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テイルズオブバトルロワイアル2nd Part2

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 00:59:25 ID:/u+Q6tNk0
テイルズシリーズのキャラクターでバトルロワイアルが開催されたら、
というテーマの参加型リレー小説スレッドの2周目です。
参加資格は全員にあります。
全てのレスは、スレ冒頭にあるルールとここまでのストーリー上
破綻の無い展開である限りは、原則として受け入れられます。
これはあくまで二次創作企画であり、ナムコとは一切関係ありません。
それを踏まえて、みんなで盛り上げていきましょう。

詳しい説明は>>2以降。

【前スレ】
テイルズオブバトルロワイアル2nd 感想議論用スレ
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1217252638/

【避難所】
PC ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/5639/
携帯 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/otaku/5639/

【2ndまとめサイト】
PC・携帯両用 http://www.symphonic-net.com/tobr2/mobile/index.html


【1周目のスレ(現在アナザールート進行中)】
テイルズ オブ バトルロワイアル Part14
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1213507180/

【1stまとめサイト】
PC http://talesofbattleroyal.web.fc2.com/
携帯 http://www.geocities.jp/tobr_1/index.html

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:07:38 ID:pT0Eoz6d0
----基本ルール----
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 勝者のみ元の世界に帰ることができ、加えて願いを一つ何でも叶えてもらえる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
 開催場所は異次元世界であり、海上に逃れようと一定以上先は禁止エリアになっている。

----放送について----
 放送は12時間ごとに行われる。放送は各エリアに設置された拡声器により島中に伝達される。
 放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去12時間に死んだキャラ名」
 「残りの人数」「主催者の気まぐれなお話」等となっています。

----「首輪」と禁止エリアについて----
 ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている。
 首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ。(例外はない)
 主催者側はいつでも自由に首輪を爆発させることができる。
 この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。
 24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ。  
「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい。
 下手に無理やり取り去ろうとすると首輪が自動的に爆発し死ぬことになる。
 プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。
 なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
 たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止能力が使えるようにもならない。
 開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
 禁止エリアは3時間ごとに1エリアづつ増えていく。

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:08:38 ID:pT0Eoz6d0
----スタート時の持ち物----
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を配給され、「ザック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「着火器具、携帯ランタン」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「支給品」
 「ザック」→他の荷物を運ぶための小さいザック。       
 四次元構造になっており、参加者以外ならどんな大きさ、量でも入れることができる。
 「地図」 → 舞台となるフィールドの地図。禁止エリアは自分で書き込む必要がある。
 「コンパス」 → 普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「着火器具、携帯ランタン」 →灯り。油は切れない。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「食料」 → 複数個のパン(丸二日分程度)
 「飲料水」 → 1リットルのペットボトル×2(真水)
 「写真付き名簿」→全ての参加キャラの写真と名前がのっている。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「支給品」 → 何かのアイテムが1〜3つ入っている。内容はランダム。
※「ランダムアイテム」は作者が「作品中のアイテム」と
 「現実の日常品もしくは武器、火器」、「マスコットキャラ」の中から自由に選んでください。
 銃弾や矢玉の残弾は明記するようにしてください。
 必ずしもザックに入るサイズである必要はありません。
 また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
 エクスフィアを出す場合は要の紋つきで支給するようお願いします。
 ハズレアイテムも多く出しすぎると顰蹙を買います。空気を読んで出しましょう。

----マスコットキャラの扱い----
 マスコットは「支給品」一つ分相当とカウント。
 なお、ロワでの戦いにおいて全く役に立たないマスコットキャラは、この限りではなく、「支給品」一つ分とは見なさない。
 ミュウを支給する場合はソーサラーリングを剥奪した状態で支給すること。コーダ、タルロウXの支給は不可。
 マスコットキャラはプレイヤーではありません。あくまでも主役はプレイヤーという事を念頭に置いて支給しましょう。

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:09:40 ID:pT0Eoz6d0
----制限について----
 身体能力、攻撃能力については基本的にありません。
 (ただし敵ボスクラスについては例外的措置がある場合があります)
 治癒魔法については通常の1/10以下の効果になっています。蘇生魔法、即死術は発動すらしません。
 キャラが再生能力を持っている場合でもその能力は1/10程度に制限されます。
 しかしステータス異常回復は普通に行えます。
 その他、時空間移動能力なども使用不可となっています。 (短距離のテレポート程度なら可)
 MPを消費するということは精神的に消耗するということです。
 全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内(半径100mほど)ということでお願いします。

----ボスキャラの能力制限について----
 ラスボスキャラや、ラスボスキャラ相当の実力を持つキャラは、他の悪役キャラと一線を画す、
 いわゆる「ラスボス特権」の強大な特殊能力は使用禁止。
 これに該当するのは
*ダオスの時間転移能力、
*ミトスのエターナルソード&オリジンとの契約、
*シャーリィのメルネス化、
 など。もちろんいわゆる「第二形態」以降への変身も禁止される。
 ただしこれに該当しない技や魔法は、TPが尽きるまで自由に使える。
 ダオスはダオスレーザーやダオスコレダーなどを自在に操れるし、ミトスは短距離なら瞬間移動も可能。

----武器による特技、奥義について----
 格闘系キャラはほぼ制限なし。通常通り使用可能。ティトレイの樹砲閃などは、武器が必要なので使用不能。
 その他の武器を用いて戦う前衛キャラには制限がかかる。

 虎牙破斬や秋沙雨など、闘気を放射しないタイプの技は使用不能。
 魔神剣や獅子戦吼など、闘気を放射するタイプの技は不慣れなため十分な威力は出ないが使用可能。
 (ただし格闘系キャラの使う魔神拳、獅子戦吼などはこの枠から外れ、通常通り使用可能)
 チェルシーの死天滅殺弓のような、純粋な闘気を射出している(ように見える)技は、威力不十分ながら使用可能。
 P仕様の閃空裂破など、両者の複合型の技の場合、闘気の部分によるダメージのみ有効。
 またチェルシーの弓術のような、闘気をまとわせた物体で射撃を行うタイプの技も使用不能。

 武器は、ロワ会場にあるありあわせの物での代用は可能。
 木の枝を剣として扱えば技は通常通り発動でき、尖った石ころをダーツ(投げ矢)に見立て、投げて弓術を使うことも出来る。
 しかし、ありあわせの代用品の耐久性は低く、本来の技の威力は当然出せない。

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:10:40 ID:pT0Eoz6d0
----魔法の使用に関して----
 ロワ会場ではマナが特殊な位相をとっており、魔法使用者の記憶によって指向性を持ち、様々な形態となる。
 すなわち魔法の内容が術者の記憶にあるのならば、
 周囲のマナが晶術・フォルス・爪術など各々に最適な位相を勝手にとってくれる、ということである。
 それゆえ術者は元の世界のものと寸分違わぬ魔法を再現できる。
 召喚術や爪術など、厳密に言えばマナをパワーソースとしないタイプの魔法でも、
 会場のマナが変異して精霊や滄我の代役を務めてくれるため、発動に支障はない。
 ただしこの位相をとったマナは回復魔法とは極めて相性が悪く、回復魔法はもとの一割ほどしか効果がない。
 気功術などによる回復さえマナに妨害されるため、会場内では傷の回復は至難。

----晶術、爪術、フォルスなど魔法について----
 使用する前提条件として、「精神集中が可能」「正しい発声が可能」の条件を満たしていること。
 舌を切り取られているなどして、これらの条件を満たせていない場合、使用は不可能。
 仮に使えても、詠唱時間の延長や威力の低下などのペナルティを負う。
 「サイレンス」などで魔法を封じられた場合、無条件で魔法は使えなくなる。
 攻撃系魔法は普通に使える、威力も作中程度。ただし当然、TPを消費。
 回復系魔法は作中の1/10程度の効力しかないが、使えるし効果も有る。
 魔法は丸腰でも発動は可能だが威力はかなり落ちる。
 (魔力を持つ)武器があった方が威力は上がる。
 当然、上質な武器、得意武器ならば効果、威力もアップ。
 術者が目標の位置をきちんと確認できない場合、当てずっぽうでも魔法を撃つことはできるが、命中精度は低い。
 また広範囲攻撃魔法は、範囲内の目標を選別出来ないため、敵味方を無差別に巻き込む。

----時間停止魔法について----
 ミトスのタイムストップ、アワーグラスなどによる時間停止は、通常通り有効。
 効果範囲は普通の全体攻撃魔法と同じく、魔法を用いたキャラの視界内とする。
 本来時間停止魔法に抵抗力を持つボスキャラにも、このロワ中では効果がある。
 ただし、広範囲攻撃魔法と同じく目標の選別は不可であり、発動者自身以外は動くことが出来ない。
 TOLキャラのクライマックスモードも、この裁定に準拠するものとする。

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:11:41 ID:pT0Eoz6d0
----秘奥義について----
 秘奥義は一度だけ使用可能。その際、発動したキャラが持つ未使用の秘奥義も使用不可となる。
 使用後はTP大幅消費、加えて疲労が伴う。
 また基本的に作中の条件も満たす必要がある(ロイドはマテリアルブレードを装備していないと使用出来ない等)。
 秘奥義に類する強力な術技は秘奥義扱いとする。
 該当するのはシゼルのE・ファイナリティ、レイスの極光、TOLキャラのクライマックスモードなど。
 Iの覚醒はSB・OLと同じ扱い(何度でも使用可)だが、前世の姿に戻ることは秘奥義扱いとする。
 SRの追加秘奥義は2つ合わせて一つの秘奥義とする。TP消費は普通の秘奥義より増える。
 またリヒターのカウンターは秘奥義扱いとする。その前に普通の秘奥義を使っていたならば、当然カウンターは発動不可能である。

----TPの自然回復----
 会場内では、TPは戦闘ではなく時間経過で回復する。
 回復スピードは、1時間の休息につき最大TPの10%程度を目安として描写すること。
 なおここでいう休息とは、一カ所でじっと座っていたり横になっていたりする事を指す。
 睡眠を取れば、回復スピードはさらに2倍になる。
 なお、休息せずに活動している状態でも、TPは微量ながら徐々に回復する。
 回復したTPをすぐさま回復魔法にあてれば、ある程度ダメージの回復は見込める。
 しかし、かなりの集中力を割くためこの作業中は不意打ちに弱くなる。事前に鳴子を張っておくなどの対策は可能。

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:12:40 ID:pT0Eoz6d0
----合体技の再現(SのU・アタック、R仕様秘奥義など)----
 ロワを通して仲良くなったキャラや、同作品から来た仲間同士であれば、協力して合体技を使うことも出来る。
 合体技を編み出せる仲間、ならびに魔法・特技の組み合わせは各原作に準拠するが、
 このロワ中では次の条件を満たしている場合でも合体技の発動が可能。

  例1:異なるキャラ同士で、同名の魔法・特技を組み合わせた場合。
   例えばSの複合特技である「プリズミックスターズ」は、リフィルの「レイ」とジーニアスの「グランドダッシャー」などで発動するが、
   同名の魔法を習得しているので、フィリアの「レイ」とシャーリィの「グランドダッシャー」でも、「プリズミックスターズ」は発動する。

  例2:「それっぽい」魔法・特技を組み合わせた場合。
   例えばSの複合特技である「襲爪雷斬」は、本来ロイドの「虎牙破斬」とジーニアスの「サンダーブレード」などで発動するが、
   ジーニアスの「サンダーブレード」をジェイドの「天雷槍」などで代用することも可能。
   また常識の範囲内で考えて、それなら合体技が成立しそうだと考えられるなら、まったく新規の組み合わせも可能。
   例えばシャーリィの「タイダルウェーブ」で発生させた水を、ルビアの「イラプション」で加熱し、高温の蒸気を発生させて、
   もともとはジーニアスの魔法である、高温の蒸気で敵をあぶる魔法「レイジングミスト」を合体技として編み出すことも出来る。

  補則1:なおクレスなどは単体で「襲爪雷斬」を放つことは出来るが、同名の技でも合体技の方が威力は上である。
  補則2:新規のキャラ同士の新規の魔法・特技の組み合わせは自由に考えて構わないが、
       それにより成立する合体技は必ずシリーズのどこかから「本歌取り」すること。
       世界観の維持の観点から、まったく新規の合体技を編み出すことは禁止する。
  補則3:もちろん合体技を繰り出す当事者達は、ある程度以上気心が知れあっている必要がある。
       小説中で「仲良くする」ような描写を予め挟んでおくこと。
  補則4:合体技は当然大技であるため、発動させるためには上手く隙を作らねばならない。
       同じく小説中で「隙を作る」ような描写を予め挟んでおくこと。
  補則5:AのゲームシステムであるFOFを用いた、術技のFOF変化も上記のルールに準拠するものとする。
       FOFの属性と変化する術技の組み合わせは原作に準拠するが、上記のルールに違反しない限り、
       書き手は全く新規の組み合わせを考案してもよい。下記も参照のこと。

ケースバイケース、流れに合った面白い展開でお願いします。

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:13:40 ID:pT0Eoz6d0
----ゲームシステムのクロスオーバー----
 ロワ参加者は、デフォルトの状態では原作世界の知識しか持たないものの、
 ロワで他世界のキャラと交流を持ったり、何らかの方法で他の世界の知識や技術を得た場合、
 その世界特有のシステムを使いこなすことが出来るようになる。
 例えばリオンが事前にジェイドから説明を受けていれば、ジェイドの「タービュランス」で発生した風属性FOFで、
 自身の「双牙斬」をFOF変化させ、「襲爪雷斬」を放つことも可能。上項も参照のこと。
 ただしRのフォルスやTの獣人化など、その世界の住人の特異体質によるシステムのクロスオーバーは、
 原則として不可とする。
 ただしSのハイエクスフィアを用いた輝石による憑依などで、
 R世界やT世界の出身者の肉体を奪うなどした場合は、この限りではない。

----状態異常、変化の設定について----
 状態異常並びに変化追加系は発生確率を無視すると有利すぎる効果なので禁止とする。
 Rの潜在能力やフォルスキューブ(マオ)、Dのソーディアンデバイス、D2のスロット、一部のエンチャントが該当する。
 D2のFOEも禁止。ただし術技にデフォルトで付加されている能力は有効とする。例として
●ヴェイグの絶・霧氷装
●ミトスのイノセント・ゼロ
●ダオスのテトラアサルト
●ジルバのシェイドムーン・リベリオン
 等が挙げられる。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:14:39 ID:pT0Eoz6d0
----シリーズ特有の強化スキルやシステムについて----
シリーズのシステムに関わらず、特技・奥義は単独で発動可能とする。ただし連携の順番は原作に倣うこと。

P・・・なし。
D・・・ソーディアンデバイス、リライズは全面禁止とする。
E・・・潜在晶霊術は禁止とする。
D2・・・スロットは全面禁止とする。エンチャントは追加晶術、連携発動、リカバー(D2にはリカバーを使えるキャラがいないため)、
     特技連携、晶術追撃、秘奥義、追加特技、通常技連携、空中発動のみ有効とする。
S・・・EXスキルの「一定確率で」系、ガードステータス、ゲットウェル、スーパーガード、ライフスティル、メンタルスティル、
   グレイス、ステータスキープ、エンジェルコール、レジストマジック、 メンタルサプライ、コンセントレート、オートメディスン、
   スペルコンデンス、サプレスダッシュ、サプレスロウアー、MCディフェンド、ラッシングラン、パフォーマー、グローリー、
   HPリバース、レストアピール、アーマードブロウ、ガードアウェイは禁止とする。
R・・・フォルスキューブのドレインは禁止。潜在能力も禁止とする。
L・・・我流奥義は使用可。ただし副極意による追加効果の付与は禁止とする。
A・・・ペインリフレクト、アクシデンタル、ライフリバース、エンジェルコール、ピコハンリベンジ、オートメディスン、グローリー、グレイス、
    ADスキルの「一定確率で」系は禁止とする。
T・・・なし。
I・・・武器カスタマイズ、アビリティは全面禁止とする。
   (リジェネ、リラックス、悟り、グミの達人、踏ん張り1〜4、封印防御等を除けば能力アップなどしか残らないため)
SR・・・スキルはアビリティのみ有効。例外としてエミルが支給品のコアを入手した場合、アトリビュートの特技変化系を使える。

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:15:39 ID:pT0Eoz6d0
----TOAの設定について----
 会場の音素量が少ないため、ルークの音素乖離は参戦時期に関わらず行われない。
 ただしルークが無茶をして第七音素を大量に使ったときはその範疇に属さないものとする。
 コンタミネーション現象は禁止とする。これはビッグバンの議論を防ぐためである。
 超振動は秘奥義扱いとするが、会場の音素が少ないため威力は半減される。
 それでも一撃必殺級の上、他の物を巻き込んでしまうのでよく考えてリレーしましょう。
 ティアの譜歌ナイトメアは、声に魔力が宿っている訳ではないため拡声器を使っても効果範囲は変わらない。
 また敵がある程度弱ってないと無効とする。
 カースロットは原則有りとする。ただし同じエリアに居ないと使えない、一人しか操れないといった制限を課す。
 勿論操られた者が憎しみを抱いている対象がいなければ効果は現れない。
 また導師の力のためレプリカのイオン、シンクには相応の疲労が襲うものとする。
 第七音素注入で怪物化はロワのバランスを崩してしまう為禁止とする。譜術式レプリカ製造も同様である。
 アンチフォンスロットは有り。ただし効果は一日。
 

----その他----
 *作中の進め方によって使える魔法、技が異なるキャラ(E、Sキャラ)は、 初登場時(最初に魔法を使うとき)に断定させておくこと。
  断定させた後は、それ以外の魔法、技は使えない。
 *クラースは精霊(の力)を呼び出せるが、精霊自体は召喚できない仕様とする。
  理由はSのオリジンとロイド等との設定の兼ね合いが複雑なため。
 *Pのディストーションやカメレオン、Dエクステンションはあまりにも強力なため使用不可能な設定とする。
 *スタンの空中魔法変化技は下級は特技、中級と上級は奥義の扱いとする。
 *キールにはフリンジ済みのインフェリア晶霊が入ったCケイジを最初から与える。勿論これは支給品枠の一つとして考える。
 *Rの聖獣の力は参戦時期に関わらず有効とする。
 *アニー、ジルバの陣術は厳密に言うと魔術ではない為詠唱を必要としない。地面に方陣を描くことで発動させる事。その方法は問わない。
 *ジルバの月のフォルスは、対象が限りなく弱っていないと使用できない仕様とする。
  また乗り移っている間は一切のダメージを受けないため確かに無敵だが、
  逆に言うと本体は実に隙だらけ(同時に二人操るのは無理があり、こっちは操られている方が入っている)なため制限対象には入らない。
 *エミルはコア化をもって死亡扱いとする。このコアには莫大な量のマナが含まれている。破壊も可能。
 *リバイブは危険になったら自動でHP回復大の扱いとする。

