たちは指を絡めた。
- 224 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 21:40:50 ID:???
- 私と彼の約束の場所。一ノ瀬君、私・・・あなたに会いたいよ
- 225 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 23:31:00 ID:???
- 気づけば私は、夜のマウンドまで走ってきていた。
- 226 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/15(月) 21:50:22 ID:???
- 私「一ノ瀬君!一ノ瀬君!!いるんでしょう?」
- 227 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 00:48:46 ID:???
- 私は大声で一ノ瀬君の名前を叫ぶ。しかしマウンドは静寂に包まれたままだ。
- 228 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 07:10:57 ID:???
- あれ?さっき校舎から出れないって言ったのに何で私出れるてるの?
- 229 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 08:44:35 ID:???
- きっと校庭は学校の一部だからだな。と私は一人納得した。
- 230 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 14:54:59 ID:???
- ふいに、後ろから誰かに見られているような視線を感じた
- 231 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 19:25:17 ID:???
- 「一ノ瀬君?!」振り向こうとしたその時
- 232 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 19:45:59 ID:???
- 一ノ瀬「名無・・・子?」視線を感じた逆側から小さいがしっかりした声が聞こえた。懐かしい彼の声・・・。
- 233 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/16(火) 23:56:20 ID:???
- そこには、もう見るはずのない二十歳の一ノ瀬くんが立っていた。
- 234 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 15:56:11 ID:???
- 一ノ瀬「…れ…俺…まだ…生きたかっ…誰か……に……」懸命に何かを訴える彼の声は、ノイズ混じりで途切れる。私「何?何を伝えたいの一ノ瀬くん…!?」
- 235 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:16:45 ID:???
- 私は思わず彼の手を握り締めた。するとどんどん彼の身体がはっきりしていき、手のひらも温かさを取り戻していく。
- 236 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:20:06 ID:???
- そしてとうとう彼の身体は生きている私たちと変わらなくなった。まさかこんなことが起こるなんて。
- 237 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:23:42 ID:???
- 「一ノ瀬君・・・私・・・。」胸がいっぱいで上手く言葉にならない。すると一ノ瀬君の変わらないきらきらした瞳が私を捉えた。
- 238 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:26:05 ID:???
- 「名無子・・・だよな?どうしてここにいるんだ?俺、引っ越したはずじゃ・・・あれ・・・」
- 239 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:29:12 ID:???
- 私「一ノ瀬君?何言ってるの?・・・もしかして、何も覚えていないの?あれから何年もたっていることも?それに・・・」あなた自身事故で死んでしまったことも?
- 240 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:31:48 ID:???
- 一ノ瀬「何年も・・・嘘・・・だろ?俺・・・記憶が無いみたいだ。何もわからない。名無子、俺は何でここにいるんだ?」
- 241 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 20:35:12 ID:???
- 一ノ瀬君に全ての真実を・・・
1、教える
2、彼が既に死んでいるなんて言えない
3、怖いので三剣君に払ってもらう
- 242 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 21:42:23 ID:???
- 1.「信じられないかもしれないけど…」と前置きして、私はこれまで彼に起こったことを全て話した。
- 243 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 23:51:31 ID:???
- 一ノ瀬「嘘だろ?そんなつまんない話やめてくれよ!だいたい・・・」そう言いながら彼は、自分の体を見て驚いた顔をする。
- 244 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/17(水) 23:53:02 ID:???
- 小学校時代、チームでは八坂の次に小柄だった彼は、180を優に超えるほどの長身になっていた。逞しく、長い手足。
- 245 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 01:28:52 ID:???
- 「一ノ瀬」振り返ると三剣君がいた。「そういうわけだ。今は2007年。俺たちは今日、全員20歳になったんだ。お前の誕生日が来たから」
- 246 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 18:00:16 ID:???
- 一ノ瀬「お前・・・三剣か?・・・ははっでっかくなっても飄々としたツラしやがって・・・マジで言ってるんだな?」
- 247 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 18:01:55 ID:???
- 一ノ瀬君は泣き笑いのような表情を見せた後、少し伸びた自分の髪の毛をグシャっと握ると静かにうつむいた。
- 248 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 21:54:34 ID:???
- 私がもし、彼の立場だったら。当然あると思っていた道が自分の前だけなくて、仲間だけが進んでいると知ったら?考えるだけで胸が苦しい。
- 249 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 21:56:47 ID:???
- 三剣「一ノ瀬。なんと言ったらいいかわからないけど、今日お前に出会えたのには理由があると思う」
- 250 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 22:53:16 ID:???
- 私は言う。「私は一ノ瀬君がどういう状態でも大切な友達だと思ってる。今日会えた理由があるとすれば、私が一ノ瀬くんに会いたくてたまらなかったから」
- 251 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/18(木) 22:54:30 ID:???
- 私「みんなだってそう。ずっとあなたに会いたかった。私たちはあなたと一緒にいたい。約束のこの日を、一緒に過ごしたいの」
- 252 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/19(金) 01:06:00 ID:???
- 一ノ瀬君の切れ長の大きな瞳が私と三剣君を順番に見つめる。しばらくの沈黙の後、彼は視線を地面に落として言った。
- 253 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/19(金) 01:07:50 ID:???
- 一ノ瀬「正直、そんなの認めたくないよ。だけど、俺もお前らと一緒にいたい。細かいことは後にして、合流してもいいか?」
- 254 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 00:19:47 ID:???
- 「もちろん」 私は一ノ瀬君の手を取った。大きくて温かい手。死んでしまったなんて考えられないような・・・
- 255 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 00:21:31 ID:???
- 教室へ戻る途中の廊下で、三剣君が私に囁いた。「早乙女さん、忘れないで。一ノ瀬は死んでしまったんだ」
- 256 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 00:27:46 ID:???
- 私はその言葉にはっとする。一ノ瀬君の精悍な横顔を見つめる。わかってる。けれど今日は、この奇跡に感謝したいんだ。
- 257 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 03:34:40 ID:???
- 「…分かってるよ。忘れたくても、忘れられないもの。会えること自体が奇跡、なんて友達、そうそういないもの」 そう言って、私は少し自嘲気味に笑った。
- 258 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 05:41:00 ID:???
- 三剣「それならいいんだ。死者に魅入られた者は闇へ落ちてしまうんだ。気をつけてくれ」
- 259 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 06:57:40 ID:???
- それでも私はこの温かい手を今は離したくない。三剣君が私をすごく心配してくれていることは痛いほどわかる・・・でも
- 260 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 07:00:00 ID:???
- 私が不安そうに一ノ瀬君をみると「ん?どうした」といってにっこり笑って手をぎゅっと握り返してくれる。
- 261 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 12:05:41 ID:???
- 私は何でもない、と言って教室のドアを開けた。みんな、どんな顔をするだろう。
- 262 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 15:14:47 ID:???
- 五島「名無ちゃん!」 二階堂「早乙女、大丈夫だったか?怪我は・・・」歩み寄った二階堂君が私の連れてきた人・・・一ノ瀬君に目を留めた。
- 263 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 15:18:09 ID:???
- 二階堂「お前は・・・・まさか・・・」 一ノ瀬「・・・二階堂か?」
- 264 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 19:17:14 ID:???
- 八坂「一ノ瀬お前ー!生きてたのか!?」九衛「なんやなんやこれ!どうしたんや!」
- 265 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 19:23:59 ID:???
- 六条「どういうことだよ、これ・・・名無ちゃん、三剣、冗談にしても趣味悪すぎるだろ」
- 266 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 20:23:15 ID:???
- 一ノ瀬「冗談じゃない。俺は一ノ瀬だ。南波リトルリーグの投手で三番打者の、一ノ瀬だ」
- 267 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 20:29:02 ID:???
- 「・・・お前が一ノ瀬なら」二階堂君が窓を開け、校庭を見せる。「この窓から、あの的を狙えるかな。本物の一ノ瀬は、10球放っても真ん中に当てられた」
- 268 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 20:38:31 ID:???
- 八坂君がデイパックから硬球を出し、一ノ瀬君に握らせた。一ノ瀬君は縫い目をじっと見つめ、窓際まで寄ると大きく振りかぶった。
- 269 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 21:29:58 ID:???
- 背中を大きく反らす豪快なフォーム。そう、彼はいつも、魂のすべてを込めるような投球をしていた。私はいつもそれがうらやましかった。
- 270 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 21:44:55 ID:???
- その場にいた誰もが目を奪われる投球。彼の放った球は、的の真ん中を捉えた。鋭くまっすぐに、迷うことなく。
- 271 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 21:50:40 ID:???
- 一ノ瀬「何度でも当ててやるよ。」振り返って、不適に微笑む。八坂君がもう一度硬球を探ろうとするのを、二階堂君が止める。
- 272 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 21:52:05 ID:???
- 二階堂「もう充分だ。そのフォームも、その球も・・・一ノ瀬のものだ。お前は、俺たちのエースだ」
- 273 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 21:52:47 ID:???
- 一ノ瀬「俺がほんものだってわかったろ?」一ノ瀬君君がどこか寂しそうに皆に向かって笑いかける。
- 274 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 22:26:24 ID:???
- 四谷「何でお前・・・バケて出て・・・」言いかけた四谷の口を五島がふさぐ。
- 275 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 22:27:18 ID:???
- 五島「まあ、いいじゃないか。一ノ瀬も同窓会に参加しにきたってことじゃないかな。そう、今日はキミのバースデーだろう?」
- 276 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 23:52:51 ID:???
- 八坂「あっ!そうだよな!!ほら、一ノ瀬も来いよ。」八坂はすばやく駆け寄ると、一ノ瀬の後ろに回りこみ、部屋の中へ押した。
- 277 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 23:54:36 ID:???
- 八坂「でもさー、お前、俺と変わんないくらいちっちゃかったのに、もう今10センチは違うな。なんか悔しいぜ」
- 278 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/20(土) 23:55:56 ID:???
- 九衛「・・・アホか。10センチどころか20センチ近いわ。お前165そこそこやんか」
- 279 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 00:03:10 ID:???
- 八坂「166.5だぜ!でも、足だけは誰にも負けねえ。一ノ瀬にもな!なんなら勝負するか?」子犬のようなひとなつっこい笑顔。八坂のこういう明るさに、私たちはいつも救われる。
- 280 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 00:03:22 ID:???
- 「ちょっと待ってよ!」 六条くんが叫ぶ。「こんなのどう考えたっておかしいよ!さっきまで立て続けに変なことが起こってて…僕の服はまだ乾いてもいない。それで一ノ瀬の存在を受け入れろって?」
- 281 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 00:29:16 ID:???
- 三剣「落ち着け六条。俺には考えがある」教室に入り、後ろ手にドアを閉めながら三剣君が表情も変えずに言う。
- 282 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 00:30:48 ID:???
- 三剣「この校舎には禍々しい呪いのようなものが立ち込めている。それを抑えてくれているのは一ノ瀬なんだ。もしものことがあったとして、対抗できるのは一ノ瀬しかない」
- 283 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 00:32:14 ID:???
- 三剣君はすっと一ノ瀬君のほうを向き直ると言った。「利用、っていう言い方はよくないけど、俺たちが助かるためにはきっとお前の力が必要なんだ」
- 284 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 01:12:39 ID:???
- 一ノ瀬はじっと三剣を見つめたあと、軽く息を吐いた。「ああ、それは何となく感じてる。まだはっきりとは思い出せないけどな。俺がここにいる理由……もうこの世に存在しない俺が…」
- 285 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 01:58:07 ID:???
- 「お、俺・・・」それまで黙っていた四谷が口を開く。「オバケとか幽霊とか、ダメなんだけど・・・一ノ瀬は、そんな感じがしない」
- 286 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 05:36:40 ID:???
- 「オレ酷いこといってごめんな!」そういって涙目になりながら四谷は一ノ瀬に抱きつく。
- 287 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 05:38:01 ID:???
- びっくりしながらも一ノ瀬は「いいよ」と笑ってぽんぽんっと四谷の頭を軽く叩いた
- 288 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 11:53:54 ID:???
- 六条はそんな二人と三剣の顔を見比べてうつむいている。私は六条に聞く。「一ノ瀬君が怖い?」
- 289 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 11:55:29 ID:???
- 六条「・・・僕こういう説明のつかないようなことが苦手で、混乱してるんだ。別に怖いとか、一ノ瀬が嫌いとかじゃないよ」
- 290 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 12:07:57 ID:???
- 暗幕に包まった六条君は青ざめた顔をしている。無理もない。来て早々、トイレで怖い目にあい、理科室では関節を外されて流しにつめこまれてしまったのだ。
- 291 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 12:12:18 ID:???
- 私「ごめんね、理科室のこと。一人で怖かったでしょ?」 六条「ううん。…名無ちゃん優しいね。昔からそうだったね」
- 292 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 12:53:22 ID:???
- 私「だって六条君は大事なチームメイトだもん!私だって六条君にはいつも助けてもらってたし!」
- 293 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 12:56:24 ID:???
- そう、一見小心に見えるこの冷静さが、彼のセカンドとしての資質。どこに球をさばけばいいのか、瞬時に見分けられる。
- 294 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 12:58:32 ID:???
- 六条「そうだよね・・・チームメイト・・・だからだよね。・・・そろそろ服、着てくるよ」彼は私から目をそらすと、隅のほうへ行ってしまった。
- 295 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 13:11:38 ID:???
- 二階堂「だけどよ、三剣は何でそんなこと知ってんだ?一ノ瀬が現れる前も、何かおかしなこと言ってたよな。確か…もうひとつの気配がどうとか」
- 296 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 13:38:23 ID:???
- 三剣「俺の家は妖怪や霊を退治する家系にある。苗字は三種の神器、草薙の剣によるものだ。お前たちからすれば気味が悪いかもしれないが、・・・俺も見えるんだ」
- 297 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 14:40:57 ID:???
- 八坂「あ!もしかしてあの寺、三剣んち?配達のときいつも通ってくんだけど、縁の下で三剣がいつも猫と遊んでるの見るよ俺!」
- 298 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 14:42:44 ID:???
- 三剣「ああ・・・あの寺だ。・・・遊んでるというか、猫はどうしても入ってきてしまうんだ。仕方がないだろ」表情は変わらないが少し赤くなったように見える。
- 299 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 15:08:58 ID:???
- これまでのあらすじ
早乙女名無子は「南波リトルリーグ」の出身のメンバーでの同窓会のため、出身の小学校へ訪れた。
そこで数々の怪奇現象が起こる。それはいずれも死んでしまったエース・一ノ瀬の影を思わせるものばかり。
しかし霊感のあるメンバーの三剣は、一連の事件は一ノ瀬のせいではなく、
もっと大きな力のためであり、一ノ瀬はそれを抑えてくれているのだという。
名無子が呼びかけると、死んだはずの一ノ瀬が復活。素直に再会を喜ぶ名無子に対して
三剣は一ノ瀬を「学校の呪いに対抗するための力」として考えていると言う。
メンバーたちはそれぞれの想いを抱えながらも、
一ノ瀬を受け入れて学校の呪いに立ち向かおうとするが・・・。
早乙女 名無子・・・投手。変化球が得意。主人公。
一ノ瀬・・・投手。ストレートに定評がある。明るい人気者。野球の推薦で大学に入るが事故死。
二階堂・・・捕手。学校一の秀才。現在は地元の医大でスポーツ医学を専攻。眼鏡がトレードマーク。
三剣 ・・・三塁手。四番打者。飄々としたクールな性格。東京の大学生だが、本業はゴーストハンター。
四谷 ・・・左翼手。涙もろくやや小心でアクションが大きいお調子者。
五島 ・・・遊撃手。細やかな気遣いと優しい物腰で、少しキザ。長い髪の毛が自慢らしい。
六条 ・・・二塁手。慎重で超常現象などは苦手。来て早々間接を外されるなど色々不憫な人。
七原 ・・・一塁手。幹事の八坂に忘れられてしまったため、同窓会に不参加。
八坂 ・・・中堅手。小柄だがチーム一の俊足を誇る。脳天気で人懐っこい。実家は酒屋。
九衛 ・・・右翼手。軽いノリで単独行動を好み、サボりぐせがあるらしい。関西弁。
- 300 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 16:08:30 ID:???
- 二階堂「俺は、幽霊とかそういったものは信じないよ。一ノ瀬のことも、この目で見てなきゃ信じてないね。だけど一ノ瀬。お前がそういう存在だって言うなら」
- 301 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 16:09:43 ID:???
- 二階堂「この学校から俺たちを出さない力ってなんだ?何が原因だと思う?」
- 302 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 18:32:11 ID:???
- 「俺にも漠然としかわかんないけど、たぶん」自分の鼻先でも見るような目つきで考え込んだあと、一ノ瀬君は視線を上げて言う。
- 303 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 18:34:54 ID:???
- 一ノ瀬「もっと長くからこの場所にいたような・・・それが目覚めさせられて怒っているような、そんな力だ」
- 304 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 18:56:16 ID:???
- 三剣「そうだね。それでいてすごく悲しい感情と凄まじい恨みを感じる。本当は今皆が無事なのは奇跡みたいなものだよ。」
- 305 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 19:01:12 ID:???
- 三剣「一ノ瀬、今は自覚が無いかもしれないが皆を守ってくれていたのは紛れもなくお前だ。けど俺たちはなんとしても生きてここから出ていかなければならない。」
- 306 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 19:05:20 ID:???
- 私はその言葉を聞いて三剣君を冷淡な人だと思った。死を自覚仕切れていない一ノ瀬君に追い討ちをかけるような言葉をあんな冷静に吐けるなんて。しかし三剣君は少しも一ノ瀬君から視線を逸らさなかった。
- 307 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 19:22:51 ID:???