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:17:13 ID:pT0Eoz6d0
【書き手の心得】

1、コテは厳禁。
(自作自演で複数人が参加しているように見せるのも、リレーを続ける上では有効なテク)
2、話が破綻しそうになったら即座に修正。
(無茶な展開でバトンを渡されても、焦らず早め早めの辻褄合わせで収拾を図ろう)
3、自分を通しすぎない。
(考えていた伏線、展開がオジャンにされても、それにあまり拘りすぎないこと)
4、リレー小説は度量と寛容。
(例え文章がアレで、内容がアレだとしても簡単にスルーや批判的な発言をしない。注文が多いスレは間違いなく寂れます)
5、流れを無視しない。
(過去レスに一通り目を通すのは、最低限のマナーです)

〔基本〕バトロワSSリレーのガイドライン
第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:18:16 ID:pT0Eoz6d0
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活はどんな形でも認めません。
※新参加キャラクターの追加は一切認めません。
※書き込みされる方はスレ内を検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。(CTRL+F、Macならコマンド+F)
※参加者の死亡があればレス末に必ず【○○死亡】【残り○○人】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※具体的な時間表記は書く必要はありません。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。

※基本的なロワスレ用語集
 マーダー:ゲームに乗って『積極的』に殺人を犯す人物。
 ステルスマーダー:ゲームに乗ってない振りをして仲間になり、隙を突く謀略系マーダー。
 扇動マーダー:自らは手を下さず他者の間に不協和音を振りまく。ステルスマーダーの派生系。
 ジョーカー:ゲームの円滑的進行のために主催者側が用意、もしくは参加者の中からスカウトしたマーダー。
 リピーター:前回のロワに参加していたという設定の人。
 配給品:ゲーム開始時に主催者側から参加者に配られる基本的な配給品。地図や食料など。
 支給品:強力な武器から使えない物までその差は大きい。   
      またデフォルトで武器を持っているキャラはまず没収される。
 放送:主催者側から毎日定時に行われるアナウンス。  
     その間に死んだ参加者や禁止エリアの発表など、ゲーム中に参加者が得られる唯一の情報源。
 禁止エリア:立ち入ると首輪が爆発する主催者側が定めた区域。     
         生存者の減少、時間の経過と共に拡大していくケースが多い。
 主催者:文字通りゲームの主催者。二次ロワの場合、強力な力を持つ場合が多い。
 首輪:首輪ではない場合もある。これがあるから皆逆らえない
 恋愛:死亡フラグ。
 見せしめ:お約束。最初のルール説明の時に主催者に反抗して殺される人。
 拡声器:お約束。主に脱出の為に仲間を募るのに使われるが、大抵はマーダーを呼び寄せて失敗する。

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:23:03 ID:t0u3vRIPO
テンプレの投下は終了、かな?
とりあえず、修正した話を投下させて頂きます

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:24:32 ID:pT0Eoz6d0
【参加者一覧】 
TOP(ファンタジア)  :4/4名→○クレス・アルベイン/○クラース・F・レスター/○藤林すず/○ダオス
TOD(デスティニー)  :7/7名→○スタン・エルロン/○ルーティ・カトレット/○フィリア・フィリス/○ウッドロウ・ケルヴィン/○チェルシー・トーン/○イレーヌ・レンブラント/○ミクトラン
TOE(エターニア)   :5/6名→●リッド・ハーシェル/○キール・ツァイベル/○チャット/○フォッグ/○レイス(レイシス・フォーマルハウト)/○シゼル                  
TOD2(デスティニー2) :8/8名→○カイル・デュナミス/○リアラ/○ロニ・デュナミス/○ジューダス/○ハロルド・ベルセリオス/○ナナリー・フレッチ/○バルバトス・ゲーティア/○エルレイン   
TOS(シンフォニア)  :7/7名→○ロイド・アーヴィング/○クラトス・アウリオン/○リフィル・セイジ/○リーガル・ブライアン/○プレセア・コンバティール/○マグニス/○ミトス・ユグドラシル
TOR(リバース)   :7/8名→○ヴェイグ・リュングベル/●クレア・ベネット/○マオ/○ユージーン・ガラルド/○アニー・バース/○サレ/○ジルバ・マディガン/○アガーテ・リンドブロム
TOL(レジェンディア) :6/6名→○セネル・クーリッジ/○シャーリィ・フェンネス/○クロエ・ヴァレンス/○ノーマ・ビアッティ/○ワルター・デルクェス/○ステラ・テルメス
TOA(アビス) :8/8名→○ルーク・フォン・ファブレ/○ティア・グランツ/○ジェイド・カーティス/○アッシュ/○イオン/○シンク/○ディスト/○アリエッタ
TOT(テンペスト) :2/2名→○カイウス・クオールズ/○ルビア・ナトウィック
TOI(イノセンス)   :4/5名→○ルカ・ミルダ/●イリア・アニーミ/○スパーダ・ベルフォルマ/○リカルド・ソルダート/○ハスタ・エクステルミ
TOSR(ラタトスクの騎士):5/5名→○エミル・キャスタニエ/○マルタ・ルアルディ/○リヒター・アーベント/○アリス/○デクス

●=死亡 ○=生存 合計63/66

禁止エリア

現在までのもの
無し

【地図】
http://www.symphonic-net.com/tobr2/img/map.JPG


15 :ワン、ツー、スリー!@修正:2008/09/02(火) 01:24:34 ID:t0u3vRIPO
桃色の髪の少女と、銀色の髪の男。
気まずい沈黙を先に破ったのは、少女のほうだった。

「あの! あたし、ルビアっていいます!」

先程までの恐怖を吹き飛ばすように、大きな声で名乗る。
対する男は尻餅をついたまま……数cm後ろに素早く後退。

「貴方の名前は、何ていうんですか?」
「……ディスト、ですが」

警戒心満々の目つきで、男が答える。
何よ、大人が情けない……と本心がポロリと零れそうになるが、堪える。

「ディストさん、ですね……ディストさんは、この殺し合いに」
「う、動かないで下さいッ!」

近付こうと一歩踏み出した矢先……ディストの震えた怒声が飛んだ。
サックをまさぐり、赤い柄をした剣を取り出してディストは叫ぶ。

「あ……あたしは別に、殺し合いには乗って……」
「し、信用できませんね……
 私は貴女と同じ年頃でも、おっかない娘を何人も知ってるんですから」

そんな、とルビアは小さく呟く。
剣を持ったディストの両腕は、不安定にフラフラ揺れている……あの重そうな剣をひょろひょろな腕で持つのは大変なんだろう。
しかし、ひょろひょろでも相手は大人の男だ。
混乱して、目茶苦茶に剣を振り回されでもしたら厄介極まりない。

(が、頑張るのよルビア……何とかして、この人に信用して貰わなくちゃ!)

そうだ、一人はもう嫌だ。
頼りなくて情けない、ひょろひょろの大人でもいい……仲間が欲しい。



16 :ワン、ツー、スリー!@修正:2008/09/02(火) 01:27:24 ID:t0u3vRIPO
(でも、どうすれば信用してもらえるのかな、とりあえず話を聞いて貰わないと……)

ディストから目を離さず、考える。
そして意を決して―――


「あの、話を聞……」
『すまないが、話を聞かせて貰えないか?』


喋った。
ルビアではない……ディストの持った、赤い柄の剣が。


再びの奇妙な沈黙の後……今度はディストが先に動いた。

「な……何ですかこれはぁぁぁぁぁ!?!?」

恐怖と混乱からか、剣を振りかぶり……捨てた。

『なッ!?』

驚きの声を上げた剣は床に当たって滑り……何の因果か、ルビアの足元に滑りついた。

「え、ええっ!?」

無論ルビアとて喋る剣との接し方など知るわけない。

『君でもいい、何が起こったか話を―――』
「きゃあぁぁぁぁぁ!?」

……とっさに、蹴った。

『ぶッ!?』

哀れな喋る剣は床を滑り、再びディストの元へ……

「こ、こっちによこさないで下さいよッ!」

……戻らなかった。


17 :ワン、ツー、スリー!@修正:2008/09/02(火) 01:28:33 ID:t0u3vRIPO
正確には、ディストに蹴り返された。

「あ、貴方のでしょ!?」

『待っ……』

それを蹴り返すルビア。

「し、知りませんよこんなのはッ!」

『おい……!』

それを蹴り返すディスト。

「あ、あたしだって知りませんッ!」

『話を……!』


……哀れな剣のラリーは。


『いい加減にせんか!この、馬鹿共ーーーーーッ!!!』

「ひっ!」
「きゃっ!」


地上軍中将ディムロス・ティンバーの一喝で、何とか終了した。






『なるほど、バトル・ロワイヤルか……』

数分後……喋る剣もといディムロスは、ようやくルビアとディストから事情を得ていた。
ちなみにさっきまで(混乱したとはいえ)彼の蹴り合いをしていた二人は、床に置かれたディムロスを挟む様に正座させられている。

「あのー、ディムロスさん」

怖ず怖ずと言った感じで、ルビアが尋ねる。

「ディムロスさんの本当の持ち主も、ここにいるんですよね?」
『ああ……仲間も何人かいる。
 もしかすると、私以外のソーディアンもいるかもしれん』
「まだこんなのが……」

何か言ったか、というディムロスに、別に、というディスト。
剣に場を仕切られているのが気に入らないのだろうが……それでも反論しないあたり、中将の迫力は顕在らしい。

『それでだ、ルビア、ディスト……お前達はこの殺し合いには乗っていないのだな?』
「あたしは乗ってないけど……」

言葉を濁し、ちらとディストを見るルビア。



18 :ワン、ツー、スリー!@修正:2008/09/02(火) 01:30:10 ID:t0u3vRIPO
「私だって、死にたくはありませんが……優勝できるとも、思えませんしねぇ」
『それでは……私に協力して欲しいのだが』

協力、という言葉にディストが反応する。

「協力?何ができるんですか、剣の貴方に?」
『そうだ、私は剣。使い手がいなければ動く事すらできず、さっきの様に蹴られるのが関の山だ』

う、とルビアが小さく呻く。
……やはり、少し根に持っているのかも。

『だからこそ、私には協力してくれる存在が……仲間が、必要だ。
 死ぬ気も、殺し合う気もないのなら……どうか私に、手を貸して欲しい』
「ハン……剣だけに手を貸して欲しい、ですか……」

ディストは皮肉そうに笑う。

「いいでしょう、その代わり貴方が信用出来なくなった時には……川にでも捨てますよ」
『わかった……それで、構わない』
「あ、あたしも協力します!」

片手を威勢よく上げて、ルビアが叫ぶ。

「フン……貴方みたいな小娘に、何が出来るんです?」
「あたしみたいな小娘に怯えてた人よりは、役に立つと思いますけど?」
「ゔっ……」
『そこら辺にして置いてやれ、ルビア。いくら情けなくとも、相手は大人だ……いくら情けなくともな』
「ゔゔっ……」

少女と剣に立て続けに諌められ、しょぼんとうなだれるディスト。

「それで、ディムロスさん。これからどうします?」
『そうだな……見たところ、この建物は何かの軍事施設だ。
 活動の拠点になるやもしれん……中を調査しておこう』



19 :ワン、ツー、スリー!@修正:2008/09/02(火) 01:31:20 ID:t0u3vRIPO
はーい、と返事をして……ルビアは思う。


仲間ができた。
情けない人と、喋る剣。
不安はまだまだ拭えないけど……あたしは、一人じゃない。



【ルビア・ナトウィック 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:旋風、ポイズンパウダー、フリーズリング
基本行動方針:死にたくない。殺し合いには乗らない。
第一行動方針:ディスト、ディムロスとE7ナーオス基地を探索。
第二行動方針:カイウスはどこ……?
現在位置:E7、ナーオス基地

【ディスト 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:ソーディアン・ディムロス、???
基本行動方針:とりあえず、死ぬ気はない。
第一行動方針:しばらくディムロスに協力、様子を見る。
第二行動方針:ジェイドはどこ……?
現在位置:E7、ナーオス基地



20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:34:21 ID:t0u3vRIPO
修正版、投下終了です
テンプレの投下、参加者がまだでしたね……すみません

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 07:48:18 ID:VS0BX61IO
新スレ乙
ルークとアッシュの便利連絡網は議論した記憶がおぼろげにあるんだけど覚えてなくてw
便利すぎるみたいな話はあったけど、勘違いならよかったw

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 08:34:44 ID:/9Ro8MQIO
クラトス話とジューダス話を追加して纏めてみた。
A4:チェルシー、クラトス
A-7:ルーク、マグニス、スタン、イレーヌ
B-3:カイウス、フォッグ
B-5:マオ、エルレイン
B-6:フィリア、ジューダス
C-1:ロニ
C-2:ヴェイグ、ウッドロウ、スパーダ、リカルド、イオン、サレ、アリス
C-5:すず
C-6:ルーティ、クラース
D-1:ミクトラン、アリエッタ、クレス、リーガル
D-2:ユージーン、マルタ
D-3:デクス
D-4:アガーテ、プレセア
D-6:ナナリー、シンク
D-7:ルカ、リアラ
E-2:ハスタ
E-6:ティア、カイル
E-7:ルビア、ディスト
F-6:エミル
G-1:アッシュ、アニー、バルバトス
G-2:ジェイド、リフィル
G-4:ワルター、チャット、セネル、ロイド、クロエ、ノーマ、ジルバ、ステラ、シャーリィ

G-4のL勢大集結ってのはともかく、案外近場に同作品キャラが飛ばされてるね。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:17:06 ID:t0u3vRIPO
投下します

24 :hope 1:2008/09/02(火) 09:18:52 ID:t0u3vRIPO
「……メルディ」

月明かりを照らす川辺。
豪奢なドレスを夜風になびかせて……一人の女が佇んでいた。
女―――シゼルは、かつて死した身であった。
自らの怒りと哀しみを呼び声とした、黒き光の神に身を委ね。
最愛の娘と、その仲間達に神を倒され……そして、最後は世界を守らんとした彼らの為に、自ら命を捨てたはずであった。


「メルディ……私は、どうすればいいのだ……?」

娘の名を呟き……返る事のない問い掛けを繰り返す。
あの時不思議な道化師に殺された青年の姿は、確かに覚えている。
忘れるはずもない、自分とは正反対の極光を持った、娘の仲間の一人であった。
あの青年が殺された時、もしやとは思ったが……幸い、娘の名は名簿に載っていなかった。
ただし、同じく娘の仲間であった青年と、未熟な極光使いの名は存在していた。

「私は……私、は……」

わからない。
自分が、この地で何をなすべきなのか。
命じられたまま、この地の人間を殺しつくすのか。
それとも、あの道化師へと反逆する道を探すのか。
……どちらも正しく、どちらも間違いとしか思えなかった。
殺しつくした先で、何を褒美に望めばよい?
反逆した先で、どこに行けばいい?

答えは導き出される事なく、ただ……メルディに会いたいと、場違いな思いが渦巻く。
だが、会うわけにもいくまい……あの子はもう、私の手から解き放たれるべきなのだ。


25 :hope 2:2008/09/02(火) 09:20:20 ID:t0u3vRIPO
今更、この愚かしい母が戻ったところで……何ができよう?

「メルディ……」

答える者いないまま、何度目かの呟きを口にし……人の気配。

「……誰だ?」

振り向いた先には、金髪を波打たせた男の姿。
一瞬極光使いの青年かと思ったが、違う。
男は手にした弓を、油断なくこちらに向けている。

「……お前は、この殺し合いに乗っているのか」
「さあ、な……私でもわからん」

男の問いに、薄い笑みを浮かべて答える。

「私が何をなせばいいのか、全くわからない……まあ、今は襲われなければ殺す気もないがな」
「……そうか」

弓を下ろすと、男はこちらに背を向け、何も言わずに歩き出す。

「……そういうお前は、どうなんだ?」
「こちらも、似たようなものだ……私怨のない者を手にかけるのは気にくわんが、私には成さねばならぬ事がある」

ほう、とシゼルはさらに尋ねる。

「成さねばならぬ事があるのなら……さぞかし、帰りたいだろうな。
 しかしそれなら、何故私を殺さぬ?」
「この地には、私が求め続けた物があるかもしれん。
 まずはそれが本当にあるのか、何故ここにあるのか……それを確かめてからだ」

理解するには、いささか言葉が足りぬ説明。

「要領をえんな……まあいい。
 ……最後に、名前を聞いておこうか『求める者』よ」

求める者、という言葉に男が怪訝な顔を浮かべる。

「ダオス……我が名はダオスだ」
「そうか、ダオスよ。我が名はシゼル」



26 :hope 3:2008/09/02(火) 09:21:35 ID:t0u3vRIPO
シゼルは自嘲的な笑いを浮かべ、名乗る。

「求める物も何もない……ただの、愚かな母親だ」







シゼルと別れたダオスは、西へと歩を進めていた。

(奇妙な女だ……微かだが醜悪な力を感じて来てみれば、正気を無くしかけたただの女ではないか……
 いや、僅かだがその様な力を流している以前で、ただの女ではないのかもしれんな)

殺し合いに乗る気はないらしいが、警戒はすべきかと考える。

(それよりも……何故だ、何故あれがここにある?)

この地に飛ばされた時気付いた、明らかに少ないマナ。
だが、その中に含まれる僅かに違うそのマナの正体は……
地図を見た時まさかと思った、そのマナの源は……

(本当に、あるのか……?大樹・ユクドラシル……)



【シゼル 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:支給品不明
基本行動方針:何を求め、何をなすべきかわからない
第一行動方針:何をすべきか、とりあえず考える
現在位置:F5、浜辺

【ダオス 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:聖弓ケルクアトール、矢30本
基本行動方針:D1にあるのがユクドラシルか確認する
第一行動方針:ユクドラシルの確認優先、邪魔しなければ殺しはしない
現在位置:F5、浜辺(西へ移動中)


27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:24:09 ID:t0u3vRIPO
投下終了です

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:27:35 ID:Vuvdll6g0
>>1とテンプレ、投下乙です
ラスボスコンビは組んだらやばそうだw

ところでもう登場してないキャラは3人になってしまったけれど
前スレで最初の大きい地図が欲しい人がいたのでどうぞ
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2931.jpg.html

いなかったらまた言ってくれればうpします

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:40:25 ID:qrjOEpO60
>>22
ハロルドってまだだっけ?

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:44:52 ID:/9Ro8MQIO
ミトス、ハロルド、リヒター記入漏れorz他にも抜けがあるかも。
そう言えばそろそろ2chパロロワ辞典に登録した方が良いんじゃね?