- 「俺は誰も失いたくない。」最後にそういった三剣君の瞳にはとても強い光が宿っているように私には見えた。
- 308 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 19:45:10 ID:???
- 九衛「そんなら、その原因ちゅう奴はどこにおんねん。ちゃちゃっと払って、家に帰してえな」茶化すような、手品が始まるのを待つ子供のような顔だ。
- 309 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 20:36:37 ID:???
- 三剣「体育館」 一ノ瀬「音楽室と・・・プール」 いくつかあるみたい。どこに行こう?
1.体育館
2.音楽室
3.プール
- 310 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/21(日) 23:37:44 ID:???
- 1.この教室から一番近い体育館へ向かおう。バラバラになるのは危険かもしれないとの事で、私達はぞろぞろと教室を出た。
- 311 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 00:11:49 ID:???
- 八坂「一ノ瀬一ノ瀬!あとで競争しようぜ」 二階堂「八坂、遊びに来たんじゃないだろう。一ノ瀬も困ってるじゃないか」 八坂「だってさ、他の奴らじゃ相手になんないし」
- 312 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 00:13:37 ID:???
- 一ノ瀬「ああ、いいよ。八坂は元気だな・・・俺は見ての通りだけど、今は何やってるんだ?」 八坂「オレは実家の酒屋の手伝い!あ、でも野球もやってるよ。商店街のチームでね」
- 313 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 00:17:24 ID:???
- 一ノ瀬「他の奴らは?」 五島「ボクは美大で写真を専攻してるよ。大学からはテニスをはじめたんだ」 一ノ瀬「合ってるかもな。お前のイメージにも、瞬発力にも」
- 314 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 00:24:33 ID:???
- 一ノ瀬「早乙女は?もう結婚とかしちゃった?」 私「まさか!地元の大学生だよ。野球は・・・やめちゃった」 そういうと一ノ瀬くんは少し寂しそうな顔をした。
- 315 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 00:40:34 ID:???
- だって仕方がないじゃない。シニアは私を受け入れてくれなかったし、ソフトボールもしっくり来ない。ソフトをやっても、メジャーリーグなんか行けない。そんなの意味ない…。
- 316 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 00:43:56 ID:???
- 二階堂君が私の表情を察して口を開く。「それぞれ理由があるんだよ。でも今も野球は好きだよ。それは変わらない」
- 317 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 09:11:13 ID:???
- 九衛「俺も今は野球やってへん。仕事が忙しいっちゅーのもあるけど、メンバーが集まらんのもある。たまに思うんや。またこのメンバーで出来たら…なんてな」
- 318 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 21:08:31 ID:???
- 毎日ボールが見えなくなるまで練習していた。野球をしなくなる日が来るなんて、あの頃は考えもしなかった。
- 319 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 21:30:28 ID:???
- 私たちは全員二十歳を超えた。本気で野球をやっている者など、この場には一人もいない。私たちは大人になったのだ。ただ一人、一ノ瀬くんを除いて。
- 320 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 22:10:03 ID:???
- 速くて強い球。誰にでも好かれる性格。いつも彼は私の羨望の的だ。・・・こんなときでさえも。
- 321 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 22:12:25 ID:???
- 「早乙女?」 二階堂君が私を覗き込んでいる。私は笑顔を作って何でもない、と言う。そう、今はこんなことを考えているときじゃないんだ。
- 322 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 23:20:15 ID:???
- そして私達は体育館の前に着いた。当然ながら、扉には鍵がかかっていて入れそうにない。私は一ノ瀬くんと三剣くんに聞いた。「…何もなさそうだけど、二人は何か感じる?」
- 323 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/22(月) 23:58:42 ID:???
- 三剣「引きずられるみたいな嫌な感じがする」 一ノ瀬「・・・誰かいると思う。なんとなく」
- 324 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 00:02:26 ID:???
- 九衛「中に入るなら俺に任せてえな」 そういうと九衛は助走をつけて高く飛び上がり、扉の上部にある窓枠につかまった。
- 325 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 00:04:54 ID:???
- 九衛「垂直飛びなら負けへん」彼はダラダラしてるようでも、フェンス際の捕球は得意だった。そのおかげで何度も私たちは失点を防ぐことができた。
- 326 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 00:07:51 ID:???
- 「せっ・・・」懸垂の要領で腕を曲げ、小窓を数回引く。はめ殺しではないようで、埃をたてながらも窓は開いた。
- 327 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 00:09:13 ID:???
- 九衛「八坂、出番や。肩車するからあの窓から中に入ってカギ開けてくれへん?」
- 328 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 00:11:13 ID:???
- 八坂「ええっ俺?なんでだよ!」九衛「あの窓通れるんジブンだけやねん」八坂「名無子のほうがちっちゃいだろ!」九衛「女の子はいろんなとこがつっかえるねんて!」
- 329 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 00:12:57 ID:???
- 私は九衛の顔を左右に思い切り引っ張り黙らせた。まったくとんでもないセクハラ野郎だ。
- 330 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 07:32:53 ID:???
- 八坂「確かに、女にそんなことさせられねーか。よしっ」 八坂は九衛の肩に掴まると、ひょいっと背中を乗り越え、窓枠を乗り越えていった。身軽なのは変わってないらしい。
- 331 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 21:31:11 ID:???
- 内側からカタン、という音がして扉が開き、子犬のような表情で八坂が現れる。「へへー。どうぞ」
- 332 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 21:33:13 ID:???
- 九衛「おー開いたな。開かんかったら閉じ込められるとこやったけど、よかったな」 八坂「お、お前!ざっけんなよ!!」
- 333 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 22:04:54 ID:???
- 九衛はカラカラ笑って八坂のパンチを受け止める。昔から一見ヤンキーのような外見をしている九衛だがこの中で一番長身な上喧嘩も強かった。
- 334 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 22:07:50 ID:???
- 学校でも番長のような存在だった彼だが、私には九衛君は野球をしているときが一番純粋に楽しそうだった。
- 335 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 22:30:58 ID:???
- 九衛は、大阪から転校してきてしばらく友達もできず、ずっと一人でいたのだが監督の紹介でリトルリーグに来ることになった。
- 336 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 22:32:29 ID:???
- 練習が嫌いでいつもどこかに行ってしまう九衛は、六条や四谷とはソリが合わず、なにかと衝突することが多かった。
- 337 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 22:35:21 ID:???
- 最初はダルそうに練習に参加していた九衛だったが、試合で最初にフライをとった日から、何かのスイッチが入ったかのようにめきめきと上達していった。
- 338 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 22:39:30 ID:???
- 「野球・・・楽しいもんやなぁー・・・」 子供のくせに亜麻色に脱色した髪が、風に揺れていた。あの日の嬉しそうな顔を、私は今も思い出せる。
- 339 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/23(火) 23:19:45 ID:???
- 四谷「おーい、誰か・・・いるかぁー・・・」おそるおそる扉を覗き込んだところを八坂君が「ホラ早く入っちゃえよ!」と内側から引きずり込む。
- 340 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 00:26:47 ID:???
- 体育館の中は真っ暗で、電気もつかない状態だった。何も見えない上ひどく埃っぽく、私は入ったことを少し後悔した。
- 341 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 01:45:36 ID:???
- 三剣「誰か、閉じ込められないように扉を支えておいてくれ。あと、早乙女はここから動くな。入り口近くで、いつでも逃げられるようにしておくんだ」
- 342 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 17:07:29 ID:???
- 本当に大丈夫なの・・・?私はとても彼らのことが心配になり思わず三剣君の袖を掴んだ。
- 343 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 18:56:32 ID:???
- 三剣「俺は心配ない。慣れてるし。・・・扉は、一ノ瀬がいいかな。霊的な力で閉じ込められそうになったら、対抗できるのは一ノ瀬しかいないし」
- 344 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 19:31:02 ID:???
- 三剣「あと一人くらいいるかな。もしものときには一ノ瀬を呼びたいし。どうする?」
誰を選ぶ?
1.二階堂
2.八坂
3.それ以外で選ぶ
- 345 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 20:05:59 ID:???
- 1.3人で話す機会なんかないもん。やっぱり二階堂君にしよう。
- 346 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/24(水) 22:35:15 ID:???
- 大騒ぎしながら三剣君たちは体育館の奥の方へ消えていった。私たちは三人で顔を見合わせる。
- 347 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/25(木) 00:12:18 ID:???
- 一ノ瀬「久しぶり・・・だな、二階堂」 歯切れが悪い。無理もない。かつての親友はすでにこの世の人ではないのに、今こうして再会しているのは奇妙としか言いようがない。
- 348 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/25(木) 20:57:08 ID:???
- 「あぁ」二階堂君は短く返事をして一ノ瀬君をチラリと見ると、すぐに黙ってしまった。 一ノ瀬「お前は?お前も野球は・・・」
- 349 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/25(木) 21:05:34 ID:???