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:50:47 ID:Vuvdll6g0
ハロルドは出たな。

拡声器って範囲どれくらいかな
拡声器使ったにもかかわらずデクスの周りにだれもいないというw

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:51:24 ID:t0u3vRIPO
凸凹トリオはC5の洞窟だから……
すずちゃんの真下にいるのか?

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 09:55:00 ID:t0u3vRIPO
C2のドッペルコンビは聞こえてて、城内のドSコンビは聞こえてなかった
D2のマルタは話の最後に聞こえたらしい表記
あと聞こえそうなのはD4のアガーテ&プレセアとE2のハスタ?
……ハスタ来るとかヤバイな

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:05:22 ID:5S3piO+OO
そういやどっちの塔も過疎ってるなw
ドッペルコンビは来ないしマルタもユージーンも釣られそうにないし
来るとしたらアガーテ達かハスタか

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:06:31 ID:s3kftMcrO
投下します。

36 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 1:2008/09/02(火) 10:08:51 ID:s3kftMcrO
  「ええ。だって俺は正義の旗を振り翳して生きてる訳じゃないですから」
  「理想、ですか? そんなもの疾うに砕けましたよ。あの少女と貴女を見た時、“何か”が壊死したんです」
  「現実は何時だって此所に在る。誰かの理想を糧にして、他人の理想を殺して此所に在る」
  「簡単でしょ。エゴの天秤です。たったそれだけ、なんですよ」



どろりとした温い漆黒が手足に絡む幻想。
近付いているのに、まるで遠ざかっているかの様な錯覚。
心をあの景色に忘れて来てしまった様な喪失感。
圧迫感が、酷くて。部屋が、黒よりも深くて冷たい、漆黒に。
そこに墜ちてゆくのだ。
暴れる気なんて下らない。最初から無かった。
貴女が居た澱む水底は心地良かった。太陽の光が届かぬ盲目の世界。
貴女は、きっと笑ってた。
だって俺も笑ってたから。

ふいに光が、差した。

瞳孔が開く。貴女は泣いていた。
如何してか、と訊くと貴女は虚ろな瞳のまま俺の目を見る。
俺はそれ以上貴女に何も言えなかった。

『俺は英雄と称えられた』

かつて俺の前に立ち開かった彼女の言葉が俺の思考を雁字搦めにして一向に離さない。

37 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 2:2008/09/02(火) 10:10:54 ID:s3kftMcrO
何かの代償の先にあるそれは、平穏で理想が現実になった世界だと果たして言える?

『全てを救った勇敢な若者と、民衆に囃された』



間違いだよ、俺はそんなんじゃない。



一陣の緋色が突然に現れ、彼女を突き飛ばす。
程良く引き締まった血塗れの身体を、金髪の青年は受け止める。
揺れる前髪の向こう側で、魔力が星屑となって溢れるチャクラムが漆黒に軌跡を描いていた。
「イレーヌさん!」
青年は声を荒げて女の肩を揺らす。
艶やかな髪を乱す女はゆっくりと瞳を上げた。
「―――ッ」
青年は言葉を失い息を飲む。
紅に浮かぶ宝石は最高に色が無かった。
「……や」
「え」
俺は我に反る。
彼女の弱々しく聞き取れない声は俺の何処かを刺激した。
俺は一度間を置く。
「……。ごめんイレーヌさん、今何て?」
青年には彼女の荒い呼吸が遠くの剣戟より大きく聞こえた。
微風が彼女のスカートをぱたぱたと靡かせる。
青年は目を滑らせる。スリットから覗く細く華奢な足は小刻みに震えていた。

「嫌、って言ったの」

はっきりとした発音で呟かれたそれは彼の肩をびくりと揺らす。
戦ぐ葦がざわざわと音を立てた。
「イレーヌ、さん」
はっきりとした言葉。断言。
その拒絶は吐き気を覚える程までに俺の中身を揺さぶる。
けれど、あの時に比べればこの程度何て事無かった。
「……放してスタン君! 私に構わないで!
 貴方まで汚れないで……! じゃないと、私っ」
消え入りそうな声はとても切ない。
思わず抱き締めたくなる衝動を耐え、青年は舌唇を噛んだ。
今そうしても、きっと彼女の幸せには程遠い。
“考えろスタン・エルロン。何故、彼女はこうなった”
「嫌だ」
半ば無意識に口から零れ落ちたそれは、しかし紛れも無い本心だった。
「お願い、ねぇ。お願い……! 私を私で居させないで、私を苦しめないで……!」
“あは、馬鹿だな簡単さ。彼女が弱かったからだよ”

スタン君、貴方は真直ぐじゃなきゃ駄目なの。
どんなに苦しい現実でも、諦めずに未来を作っていける貴方じゃなきゃ駄目なのよ。
光なのよ、スタン君。皆の道標となる、光。
闇の袋小路を信じて歩ける貴方は、こっちに来ちゃ駄目。
私は、闇だから。

「…嫌だ」

38 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 3:2008/09/02(火) 10:13:35 ID:s3kftMcrO
(嘘。本当は来て欲しい癖に♪)
“違う。彼女は弱くない、あの時の志しと覚悟は強かった。本物だった”

だからそれは駄目なの、分かって頂戴。
昔言ったでしょ。お姉さんに逆らおうなんて10年早いんわ。
間違える前に私を殺してスタン君。でなければ貴方は貴方じゃなくなるわ。
貴方、自分を殺そうとしてるのよ?
ね、私が好きなスタン君を、貴方は殺そうとしてるのよ?

「じゃなきゃ私、貴方をこ、コロ、殺」
生まれたての子馬の様に震える貴方の肩を乱暴に掴む。
彼女は上目遣いで俺を見た。
彼女の涙の理由を、“この俺”は知らない。
「……五月蠅い、嫌だッ!」
“じゃあ何故。彼女は何故苦しんでる。弱くないなら何故彼女は今、泣いてる?”
「もう絶対に現実なんかにイレーヌさんを殺させはしないんだッ!」
力強く抱き寄せられた女の頬に一瞬だけ紅が差す。夜空に悠然と輝く満月だけがそれを見ていた。
女は瞼を下ろす。下唇が何かに堪えるかの様にぎゅうと噛まれていた。

「スタン君、私ね」

貴方はそれでも私を守るのかしら。私の道標になってくれるのかしら。
【否、それはお前が好きな奴では無い筈だ。故に夜道は照らせない。
 在るのは輪廻の深淵迷宮だ】

「女の子と出合ったの」

剣戟から乖離された世界で、ゆっくりと貴女は口を開く。
俺の腕の中に身を任せる貴女。
その甘い匂いを鼻腔に感じながら、俺の背に一筋の嫌な汗が流れる。
「言わないで下さい」
地に足を立てているのに、非常に足場が不安定に感じた。
貴女は、イレーヌさんは尚も続ける。
俺はきっと彼女が何を言おうとしているか知っている。
“それを黙らせようとしている俺が、彼女を守ると言うのか。烏滸がましいとは思わないのか?”
「とても、真直ぐな瞳だったわ。懐かしかった……私も昔はああだったわ」
どこか遠くを見るような目はあの時の貴女と重なった。
ノイシュタットのガイドの言葉を一緒に聞いた時も、貴女はずっと向こうを見ていた。
「ダメだイレーヌさん、言わないでいい」
あはは、とイレーヌさんは笑う。血に染まった脆い笑顔は触れると壊れてしまいそうだった。
「自分の天井は雲より高いと思ってた。何処までも翔べると思ってた」
“違う、俺は彼女の哀しい顔が見たくない。今此所でその話を掘り返す事は意味の無い事だ”
心臓が高鳴る。俺の顔はきっと強張っていた。

39 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 4:2008/09/02(火) 10:15:53 ID:s3kftMcrO
近くの剣戟がまるで遠くの世界での事に感じる。
「お願いです、イレーヌさん、やめて、下さい」
“だから埋葬すると? そうやって嫌な現実から目を逸らすのか、俺”
「私、そ、その人を、そんな優しい貴方みたいな、人を、こ、殺――――」
“それは屁理屈だ! そうじゃない。彼女が殺人鬼であろうと関係無い! 大切なのは、心なんだ!”
「もういいって言ってるでしょうッ!!」

私の言葉を遮って、彼の怒号が鼓膜を揺らす。
火照ったスタン君の身体は心地良くも、不快だった。




―――――――――――――




煌めく夜空の下で、もう一つの星が輝く。
その軌跡にはコミカルな星が流れ、幻想的だ。
同時に、込み上げる笑いも青年にはあった。
こんなゴツいブ男がファンシーな戦輪を使っているのだ。ネタでなければ何だと言うのか。
だが、と彼はふざけた戦輪を受け止めながら思う。
この男の強さは本物だ。地面を抉る足、この一撃の重さ。
……到底人間の力では無い。
そして何より嫌らしいのが―――
「爆炎斧うッ!」
―――これだ。
無意識に舌打ちが出る。洒落にならない。
真面に受ければガードを崩されるのは身を持って体験済み、お陰で腕に裂傷を負った。
「まだだぜぇ豚があぁ!」
と、凄まじい熱風が顔に掛かる。
反射的に目を閉じた時にはもう遅い。
(やべっ……!)
バックステップよりサイドステップが良かったか、と思うが先程後者で失敗している。
暗闇の中で突然に現れる輝く炎。目眩ましには実に最適だ。
「獅子、戦吼ッ!」

がくん、と俺の景色が歪む。
遠くで誰かが、叫んだ気がした。




―――――――――――――




「スタン君」
優しく声を掛けてくる彼女の優しさが、とても痛い。
“そう、俺は世界を救ってなんかいない。英雄なんかじゃない”
溢れ出す想いを、俺は止められなかった。

なんだか、これから取り返しのつかな事をしてしまう様な気がした。

「畜生、畜生、畜生……ッ! あれだけ後悔したのに、次に貴女と会ったら必ず救うとあれだけ泣いたのにッ!」

40 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 5:2008/09/02(火) 10:19:51 ID:s3kftMcrO
“貴女を救えなかった。世界は貴女を尽く拒絶した。そんな世界を救って何が嬉しいものか”
違う、止めろと誰かが叫ぶ。
「スタンく……」
「俺は貴女を救えなかったッ! 何が英雄だ。何が人々を救った勇気ある若者だ!
 皆何も分かってないッ! 建前ばかりで、内容は知らない癖に結局は結果ばかり見てるんだ!」
“挙句、こうして再び出合った貴女は、こんなに、こんなにもなって”
違わない。俺に何が出来る?
今のイレーヌさんを救える?
罪を消せるとでも?
血塗れで弱ったこの人を見てまだそんな甘い事を言うのか俺は?
これは現実だ。許容しろスタン・エルロン。
「俺は、貴女をこんなになるまで追い詰めてしまった現実を……絶対に、許さない」
皸が入っていたそれが砕け散る。
彼女の紫の瞳は無言のまま俺の両目を射抜く。

【お前は、それでもそう思うのか】
“ミクトランを討って、世界が変わったかと聞かれると、俺はどう答える”




―――――――――――――




【魔の道具を集めよ。選ばれし女よ】
選ばれし女?
選ばれた記憶は私には無いのだけれど。
それに魔の道具って、何かしら?
【お前は孤独を求めている。故に我々の声が聞こえるのだ。魔の道具―――それは暗黒の魔力を秘めし武具】
……孤独……? 何だか知らないけれど。
生憎だわね、貴方の命令に従う気は毛頭無いわ。
【構わぬ。私には分かるのだ。お前は何時か“こちら側になる”】
……どう云う、意味?
【この島に散らばる魔の道具、それを集めお前の騎士の本を以て我を憑位させよ。
 さすれば理想を実現させる力を与えん】
……私は、独りになる?
あは、貴方面白い事言うわね。スタン君が居るのにどうしてそんな事が言えるの?

【愚問だな……成程、矢張りまだ木が熟すには足らぬか】

【考えるがいい。“騎士が何者なのか”を。さすれば応えは自ずから見つからん】


何も、間違ってなんかいないわ……彼は、“スタン君”よ。




―――――――――――――




ふ、と我に反る様な感覚だった。スタン君は相変わらず私を抱いている。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:21:59 ID:bNfHmJMt0
 

42 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 6:2008/09/02(火) 10:22:25 ID:s3kftMcrO
今のは一体―――
「イレーヌさん、俺分かってるんです」
彼は低く唸る様に呟いた。
私の肩に手を掛けると、彼は私を腕の中から開放する。
少し名残惜しいと感じる自分に嫌気が差した。
「―――皆が皆、貴女の様に世界について考えてる人じゃない。
 でなければ。でなければ何故貴女がここまで苦しまなければならないんですか」
彼女の両手を包み込む様に優しく握る。
彼女の疲れた笑顔を癒すには、“それしかない”。
そしてそれは、俺の信じる道だ。二度と彼女を汚させはしない。
「そんな現実、貴女を許容しない現実なんか。俺は……」

持つべきものは信じ続ける強い意思だ。
そこに正義と悪なんて必要無い。だから俺は、この道を信じる。


……イレーヌさんが、俺に剣を差し出した。

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:23:04 ID:bNfHmJMt0
 

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:23:33 ID:Vuvdll6g0
支援

45 :蛙、蝸牛、子犬の尻尾 7:2008/09/02(火) 10:23:59 ID:s3kftMcrO
【ルーク・フォン・ファブレ 生存確認】
状態:HP85% TP95% 若干の吐き気 鳩尾に痛み 打撲
支給品:メロメロコウ ミスティシンボル ソウルブラスト
基本行動方針:今自分に出来る事をする
第一行動方針:妥当マグニス
第二行動方針:何であいつら助けにこねぇんだよ…このままじゃ俺死ぬって!
現在位置:A7南

【イレーヌ・レンブラント 生存確認】
状態:精神不安定 頬に傷 魔剣の声が聞こえる
所持品:魔剣ネビリム 魔槍ブラッドペイン
基本行動方針:スタンと共に答えを探す
第一行動方針:邪魔をする人間には容赦しない
第二行動方針:魔剣の指示を遂行するか考える
現在位置:A7南

【スタン・エルロン 生存確認】
状態:現実への絶望? 精神不安定 理想崩壊? エクスフィア装備
所持品:要の紋付きエクスフィア ネクロノミコン センチュリオン・イグニス
基本行動方針:イレーヌを最後まで守る。イレーヌを許容しない世界を許さない
第一行動方針:障害は斬る
第二行動方針:死体の事は二の次に考える。可能なら彼女の支給品を回収
現在位置:A7南

【マグニス 生存確認】
状態:TP95% HP95% ルークにブチ切れ中 背中に裂傷
所持品:スターダストリング ??? ???
基本行動方針:皆殺し
第一行動方針:目の前の赤毛を殺す
第二行動方針:その後金髪と紫毛も殺す
現在位置:A7南





  「結局何が正義か悪か、理想か現実かなんて、論じるだけ無駄なんです。価値観が邪魔で尺度では計れない」
  「だから俺にとってこれは正しいと信じる現実です。それは誰にも否定出来ない」
  「イレーヌさん、貴女が今信じている道って、何ですか?」
  「貴女は、今何を考えて何を感じているんですか?」
  「ね。教えて下さい。俺の理想を踏台にして存在している今は、誰の理想なんですか?」





46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:25:28 ID:s3kftMcrO
投下終了です。

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:27:59 ID:XACCrGO50
乙です
スタンにエクスフィア&火のセンチュリオンコアとか何気にやべぇw
でもマグニスさま火耐性あるからなぁ…

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:29:16 ID:UHDjgREvO
乙です
スタンマーダー化?ついにエクスフィア支給か…
ルークの第二行動方針に笑った自分は間違いなく麻痺ってる

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:30:48 ID:t0u3vRIPO
投下乙です
不安定なスタン、さらに不安定なイレーヌさん、マグニスさま……
ルーク頑張れ、超頑張れ

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:31:15 ID:hayO8U/M0
1stのクレスの再来になりませんようにっと。
まあ其処まで酷くはならないか、多分。

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:36:34 ID:/9Ro8MQIO
投下乙です。
まともなのルークだけかwwマグニス様を退けても不安定コンビが居るしw
>>50流石にあそこまではならないんじゃね?w

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:37:31 ID:gjU+y2kA0
投下乙ー。
やっぱこの流れだとスタンはマーダーっぽくなるよな。
パーティキャラのマーダーは貴重だし、こっからどう掻き回して(回されて)いくか楽しみ。

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:49:27 ID:jQVBHrhy0
GJ。考えさせられる。
スタンマーダー化か・・・ルーク死なないでくれ

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 10:53:05 ID:Vuvdll6g0
投下乙です。
ルーク頑張ってんのに2人は元の世界の話でシリアスモードで
遠くから見てイチャついてるとも取れる様子だし哀れすぎるw
イレーヌさんは自殺後・ネビリム装備持ちで恐ろしく精神不安定だな
スタンはミクトランを倒した後か。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:02:58 ID:5S3piO+OO
うわ、A7が大変なことにwルークカワイソスw
スタンはマーダー化するもっと決定的な理由になる事が起きれば大暴走しそうだなw
本来落ち着いたキャラだけに期待

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:19:07 ID:/u+Q6tNk0
投下乙
イレーヌさん・・恐ろしい子!さすがはマーダー枠で選ばれたキャラです。
ルーク逃げてえええ!誰か、誰か助けて!

こっちも1日待ったので投下しようと思ったら、別のキャラが1日制限にひっかかったww
もう誰かあいつを書いて俺を楽にさせてくれ・・wドキドキするのに疲れたw

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:25:59 ID:UHDjgREvO
でかいマップに位置記入してみた。分類は主観
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2958.jpg.html

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:39:26 ID:yeYHxw6UO
24時間制限って厳しくないか?
キャラ少ない終盤なんかを考えると一日一本になってしまう

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:41:24 ID:qY6W6ZeG0
マップ乙
分かりやすくて助かります。
分類にワロタ。
しかし西はマーダー率ホントに高いな。
だからといって不安定コンビに頑張られるとルークが可哀想過ぎるw

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:42:34 ID:UHDjgREvO
終盤までこのペースが続かないのはどのロワを見ても明白
進みすぎるパートも出てきちゃうし丁度いいと思うよ

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:43:02 ID:jQVBHrhy0
>>58
終盤になると難しさから書き手も少なくなるしキャラ思考も複雑。だから文が長くなるしクオリティの高さが要求される。あとは・・・1stを見れば分かるな?

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:53:31 ID:Vuvdll6g0
マップGJです
自分もやってたんだけどこっちのがはるかにわかり易かったw
G4はあんなに人が集まってるのにマーダー1なんだな
ジルバもそう簡単にボロは出さないだろうし

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:54:29 ID:EgU99oSE0
投下GJ!
夢にまでみた暴走スタンが見られそうで次が楽しみだ

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 12:08:11 ID:XACCrGO50
残るはキールとレイスだけか…
どっちも普通にムズイなぁ

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 12:12:46 ID:VS0BX61IO
キールとレイスだけじゃ話作りにくいから、みんな1日制限待ちなのかもなぁ
同作品キャラ合わせてもあれだし
三日経たずにに全員登場しそうな勢いだw65人もいるのにすごい

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 12:17:15 ID:VS0BX61IO
連投スマン書き忘れ
地図の人乙
分かり易すぎて吹いた分類……
マーダー少ないなぁ
ラスボスが純粋にマーダーになってくれないのが誤算だ。頑張ってくれ
ミトスとジゼルが枯れてるw

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 13:13:21 ID:t0u3vRIPO
地図のまとめ乙です
すでに各所に乱戦フラグが……
ルーク涙目のA7
再び城崩壊の危機なC2
もうバレーでもするしかないG4……

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 13:29:55 ID:BKgVhomwO
投下します。

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 13:30:40 ID:eLAnszYnO
魔装具は持ち物で散ってるのかな?
それとも
各所に隠されている?

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 13:36:26 ID:XACCrGO50
>>69
散ってる
アビス基準で今出てきてないのは魔杖ケイオスハートのみ

71 :ろくでなし 1:2008/09/02(火) 13:40:25 ID:BKgVhomwO

誰も信じてはならない。
信じられるのは、己のみ。

でなければ、メルネスを守れないから。

気を抜いたばかりにメルネスが殺されたらどうするのだ。
俺はメルネスを守ることが使命。

そうだ、誰も信じるな。


メルネスが殺される可能性を0にするには。






簡単じゃないか。











皆、殺してしまえ






──────────





潮の香り、波の音。

遺跡船という海に囲まれた場所で冒険し、海と触れてきた少女たちにとって、懐かしく親しみ深いもの。


72 :ろくでなし 2:2008/09/02(火) 13:46:20 ID:BKgVhomwO
殺戮ゲームに放り込まれたこの状況下で、それらは少なからず彼女たちの心を和らげる要素に違いなかった。

……しかし。


「アーヴィング、すまなかった……!」
「あたしも本当にごめん!」

当の彼女たちはそれどころではなかったようだ。
二人とも目の前の青年にしきりに謝罪を続けている。青年は彼女たちの勢いに押され困惑気味だ。

端から見れば、実に妙な構図である。
砂浜で二人の少女と一人の青年が向かい合う形で正座して、互いに頭を下げ合っているのだ。
なぜこのような事態になっているのか。
それを知るには20分ほど時を遡る必要がある。


 *  *  *


「何だその本は」と赤面した少女剣士に訊かれ、手にしている本の表紙を見て、ロイドは驚愕した。
グラマラスな女性が、隠れていない部分を探す方が疲れるほど際どい格好で、官能的な姿勢で映っている。
旅の仲間である紅い髪の神子──彼はこの『殺し合い』に招待されていないらしかった──が好みそうな本。
ロイドも思わず素頓狂な声を出して、赤面してしまう。

「な、なななななな何だよこれっ?!」
「私に訊くな!!!」
「そーだそーだ、このスケベ!」
「俺こんなの知らねーって!」

先程まで繰り広げられていた鬼ごっこのこと等すっかり忘れて、三人は口論している。
ロイドは以前も濡れ衣を着せられ不名誉な称号を得た経験からか、それを繰り返すまいと必死に誤解を訴え弁解する。
だが、悲しきかな、どこの世界でもこの手のことは男性に非があるということにされてしまうらしい。
少女剣士は、構えていた大剣の存在も忘れ、往生際悪く言い訳を続ける(その時点の少女たちにはそうとしか見えなかった)ロイドの頬を全力でひっぱたいたのだった。

しかし、そのおかげで彼女たちも少し冷静さを取り戻したようだ。
呻くロイドの主張を何とか聞き入れててもらえ、そして少女たちもロイドが丸腰であることに気が付き、和解に至ったのである。
騒動の発端であるノーマは真相を知ったクロエから拳骨を一発お見舞いされた。
──まるで彼女たちの保護者的存在だった博物学者みたいだ、とこぼしたノーマがもう一発食らったことは想像に難くない。
その様子をロイドは苦笑しながら見ていたが、まだ自己紹介すらしていないことに気付き、互いに話し合った。
そして自己紹介を終えるなり、二人の少女は勢いよく頭を下げ、今に至る……というわけだ。


 *  *  *


「いや、もういいって! なんか俺の方こそごめんな」

元はと言えばノーマの誤解から始まった騒動だったのだが、ロイドは気を悪くした様子もなく人懐っこそうな笑顔を浮かべた。


73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 13:46:32 ID:Joi+e/RTO



74 :ろくでなし 3:2008/09/02(火) 13:49:31 ID:BKgVhomwO
そのお人好しの笑顔により罪悪感が膨らんだのか、クロエは尚も謝ろうとする。

「だが……」
「悪かったっていうクロエ達の気持ちは十分受け取った。で、俺も許した。ならそれでいいじゃん。だろ?」
「そーだよ、クー! もういいって言ってくれてるんだしさ」

ロイドの言葉に、なぜか騒動の原因であるノーマが他人事のように同調して割り込んだ。
いつものこととわかっていても、真面目なクロエにはノーマのその言動が許せなかったようで……。

「ノーマ、おまえはもっと反省しろ!」
「あだっ!」
「はは……ところでさ」

再び苦笑したロイドは、彼女たちに向き直り話題を変えようと言葉を紡いだ。
二人の視線がロイドに注がれる。

「クロエとノーマは、この『殺し合い』をどう思う?」

ロイドの真剣な問いに、クロエとノーマは、

「認められるわけないだろう!」
「あたしだって……死ぬのは嫌だもん」

と返した。
そしてロイドも、

「俺も絶対反対だ、こんなの」


かくして彼らは道化師サイグローグに共に立ち向かうべく協力することにしたのだった。

「そうだ。なぁ、ノーマ」
「ん〜、なに?」

「結局これはどうするんだ? ノーマのだろ?」

そう言って、ロイドは切れ掛かっているスケベ本を差し出した。



「そんなの捨てろこのスケベ!」
「このろくでなし!」



結局、ロイドがその後二人から張り手を食らうことになったのは、言うまでもない。
岩影から黒い翼が三人を狙っていることに、彼らは気付かなかった……。



〈ロイドは『すけべ大魔王』の称号を手に入れた〉






75 :ろくでなし 4:2008/09/02(火) 13:52:02 ID:BKgVhomwO

【ノーマ・ビアッティ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:本人確認済み支給品0〜2個
基本行動方針:殺し合いに乗る気はない。死にたくない
第一行動方針:クロエ・ロイドと共に行動する
第二行動方針:セネル達と合流する
現在位置:G4砂浜

【クロエ・ヴァレンス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:オブシディアン、本人確認済み支給品1〜2個
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:ノーマ・ロイドと共に行動する
第二行動方針:セネル達と合流する
第三行動方針:同志を探す
現在位置:G4砂浜

【ロイド・アーヴィング 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、両頬の腫れ、すけべ大魔王
所持品:本人確認済み支給品1〜3個
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:ノーマ・クロエと共に行動する
第二行動方針:同志を探す
第三行動方針:クラトス達が気になる
現在位置:G4砂浜

【ワルター・デルクェス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:タバサ、本人確認済み支給品1〜2個
基本行動方針:シャーリィの護衛をする、可能ならセネルとその仲間を殺す
第一行動方針:セネルの仲間二人と見知らぬ青年を殺す
第二行動方針:シャーリィを探す
第三行動方針:シャーリィを他の参加者から守る
現在位置:G4砂浜

※スケベ本はG4砂浜に放置されています
※ノーマ・クロエはS世界とその世界からの参加者達の情報を得ました
※ロイドはL世界とその世界からの参加者達の情報を得ました
※ノーマ・クロエ・ロイドは互いに自分の支給品を見せ合ったため知っています



76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 13:54:28 ID:BKgVhomwO
投下終了です。
既に他の展開がアレなので、せめてここだけでもと明るくしてみた

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:17:32 ID:Vuvdll6g0
投下します

78 :勘違い 1:2008/09/02(火) 14:20:25 ID:Vuvdll6g0


クラース・F・レスター(29歳/独身)は露出度の高いびしょ濡れの若い女性に抱きつかれて困惑していた。
艶やかな漆黒の前髪から滴る雫が赤い唇を濡らし、水を弾く若くて肌理細やかな肌には宝石のような水滴が輝く。
女は長い睫毛を持ち上げ、薄紫色の大きな瞳を上目遣いにしてこちらを見ている。
胸は小ぶりだが短めのショートパンツとオーバーニーのロングブーツからチラリと見えるフトモモはなかなか・・・って何を考えているんだ私は!

「え!?お金は!?」
女が突拍子もないことを言い始めるのでクラースはきょとんとした。
何だこの女、抱きついただけで金を取ろうというのか?
というかそっちが勝手に抱きついてきたのに意味が分からない。

「悪いが私はそこまで欲求不満ではないぞ!」
「ハァ?」
「は?」
クラースは女の肩を掴み自分から引き剥がした。
女は訳が分からないという表情でこちらを睨むのでクラースは全く同じ態度を取った。

「お前、何のつもりだ?」
「何って、お金の音がしたからつい飛びついちゃったのよ」
女は顔に付着した水滴を手で払いながら言った。
クラースは納得のいかない説明に顔を歪める。
「もしかしてこれの音か?」
そう言ってクラースは先ほど取り落とした足元の小さなものを拾う。
ヒヨコの絵が彫られた小さなお守りだ。
女はがっくりと肩を落とした。
「何それ、ガルドじゃないじゃない!」
「残念だったな。というかこんな状況でなぜガルドを欲しがる。この状況で普通欲しがるなら武器だろうに。」
そう言うと、クラースはザックから自分の手に入れた武器を取り出す。女はその宝石の付いた杖に見覚えがあった。
そう言われてみればそうだった。ルーティ・カトレットは支給品全てグミというとんでもないハズレを引き当ててしまった。
武器など何一つ持っていない。もし目の前の男がゲームに乗った参加者だったら・・・!!
今更ルーティは後ずさりし、意味もない防御の姿勢をとる。咄嗟にクラースは言った。
「いやいや、驚かせて悪かった。君を傷つけるつもりはない。」
ルーティは固まったまま無言でいた。
「私はただの人間だ。法術は使えないし、悔しいが魔術もつかえん。怖がることはない、この杖は私が持っていても何の意味もなさないよ。」


79 :勘違い 2:2008/09/02(火) 14:21:26 ID:Vuvdll6g0

誤解の解けたルーティに、クラースは自己紹介をした。
ルーティも名乗ったが、いきなり抱きついた非礼を詫びることは無かった。
お互い支給品やここにつれて来られた仲間の情報などを交換し合い、これからのことを考える。
名簿にはクラースの仲間が2人と敵が1人。ルーティの知り合いは6人もおり、そのうち2人は戦ったことのある相手だそうだ。
「ダオスは恐ろしい力を持っている。彼を物理的に傷つけることは出来ない。戦うことになったら魔術で攻めるしかない。」
力が制限されているとは知らずクラースは話す。
「ミクトランも要注意よ。”殺し合いに生き残れば望みを叶える”なんてまるでアイツのために作られたゲームだわ。」
恐ろしい敵がいる。そのことを認識させられた。

「とりあえず移動しましょ、ここはC-6だから・・・」
ルーティは地図を確認する。
「ところでここまで情報を話しておいて聞いてなかったが、ルーティはゲームに乗ってないんだよな?」
「とりあえずあたしはアンタについていくことにするわ。優勝できたとしてサイグローグの奴がホイホイ願いを叶えるとも思えないしね!」
あの仮面のピエロが自分に大量のガルドを差し出す姿を思い描いてみたが、その現実味の無さにルーティはふふっと笑った。
しかし突然その顔がこわばり、真剣な表情になる。
「お前、主催者を知っているん・・・どうした?」
「静かにして!」
ルーティの耳に、いや頭に、聞きなれた声が響いた。




『お願い!止めて!』



「アトワイト・・・!?」
いきなり後ろを向き誰かの名前を呼んだルーティを見てクラースはまた困惑した。


【ルーティ・カトレット 生存確認】
状態:HP100% TP100% びしょ濡れ 真剣
所持品:強力グミセット BCロッド
基本行動方針:死にたくはないがゲームは乗りたくない。
第一行動方針:アトワイトを探す
第二行動方針:とりあえずクラースについていく
第三行動方針:スタン達を探す
現在位置:C6滝壺のほとり


【クラース・F・レスター 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:ピヨノン 破魔の弓 グミセット
基本行動方針:ゲームには乗らず仲間を集め打開策を図る
第一行動方針:ルーティと行動を共にする
第二行動方針:クレスとすずを探す
第三行動方針:他に優秀な仲間やアイテムを探す
現在位置:C6滝壺のほとり


80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:22:48 ID:Vuvdll6g0
投下終了です

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:30:34 ID:VS0BX61IO
アトワイトはどこから?

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:34:18 ID:Vuvdll6g0
>>81
C5にいるすずが持っていますが問題あるでしょうか?

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:38:59 ID:BKgVhomwO
投下乙。
クラースとルーティ、すずとアトワイト…接触させるのに申し分ない組み合わせw
地図うpも乙。
C2・G4がゲリラ豪雨に遇ったかのように名前が溢れてて噴いたww
しかしA7って陸地部分狭いのに4人もいるんだな…ある意味C2・G4よりもすごいかもしれん。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:40:26 ID:XACCrGO50
すずはC5の川の近くにいたわけで、二人が滝つぼのC5側にいると仮定すると

   二人
すず

っつう位置関係だから聞こえてもおかしくはないな
MAPの縮尺しらんけど

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:45:16 ID:UHDjgREvO
拡声器でも周囲1マスしか届いてないのにアトワイトの声は拡声器並みかw

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:47:27 ID:ZNtX0iHYO
乙!

そういえばアガーテはどう戦うんだ?
タクティクスみたく薔薇を武器にレインボーアーチ(術扱い)とかやるのか?

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 14:59:03 ID:Vuvdll6g0
どうしましょう、破棄したほうがいいですかね
別エリアでも凄く近くに居るので声が届くと思ってしまいました。

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:01:28 ID:BKgVhomwO
今気が付いたんだが、フィリア&ジューダスが内陸の方に向かったら、ルークは完全な孤立無援になるんだなwそんなつもりでA7に配置したわけじゃなかったルーク作者の俺は涙目www
イグニスがマグニスに見えて不謹慎にも噴いた罠w

>>86
それでいい気がする。
しかし、タクティクスやったことないとアガーテ書けないことにもなるから考え物だな…

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:03:41 ID:5S3piO+OO
投下乙
スケベ大魔王吹いたw
この2人もロイドに攻略されてしまうのだろうかワルターはやっぱりマーダーか

>>87
2人がC6の滝壺の西側にいるとして、すずはナナリーを襲った時川の近くにいたわけだから大した矛盾にはならないんじゃないか
マスターだからってのも

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:09:20 ID:t0u3vRIPO
投下乙です
すけべ大魔王ロイドwww
ワルターがマーダーになったけど……タバサはどうすんだろ
そしてすずとルーティ&クラースに対面フラグ!
いきなり仲間との出会い……気まずそう

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:25:44 ID:Qk71cWyHO
>>88
普通になしでしょ。RじゃNPCだったんだし。
把握も面倒になるし、それに死んじゃったけどクレアなんかヒールとかエンジェルフェザーとか使えるんだぞw

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:33:01 ID:VS0BX61IO
ごめん、キャラの位置関係を把握してなかった>アトワイト
アガーテは普通のロワでいう一般人扱いだろ
月のフォルスはあるけど
カリスマで頑張れ

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:39:20 ID:66QJ7j9AO
まとめ氏超仕事はえぇ。
乙です。
質問ですが、シンクの位置が修正前になってるので、もう一度ここに投下したほうが良いですか?


94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:08:24 ID:qavLvOSnO
そりゃした方がいいんでない
いちいち避難所までチェックしてもらうのもアレだし

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:12:34 ID:VS0BX61IO
直したの状況表だけならそれだけ貼れば?