- 二階堂「腰を痛めたんだ。中学の野球部のトレーニングが適切じゃなくて」手持ち無沙汰な様子で彼は眼鏡を服のすそで拭いた。
- 350 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/25(木) 21:14:18 ID:???
- 二階堂「それに、あの学校には球を受けたいと思えるような選手がいなかったし」私立の進学校に行ったと聞いていたけど、あまり楽しくなかったのかな・・・。
- 351 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/25(木) 22:01:09 ID:???
- 「ま、色々あってさ。俺みたいにトレーニングでダメになっちまう選手を出さないよう、今は頑張って勉強してるってところだ」 二階堂は気を取り直したように、明るく言った。
- 352 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 00:55:05 ID:???
- 二階堂「なあ一ノ瀬。お前と離れてからもう随分経って、俺たちは状況も体も、全部変わっちゃったけど、みんなそれぞれ一生懸命なんだ。だからがっかりしないで欲しい」
- 353 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 00:58:32 ID:???
- 一ノ瀬くんは少し驚いたような顔をして、ため息をつくように言った。「俺だって、まさか全員プロになってるなんて思ってなかったよ」
- 354 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 01:00:12 ID:???
- 一ノ瀬「でも俺、悔しくて。お前みたいに判断力も基礎体力もあるヤツが、俺の知らない間に野球ができなくなってるなんて」
- 355 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 01:03:30 ID:???
- 一ノ瀬くんは、見た目は大人でも、未だに野球が世界の中心だったあのころのままだ。だからこそ割り切れてしまう私たちが納得できなくて苦しいのだろう。
- 356 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 01:07:56 ID:???
- 私「ねえ一ノ瀬くん。・・・野球じゃ3割打てば強打者だよね。もちろん、全部打って全部ホームランに越したことないけど」
- 357 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 01:08:59 ID:???
- 私「かなわなかった希望に折り合いをつけて、少し近いところで満足する幸せってあると、私は思うよ」
- 358 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/26(金) 10:05:19 ID:???
- そのとき、体育館の奥から声が響いた。「おーい!一ノ瀬、ちょっと来てくれ!!」
- 359 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/27(土) 00:16:56 ID:???
- 「じゃ、ちょっと行ってくる。二階堂、早乙女頼むな」 暗がりへ足を進める一ノ瀬君の背中を見送りながら、私はふと言いようのない不安に襲われた。…さっき一ノ瀬君を呼んだ声は一体誰だった?
- 360 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/27(土) 02:54:09 ID:???
- 私「二階堂く・・・」確認しようと二階堂君に話しかけると、ふいに彼は私を抱きしめて床へ伏せた。驚いているとすぐ側に弓道に使う弓のようなものが刺さっている。
- 361 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/27(土) 13:28:01 ID:???
- 私「これ・・・」 二階堂「しっ!また来る」弓がつぎつぎと姿勢を低くした私たちの周りに刺さる。私は二階堂君にぎゅっとつかまったまま、目を凝らして暗闇の中を見た。
- 362 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/27(土) 20:28:55 ID:???
- 静けさに包まれた奥では何が起こっているのだろう。二階堂君の腕に力が篭った。「…こんなの尋常じゃねえよ。矢ならともかく、弓が刺さってんだぞ。人間の力じゃ普通ありえねえ」
- 363 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 00:23:37 ID:???
- 暗闇の中から、馬に乗った若武者のような子供が青白い光を放ちながら現れた。・・・これ、どこかで見たような気がするんだけど・・・
- 364 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 00:24:44 ID:???
- 二階堂「那須与一だ」そういえば、私たちの学芸会の演目にそういうのがあったような。・・・この顔、知ってる。でも誰だっけ・・・。
- 365 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 00:26:26 ID:???
- 二階堂「那須与一は一ノ瀬がやった」 私「でもこの子、一ノ瀬君じゃないじゃない」
- 366 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 00:27:36 ID:???
- 三剣「覚えてないかな。一ノ瀬は代役。本来の主役があまりにも弓が下手で、運動神経のいい一ノ瀬が抜擢されたんだ」 じゃあ、この子は?
- 367 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 00:29:14 ID:???
- 気づくと三剣君がすぐそこまで戻ってきていた。三剣「今、俺が祓うよ。二階堂、早乙女さんをしっかりかばっていてくれ」
- 368 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 13:53:57 ID:???
- 三剣君が呪文を唱えだすと、彼の手元が光りだし、暗闇だったあたり一面を照らした。神経質な印象のする彼の整った顔が浮かび上がる。
- 369 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 18:27:07 ID:qCuU1Nxf
- 若武者の顔は暗くて誰か分からないが、また弓を構え狙いを定めた
- 370 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 21:36:05 ID:???
- 鈍く光る矢が向いている先には一ノ瀬君がいた。狙いは一ノ瀬君なのだろうか? 私は矢が突き刺さった場所を見る。私達から少しずれたその場所は、一ノ瀬君が立っていたところだった。
- 371 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 21:43:10 ID:???
- このままでは三剣君が祓う前に一ノ瀬君にあたってしまう。
- 372 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 21:45:51 ID:???
- 「一ノ瀬君っ危ない!!」体が勝手に動いて私は一ノ瀬君を庇うように突き飛ばした。直後、肩に鋭い痛みが走る。
- 373 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:03:41 ID:???
- 「早乙女さん!」三剣くんが詠唱をしながらふいに私のほうを見る。 私「ダメ!ちゃんと見て!!」 若武者は三剣君に狙いを定めている。
- 374 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:16:32 ID:???
- 三剣「邪魔だっ!」三剣君は若武者を先ほどとは比べ物にならないくらい大きな光で薙ぎ払った。若武者はこの世のものとは思えないような悲鳴を上げて消えた。
- 375 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:21:49 ID:???
- 荒い息を繰り返す三剣君は振り向いて私の無事を確認すると本当に安心したように息を吐いた。
- 376 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:24:43 ID:???
- 三剣「二階堂、早乙女さんの傷を。」二階堂君はもちろんだとばかりに私の方に駆け寄って来てくれた。
- 377 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:28:19 ID:???
- 私は上着とカーディガンを脱いでキャミソールだけになった。二階堂君が赤くなったので、「下着じゃないから大丈夫だよ」と言った。
- 378 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:32:33 ID:???
- 「早乙女」呼ばれたのでふと見上げると一ノ瀬君が立っていた。 一ノ瀬「なんで俺をかばった?」
- 379 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:34:19 ID:???
- 一ノ瀬君の声が震えている。そんなの・・・理由なんてないよ。ただ・・・
- 380 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:36:16 ID:???
- 私「なんでって・・・」 一ノ瀬「俺はもう死んでるんだ!それなのになんでかばったりするんだよ。俺なんか撃たれたっていいんだよ!」
- 381 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:41:25 ID:???
- 私「あの・・・あの矢には・・・ものすごい悪意を感じたの。だから、それに撃たれたら・・・一ノ瀬君、またいなくなっちゃうって思った」
- 382 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:43:44 ID:???
- 私「もう会えないって思ったときの絶望感、わかんない?二回もあんな想いしたくない。私もう、一ノ瀬君に会えなくなるのイヤだよ!それがそんなにおかしい?」
- 383 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:46:07 ID:???
- 皆が静まり返る中、私は泣きそうな一ノ瀬君を見て熱いものがこみ上げてくるようだった。「一ノ瀬君のバカっ・・・いいわけ・・・ないじゃない。」
- 384 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/28(日) 22:49:45 ID:???
- 言いながら涙が止まらなくなる。二階堂君は私の頭をゆっくりとなで、一ノ瀬君に言う。「俺も同じ気持ちだ。お前をもう失いたくない。たとえ実体がなくても、大事な友達だから」
- 385 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 00:12:07 ID:???
- 五島「みんなそう思ってるんだよ、一ノ瀬。ボクだってあの距離にいたら同じようにしたさ。だからそんな風に言わないでもらえるかな」
- 386 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 00:14:40 ID:???
- 真っ赤な顔をして一ノ瀬君が拳を握り締め、絞り出すような声で言った。「わかったよ・・・みんなありがとう。俺、どうかしてた。もう死んじまってることに卑屈になってたんだ」
- 387 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 00:54:11 ID:???
- 「まあまあ、気にすんなや。にくいなあ人気者」九衛が一ノ瀬の背中をパンパン、と叩く。「・・・それにしても」
- 388 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 00:56:28 ID:???
- 九衛「二階堂は役得やなー。名無子ちゃんにあんなにくっつけて。正直うらやましいわ」 二階堂「お前・・・!」 二階堂君は何か言いかけて口を閉じ、私のほうを見た。
- 389 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 00:59:38 ID:???