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:17:20 ID:HTBBFZzp0
段落とか地味に修正しちゃったので全文投下します。
あああ我ながらうぜぇ。

97 :ガラスの仮面@修正:2008/09/02(火) 16:22:25 ID:HTBBFZzp0

−全く面倒な事になったものだ。
あの赤毛のゴミ達に倒されて、ようやく死んだと思ったらこんな所で殺し合いをしろときた。

少年。シンクは木の上に腰かけ、足をぶらつかせながら憎たらしく晴れた星空を眺めていた。
彼には何も望みが無かった。
強いて言えば彼を生み出した呪わしき世界を破壊する事だが、仮に優勝したとしてあの道化師がそこまで世話を焼いてくれるとは思えない。
だからといって、ルーク達をこの機に討つ気にもなれなかった。
世界を憎む事を通して、それを存続させようとする彼らを嫌ってはいたが、一度完全に敗北した事で、その感情は生々しさを失ってしまったようだ。そこまで張り切る気が湧かないのだ。

−かといって、あっさり殺されてやる理由も無いんだけどね。

「どうしようか」

答が返ってくるのを期待したわけではない。
発声と共に幹に預けていた身体を起こし、枝の上で器用にも足を組み、支給品を検分し始める。
 
−水、食料、地図。へぇ、至れり尽くせりだね。

これではルールに気付かず脱落する阿呆や、飢えや渇きで死ぬ者など出ようはずが無い。
あくまでも殺し合いを。と言う意図なのだろう。

−いい趣味してるよ。
 
次に手に取ったものは、・・・・・楽器だった。
手に取って振る事でシャンシャンと音を立てる。鈴、である。
どうやら拳に装着して、殴打用の武器として使えるよう改造してあるようだ。
そこそこ威力もありそうで、体術と譜術を組み合わせて戦う彼にはお誂えの武器、に思えるが。

−使えるかこんなもの。

ここで行われるのは正々堂々とした試合などではない。殺し合いだ。
こんなものを装備していれば、敵に自分の位置を常に教えているのと変わりないではないか。
すぐに鈴をザックに放り込む。不思議な事に、その中にある限りは振り回しても音が鳴らないようだ。
軽い失望を抱いたまま、もう一つの支給品を取り出す。

98 :ガラスの仮面@修正:2008/09/02(火) 16:25:19 ID:HTBBFZzp0

−へぇ、これはこれは。

星明りに照らし、まじまじと眺める。仮面の下でこみ上げる笑いを押さえられなかった。
ついさっき、何処へ行ったのかと胸の内を捜した黒いものが帰ってくる。

−アイツ、分かって僕によこしたのかな。だったらサービス良すぎるんだけど。

彼に与えられた物は音叉を模した一振りの剣。
彼に最後の一撃を与えた時と同じく、宝珠こそ欠けた姿だったが、それは第七音素を操る伝説の武器、ローレライの鍵に間違いなかった。
これはあの赤毛達や導師を踊らせるには最高の餌だ。

−決めた。
 
これだけの物を与えられて、この遊戯を放棄するのはもったいなさすぎる。
せっかくなのだ、ことごとく自分の邪魔をしてくれた赤毛の屑達。彼らにも一緒に遊んで貰おう。
だが素性が知られている自分一人ではルーク達を踊らせる事は出来ない。
だれか協力者。それも奴等とスタンスを同じくする、馬鹿の付く様なお人よしが必要だ。
シンクは手早くもう一つの支給品を確認し、荷物をザックの中にしまいこむ。
立ち上がり、跳躍しようと息を吸い、そこで彼はもう一つ「楽しい事」を思いついた。

−やるなら徹底的に。この人の良さそうな顔、使わせてもらうよ。『導師様』

彼の人生を覆っていた、鳥を模した仮面を外しシンクは微笑んだ。
それは知らぬ者が見れば、さぞ慈悲深い微笑みに見えたことだろう。
そう。さながら聖職者のように。

【シンク 生存確認】
状態:HPTP100%
所持品:すず 未完のローレライの鍵 ??? シンクの仮面
基本行動方針:ルーク達を引っ掻き回して楽しむ
第一行動方針:協力者(出来れば対主催)を探す
現在位置:D6 森の中

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:26:50 ID:HTBBFZzp0
投下終了
何かもうエライすみません。
校正、修正は計画的に・・・・・。

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:28:37 ID:wAS2Kax90
投下します

101 :灰とワカメと涙雨 1:2008/09/02(火) 16:33:38 ID:wAS2Kax90
目の前の大男が、ヒトには見えなかった。
無論、彼は正真正銘の普通ではないが人間なのだ。
それでも、彼はヒトには見えない。
『バケモノ』だと、アニーはそう思った。

「うそ……」

アッシュが放物線を描いて吹き飛ばされたのを見て、目を見開く。
自分の頭上を飛び越えて、二回転して落っこちた。

「アッシュさん!!!」

「……がっ…!げほっ!!」

慌てて駆け寄ろうと、背を向ける。
しかし、あの怪物はそれすらも許さない。

「……男にぃ……」

「バカッ!!!逃げろっ!!!」

「えっ!?」

「後退の二文字は……」

禍々しい力が渦巻いて、男の形相がさらに険しくなる。
翳された手が掲げられた。

「ぬぅえぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

「…女ですっ!!」

返答を聞いているのかいないのか。
怪物の手が振り下ろされ、魔力の奔流が迸る。

「糞っ……!こっちだ!」

胸を押さえ手を伸ばしたアッシュと、その手を握り返すアニー。
しっかりと握り合ったまま駆け出した、二人の頭上に影が差す。

「あ……」

「マジかよ…ッ!!」

巨岩が迫った。
絶望が二人を包む。
地響きを上げ、その絶望は着弾した。

102 :灰とワカメと涙雨 2:2008/09/02(火) 16:34:35 ID:wAS2Kax90


「今日の俺は暴力的だ……運が悪かったなぁ………」

静まり返った崖っぷちには土煙が舞い上がり、その中心にクレーターが出来上がっていた。
野太い声で笑い、巨大なバズーカ砲を肩に抱え満足そうな顔である。
崖際から小波の音に酔いしれご機嫌のようだった。

「狂乱せし地霊の宴よ!」

「ぬゥん!?」

しかし、その高揚感は一瞬で冷や水を浴びせかけられたように鎮火する。
声はするものの、その姿は見えない。
戸惑うバルバトスに構うことなく、術は完成した。

「ロックブレイクっ!!」

「術に頼るかぁ…!!!」

降り注ぐ岩からバルバトスは飛び退く、いくつかは避けきれない。
がっしりと腕を交差させ、まともに受け止めた。
傷を負うも、そのまま反撃として術を発動させる。

「雑魚どもがぁぁっ!!」

「くっ…!!」

「きゃあっ!」

無差別に放たれたエアプレッシャーが、広範囲に重力場を作り出し、辺りの岩石が軒並み粉砕した。
そこから逃れる、二つの影。
クレーターの手前側に伏せ、潜むようにアッシュとアニーは居た。
辛くも今のエアプレッシャーから跳躍して逃れきったようだ。
しかし、アッシュには少なくない負傷が見える。
アニーがふらつくアッシュを必死で支えた。

103 :灰とワカメと涙雨 3:2008/09/02(火) 16:35:28 ID:wAS2Kax90
「右手が…アッシュさん!」

「騒ぐな!!大した傷じゃねえ……!」

アッシュは、シリングフォールが落ちるあの一瞬に咄嗟の判断で巨岩に烈破掌を叩き込んだのだ。
もちろん弾き返すことなどできはしなかった。
だが、僅かに軌跡をずらし、かつ反動で後ろに飛ばされることで直撃を防いだのだ。
その反動を右手が全て受け止め、かつ破砕した岩の欠片で、アッシュもアニーも細かい傷を負っている。
特に右腕からは血が滴り落ちていた。

「馬ぁ鹿な!?」

「馬鹿は手前だ!!……魔神拳ッ!!」

左手から放たれた衝撃波をバルバトスは移動することなく掌で叩くように掻き消す。
しかし、その隙にアニーがアッシュを回復すべく、『ライフ・マテリア』の陣を描き始める。

「貴様ぁ……ラクガキなぞ、してんじゃねえぇぇぇぇ!!!」

「アッシュさん、あぶない!」

「今だ……来いっ!!地の顎!!!」

シリングフォール、ロックブレイク。
準備は整う。
大地の力が、そこには存在していた。
アニーをそのままに、アッシュはステップで飛び出し、大男の目の前で地の力を帯びた短剣を振るう。
駆け寄るバルバトスに向けられた剣先が叩き下ろされ、大地を割り、揺るがした。

「魔王っ……地顎陣!!!」

「ごぉあっ!?」

バルバトスではなく、足元の地面を狙った攻撃に不意をつかれてまともに喰らい仰け反った。
すかさず、追撃を叩き込むため、駆けた。
一手でも遅れを取ったら、殺される。

「烈破掌ぉっ!!!」

「ぐぉあ!」

間髪入れず放った掌に押され、崖際に吹き飛ぶ大男。
全身が軋むような痛みに顔を顰めるアッシュだが、これしきで音を上げる訳にはいかない。
もう少し、と踏み込むがそれがいけなかった。
予想外の連撃を喰らったにも関わらず、ゆらりとバルバトスは立ちあがる。
アッシュの表情が驚愕に歪む。

「あっ…アッシュさ……!!」

「しまっ……」

104 :灰とワカメと涙雨 4:2008/09/02(火) 16:37:15 ID:wAS2Kax90
「死ぬかぁっ!!!!」

「うぐっ!」

手にしていた砲筒を振るうと、その跡をなぞるように炎が迸る。
辛くも防ぐが、右手でかろうじて構えていたクリスダガーが弾かれ、アニーの足元まで吹き飛んだ。

「消えるかぁっ!!!!」

「くっ……!!」

続けて、当たれば消し飛ぶのではないかという程の唸りを上げて砲筒が振り上げられる。
巻き起こった暴風に吹き飛ばされそうになりながらも、必死に堪え大地に留まる。
もう丸腰だ、避けるしかなかった。
しかし無慈悲にも、全てを握り砕かんばかりの巨大な手が暴風の最中アッシュの胸倉を素早く掴み上げる。
丸太のような脚での膝蹴りが、腹に突き刺さった。

「がふっ……!」

「土下座してでも……」

激しく咳き込むアッシュを片腕で高々と持ち上げ、そして真下に振り下ろす。
アニーの小さな悲鳴も届かぬほどの一瞬だった。

「生き延びるかぁぁぁぁぁッ!?」

「ぐああぁっ!!」

轟音を上げて大地に突っ込んだアッシュが、二、三度地面をバウンドしながらアニーの元へ転がった。
度重なる衝撃に、崖が悲鳴を上げる。
大地が泣き出しそうな激戦だった。

「アッシュさん、アッシュさん!!!」

「フハハハハァァ……貴様らは、どれを選ぶ……?」

圧倒的な力を前に、アニーは震え、涙が溢れる。
傷ついたアッシュを前に、自分の無力さを嘆いていた。
発動した『ライフ・マテリア』もほんの僅かに傷を癒す効果しか現れない。
自分の存在がこんなに小さく感じたことは、なかった。

「……お…い……」

105 :灰とワカメと涙雨 5:2008/09/02(火) 16:39:54 ID:wAS2Kax90
「アッシュさん!!しゃべっちゃ……しゃべっちゃダメです」

「この……術……は……もしや、地属性、か……?」

「え?」

今にも崩れ落ちそうなアッシュが身体を起こしながら妙なことを尋ねた。
確かに、この陣術の属性は地だった。
何故それを今尋ねたのか、とアニーは目を丸くする。

「地…属、性かと……がっ…聞い、て、いる!!」

「は、はい!!」

「……よく…やった……」

そう言うと、アッシュはアニーの足元のクリスダガーを拾い上げバルバトスに向けた。
まだ抵抗する気なのだろうか。
アニーは縋って止めようとする。
だが、血を流しながらも彼は不適に笑んでいた。
エアプレッシャー。
打撃で舞い上がった土くれ。
そしてライフ・マテリア。
準備完了だった。

「ぶっ壊れろ……」

「……耐えぬほうが……身ぃのためだぞぉぉぉぉぉぉ!!!」

巨体を揺らしてバルバトスがこちらに迫る。
ああ、もうダメかとアニーは頭を抱えてへたり込んだ。
アッシュは、突き出した剣とは逆の左手を、下から思い切り突き上げる。

「烈震ッ!!天衝ォッ!!!」

「ごぉぁあっ!?」

足元から衝撃が巻き起こり、大地を揺るがした。
そして、亀裂。
度重なる衝撃に限界を感じた崖際が、ごそりと崩れて滑り落ちる。

「あばよ……!この、ワカメっ屑がぁ!!!」

「ぶるぁあああああああああぁぁ………!!!!」

絶壁と呼ぶほどではないものの、それなりの高さの崖から足場ごと転落したバルバトスは、夜の海へと消える。
共に落下した岸壁と共に、大きな波飛沫を上げ、そして海は静かになった。
アッシュは脱力し、呼吸を荒げて座り込む。

「ワカメにゃ……海が、お似合いだろうよ……はぁ、はぁ…」

106 :灰とワカメと涙雨 6:2008/09/02(火) 16:41:07 ID:wAS2Kax90

「……!…だだ、大丈夫ですか?」

「大丈夫に見えるか……?ゲホッ……!」

「……ごめんなさい…私、足ばかり引っ張って……」

アニーがアッシュの前でうな垂れる。
ヴェイグたちとの旅で培った力が、こんなに脆いとは思わなかった。
自分を庇わなければ、こんな深手を負うこともなかったかも、と後悔ばかりが先にたつ。
しかしアッシュはそっぽを向いたまま、肩に手を添える。

「……そうでもねえ……お前の術、あれが無かったら俺たちは死んでいただろうよ」

「え?」

「だから、まあ………なんだ……お前がいたから、俺たちはとりあえず勝てたんだ」

ああ、慰めてくれてるんだとアニーは感じた。
ただ、全く素直になれていないその様が、なんだか照れくささを隠しているように感じて。
涙しつつも、小さく笑ってしまった。

「な……何がおかしいっ!?……くっ……」

「あ……すいません!すぐ治療を…」

「待て!……ここに居たら、ヤツが戻ってくるかもしれねぇ」

「でも、動かすと傷によくないです…」

「お前…あの男が、そこの崖からひょっこり現れてもいいのか?」

アニーは想像する。
濡れそぼったワカメのような髪の大男が、ずるりと崖から這い上がる所を。
水を滴らせ、時折『ぶるぁ』とブツブツ呟きながら徐々に背後から迫り寄る様子を。

「ひっ……」

「だろ…?さあ、近くに街があるのが見えた!そこに隠れる、処置はそれからだ」

「は、はい……あの、捕まってください」

「クッ……情けねぇ格好だ」

ハヌマンシャフトを杖代わりに貸し、逆側の手で肩に捕まってもらい二人はおぼつかぬ足取りで街へ向かった。
アニーは、今度こそ隣の彼の役に立つ、と勇んで街へと歩む。
対してアッシュは危惧していた。
街にもあの男のような危険な人物がいやしないか、と。
こうして、一難去ったところで、二人はようやくゆっくり肩を並べ歩くことができた。

107 :灰とワカメと涙雨 7:2008/09/02(火) 16:42:55 ID:wAS2Kax90




波音が岩壁に当たり、砕けた飛沫が再び落ち着く。
幾度と無く繰り返されるその波間に、漂っているのは青ワカメ。
崖から放り出されたバルバトスは、島の周囲を巡る潮流に巻き込まれた。
潮の流れは存外強く、彼は北に流されつつある。

「………ぶるぅうぁあぁ…」

水面から顔を出し、小さく呻き声を上げる。
あれほどの闘いの後だというのに、致命傷は一つも負っていないようだった。

「小癪な……してやられたわぁ……」

この哀れな漂流物に続けて遭遇するのは、どこの誰だろうか。
波に任せ、怪物は岸を目指す。


【アッシュ 生存確認】
状態:HP40% TP85%
支給品:クリスダガー ??? ???
基本行動方針:アニーは守る
第一行動方針:傷の治療のために街へ
第二行動方針:レプリカの野郎はどうしたんだ…?
現在位置:G1西→G2街へ

【アニー・バース 生存確認】
状態:HP85% TPほぼ100%
支給品:ハヌマンシャフト ??? ???
基本行動方針:アッシュに守ってもらった恩を返す
第一行動方針:傷を治療するため街へ
第二行動方針:治療道具は支給品にあるのかな…確認しよう
現在位置:G1西→G2街へ

【バルバトス・ゲーティア 生存確認】
状態:HP90% TP95%
支給品:プラズマカノン ??? ???
基本行動方針:殺す
第一行動方針:ぶるぅぁぁぁあ……
現在位置:G1西海上→北に流される


108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:45:04 ID:wAS2Kax90
投下終了しました。
実は、バルバトスと戦ったことがなかったりします。

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:46:47 ID:t0u3vRIPO
投下乙です
あ、アッシュがかっこよすぎる……!
さりげなくアニーをフォローしたりと、最高です。でもあんまりやるとナタリアが泣くぞ
バルバトスもネタキャラ属性皆無の恐ろしさ……こいつこんなに強かったのか

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:53:41 ID:BKgVhomwO
投下乙。
バルサンこえぇ…。
アッシュ男前だなぁオイ!
途中リッド・イリアに続いてまた赤毛死亡かと思ったぜ。
しかし海って禁止エリアじゃなかったか?
これは許容範囲??

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:54:32 ID:s3kftMcrO
皆さん投下乙です。
あと、因みに修正話は出来るだけ避難所でなくこちらにお願いします。…メールでもOKなので、どうぞよろしくお願いします。
あとこれは個人的な理由なのですが全修正は出来るだけ避けて頂きたいです。加えて誤字、脱字程度ならメールで部分をお知らせ下さるとスレ消費スピードも落ちるのでよろしくお願いします。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:56:00 ID:wAS2Kax90
第一話に「マップ外の海上は禁止エリア」と書いてあったのでマップ内の海はOKだと思ってました。
もしやダメだったりしますかね

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 16:58:20 ID:4O3uItKd0
>>110
海っていうのは、マップに書いてない部分のこと。
マップに書いてあるエリアの分の海は入っても大丈夫なんじゃない?

新作乙でした。
あの状況をひっくり返すとはお見事です。アッシュかっこいいなあ…。
しかしバルバトスはこれだけやって10%しか喰らってないというw
北に行くのか。これは新たな波乱の予感。

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 17:01:09 ID:Y3QTg3pt0
穴子北上かYOw

D1までいったらカオスだな

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 17:10:15 ID:BKgVhomwO
その後D1→C2城ってかw
また城でサレバルコンビかよww
次の同作キャラ再会はアッシュとジェイドか…?

>>112
>>113
そういえばそうか、すまなかった

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 17:14:03 ID:UHDjgREvO
>>115
アナゴがそんなルート辿ったらまたマーダー大量死亡だろw

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 17:14:21 ID:VS0BX61IO

アッシュかっけえええ
でもバルバトスつえええええ
キャラ立ちの強さハンパぬぇー

まとめさんも乙です!
1人に負担が偏るのはやっぱ申し訳ないなぁ…
でもこのラッシュは長く続かないから平気ですかね

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 17:40:37 ID:/9Ro8MQIO
バルバトス強ぇぇぇwwアッシュだってかなりの実力者な筈なのにw
アッシュ、町にはリフィルてんてーが居るからそれまで頑張れ!
…あ、そういや先生の第一行動方針も決まってないのか。もしかしたら修羅場になるかもしれないなw

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 18:22:49 ID:XACCrGO50
アッシュかっけえええええ!!
街に着けばリフィルさまが…回復してくれるかな?
してくれそうにない気がするのはなぜだろう

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 18:50:00 ID:SSDuBThuO
てんてーは自分の回復で精一杯か?w
にしてもワカメの恐ろしさ、アッシュのかっこよさ、アニーの健気さがよく伝わってくるね。GJ!