- 二階堂「・・・ああ、役得だったな。小さくて柔らかくていい匂いがした」 眼鏡のブリッジを押さえながら、一ノ瀬君と三剣君を見る。その顔は少し笑ったように見えた。
- 390 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 01:12:26 ID:???
- 「でも、二度とこんな無茶はしないでくれ。・・・いや、あいつの狙いが分からなかった俺の責任だな」 三剣君は私の肩をちらりと見た後、わずかに俯いた。「ごめん、早乙女さん」
- 391 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 01:46:32 ID:???
- 二階堂「一連の現象で思ったんだが・・・一ノ瀬を恨んでいる誰かの仕業じゃないだろうか」
- 392 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 01:49:00 ID:???
- 私「一ノ瀬君は恨まれるような人じゃ・・・」 三剣「いや、一ノ瀬は運動神経もいいし、かなり目立ってた。ありえない話じゃないな」
- 393 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 02:21:21 ID:???
- 六条「一ノ瀬自身は恨まれるようなことしてなくても、逆恨みする奴はいるもんだ。・・・一ノ瀬は野球推薦で名門大学に入ったからな。そっち関係か?」
- 394 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 05:57:39 ID:???
- 一ノ瀬「いや、正直わからない。けど俺が恨まれてこんなことになっているなら俺の責任だ。」
- 395 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 06:07:42 ID:???
- 落ち込む一ノ瀬君を慰めながら私たちはまた一旦教室に戻ることにした。
- 396 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 06:10:45 ID:???
- その途中で私は皆から一人離れていく三剣君の姿を見た。皆は気がついていないみたい。
- 397 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 06:13:37 ID:???
- 四谷「名無子・・・ちょっと話があるんだけど・・・」そのとき四谷君に呼び止められた。
- 398 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 06:17:07 ID:???
- どうしよう・・・
1、三剣君を追いかける
2、四谷君の話を聞く
3、二人ともどうでもいいや
1、
- 399 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 08:08:32 ID:???
- 1,気になる。三剣君を追いかけよう。四谷君ごめん!
- 400 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 11:22:58 ID:???
- 何となく声をかけそびれたまま、三剣君の後をこっそりついていく。彼の足には迷いがない。目的地は決まっているようだった。
- 401 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 11:28:50 ID:???
- 一目につかない体育館の裏についたとたん彼の体がグラっと傾いた。そのまま壁を背にずるずると座り込む三剣君。
- 402 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 11:37:59 ID:???
- 「三剣君!」私は急いで彼の傍に駆け寄った。三剣「早乙女…さん?」彼はいつものように無表情だったが顔色が悪く冷汗をかいていた。
- 403 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 11:58:31 ID:???
- 「三剣君・・・どうして?」三剣「何が?」三剣君は本当に何でもないように聞いてくる。私「何が、じゃないよ・・・我慢してたんだね。」
- 404 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 12:37:27 ID:???
- 三剣「大丈夫、いつものことだから。」いつもって…いつもそうやって苦しむの?私「霊を祓ったからなの?」
- 405 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 12:43:27 ID:???
- 三剣「…三剣の家はずっとそういう家系なんだ。霊を祓う力を使う代わりに自らの命を削る。でもそれは誰かがやらなければならないことだ。」
- 406 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 14:11:36 ID:???
- 私「どうして!どうして三剣君がやらなければならないの?こんなにボロボロになって・・・」私は汗を拭うためハンカチを三剣君の頬に当てた。
- 407 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 14:17:05 ID:???
- 三剣「俺は本家の嫡男で、今は当主だから。春に母が死んでもう三剣は分家を除いて俺しかいないから。」
- 408 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 14:21:23 ID:???
- そう言うと三剣君はそっと私の手を取り頬からハンカチを外した。三剣「汚れる。」
- 409 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 15:47:41 ID:???
- 私は八坂君の言葉を思い返していた。一人縁側で猫とじゃれていたという三剣君。私は元気だった三剣君の厳格なお父さんと美人なお母さんのこともよく覚えている。
- 410 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 15:51:56 ID:???
- こんな短い間に彼は全てを失って、一人ぼっちで自分の命を削りながらも闘っているんだ。
- 411 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 21:09:54 ID:???
- 私「で、でもさっきので霊はもう払ったんだよね。もう大丈夫なんでしょ?」 そうであってほしい……と願いながら、三剣君の顔を見た。これ以上、彼に負担をかけたくない。
- 412 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 21:17:03 ID:???
- 三剣「悪い念が分散して、まだ残っている。さっき言った、プールと音楽室にも」
- 413 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 21:26:07 ID:???
- 三剣「それを全部倒さなければ、この校舎の呪いは晴れない。一ノ瀬が現世に引き戻されたのは、その呪いを解くためだ。奴が原因でもあって、呪いを解く鍵でもあるんだ」
- 414 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 21:27:42 ID:???
- 三剣「君は、一ノ瀬と再会できて喜んでいるようだけど、深入りしないほうがいい。なぜなら、すべての呪いを解いたとき、…一ノ瀬は消えてしまうから」
- 415 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 21:33:19 ID:???
- 三剣「もう一度言っておく。死者に魅入られたものは、闇へ落ちてしまう。俺も救えない、深い心の闇の中へ」
- 416 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 22:03:30 ID:???
- 彼は辛そうに私の肩の傷に視線を落とす、「心臓、凍るかと思った、また失うかと。早乙女さんが一ノ瀬を失うのが怖いように、俺も君を失うのがすごく怖い。」
- 417 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 22:32:13 ID:???
- 三剣「もう傷つけさせたりしない、早乙女さんも皆も生きてここから出なければいけないんだ。」
- 418 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 22:33:54 ID:???
- じゃあ、あなたは・・・?私「・・・三剣君はどうなるの?」
- 419 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 22:43:13 ID:???
- 三剣「俺はもう長く生きられない。」彼はそういうと何の言葉も出ない私に戻ろう、と言って手を差し伸べる。
- 420 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 22:46:38 ID:???
- 三剣君の線の細い顔は、何度もデッサンを重ねられたように丁寧な美しさだ。男の子にしては長い睫毛が、頬に影を落としている。話のせいか、今はいっそう儚く見える。
- 421 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 22:55:51 ID:???
- 私はその手を取る事ができなかった。取ってしまえば、その言葉が本当になってしまう気がして。
- 422 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:01:02 ID:???
- 誰もいなくならないで欲しい。誰一人欠けたくない。三剣君も、一ノ瀬君も。私に今、できることはなんだろう・・・
- 423 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:05:30 ID:???
- 三剣「そんな顔をしないで欲しい」 三剣君が私の髪をなでる。私はその大きな手の心地よさに目を閉じる。守られるような、あたたかい手。
- 424 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:06:50 ID:???
- 私はそっと視線をあげて、彼の顔を見た。「私には、何もできないのかな?守ってもらうだけなんて、悔しい」
- 425 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:09:13 ID:???
- 三剣君はこちらをじっと見つめると、私の髪を撫でていた手を首元まで滑らせ、私の顔を引き寄せ―キスをした。
- 426 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:47:06 ID:???
- 私「…三剣君?」 三剣「悪い。言葉にならなかったんだ」
- 427 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:49:39 ID:???
- 私は三剣君を大切に思っている。失うと思うと胸が張り裂けそうだけど、でも恋と呼べるかはわからない。
- 428 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:52:55 ID:???
- 三剣「側にいて欲しい。俺の手の届かないところに行かないで欲しい」彼はゆっくりと私の背に手を回すと、包み込むように抱きしめる。
- 429 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/29(月) 23:56:19 ID:???
- 私の中で、複雑な気持ちが渦巻いた。友情のような、愛情のような、あるいは先が短いという彼への同情のような。だから私は、抱きしめるその腕をほどくことができなかった。
- 430 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 00:06:29 ID:???
- 初恋の人・・・一ノ瀬君が戻ってきているから?でも、彼はもうこの世の人ではない。”死者に魅入られた者は闇へ堕ちてしまう”三剣君の言葉が胸に刺さる。
- 431 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 01:19:21 ID:???
- たとえようもない不安と心の痛み。三剣君の胸の鼓動と温もり。心地よさと苦しさの間でどうしたらいいかわからず、その晩は彼に抱きしめられたまま、朝を迎えた。
- 432 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 18:06:08 ID:???
- 眩しい朝日で目が覚める。あ・・・昨日私寝ちゃったんだ。
- 433 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 18:08:22 ID:???
- 肌寒いはずの朝なのに温かいぬくもりを感じて見てみると、三剣君が私を包み込むように後ろから抱きしめて眠っていた。
- 434 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:42:11 ID:???
- 「ん・・・」私が動いたからか、三剣君を起こしてしまったみたい。包み込んでいてくれた腕がゆっくりとほどけ、体が朝の冷気に晒される。
- 435 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:44:46 ID:???
- 三剣「おはよう、・・・早乙女さん・・・?」少し寝ぼけているみたい。 私「・・・おはよう」 私は昨晩のことを思い出してしまい、振り向けないでいる。
- 436 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:48:32 ID:???