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:25:38 ID:/u+Q6tNk0
投下します。短いです。

122 :正義の味方 1:2008/09/02(火) 19:27:00 ID:/u+Q6tNk0
殺し合いに乗っているかという問いにいいえ、とティアは答えた。
彼女は軍人だ。必要な時には人殺しも辞さない覚悟はあるが、今はそのときではない。
殺し合いなど馬鹿げている。ティアは持ち前の意志の強さでそれを少年に告げた。
少年――カイルの方もそれは同じようで、服装はそのままに仮面だけを外しティアの方へと顔を向ける。
仮面の下から現れた顔は、当たり前だがティアの期待していたものとは違う。
純粋で活発そうな笑顔を浮かべた少年は、ティアへと手を差し出した。
「やっぱり、こんな殺し合いなんておかしいよね!俺に協力してくれないかな?正義の味方、って奴?」
「ええ、私もこの催しにはうんざりしていたところよ……え?」
ティアもカイルの手を取ろうとするが、付属された不可解な単語に思わず手を止める。
が、時既に遅し。がっしりとティアの手はカイルに握られていた。

カイルの支給品はその名も正義の味方セットだった。武器が入っていないことにがっかりしたのもつかの間。
説明書を読んでいくうちにカイルの気分はみるみる浮上していった。
なんでもこれは悪を討つ正義の味方の衣装だというではないか。英雄、に近い響きを感じる。
カイルは何事も形から入るタイプである。そして、すごくポジティブだ。
リアラや仲間たちは心配だが、カイルはみんなを信じている。カイルは今自分にできることをするだけだ。
「えっと、俺はカイル!カイル・デュナミスだ」
「私は、ティア・グランツよ。……で、正義の味方というのは?」
「うん。ティアさんにもこれ」
と言って差し出したのは、アビスブラック。ティアの雰囲気に合うようにカイルがチョイスしたものである。
「でも……」
「これ凄く動きやすいし、なんだか強くなった気もするんだ。ティアさんもきっと似合うよ」
真っ直ぐな瞳がティアを貫いた。きらきらきら。そんな擬音がつきそうな程、期待のまなざしでティアは見つめられる。
ティアは苦笑いを浮かべながらカイルを見た。

確かに、あのコスチュームは動きやすいような気もする。昔、ティアだって着たことがあるからだ。
でも、とティアは戸惑う。あれではふざけてると思われないだろうか。いや、服装なんかに囚われる方が馬鹿馬鹿しいか?
士気などが上がるなら衣装を変えるのも決して悪い策ではない。あの服は割と防御力もある。
だが目立ちそう……、仲間を見つけるにはその方が良いのだろうか。

123 :正義の味方 2:2008/09/02(火) 19:27:57 ID:/u+Q6tNk0
なかなか受け取らないティアに、カイルは今やっと気がつきましたと言わんばかりに声を荒げた。
「あ、もしかして嫌だった!?ごめん……俺そういうの鈍くて」
「え――ち、違うの!」
しょんぼりしてしまったカイルを見て、慌ててティアも弁解する。別に、別に嫌だった訳ではないのだ……たぶん。
決心がつかなかっただけで。
ティアは視線を泳がせたのち、決心したように口を開く。
「わ、私はピンクがいいかなあって……」



ついにアビスピンクのコスチュームに身を包んだティアと共にカイルは橋を渡り終えた。
一人より二人。怖いものなしだ。傍から見ればまさに正義の味方だ。
ティアの提案により仮面はかぶらないことにした。遠目からじゃ誰だか分らないからだ。
ティアはいわゆるハズレ支給品だったカイルのために、己の武器を一つ受け渡した。
ブリザードマグ。カイルは銃を使ったことがないというが、何もないよりはマシだろう。
「へ、変じゃないかしら……」
「すっごく似合ってると思うよ!」
クールな見た目に似合わず可愛いものがティアは大好きだ。
自ら言い出したものの全身ピンクに包まれ、気が気ではなかったのだ。
だがティアの戸惑いもカイルは屈託のない笑顔で吹き飛ばす。
「これからどうするつもり?」
「仲間を集めよう。この殺し合いを止めるために」
人が集まるだろうと中央部に向かってきたが、身近にある建物は砂漠に立っている塔ぐらいだった。
「まずはあそこかな」
カイルはそう言うと、砂漠の先にある塔を見据えた。

【カイル・デュナミス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、腕に傷。肩にかすり傷。
所持品:アビスレッドのコスチューム(仮面は外してます)、ブリザードマグ、他アビスマンのコスチューム、カイルの服
基本行動方針:殺し合いを止める。仲間にもアビススーツを着させたい?(強制はしない)
第一行動方針:塔に行く。
現在位置:D-5 (東側の大陸です)

【ティア・グランツ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:アビスピンクのコスチューム(仮面は外してます)、ロリポップ、メロン一個、ティアの服
基本行動方針:ルーク達と殺し合いに乗ってない人を探す。
第一行動方針:塔に行く。
現在位置:D-5

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:29:08 ID:/u+Q6tNk0
投下終了です。最初は全然違う話だったんですが、中央の人口の低さが寂しくてこんな話に。

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:30:51 ID:0x5CK20nO
投下乙
ていうかカイルw

126 :正義の味方@修正:2008/09/02(火) 19:31:14 ID:/u+Q6tNk0
【カイル・デュナミス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:アビスレッドのコスチューム(仮面は外してます)、ブリザードマグ、他アビスマンのコスチューム、カイルの服
基本行動方針:殺し合いを止める。仲間にもアビススーツを着させたい?(強制はしない)
第一行動方針:塔に行く。
現在位置:D-5 (東側の大陸です)

【ティア・グランツ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:アビスピンクのコスチューム(仮面は外してます)、ロリポップ、メロン一個、ティアの服
基本行動方針:ルーク達と殺し合いに乗ってない人を探す。
第一行動方針:塔に行く。
現在位置:D-5

すみません。書き直す前の状況表のままでした。こちらでお願いします。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:33:26 ID:t0u3vRIPO
投下乙です。アビスマンw
ティアはやはりピンクが着たかったのか……

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:34:40 ID:hayO8U/M0
ティアさんに萌えた

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:42:19 ID:BKgVhomwO
乙です。
ヒィ、被った!
後で避難所に投下しとこうかと思ったが、こちらの出来があまりにも神なので没置場にすら投下するのも躊躇われるww
ピンクwティアの可愛さパネェw
D5ということは黎明の塔かw「3K」デクス降臨かww

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:42:33 ID:yeYHxw6UO
投下乙です。どこで着替えたティアwカイル…羨ましいやつめ

そういや彼ら1つしか違わないのか…

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 19:50:33 ID:41yrqAUBO
カイルとティアか…。なんか微笑ましくなるコンビだw


132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:10:43 ID:VS0BX61IO

黒の騎士団を名乗るかと思ったが一歩手前ぐらいか
正義の味方w
>>129
没スレ待ってる

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:14:39 ID:SSDuBThuO
乙!これは絵師を待つしかないなw
しかし奇跡の1歳差コンビだ…

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:32:57 ID:t0u3vRIPO
投下します

135 :仮定 1:2008/09/02(火) 20:34:18 ID:t0u3vRIPO
「なるほど」

ジェイド・カーティスは机に置いたメモを読み直し、一言呟いた。

「今一度確認をしましょう……リフィル、この場にいる貴女の知り合いは全部で6人。ロイド・アーヴィング、クラトス・アウリオン、リーガル・ブライアン、プレセア・コンバティール、ミトス・ユクドラシル、マグニス……で、よろしいですか?」
「ええ、それでいいわ」

机に向かい合って座るリフィル・セイジは、頷き肯定した。

「そしてそのうち敵対関係にあるのはミトス、マグニスの2人……特にマグニスは、間違いなくゲームに乗るでしょうね」
『ミトス、という少年は乗るかどうかわからないんじゃったな……乗らんでくれるとありがたいの』

机の上に横たえられた剣、ソーディアン・クレメンテが続ける。
彼らがいるのはG2とF2にまたがる街、そこにある手頃な民家の中だった。
船酔いでフラフラなリフィルに手を貸し、休みを取りながらの情報交換が終わったところであった。

『次は儂じゃな……知り合いはスタン・エルロン、ルーティ・カトレット、フィリア・フィリス、イレーヌ・レンブラント、ハロルド・ベルセリオス……そして、ミクトランじゃ』

最後の名前だけは、憎々しげに聞こえた。

『スタンを始めとした4人は乗らんじゃろう。イレーヌはわからんが……ミクトランは間違いなく、乗るじゃろうな』
「そうですか……では、最後は私ですね」

メモをぴしりと指で弾き、ジェイドが続ける。



136 :仮定 2:2008/09/02(火) 20:35:21 ID:t0u3vRIPO
「私の知り合いはルーク・フォン・ファブレ、ティア・グランツ、アッシュ、イオン、アリエッタ、シンク、ディストの7人。
 最初の4人は大丈夫でしょうが……アリエッタがイオン様に心酔しているのが厄介です。
 かなりの確率でイオン様の為にゲームに乗りますね。
 シンクも他者への思いやりなど皆無でしょうし、この2人は注意すべきでしょう。
 ディストはまぁ、どうでもいいです」
「さっきも気になったんだけど……その『どうでもいい』って?」
「そのままの意味ですが、何か?」
『お前さん……いい性格しとるな』

どういたしまして、と笑いながら答えるジェイド。
リフィルとクレメンテは、心の中でディストなる人物に同情した。

―――島のどこかで盛大なくしゃみの音が響いたかどうかは、定かではない。

「まあ冗談はここまでにして……2人に少し聞きたい事が」

笑顔を真面目な表情に戻し、ジェイドが切り出した。

「……何かしら?」
「ええ、少し奇妙な話かもしれませんが……死者の蘇生について、どう思いますか?」

死者の蘇生……それは、サイグローグの話にもあった言葉。

「それは、サイグローグの言葉をどう考えるか……という事?」
「ええ、信じがたいかもしれませんが……私が先程話した7人のうち、イオン、アッシュ、アリエッタ、シンクの4人は……死者のはずです」

その言葉に対する、2人の驚きは……思ったより少ない物だった。



137 :仮定 3:2008/09/02(火) 20:36:34 ID:t0u3vRIPO
「正直言うと……ミトスとマグニス、この2人も死んでいるはずよ」
『……ミクトランもじゃよ。ハロルドなんかは千年以上も前に死んどるの』

思いがけず一致した、死者の蘇生についての、答え。

「蘇生は可能、という事かしら」
「……この事については、少し仮定があります」
『仮定?』
「……レプリカ、という物があります」

ジェイドは語る。
フォミクリー、レプリカ、それぞれの技術……無論、それを作ったのが自分とは言わずに。

「つまり、私の知るミトスやマグニス、貴方の知るアッシュやイオン……といった人達は、レプリカで作られた物だということ?」
「それはまだわかりませんが……もしそうだった場合、私達の事を覚えている可能性は少ない」

つまり、とジェイドは続ける。

「私やクレメンテ老は死者の中に味方がいますが……敵対する可能性もあるという事です」
『だが、それはやり方によってはチャンスじゃの』

クレメンテが言葉を遮る。

『かつて敵だった者達が儂らを忘れとるなら、その者達を味方に付ける事も可能じゃ……そうじゃろ?ジェイド』
「その通りです……まだ、仮定にすぎませんがね」

リフィルは考える。
強力な魔術を操るミトス、桁外れの力と頑丈さを持つマグニス……彼らが仲間になるとしたら力強い事この上ない。
ただし、あまり気分のいい物ではないだろうが。

「まあ、死者に対しては慎重に接する必要があるでしょうね……いいですか?リフィル」
「……え、ええ」



138 :仮定 4:2008/09/02(火) 20:37:44 ID:t0u3vRIPO
思惑にふけりそうになり、慌てて返事をするリフィル。

「これからですが、まずこの街を探索してみましょう。できればさっきの船も調べたい……首輪の調査の為にも、工具か何かは欲しいところです」
「船も……?」

露骨に嫌そうな顔のリフィルに、ジェイドは苦笑しながら答える。

「心配せずとも、船の探索は私がしますよ……貴女は街のほうをお願いします」
「わかったわ……調査は今から。明け方、またここで落ち合うという事でどう?」

いいでしょう、とジェイドは頷いた。







「……ん?」

船に向けて歩きながら、ジェイドは眉根を寄せた。
地面が微かに震えた、ような気がした。

「地震……ですかね」

地質はオールドランドと代わらないんですかね、と呟く。

彼は知らない。
その地震は、彼の知る赤毛の青年の仕業である事に。
その青年は、仮定したレプリカによる蘇生とは……何ら関係ない事に。




【ジェイド・カーティス 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:ヴォーパルソード、セレスティアルマント、ダーツセット、知り合いと死者についてのメモ
基本行動方針:この島について調査、ゲームの打破。
第一行動方針:船着き場の船(バンエルティア号)の探索。明け方リフィルと合流。
第二行動方針:死者に対しては慎重に接する。
現在位置:G2村、サニィタウン

【リフィル・セイジ 生存確認】
状態:HP、TP100%、船酔いは回復
所持品:ソーディアン・クレメンテ、???、???
基本行動方針:殺し合いの打破。
第一行動方針:G2村を探索。明け方ジェイドと合流。
第二行動方針:死者に対しては慎重に接する。
第三行動方針:ロイド達が心配。
現在位置:G2村(サニィタウン)

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:39:03 ID:t0u3vRIPO
投下終了です
実はリバース未プレイで……サニィタウンについては大丈夫でしょうか

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:42:26 ID:ZNtX0iHYO
>>139
クレメンテの知り合いにウッドロウが抜けてるのはきのせい?

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:42:59 ID:UHDjgREvO
乙…だがクレメンテの知り合いに空気王が抜けてるのは
抜けなのかわざとなのか?ww

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:59:47 ID:yeYHxw6UO
クレメンテおじいちゃんだもんねw
ウッドロウ合掌。

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:04:05 ID:BKgVhomwO
書きにくい頭脳派コンビエピソード乙!
俺、あまりにもナチュラルすぎて空気王が抜けてることに気付かなかったよwさすが空気ww

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:27:53 ID:1HsUBW+EO
そういやワカメ男も抜けてないか? D2未プレイだからわからんけど。

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:32:56 ID:XACCrGO50
チェルシーもいないな

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:34:34 ID:oUEZnLgOO
D2未プレイだがバルバトスを知らんのかね 爺さんは

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:35:50 ID:/9Ro8MQIO
投下乙です。カイルww見事に予想通りだwティアはアビスピンクかwwそして忘れられた空気王www


148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:36:22 ID:oUEZnLgOO
被ったorz…

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:52:38 ID:Joi+e/RTO
ジジイ涙目wwww

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:21:34 ID:yeYHxw6UO
>>148
避難所で待ってるぜ

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:25:12 ID:qdv8NF2wO
24時間制限こわい…
投下します

152 :風とSと、差し込んだ光 1:2008/09/02(火) 22:27:45 ID:qdv8NF2wO
「なんでホウキなんだよ! 掃除でもしろっつーのかよ!」
ぶつくさ文句を言いながら、不良少年スパーダはホウキを振り回した。
ホウキが身代わりとなってくれたお陰でようやく自由の身となれたミュウは「まあまあ……」とスパーダを宥めるイオンの両腕に抱かれている。
スパーダの文句と罵声を右から左へと受け流し、リカルドはふと豪華な装飾の施された窓の外を見た。――外から薄く、明りが差し込みはじめている。暗闇に目が慣れたわけではなく夜明けが間近なのだ。
リカルドがスパーダたちの居る方向――階段の方を向いた瞬間、ぶわ、と溢れるような風と冷たい狂気――殺気が暴発するのを感じた。
スパーダも騎士の端くれならば流石に気付くだろう。しかしイオンは――。
「横に跳べ! イオン! ベルフォルマっっ!!!」
リカルドが叫んだときには既に、巨大な風の弾丸が階段の上から轟と駆け下りてきた!
「うおっ!」
スパーダはバックステップでそれを避ける――が、イオンは間に合わない!
「クソっ!」
リカルドはイオンの元へ駆け、彼を突き飛ばす!
「リカルドさんっっ!」
イオンが風に巻き込まれることは避けられたが、リカルド自身は避けきれない。
「うおおおおおぉぉぉぉおおおぉぉっっっ!!」
二丁拳銃を交差させるように風を受け止める。が、膨大な威力をもったそれは小さな拳銃だけでは受け止めきれない。
まるでリカルド自身の奥義、エレメンタルマスターの風の弾丸が何十発も飛来したような衝撃。気付いたときにはリカルドは奥の壁に叩きつけられていた。石造りの壁がリカルドの身体を張り付ける蜘蛛の糸のようにヒビ割れる。
「リカルドっ!」
スパーダは背後に消えた仲間の名を叫びながらも、きっと正面を見据える。
(クソっ、上に誰か居やがったなんて……気配が全然しなかったじゃねぇか!)
スパーダは知る由もないが、二階に居た人物は彼らには不運にも一流の軍人であったのだ。それも隠密行動を仕事とする。
「……あーあ、お城の中ハデに壊れちゃったv 折角キレイなお城だったのに、アリスちゃんざんねーん」
「へえ、この剣……どうやら風の力を増幅する効果があるみたいだねぇ? 軽く遊んであげるつもりだったのに、コレくらいで壊れちゃ面白くないよ?」
コツリ、コツリと足音を隠すこともせず現れたのは、小柄の男と女。
――狂気と殺気の発生源は間違いなくこいつらだった。
「手前ら……よくもやってくれたじゃねぇか」
ホウキを剣のように構えながら、スパーダは2人を睨む。二刀流を得意とする彼はせめてもう一本棒が欲しかった。
「それ、魔女っ子か何かのつもり? 全っ然似合ってないわよ?」
女――アリスは可愛らしく微笑む。しかしその金色の目にはハスタの持つものに似た狂気が宿っていた。
「仲間が傷つけられて悔しいかい? そういうお前みたいな目……気に入らないね」
男――サレは貴公子然とした整った顔を歪ませる。同じく、その深い紫色の瞳には狂気を宿していた。
――虎穴に入らずんば虎子を得ずっつったって、こんなヤバイの2人もいるとか聞いてねぇぞ!
スパーダの頬につうと一筋汗が垂れる。
後ろに目をやる。未だリカルドはダメージから回復しきれていないのだろう。こちらへの援護はしばらく期待できない。
横に目をやる。イオンは身体が弱いのか、リカルドに突き飛ばされた衝撃で未だ立ち上がれてすらいない。みゅうみゅうと一応小さな声で心配するブタザルの姿はこんな時でもウザったい。
「……聞くまでもねえけどよ、手前らはこの殺し合いに、乗ったつーのか!?」
「当然v」
即答したのはアリス。
「その言い方だとお前はヒトの心に夢見てる人種みたいだねぇ?」
馬鹿にしたように手にした剣の細い刀身に指を滑らせているのはサレ。