- 一ノ瀬君は呪いを解けば消えてしまうこと。三剣君の命が短いのを知ったこと。・・・三剣君にキスをされたこと。どんな顔をしていいかわからない。
- 437 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:51:35 ID:???
- 三剣「昨日はごめん。その・・・ごめん。早乙女さんの気持ちを無視するようなことして」
- 438 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:53:50 ID:???
- 起きたてのガラガラ声で、一生懸命言葉を紡いでいく。「怖かっただろ・・・?俺、どうかしてた」
- 439 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:55:47 ID:???
- 「・・・怖くないよ」私は前を向いたまま言った。 「三剣君を怖がったり、嫌いになったりするはずないじゃない」
- 440 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 20:59:00 ID:???
- この気持ちは恋ではないと思う。けれど、私は彼を突き放せない。
- 441 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/30(火) 21:03:00 ID:???
- 彼のためなのか、自分のためなのか・・・いくら考えても答えはでない。ただ、私は今、三剣君の側にいよう。彼の望むとおりに。
- 442 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 00:56:55 ID:???
- 三剣君は一瞬辛そうな顔をしたあと少し微笑みながらこういった。「ありがとう、もうその言葉だけで十分だから。」
- 443 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 01:04:28 ID:???
- 行こう、と言って今度は私の手を迷わず取ると彼は教室に向けて歩き出す。
- 444 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 01:12:09 ID:???
- 教室の前に着いたとき彼は突然口を開いた。「昨日俺が言ったこと忘れて」
- 445 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 01:26:04 ID:???
- 三剣君はこっちを見ないまま続ける。「俺のそばじゃなくてもいいから。」それは・・・どういう意味?と私が聞く前に繋いでいた手は空しく離され、教室のドアが開いた。
- 446 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 06:41:51 ID:???
- 二階堂「おまえら、どこ行ってたんだよ!! 何ともないのか? 急にいなくなるから心配してたんだぞ」
- 447 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 20:48:18 ID:???
- 私「ごめんなさ・・・」九衛「二階堂、ヤボなこと聞いたらあかん。大人の男女が二人で消えたんや。察しろや」
- 448 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 20:55:45 ID:???
- 「・・・いい加減にしろよ」教室の隅から押し殺すような声がした。六条君だ。
- 449 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 20:57:08 ID:???
- 六条「よくそんな冗談言えるな、九衛。空気読めよ。こんなときくらいもっと真面目になれよ!!」
- 450 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 20:58:35 ID:???
- 九衛「断頭台のユーモアも必要やんか、そないに怒らんでも」 六条「断頭台!?僕たちが死ぬっていうのか、冗談じゃない!」
- 451 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:01:56 ID:???
- 六条君は九衛君につかみかかり、今にも殴りかかろうとしている。冷静な六条君の目が充血していた。
- 452 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:03:59 ID:???
- 「誰も死なせはしない」 三剣君の声が重く響く。そして彼は皆に向かって、軽く頭を下げた。「・・・すまない。元はと言えば、単独行動を取った俺のせいだ。軽率だったよ」
- 453 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:07:28 ID:???
- 九衛「・・・何や、やるんか六条?そっちがその気なら相手になってやってもええで。」九衛君の口元から笑みが消えた。
- 454 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:15:24 ID:???
- 私「やめて!やめてよ。謝るからケンカなんか・・・」 二階堂「・・・三剣。早乙女と何をしてたんだ?」
- 455 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:16:28 ID:???
- 二階堂くんは眉間にしわを寄せて三剣君を睨みつけている。「もし早乙女に何かおかしなことをしてたら、俺はお前を許さない」
- 456 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:19:30 ID:???
- 三剣君は私を一瞬見て、目を合わせる前にもう一度二階堂君に向き直った。「気分が悪くなったんだ。早乙女さんは俺の様子を見ていてくれた」
- 457 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:42:41 ID:???
- 二階堂「じゃあ何もないんだな?」 三剣「・・・ああ、何もないよ」
- 458 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 21:43:40 ID:???
- 八坂「そうだよなー、お前オバケ退治したもんな!カッコよかったぜ!あんなの疲れるに決まってるよなー!!」
- 459 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 23:49:52 ID:???
- そんなやりとりの横で、一ノ瀬君が自分の手をしきりに握ったり開いたりしている。 私「どうしたの?」
- 460 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 23:50:38 ID:???
- 一ノ瀬「うん?…何か、一瞬手の先が透けて見えたような気がしたんだ。気のせいだった」
- 461 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 23:52:33 ID:???
- 私はどきりとした。呪いの一つを解いたからだ。三剣君の言うことは本当だった。彼の体は、再び消えてしまう準備を始めている。
- 462 :名無しって呼んでいいか?:2007/10/31(水) 23:56:45 ID:???
- 呪いを解かなければ、一ノ瀬君は存在していられる。三剣君の命を縮めることもない。しかし、ずっとここにいればやがて全員が力尽きて死ぬことになる。
- 463 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 00:00:25 ID:???
- 全員で生きて帰る。当たり前の願いなのに、その可能性はどう考えてみてもゼロだ。それは変えようもない現実。
- 464 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 11:56:53 ID:???
- でも一ノ瀬君がこのまま存在することがいいことだとは思えない。彼自身は感じていないみたいだが、無理矢理引き寄せられたのだろう。これはあってはならないことなのだ。
- 465 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 20:24:43 ID:???
- 六条「それで、次はどこに呪いを解きに行けばいいんだ?音楽室とプールだよな、どっちを先にする?」
1.音楽室
2.プール
3.他に気になるところはないか
- 466 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 21:16:38 ID:???
- 2、プールに行こう 皆の空気が悪くなってきた。だんだん皆が苛立ってきているのがわかる。
- 467 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 22:11:32 ID:???
- 三剣君は私を一瞥すると、すたすたと先頭をきって歩いていってしまった。追いかけようとすると、肘の辺りを誰かに掴まれた。二階堂君だ。
- 468 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 22:13:40 ID:???
- 二階堂「さっきは嫌な言い方をして悪かった。疑ってたわけじゃない・・・いや・・・」
- 469 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 22:14:50 ID:???
- 二階堂「疑ってたというか、不安だったんだ。早乙女が、三剣にとられるようなことがもしあったら、って」
- 470 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 22:24:20 ID:???
- 二階堂「俺は・・・俺が早乙女を守っていきたい。誰にも渡したくないんだ」
- 471 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 22:26:07 ID:???
- 二階堂「好きなんだよ」 メガネのブリッジを指で押しながら、視線を下に落とした。いつも穏やかな二階堂君が耳まで赤くなっている。
- 472 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 23:24:58 ID:???
- 私「…今そんな事言われても困るよ」 二階堂「そうじゃない。俺が言いたかっただけなんだ。今言わないと、きっとずっと不安なままだから」
- 473 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/01(木) 23:58:03 ID:???
- 私「そんなの勝手すぎるよ!私はこんなときに言われたくない。こんな…こんな状況で落ち着いて答えなんか出せない!」二階堂君の腕を振り払う。私も苛立っていたのかもしれない。
- 474 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 00:28:28 ID:???
- どうして、こうなってしまったんだろう。大好きな仲間と昔を懐かしみながら、少しキャッチボールでもできたら嬉しいと思っていた。それだけだったのに。
- 475 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 00:30:23 ID:???
- 色々なものが壊れてしまった。知りたくなかったことを知ってしまった。変わらないものなんかないのかもしれない。でも、変わって欲しくない物だってある。
- 476 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 00:32:19 ID:???
- 二階堂「俺は答えなんか欲しくない。ただ、知っておいてくれればいいんだ。早乙女が困ったとき、一番に思い出して欲しいんだよ」
- 477 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 00:35:02 ID:???
- 「昨日俺が言ったこと忘れて」「俺のそばじゃなくてもいい」三剣君の言葉が胸に突き刺さって抜けない。
- 478 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 00:37:38 ID:???
- 私「頼りたい人が、好きな人だっていうなら」私は軽く息を吸って、二階堂君を見つめた。「私は、誰も好きになったりしない。誰の負担にもなりたくない」
- 479 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 07:35:30 ID:???
- 「私にとって、ここにいるみんなは大事な仲間だから」 私は二階堂君から視線を外すと、踵を返した。
- 480 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/02(金) 07:40:41 ID:???
- http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org0050.jpg
- 481 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/03(土) 02:26:38 ID:???
- プールはさび付いたフェンスの向こうにあり、水を抜かれて薬剤の白い粉が汚くこびりついていた。
- 482 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/03(土) 12:35:39 ID:???
- ここも入り口にはきっちり鍵がかけられていた。それを見て四谷が言う。「俺、抜け道知ってるぜ。夏休みによく忍び込んだんだよな〜。ちょっと行ってくるから、皆はここで待っててよ」
- 483 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/03(土) 21:17:54 ID:???