153 :風とSと、差し込んだ光 2:2008/09/02(火) 22:30:56 ID:qdv8NF2wO
「――クソ野郎!」
吐き捨てたスパーダが次の瞬間に2人に視線を向けたとき、そこに居たのはサレだけだった。
「な」
「ふーん、アリスちゃん、こういう可愛い女の子の腕をへし折るの、だーい好っ……き!」
アリスは既にイオンの元にいて、イオンの腕を手にとって、イオンの腕を……あらぬ方向に無理矢理曲げていた。
「うあああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
鈍い音。次いで、場内に響く悲痛な叫び。イオンは女じゃなくて男だろ? そんなツッコミが虚しく浮かぶ自分の頭が可笑しくてたまらない。みゅうみゅう鳴くブタザルの喚きが常の数倍増しに煩くなる。
リカルドにもこの悲鳴は聞こえただろうか?
「てめぇらぁああああぁぁぁぁぁ!!!!」
無意識のうちに叫び、スパーダは剣となってアリスに突進していた。
目の前にもう1人男がいるのなんて忘れていた。
「ははっ、誰の腕が折れようと、誰が死のうと、このゲームでは当然のことだろ? そんなに驚くことかな?」
サレがスパーダの前途を阻み、手にした細剣で突きを放ってくる。
不慣れな一刀流。しかも得物はホウキ。遠く別世界では四星と称えられた腕を持つサレの剣技を捌ききるにはあまりにも力が足りなさ過ぎた。
「自分の武器も力のうち。アンタは運がなかった、それって力がないってことよねv 誰かを守る力すらない。それなのに強がっちゃうアンタみたいなヒト、アリスちゃん大っ嫌いv」
だらりと垂れ下がった右腕をもう片方の手で押さえ痛みを堪えるイオンに、アリスはスパーダに見せ付けるように何度も何度も蹴りを入れる。
「手前……っ!!」
なんとかホウキでサレの剣を受けながら、スパーダはアリスを睨む。
「いいね。その目。大嫌いな目だ。大丈夫、お前も楽には殺さないよ!」
サレが狂った笑みとともに放つは瞬速の連続突き、散沙雨。突きに特化した剣により放たれるそれはホウキのガードを糸で縫うように避け襲い掛かる。咄嗟に後ろに飛んだが、イオンとの距離は余計離れてしまったし、避け切れなかった突きは服を破き、皮を破いて血を滲ませた。
「休ませやしないよ……ウインドエッジ!」
「うおっ!!」
スパーダが息を吐きかけた瞬間襲ってきたのは風の刃。サレの導術初歩導術だったが手にしたイクティノスにより増幅され、ガスティーネイルさながらにスパーダを引き裂きながらサレの元へと再び引き寄せる。引き寄せられた場所でまた、激しい突きの雨を浴びせられる。
鋭い烈風と細剣による切り傷を身体中に奔らせ、鮮血を滴らせながらもスパーダはどうにか反撃の道を探そうとしていた。
――目の前の男は同じ風使い。その上自分の風の天術よりも、強力な。
術で勝負するにしてもスパーダの得意はそれよりも剣術。ならば――
「これでも……喰らいやがれっ!!」
ひゅっ、とスパーダの手から黒光りする何かが放たれる。
向かった先はサレではなく……イオンを痛めつけ続けているアリスの元。
「きゃあっ!」
悲鳴とともにアリスの頬に奔ったのは一筋の赤。
スパーダはポケットにしまった苦無を投げつけたのだ。
「みゅうー!!」
ついでに必死なブタザルの声。気合の割には弱弱しい炎が口から吐かれる!
「あつっ!」
それは僅かにアリスの靴を焦がしたに過ぎなかったが、彼女を怯ませることには成功した。
イオンはようやくアリスの蹴りから解放され、ごほごほと腕を庇いながら咳き込む。
「イオン! 立てるか!」
「ごほっ…げほ…っ……大丈夫、です……」
よろめきながらイオンが立ち上がりかける。が、アリスの立ち直りは予想以上に早かった。
「アリスちゃんの顔に傷つけるなんて……最低」
足元にいたミュウの両耳を掴み、ぽいと思いっきりスパーダたちとは反対方向に投げながら、アリスは冷めた目で言う。落ちた苦無もアリスに拾われたようだった。
片手に引きずるようにして大きな剣を持ち、もう片方の手でアリスは苦無を持ちそこに付いた自らの血を舐めとる。
イオンの身体は大剣の腹で再び地面に縛り付けられ、アリスに踏みにじられた。
「アリスちゃん直々に、地獄に送ってア・ゲ・ルv」
アンバランスな二本の刃を手に恍惚の表情を浮かべる女に、既に詠唱待機をしている男。
イオンが苦しそうに呻き、ブタザルの鳴き声はもう聞こえない。
満身創痍のスパーダはホウキと苦無の二刀流で、それでも眼前の敵を剣の眼光を以って捉えていた。

154 :風とSと、差し込んだ光 3:2008/09/02(火) 22:33:02 ID:qdv8NF2wO


「がはっ、ぐっ……クソっ……」
崩れた壁の欠片と砂埃に塗れながら、リカルドはなんとか起き上がる。背中を強く打った所為で胸が詰まり、呼吸が困難な状態でなお彼は冷静に状況把握を試みた。
衝撃で荷物は散らばり、辺りに予備弾が散乱している。
窓から差し込む明りは既に太陽のもの。――夜は明けていた。思った以上に長い間自分は気絶していたらしい。
リカルドは胸を押さえ荒く呼吸を繰り返しながらも、己の得物――オートマカスタムの在り処を確かめる。一本は辛うじて指に引っかかっていたが、もう一本は瓦礫に埋もれていた。
砂を払い使えるかどうか確かめる。ヒビは入っていたものの、発砲できなかったり暴発するほどではないだろう。
明るくなった今ならば、以前自分がいた場所の様子も鮮明にではないが伺うこともできた。
否、視覚に頼らなくとも、狂気を孕んだ2人分の殺気ははっきりと感じ取ることができた。
依頼主のイオンは、ベルフォルマは。
リカルドは立ち上がろうとしたが、身体で受け止めた風の弾丸の威力は異常なまでに高く背中と胸が締め付けられるように痛み、動くこともままならない。
「俺が守らなければ――」
依頼主を守りきるのは傭兵の誇り。
スパーダは信頼の置ける仲間だが、手に取るように分かる狂気に彼1人でどこまで立ち向かえるか、それは分からなかった。
「クソ……」
オートマカスタムを握り締め、リカルドは舌を打つ。
瞬間、足元に飛んできたのは一本の細い「何か」。
リカルドのブーツのつま先ギリギリのところで崩れた床の隙間にビィンと突き刺さる。
未だ誰かが潜んでいるのかと辺りを見回すが気配は感じ取れたものの見つからない。
しかし放たれた軌跡や飛んできた先からは殺気が感じられない。
リカルドは「それ」を手に取り目を見開くと――天上へ向け、轟音とともに発砲した。


突如響いた銃声に、サレとアリスは己の身を案じびくりと肩を震わせた。サレの詠唱も中断される。
一瞬消えた殺気の隙に、スパーダは叫ぶ。
「リカルドかっ!」
「ベルフォルマ!! ――こっちへ来い、退却だ!」
「なっ……イオンとブタザルが、こいつらに捕まったままだぜっ!! イオンはお前の依頼主なんだろっ!!」
「いいから――お前だけでも――急げ!!」
吐き出された叫びに悲痛な色が含まれているのを、スパーダは聞き逃さなかった。
「――クソっ!」
スパーダは踵を返し、全力で駆けた。
「――イオン、ブタザル!! 絶対――絶対助けてやるからな!! それまでちゃんと待ってろよ!!」
振り返らずにスパーダは叫ぶ。
前世の記憶が、そしてルカ達と旅した記憶が押し寄せる。誰かを守れないのなんて、死んでもごめんだった。剣として、盾として。

155 :風とSと、差し込んだ光 4:2008/09/02(火) 22:36:52 ID:qdv8NF2wO



「馬鹿みたい。逃げても無駄なのに」
サレが笑う。白い手袋にはいつの間にかスパーダの返り血が滲んでいた。
手にした細剣の切っ先にも、また。
「こっちには人質もいるしね」
アリスの足元で呻く少年に、サレは笑う。
「絶対また来るわ。わざわざ追いかける必要もないし。適当に休んで適当にこの子で遊んで、適当に術でも詠唱して待ち受けましょ」
絶望を導く狂気の中に、消えぬ希望の光がふたつあることを、彼らは知らなかった。
(僕はなんて無力だ……けれど、絶対に屈してたまるか)
踏みにじられる痛みと腕を折られた痛み。刺す様に身体を貫いてくる
(……僕は、リカルドさんを……スパーダさんを、信じる)
痛みに堪える少年の心の光ともうひとつ。
(……間違いない。はっきりと見えなかったが、俺には分かる。――あれは――!)
切っ先に血を滴らせながらも輝きを失わぬ、この城に伝わる王の証の剣の光。




【スパーダ・ベルフォルマ 生存確認】
状態:HP50%、TP100%、身体中に出血を伴う裂傷
所持品:苦無×29、ミスティブルーム
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:リカルドの元へ走る
第二行動方針:イオンとブタザルをドS2人から救い出す
第三行動方針:ルカ達を探す
第四行動方針:ルーク・フォン・ファブレを探す
現在位置:C2・ハイデルベルグ城廊下

【リカルド・ソルダート 生存確認】
状態:HP50%、TP100% 背中に強い打撲 瓦礫による擦り傷 呼吸不全
所持品:オートマカスタム(6発充填、一方にヒビ) 予備弾50発(瓦礫の中に散乱) 木製の矢 何かの紙
基本行動方針:殺し合いに乗る気はない
第一行動方針:スパーダを待つ
第二行動方針:イオンの依頼を遂行する
第三行動方針:ルカ達を捜索する
現在位置:C2・ハイデルベルグ城廊下

156 :風とSと、差し込んだ光 5:2008/09/02(火) 22:37:51 ID:qdv8NF2wO

【イオン 生存確認】
状態:HP30%、TP100% 右手骨折 全身に擦り傷と切り傷 アリスに踏まれている
所持品:ミックスグミ×3
基本行動方針:殺し合いに乗らない
第一行動方針:スパーダとリカルドを信じ、耐える
第二行動方針:リカルド・スパーダと共にルーク達を探す
第三行動方針:アリエッタが殺し合いに乗っていた場合、説得して止めさせる
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近

【サレ 生存確認】
状態:HP100% TP90% 胸部に痛み(傷はない) イクティノスにより風の導術が強化
所持品:ソーディアン・イクティノス(現時点がハイデルベルグ城であることを把握。何かに気付く) ペイルドラグ ガーネット
基本行動方針:ゲームに乗り、ヒトの心を否定する
第一行動方針:スパーダ、リカルドの再来に備え、休みつつイオンいじめ
第二行動方針:スパーダ、リカルド、イオンを殺す
第三行動方針:ヴェイグらへの復讐
第四行動方針:アリスは殺さない。
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近

【アリス 生存確認】
状態:HP99% TP100%  頬に切り傷 靴に焦げ
所持品:暗黒邪神剣ゴールデンドーン 苦無×1
基本行動方針:ゲームに乗り、自分の強さを証明。デクスともに元の世界に帰る
第一行動方針:スパーダ、リカルドの再来に備え、休みつつイオンいじめ
第二行動方針:スパーダ、リカルド、イオンを殺す
第三行動方針:デクスを探す
第四行動方針:サレは殺さない。
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近

※ミュウは鳴き声が届かない(気絶しているだけかもしれません)城内のどこかまで投げ捨てられました。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:39:17 ID:qdv8NF2wO
終わりです。フラグ読み取れてるといいな

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:42:12 ID:s3kftMcrO
投下します。

159 :追悼の円舞曲:2008/09/02(火) 22:45:29 ID:s3kftMcrO
夜にだけ咲く白い花に囲まれて彼は渓谷の一枚岩に座っていた。
小波の音に彼は身を任せ、眠る様に瞼を下ろす。
花の甘い香りが心を世界と同調させた。
薄く開いた目は海に浮かぶ金色の宝石を認める。
水面に反射して網膜を刺激する金の残滓は美しかった。

実は、彼は転送されてからずっと此所に座っていた。
左手には鍵を、右手には花束を。
それは良き戦友でありかつての仲間、リッド・ハーシェルへと捧げる黙祷。

傍らに置かれた帽子から抜き取られた花が、甘い匂いを海へと運ぶ。
彼は手を海へと掲げ、そして一陣の風と共に離す。開放されたドエニスの花は、風に乗って煌めく彼方へと吸い込まれた。


「せめて安らかに眠れ、我が友よ。お前の勇敢な遺志は私が継がん」


そう言って十字を切る彼の眼光は鋭い。
確固たる意思に彼は漸く立ち上がる。
輝く導きの鍵が示した先は、オルバースの中に――――。


【レイシス・フォーマルハウト 生存確認】
状態:HPTP100% 帽子に花飾り無し
所持品:セイファートキー フェアリィリング トレインケイジ
基本行動方針:リッドの遺志を汲む
第一行動方針:先ずは同志を探さねば
現在位置:E5(タタル渓谷/TOA)南西

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:46:29 ID:s3kftMcrO
投下終了。

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:54:07 ID:BKgVhomwO
二人とも乙!
よく考えたら嵐のフォルス+イクティノスって最強じゃん!
風属性中心のスパーダとしては格の違いを見せ付けられた形で、さぞ悔しかろうな。
ついにレイス来た! これで未出はキールだけか。
しかし1stのキール関連話のレベルが高いから書きにくいな…

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 22:55:35 ID:/u+Q6tNk0
今日二回目ですが投下します。
24時間制限怖かった・・


163 :風とSと、差し込んだ光@修正:2008/09/02(火) 22:55:38 ID:qdv8NF2wO
リカルドの状態欄間違えました。正しくは

【リカルド・ソルダート 生存確認】
状態:HP50%、TP100% 背中に強い打撲 瓦礫による擦り傷 呼吸不全
所持品:オートマカスタム(6発充填、一方にヒビ) 予備弾50発(瓦礫の中に散乱) 「何か」
基本行動方針:殺し合いに乗る気はない
第一行動方針:スパーダを待つ
第二行動方針:イオンの依頼を遂行する
第三行動方針:ルカ達を捜索する
現在位置:C2・ハイデルベルグ城廊下

です。…俺の脳内プロット丸出しハズカシス

164 :やさしい毒 1:2008/09/02(火) 22:56:27 ID:/u+Q6tNk0
ルカとリアラは森の中を進んでいた。
ルカはリアラを守ろうと気を張るばかりで、風が木を揺らした音にも敏感に反応する。
殺し合いの舞台なのだからそのぐらいの警戒は当たり前なのだけど、リアラは微笑ましい気持ちになった。
こうやってリアラを守ろうとする姿勢は、とても似ている。
ふふ、とリアラが笑みを零すとルカはかっと頬を染めた。道は暗いばかりだったが、心はとても温かい。
そうやって言葉を交わしながら歩いて行くと途中で、あ、とルカが小さく声を漏らした。
リアラもルカの声とともに前方へ視線を向けるとそこには人影。一人、にしては影がどうもおかしかった。
「リ、リアラ! 下がってて」
デッキブラシを握りしめているのでいまいち決まらないルカが、リアラを背に庇う。
緊張は一瞬。
しかし、緊迫した空気は相手の態度によって崩れ去った。
「――助けてください!」
接近したことにより、その人影の輪郭がはっきりと現れる。
そこには緑髪の温和そうな少年と、少年にお姫様だっこされながらもぐったりとしている赤髪の少女が立ち尽くしていた。
「ナナリー!?」
リアラとルカは警戒することも忘れて、急いでその二人へと駆け寄った。



165 :やさしい毒 2:2008/09/02(火) 22:58:49 ID:/u+Q6tNk0

ヒール、とリアラが懸命に術を唱えるのをシンクとルカは黙って見守っていた。
シンクとルカは回復術を使えない。ルカは医者になりたいといっても、専門的に勉強していたわけではない。
あくまで旅の途中に芽生え始めた夢にすぎない。ルカは医者になるためのスタート時点にも立っていない。
「そこの川で彼女を見つけたんだ。近くに襲った奴がいるかもしれないから、とりあえず逃げてきたんだけど」
地面に寝かされているナナリーはいたるところに傷を負っていた。それに加えて、川に落ちていたというようにびしょ濡れだ。
こうも続けて、水に濡れている少女を見ることになろうとは。ルカはナナリーのことを気遣いながらもその偶然に驚く。
「シンク、仲間を……ナナリーを助けてくれてありがとう」
術の効き目がいつもより格段に悪い。手を止めたリアラは荷物を探ると同時に、背後に立っているシンクへと礼を述べる。
シンクは薄く微笑みながら「当たり前のことをしただけさ」と言葉短に答えた。
リアラはそれに笑顔を返すと、自分のリュックからアップルグミを取り出した。そして、それを躊躇することなくナナリーへと使う。
シンクが多少驚いたような表情をしたが、それはリアラもルカも気がつくことはなかった。
荒かった息も、病人のような白さだった肌も、本来のそれへ戻る。怪我は完全には治っていないが、これでひとまずは大丈夫だろう。
リアラはナナリーの体についた傷を眺め、そしてびしょ濡れの服に目をやった。体温を下げるのはよくない。
ついさっきの自分と同じような状態の仲間にリアラは表情を崩す。着替えさせた方がいいだろう。
「ルカ、さっきの服、余っているのを貸して欲しいの」
「え?」
「このままじゃ体に良くないわ」
リアラの言葉にやっと意図を理解したルカは、しどろもどろになりながら水着セットを手渡す。
リアラはそれを受け取った後、ふと止まった。
「リアラ?」
「今からナナリーを着替えさせるから、」
「僕たちは辺りの見張りでもしているよ、ルカ」
「……あ、うん。任せて! 何かあったらすぐ呼んでね!」
ルカとリアラの会話を聞いていたシンクが少しばかり呆れながら言葉を挟む。
はっとしたようにルカもシンクの言葉に頷いた。
そして、離れていくシンクの後へ続く。
(僕もシンクみたいにしっかりしないとなぁ……)
ルカは緑髪の少年の後を追いながら、ぼんやりとそう思った。



166 :やさしい毒 2:2008/09/02(火) 23:00:17 ID:/u+Q6tNk0

ナナリーを見つけたとき、シンクはついていると思った。
何者かに襲われ負傷しているナナリーはとても魅力的だった。気絶しているのか、近寄るシンクにナナリーは気がつく様子はない。
シンクは軽やかにナナリーのことを抱え上げた。
怪我人を保護している人間を頭ごなしに疑う人間は少ないだろう。シンクの協力者を作るための良い餌になる。
先にリアラに述べた通りの理由でシンクはその場を離れた。
そして、リアラとルカに会ったのはその直ぐ後だった。
このお優しそうな見た目のせいか、思いの外ナナリーの効果が大きかったのか、二人が馬鹿なくらいお人よしだったのか。
理由は定かではないが、シンクは簡単に二人に受け入れられた。
初めはイオンのように振舞おうと思っていたのだが、警戒心が緩かった二人を見てやめた。
どこでボロが出るかわかったものではないので、口調は普段のままだ。お人よし、という仮面は被ったままだけど。
もうひとつ、ついていると思ったのはナナリーとリアラが仲間だったことだ。
仲間を助けた人間をリアラはより信用するだろう。ナナリーも目覚めてリアラに話を聞けば、シンクに感謝するに違いない。
シンクは川からここまで運んだだけなのだが、見返りは大きい。
シンクは三人を利用することに決めた。十分すぎるほどこの三人は条件を満たしていた。
あとは、この三人を完全に信用させるだけだ。
そうすれば、ルーク達が何を言っても関係ない。逆にルーク達が窮地に立たされるだけだろう。
そうやってこのお人よしな奴らとルーク達が対立したら面白い。
信用させておけば言葉で操るのも楽だろう。騙しうち等も今のところやる予定はないが容易になる。
ちらり、とシンクは隣の銀髪の少年を眺める。先ほどから視線を感じるが、それは悪いものではなかった。
シンクはこみあげてくる笑いを穏やかな笑みの下に隠しながら、ルカの方を向いた。
「君たちに会えてよかったよ。僕だけじゃ彼女を救うことができなかったかもしれないし」
「ううん。僕たち……僕は何もしてないよ。シンク、君のおかげだよ」
そんなことないさ、とシンクは謙遜してみせるがそれをルカはものすごい勢いで否定する。
「でも!僕だったらきっと足が竦んで、冷静に行動することなんてできなかったと思う」
その後、ルカは罰が悪そうに視線を伏せた。何か言葉を発しようとしたらしい唇は、開いて、また閉じられる。
シンクはなに、と優しくルカを促した。
するとルカは決心したように唇を震わせながら、ぽつりぽつりと話し始めた。