- 六条「怖がりのくせにムダに冒険したがるんだからしょうがないよな。いつも付き合わされて大変だったよ」肩をすくめる。
- 484 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 02:35:23 ID:???
- このふたり、そういえば仲いいんだよね。二人練習ではいつも組んでたし。いつもだいたい他の皆も組む相手って決まってた。
- 485 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 02:38:01 ID:???
- 四谷君と六条君。私と二階堂君。五島君と三剣君。八坂君と九衛君。あと・・・ 「おーい!開いたから入ってこれるぜ!」四谷君が中から呼んでいる。
- 486 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 02:46:33 ID:???
- ふと、何かがおかしいような気がした。うまく言えない違和感。何かが記憶と食い違っているような、そんな気がしていた。
- 487 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 02:48:16 ID:???
- 釈然としない気持ちを抱えながら、私は四谷君に導かれるまま、フェンスの向こうへ入った。
- 488 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 08:10:11 ID:???
- 昨日の体育館とは違い、屋外のプールは解放感がある。それに今はまだ午前中。多少曇ってるとは言え、射し込む太陽の光は私達に安心感をもたらした。
- 489 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 10:51:51 ID:???
- 九衛「こんな真っ昼間っから幽霊なんか出るんか? 三剣、どないなん?」 だが三剣からの応えはない。周囲の気配を探るのに集中しているようだ。
- 490 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 13:00:38 ID:???
- 「・・・来た。」ゆっくりと視線をあげて三剣君が言い放つと途端に雲が渦巻きながら集まり辺りは急にどんよりとした空気になった。
- 491 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 18:04:38 ID:???
- 二階堂「あれは・・・」 干からびたプールの底から水が湧き上がってくる。いっぱいになってもなお水面は上がり続け、私たちのいるプールサイドのほうまであふれてきた。
- 492 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 20:14:37 ID:???
- 「逃げろ!なんかヤバそうだそれ!」すでに八坂は金網を上りきり、はるか上から私たちを見下ろしている。水は墨汁のようなどす黒い色に変わり、私たちを飲み込もうとする。
- 493 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 20:55:28 ID:???
- 三剣「八坂駄目だ、戻れ!」三剣君がはっとして叫ぶ、彼の右手からは既に白い光が溢れその光が私達を守るように覆っていた。
- 494 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 20:59:50 ID:???
- もう水だとも思えない黒い液体は思惑どうりとばかりに一気に方向転換し、八坂の方に襲い掛かる。
- 495 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 21:38:00 ID:???
- 「なんの!」八坂は猿のような身のこなしで、すんでのところでそれをかわす。金網につかまり、反動でフェンスの上に立ち上がり、その上を走り始めた。
- 496 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 22:20:19 ID:???
- 八坂の身の軽さにみとれていると、何かがフラッシュバックした。こういいうこと、前にもあったような。そう、そのとき八坂は・・・
- 497 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 22:21:37 ID:???
- 私「危ない!!」 私が叫ぶのとほぼ同時に、八坂はバランスを崩してフェンスから落下した。頭を下にして、濁流へまっさかさまに落ちる。
- 498 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 22:26:30 ID:???
- 「八坂!!」 真っ黒な水が八坂を飲み込み、黒い渦潮が巻き起こる。その中心から、水でかたどった様な人間が現れる。八坂ではない。子供だ。
- 499 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 23:02:57 ID:???
- 一ノ瀬「あの子供は・・・」 三剣「ああ、体育館のときのあの那須与一と同じ気配がする。同じ念が分散したものだろう」
- 500 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/04(日) 23:55:46 ID:???
- 五島「と、とりあえず、これで八坂を引っ張り上げられないかな」 五島が手にしているのは、古ぼけた放水用のホースだった。
- 501 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 00:08:11 ID:???
- 三剣「無理だと思う」 静かな声だった。 「10年前、八坂がこうして落ちて溺れた時、助けたのは・・・一ノ瀬だった」
- 502 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 00:10:21 ID:???
- 三剣「ここは一ノ瀬があの霊と戦う必要がある。そうでなければ、八坂は救えない。同じ道を選ばなければいけないんだよ」
- 503 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 10:30:08 ID:???
- 私「違う道は選べないの? 今は私達全員がここにいるんだよ。あの時のように、八坂君に手を伸ばせるのは一ノ瀬君だけじゃない。それなのに、ただ見ているしかないの!?」
- 504 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 12:37:35 ID:???
- 三剣君は私をじっと見つめたあと一ノ瀬君に向き直って言った。「八坂を引っ張りあげるだけでもいい。できるか?一ノ瀬。無理なら俺がやる。」
- 505 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 19:30:49 ID:???
- 一ノ瀬「大丈夫だ。俺がやる。あの日と同じように、八坂を救ってみせる」凛とした表情でこちらを振り返ると言った。「三剣、このバリアから俺を出してくれ」
- 506 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 19:32:45 ID:???
- 三剣君は一ノ瀬君の手を握ると、もう片方の手のひらで彼をゆっくり外へ押し出した。「俺の気を送り込んだ。多少の助けにはなるはずだ」
- 507 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 19:39:05 ID:???
- 「八坂!八坂!!」一ノ瀬君は濁流に胸までつかり、八坂君の名前を呼び続ける。その時、子供の霊のちょうど手前が噴水のように吹き上がった。
- 508 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 19:41:05 ID:???
- 「八坂!?」水中からぐったりとした八坂が現れ、子供の霊がそれを「お姫様抱っこ」のように支える格好になった。
- 509 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 19:44:01 ID:???
- 一ノ瀬「そいつを離せ!お前の目的は俺なんだろ?」 耳鳴りのような高い不快な声が響く。「・・・レヲ・・・ワ・・・レタ・・・コイツモ・・・」
- 510 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 19:47:31 ID:???
- 「忘れた?」私のすぐ横で三剣君が険しい顔をしている。「忘れた、って何だ?」「忘れたことで八坂君も恨まれているってこと?」
- 511 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:00:12 ID:???
- 九衛「八坂が忘れっぽいのんは昔からやからなぁ、どのことかはつきとめられんなあ。アイツ、七原のことも呼ぶの忘れとったし、重症やで」
- 512 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:01:35 ID:???
- 六条「七原?九衛、知らないのか?七原は中学に上がってすぐ事故にあって、今も眠ったままなんだぞ」
- 513 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:35:56 ID:???
- 三剣君がはっとしたようにつぶやく。「そうか、やはりな。今まで懐かしい気配がしたわけだ。」
- 514 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:40:26 ID:???
- 三剣「一ノ瀬!八坂をそいつから奪い取れ!そいつはただの影だ。お前が八坂を奪った瞬間に俺が気を叩き込む。」
- 515 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:52:13 ID:???
- 一ノ瀬「いいよ三剣。お前もう、俺にくれて気なんか残ってないだろ。俺だってこっち側の人間だからわかるんだ」一ノ瀬君はプールサイドのデッキブラシを手にとった。
- 516 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:55:31 ID:???
- デッキブラシを構え、一ノ瀬君は霊に向かって突進していった。八坂に引けを取らないほどの俊足。水上スキーのように水しぶきが上がる。鋭い走りだ。
- 517 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 20:57:38 ID:???
- 濁流が足元から爆発のように吹き上がり、一ノ瀬君を飲み込もうとする。彼はそれをとっさの瞬発力でよけ、デッキブラシの先を持ってリーチを最大にし、霊を斬りつける。
- 518 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 21:00:42 ID:???
- 五島「やっぱり一ノ瀬はすごいね。あの運動神経はギフトだよ」 私も頷く。走っても打っても投げても、彼にはかなわなかった。一ノ瀬君は今も私の憧れだ。
- 519 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 21:04:33 ID:???
- 二階堂「ああ。俺だって毎日努力したけど、あの域には遠く及ばない。本当に、あいつはひとにぎりの人間だったんだ」二階堂君は目を伏せた。
- 520 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 21:28:21 ID:???
- 一ノ瀬君のデッキブラシからは、何かオーラのようなものが出ている。これが三剣君の「気」なのか?
- 521 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 21:30:39 ID:???
- その時、一ノ瀬のフルスイングで霊がはじき飛び、八坂が床に放り出された。
- 522 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 22:01:40 ID:???
- 「・・・ッ・・・オイテ・・・オレヲ・・・」 またあの高い声が耳を貫く。私の記憶がフラッシュバックする。
- 523 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 22:03:46 ID:???
- 九衛「よっと!」そこへちょうど九衛君が滑り込み八坂君を受け止めた。
- 524 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 22:06:32 ID:???
- 「おい、二人練習の時間もう少しあるだろ」「もう100球投げたからいいんだよ、入れてくれ」「じゃあ三角形で」「やっぱり強い球が投げられる奴だといいよなー」
- 525 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 22:07:53 ID:???
- 好きだった三人の練習・・・そうだ、私たちは三人で練習していた・・・あの子は一人、残されていたんだ・・・
- 526 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/05(月) 22:35:30 ID:???
- 「三剣君、あれは・・・」話しかけると、さえぎるように三剣君が言う。「ああ」鋭い目を細めて、睨みつけるような厳しい表情をする。「間違いない。七原の生霊だ」
- 527 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:21:41 ID:???
- そうだ。那須与一に最初に選ばれたのは七原君だ。立候補した男子たちがジャンケンで主役を決めていて、ものすごい倍率の中、主役を勝ち取ることができた。
- 528 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:23:10 ID:???
- 六条「生霊って…なんで七原がこんなことするんだよ。俺達はあいつが目を覚ますの、もう何年も待ってんだぞ…くそっ!」 六条はやり場のない怒りを金網に叩き付けた。
- 529 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:24:16 ID:???
- でも、七原君は弓がうまく使えなかった。与一の一番の見せ場、扇の的で、いくら練習しても的にかすりもせず、本格的な練習の前に彼は降ろされた。
- 530 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:26:23 ID:???
- そして代わりに選ばれたのが一ノ瀬君、ということだ。私は仲のいい一ノ瀬君が主役に選ばれたことで浮かれてしまい、七原君のことなどすっかり忘れてしまっていた。
- 531 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:28:34 ID:???
- 二階堂「練習のときに一人になったとか・・・学芸会の主役をとられたとか・・・そんなことで、どうしてここまで一ノ瀬を憎めるんだ?」
- 532 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:30:07 ID:???
- 四谷「俺、なんかわかる」ぽつりと言った。「チームの奴らはみんないい奴だけどさ、すげえ奴ばっかで、俺いつも忘れられちゃわないかって不安だった」
- 533 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:32:09 ID:???
- 四谷「名無子みたいにすげえ球投げられないし、二階堂みたいに頭も良くない。三剣みたいに打撃も得意じゃない。六条みたいに判断力もないし、九衛みたいに高くも飛べない」
- 534 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:33:36 ID:???
- 四谷「八坂みたいにも走れないし、五島みたいに反射神経良くないし・・・まして一ノ瀬みたいには絶対なれないから、俺は敵のデータを収集することで、自分の居場所を見つけてた」
- 535 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 00:35:17 ID:???
- 四谷「そういう劣等感って、卑屈な気持ちって、お前みたいな奴にはわかんないんだよ、二階堂」
- 536 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 10:25:17 ID:???
- 九衛「せやけど、何年前の話やっちゅーねん。恨みがましいにもほどがあるやろ。死後の世界から甦ってまで、こんなことさせられるなんて、一ノ瀬も気の毒やな」
- 537 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 20:20:31 ID:???
- 六条「九衛っ!!てめぇ!」六条君がついに九衛君に殴りかかった。九衛君はすんでの所でそのこぶしを受け止める。
- 538 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 20:25:28 ID:???
- バシッという乾いた音が響く中、六条君は怒鳴るのを堪えたような震える声で言った「七原がどんなやつか・・・お前はっ忘れちまったのかよ・・・」
- 539 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 20:31:14 ID:???
- 六条「あんな人一倍優しくって、誰よりも俺達仲間をを大切に思っていたあいつが、もしこんなことをしているとするなら。あいつがどれだけ苦しんでそうなって、今もどれだけ苦しみ続けているのかとかお前にはわかんねぇかよっ!」
- 540 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 20:34:36 ID:???
- 六条の拳を受け止めたまま、九衛は冷静に言い放つ。「お前、何か勘違いしとらんか?俺はこんな真似しくさる七原を許せへん。はっきり言って、同情なんか出来へんで」
- 541 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 20:45:06 ID:???
- 六条「っ九衛、そんな、言い方は・・・頼むからやめてくれよ。七原自身で、もうどうにもできないところまできてるんなら、仲間の僕達が何とかして・・・何とかしてあいつを助けてやればいいじゃないか・・・。」
- 542 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 21:49:27 ID:???
- 三剣「・・・九衛は何年も前のことだって言うが、七原の時間は事故に遭った中学1年で止まってるんだ。現に霊は子供の姿だろう」
- 543 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 21:52:04 ID:???
- 三剣「この場所に悔いが多かったんだろう。その意識を俺たちが校舎に入ることで呼び覚ましてしまったんだ。お前が同情するしないにかかわらず、責任は俺たちにある」
- 544 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 22:00:20 ID:???
- それまで寝ていた八坂が身体を起こした。「…でもよ、ちょっとシャレになんねーよな。俺、溺れ死ぬかと思ったぜ。体育館では名無子だって怪我したしさ」
- 545 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 22:35:51 ID:???
- 三剣「もうあれは、俺たちの知ってる七原じゃない。負の残留思念が凝り固まって、周りにある他の悪い霊を吸い込んでしまっている」
- 546 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/06(火) 22:37:26 ID:???
- 三剣「おそらく、三つ目の呪いを解いたとき・・・本来の七原の霊に戻る」
- 547 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 00:26:39 ID:???
- そのとき、鼓膜を切り裂くような咆哮が響いた。一ノ瀬君が放った一撃が霊を倒したのだ。黒い水はみるみる引いて、もとの干からびたプールに戻った。
- 548 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 00:50:23 ID:???
- 目に見える水の脅威がなくなって、私はホッと息をついた。まさか七原君が関係していたなんて…まだどこか半信半疑だ。
- 549 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 00:54:49 ID:???
- 七原君が何を伝えたいのか…それは分からない。でも一ノ瀬君が喚び戻され、三剣君の命も削られている。そしてみんなの精神も限界に来ている、この状況を歓迎は出来ない。
- 550 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 00:59:52 ID:???
- 全ては次の呪いが解ければ解決するのだろうか? この先に待ち受けるものに不安を抱きながら、私達は校舎の三階にある音楽室へ向かったのだった……
- 551 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 19:08:35 ID:???
- しかし一階から二階へ上がる踊り場で、三剣君が急に胸を押さえて苦しみだした。
- 552 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 19:50:37 ID:???
- 「三剣君っ!」それに気づいたのは最後尾の私だけですぐさま彼の元へ駆け寄る。
- 553 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 19:58:29 ID:???
- 私に気づいた三剣君は「大丈夫っ・・・」というと乱暴に口元を拭うと私を見ないまま行こうとする。
- 554 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 20:05:35 ID:???
- 教室の前での言葉が思い出される。やっぱり・・・私を避けているの?私の中で何か不安な想いが膨れ上がり、思わず声を荒げて彼の腕を掴む「っどうしてこっちを見ないの?!」
- 555 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 20:14:14 ID:???
- 三剣「早乙女さんが心配しても仕方のないことだ。遅かれ早かれ、いつかこういう日は来る」
- 556 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 20:26:55 ID:???
- 何・・・言ってるの。呆然とする中私はふと視線を私が掴んだ彼の手に落とす。そこには赤い赤い彼の血が付着していた・・・今しがた付いたばかりのように赤い。
- 557 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 20:47:40 ID:???
- 私「三剣君…!」 三剣君は気まずそうな顔をしながら、私の腕をそっと放した。「大丈夫だから気にしないで。今すぐどうこうってわけじゃない。心配しなくても、最期の霊を払う力はある」
- 558 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 20:50:28 ID:???
- あのとき、一ノ瀬君が自分で戦ってくれていなかったら・・・考えただけで背筋が寒くなった。
- 559 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 21:21:36 ID:???
- 心配って、私が今一番心配なのは・・・いやだ・・・三剣君もうやめてよ・・・。言葉がうまくまとまらず視界がぼやける。
- 560 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 22:34:07 ID:???
- 三剣「早乙女さんが何を言いたいのか、何となく想像つくよ。でもやめるわけにはいかないんだ。みんなや一ノ瀬・・・七原のためにも、俺は自分に出来ることをするだけだ」
- 561 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 23:10:53 ID:???
- 私「だけどお願い。今は行かないで。今行ったら本当に死んじゃう…」 そこまで言いかけたとき、前のほうで悲鳴が聞こえた。
- 562 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 23:11:56 ID:???
- 急いで駆けつけると四谷君が腰を抜かしている。「一ノ瀬が・・・一ノ瀬が透けてる!!」
- 563 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 23:13:09 ID:???
- 見ると、先ほどまで私たちと変わらなかった一ノ瀬君の体の、腰から下が半分透けて向こうが見えている。
- 564 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 23:14:49 ID:???
- 一ノ瀬「俺・・・」 私は心当たりがあった。やはり呪いを解けば彼は消えてしまうんだ。 私「いっぱい戦ったんだもん、疲れたんだよ」
- 565 :名無しって呼んでいいか?:2007/11/07(水) 23:16:15 ID:???
- 私「私もなんか見てるだけで疲れちゃったー!音楽室、後にして一回休もうよ!ね、ね!!」我ながら不自然なほどに私は休憩をねだった。 <