167 :やさしい毒 4:2008/09/02(火) 23:01:08 ID:/u+Q6tNk0
「僕、最初は殺し合いに乗ろうかと考えてたんだ」
懺悔するように、ルカはシンクの目を見ないまま話し始める。
弱虫な自分。ルカは誰かに聞いて欲しかった。ルカの憧れるような行動のできる人間の、シンクに。
女の子にはきっと言えない。同性だから吐ける弱音。
「優勝すればみんな生き返れるって聞いて僕……。か、帰れる保証なんてないから、どうすればいいのかわからなくなって!」
イリア、スパーダ、リカルド。仲間が死んだらと考えたら、とても怖くなった。
「でも、リアラに会ってやっぱり駄目だって気がついて、それで、」
「――僕も昔、人を殺したことがあるよ」
感極まって目尻に涙が浮かんできたルカに、シンクは優しくルカの肩に手をおいて言った。
その余りの内容に、ルカは目を丸くしてシンクを見つめた。
シンクは微笑を浮かべながらも言葉を続ける。
「生まれてすぐ、僕は殺されそうになった。それをある人が助けてくれたんだ。
 でも、その人は凄く悪い人だったんだよ。僕はその人に人殺しを命じられて――断れなかった」
シンクが辛そうに表情を翳らした。シンク、とルカが気を遣うように呼びかけるのを無視してシンクは話を続ける。
「だけど、やっとそれは間違ってるって気がつけたんだよ。……遅すぎだかもしれないけどね」
「……!」
「彼女を助けたのは僕の自己満足だよ。こんなこと償いにもならないだろうけどさ」
「――そんなことない!」
ルカはシンクの瞳をしっかりと見据えた。シンクは力強いルカの言葉に驚いたような表情を浮かべている。
「シンクのおかげで彼女は助かった!遅すぎるなんてことはないんだ!」
未だに水気の含んだ双眸は、それでも力強い輝きを放っている。
シンクはルカの言葉に表情を緩めて笑った。
「……ありがとう。『僕たち』はこれから正しいことをしていけばいいのかな」
「うん。僕は、みんなを守ってみせる。殺し合いなんて許しちゃいけない」
そうだね、とシンクが答えると同時にリアラが二人を呼ぶ声が聞こえてきた。
「あ、終わったのかな」
「先行ってなよ。僕はもう少しだけこの辺りを調べてから行くから」
「でも、」
「すぐ行くからさ」
シンクは少し疲れたような表情をしていた。
先ほどの告白、シンクも辛かったのだろう。ルカは結果的に励まされる形になってしまった。
一人にさせてあげた方がいいかもしれない、とルカはリアラ達の元へと先に戻って行った。

くつくつと笑い声に合わせて木の葉が揺れる。
「あははははははははははは」
シンクは笑う。声は極力押し殺しているが、笑いがどうしても止まらない。
何が間違ってるって?何が正しいって?断れなかった?断るつもりなど元からなかったのに?
ルカに話した内容は、傍からみればひとつの真実かもしれない。
シンク以外の誰かがそこに納まって、同じ経験をしたのならそういう結論にたどりつくこともあるのかも分からない。
だが、シンクはルカに語ったような感情を抱いたことはない。
あっさりと騙されて、おまけに励ましさえよこしたルカがおかしくて仕方がない。
シンクは自分というものを持たない。シンクという存在を確立することができていない。
所詮、イオンの失敗作なのだという気持ちは消えることはないからだ。
ルカはシンクのことをほぼ完全に信用しただろう。ずいぶん簡単なことだ。
どうやって信頼を得ようかと思案してたときにあの告白。お人よしを通り越して大馬鹿だ。
それだからこそ、利用しがいがあるのだけど。
シンクは聖剣ロストセレスティを支えにしながら、肩を揺らす。
この剣はリアラに許可を得て、ナナリーの所持品から借りているものだ。
これは第六音素を秘めた光の剣だ。シンクは剣使いではないが、これはどうにかして手に入れたい。
ナナリーが目覚めてから交渉してみよう、とシンクは考えた。


168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 23:01:50 ID:VTjod0JGO
こっちではあえてキールをいじめキール……何、気にする事は(ry

投稿乙です!さすがだアリスちゃんww
レイスにも期待出来そうでwktkww

169 :やさしい毒 5:2008/09/02(火) 23:02:49 ID:/u+Q6tNk0


「近くには誰もいないみたいだよ」
「そう……」
シンクが元の場所へと戻ると、ルカとリアラの二人と目があった。
ナナリーは未だ気絶中だ。近くの木には乾かしているのかリアラとナナリーの服が干されている。
(……水着?)
リアラの服装も疑問に思ったが、ナナリーまでも水着に着替えさせられていた。
いつもの皮肉が出そうになるが、シンクは黙って口を閉じる。沈黙は金だ。
「だったら、彼女が起きるまで休もうよ」
「そうね」
ナナリーの髪を撫でながら、リアラは呟いた。ルカの提案に異論はでない。
シンクも頷いて腰を下ろす。
――さて、もっともっと深くに甘い毒を仕込もうか。


【ルカ・ミルダ 生存確認】
状態:HP、TP100% シンクを信頼
所持品:アビス女性陣の水着セット、デッキブラシ
基本行動方針:みんなで力を合わせて帰りたい。
第一行動方針:イリア他仲間を探す。
現在位置:D6 森の中

【リアラ 生存確認】
状態:HP100%、TP70%、
所持品:タガーナイフ、南国の蝶(ナタリア水着)
基本行動方針:みんなで力を合わせて帰りたい。
第一行動方針:カイル他仲間を探す。
現在位置:D6 森の中

【シンク 生存確認】
状態:HPTP100%
支給品:すず 未完のローレライの鍵 ??? 聖剣ロストセレスティ
基本行動方針:ルーク達を引っ掻き回して楽しむ
第一行動方針:とりあえず周りを信頼させて、利用する。
現在位置:D6 森の中

【ナナリー・フレッチ 生存確認】
状態:HP60%、TP95%、両腕に斬り傷&顔と体に打撲傷(処置済み)気絶中
所持品:レンタルビューティー(ティア水着)
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
第一行動方針:???
現在位置:D6 森の中

付近にリアラとナナリーの服が干してあります。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 23:04:45 ID:/u+Q6tNk0
投下終了です。
ナナリーのHPがアップルグミ+ヒール数回でどのくらい回復するのかわからなかったのですが、これぐらいでしょうか?
水着は不可抗力です。なんで川に落ちた ナナリー!

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 23:10:30 ID:qdv8NF2wO
乙です
レイスカッコイい…そしてシンクの
〉ナナリーはとても魅力的だった。
の一文に水着よりもエロスを感じてしまったw

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 23:13:18 ID:41yrqAUBO
乙です!
シンク…悪い子だなぁ〜。ルカが純粋過ぎて、不憫に感じるW


173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 23:19:36 ID:HTBBFZzp0
乙です!
どれも早く続きが読みたくてワクワクするぜ。
ってかC2、影の薄さが役に立つ事になるのか?

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 23:20:05 ID:XACCrGO50
乙です
カイルとティアが西に向かってて良かったなシンク…
東に来てたら目論見即終了するところだったw

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:01:52 ID:YR5la6rSO
投下乙です。
レイステライケメンw
カイルはリアラとナナリーと再開出来なくて残念だけどなw
あ、でも今は再開しない方が吉か。修羅場になるしw

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:08:12 ID:spDrdzGW0
投下します。

177 :ニアミスハピネス☆アイアンメイデン:2008/09/03(水) 00:11:51 ID:spDrdzGW0
静寂の横っ面を殴り飛ばした男が、デクスが、意気揚々と去っていった黎明の塔。
その真上で、先触れなしに星が一際煌めく。

いや、星ではない。
闇を穿つほどしか無かった輝きは、一瞬のうちに人間一人の大きさをとり、唐突に消えたのだ。

そして現れたキール・ツァイベルは、幼なじみの亡骸を最後まで離れることができなかった彼は、当然の帰結としてもっとも最後に現れたプレイヤー、だった。

「……おまえは、それを僕に信じろと?」

始まりの扉をくぐる瞬間のまま、振り返っていた首を巡らせて、呟く。
答えなど、期待はしていない。
それを承知での呟きだった。それきり彼は口をつぐむ。
時間を無駄にするわけにはいかないのだ。


    ☆



「………………」

支給品をひと通り確認し終えた彼は、相も変わらず沈黙に支配されていた。
が、その理由は先ほどの滾りとは僅かに様相を異にするものだ。
どちらかとなどと言わずとも、現在の沈黙は目前に屹立するソレのせいに間違いなかった。
――ソレは、支給品の一つだった。そして、某社の製品でもあった。そして、そして、アイアンメイデンだった。

やがて、彼は嫌々ながら口を開くと目の前のそれに杖を突きつけ、告げる。

「少なくとも、僕はおまえの餌食になる気はないぞ。無論、この馬鹿馬鹿しいゲームにも、だ」

そして今度こそ、黎明の塔の頂は無人となるのだった。

【キール・ツァイベル 生存確認】
状態:HP、TP100%、
所持品:デクスのアイアンメイデン グランドセプター
    ???(確認済み、ハズレではない) クレーメルケイジ
基本行動方針:殺される気はない。サイグローグの言葉を信じかけている。
第一行動方針:???
現在位置:D3黎明の塔から移動開始。

件の鋼鉄処女が開運グッズとしての本懐を遂げているのだろうか。
そんなことは彼の知ることでは無いけれど。
それでもとにかく、彼がアイアンメイデンの愛好者に会わずに済んだのは、今のところ僥倖に違いなかった。

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:14:10 ID:spDrdzGW0
以上です。キール、ごめんorz
どうしてもアイアンメイデンが出したかったんだ……!

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:14:48 ID:fiSrBdgDO
乙です
こちらも投下してみます

180 :猫と少女:2008/09/03(水) 00:17:39 ID:fiSrBdgDO
「あなた、名前は?」

「はっ…すみません」
我に帰った少女は軽く頭を下げ、名乗った。
「私は、プレセア・コンパティール。あなたは…」
「私はアガーテ・リンドブロム。」
お互いが名乗った後、少女はようやくアガーテから手を離す。
「私は…無意味な殺し合いはしたくありません。」
「良かった…私も殺し合いなんてできないわ。出来たら力を貸して欲しいの。」
お互いに敵意はないのを確認すると、プレセアはまたアガーテの掌を握り出す。
「それは良いのですが、アガーテさんがこの格好のまま行動するのは危険です…」
アガーテは改めて自分の体を見直す。
このゲームには珍しいガジュマの姿。
そして王女としての派手な服装。
隠れるには不向きで、かつ動きづらい。
「何か代わりになりそうな服はないでしょうか…」
プレセアは自分のザックを確認する。

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:19:04 ID:6VloUBKyO
>>178
乙!
大丈夫だ、俺もどうしてもメロメロコウ出したかったから、気持ちはよくわかるww
デクス関連アイテム大人気だなw

182 :猫と少女 2:2008/09/03(水) 00:20:17 ID:fiSrBdgDO
ザックを調べてみると、中から真っ黒なマントが見つかった。
「これは…シーフズマントかしら。でもサイズが合わないわ」
ヒューマ用のサイズ故、ガジュマにはひざかけ程度にしかならなかった。
「裁縫道具と布があればもう少し大きく作り直せますが…」
ここにはそんなものはない、ということがわかっているので
これを装備するのは諦めた。
「これは、プレセアが着て。あなたのザックに入っていたものだし、
もしもの時にあなただけでも逃げられるように」
アガーテはプレセアを抱き抱え
着せ替え人形をいじるように
てきぱきとプレセアにマントを着せた。
「あたたかい…」
フードまで被り、保温性を確かめる。
「他の支給品はどうでしょうか…」

そういってプレセアはザックの確認を続けた。





「にくきゅう…いっぱい…」
他には『これであなたもねこに変身!ラブリーvキャッツアイセット』とかかれたねこ装備が入っているだけだった。
アガーテは二人とも武器になるものがない事に不安を覚えた。
(この子を守るとは決めたものの…この先大丈夫かしら?)

183 :猫と少女 3:2008/09/03(水) 00:24:12 ID:fiSrBdgDO
【アガーテ・リンドブロム 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:ホーリーリング、メンタルリング、クローナシンボル
基本行動方針:殺し合いを否定し打開する道を探す
第一行動方針:にくきゅう…?
第二行動方針:プレセアを守る
第三行動方針:代わりになりそうな衣類を探す
現在位置:D4 オアシス

【プレセア・コンパティール 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:シーフズマント、猫装備セット(ネコ耳、サポートハンド、ペルシャブーツ、)
基本行動方針:ゲームには乗らない
第一行動方針:にくきゅう…ふにふに
第二行動方針:アガーテと協力する
第三行動方針:代わりになりそうな衣類を探す
現在位置:D4 オアシス

(ねこみみはマイソロの装備品。ペルシャブーツはS準拠。サポートハンドの能力は他の人のアイデアにまかせます)

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:24:14 ID:oThgJR7X0
コン「バ」ティールでシー「ブ」ズマントなんだぜ…

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:25:44 ID:fiSrBdgDO
投下終了です。
所持品ねこ系ばっかですみません…

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:27:45 ID:gHfcsaLmO
ついにキールきたか…!
にくきゅう二人はネタ考えてたのに被って悔しいぜ

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:59:48 ID:3ZxzoZ7X0
投下乙
イオン様やべえwwショタがロリにいじめられるとか某ロワの書き手を呼んで(ry
Sコンビーつえええええ。外に誰かいたっけ、空気王か。スパーダーいそげええええ
レイシスかっけええwwリッドの意思かあ。そういえば他はそういうキャラいないよな
ルカだまされとるwいやまあルカ君はダークヒーロー系に弱かったっけ?w
近くにアビスキャラが割と多いのが鍵かもなあ
アイアンメイデンきたwww誰かが出すと思ってた。これで全キャラ登場話終わりか乙
なんというねこねこコンビ。ねこ宗教はじまた


188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 01:27:22 ID:A3UP8IcQO
書き手のみなさん投下乙
ハイデルベルグ城からサニイタウンにかけてのマーダー集合率は異常w
ドSコンビにアリエッタ、ミクトラン、ハスタと北上中の穴子・・・
みんな武器持ちだし大変だ
イクティノスはアトワイトに続いてマスターと再会フラグか?w

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 01:43:47 ID:YR5la6rSO
キールとレイス登場したし、参加者現在位置まとめ
A4:チェルシー、クラトス、
A-7:ルーク、マグニス、スタン、イレーヌ
B-3:カイウス、フォッグ
B-5:マオ、エルレイン
B-6:フィリア、ジューダス
B-7:クレアの遺体
C-1:ロニ
C-2:ヴェイグ、ウッドロウ、スパーダ、リカルド、イオン、サレ、アリス
C-5:すず、ミトス、ハロルド、リヒター
C-6:ルーティ、クラース
D-1:ミクトラン、アリエッタ、クレス、リーガル、イリアの遺体
D-2:ユージーン、マルタ
D-3:デクス、キール
D-4:アガーテ、プレセア
D-5:カイル、ティア
D-6:ナナリー、シンク、ルカ、リアラ
E-2:ハスタ
E-5:レイス
E-7:ルビア、ディスト
F-5:シゼル、ダオス
F-6:エミル
G-1:アッシュ、アニー、バルバトス
G-2:ジェイド、リフィル
G-4:ワルター、チャット、セネル、ロイド、クロエ、ノーマ、ジルバ、ステラ、シャーリィ

今回は記入漏れはない筈。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 04:07:09 ID:6VloUBKyO
さて、投下するんだポンw

191 :花占い 1:2008/09/03(水) 04:11:14 ID:6VloUBKyO

咲き誇れ、舞え、散れ。




彼の目に映る光景。

それは、まるで花びらのように飛び散る血飛沫だった──。



  *  *  *



「──!」

黒く美しい毛並みの剛腕が、少女の視界を遮った。何事かとその腕の持ち主を見上げ少女は尋ねる。

「どうしたの、ユージー……」
「マルタ」

だがマルタの疑問も、ユージーンに自らの名前を呼ばれることで遮られる。
つい一刻ほど前、北の方で何かが爆発したかのような音が何度もしていた。それはつまり北の城で戦いが始まってしまっていて、危険だということだ。
マルタは北の戦いにエミルが巻き込まれているのではないか、と気が気ではなかった。
しかしユージーンの「ひとまず極力北から離れよう」という至極当然な提案で、予定ルートを変更して南下していたのだった。
ユージーンは今、隣で耳を忙しなく動かして何かを探っている。その眼光は鋭く厳しい。
彼に静かにするよう言われたマルタは大人しく従ったものの、その沈黙が三分ほど続いたところでついに耐えられなくなり、再びユージーンに話しかけようとした、その時。


「マルタ、伏せろ!!」


ユージーンの叫び声と共に、前方から先程のものとは桁違いの爆音がした。
恐らく岩が弾け飛んだのだろう。パラパラと無数の小石が飛んできたが、それらはマルタを庇うようにして立っているユージーンの巨体のおかげで、彼女に直接降り注ぐことはなかった。

「な、何なの?!」

ユージーンに礼を言うことも忘れて、マルタは立ち上がり鬼包丁を構える。
ユージーンもまた、支給されたゴッドウェポンを装備し、襲撃者を見極めんと粉塵の先を睨み付けていた。

「何者だ!」
「出て来なさいよ!」

だが応答はなく、先程の爆音が嘘のようにシンとしている。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……。
──足音だ。
次はどこから来る?
極度の緊張ゆえ心臓が高鳴り、うるさくて仕方ない。

程なく聞こえてきたのは。


192 :花占い 2:2008/09/03(水) 04:20:04 ID:6VloUBKyO



「殺ーす」



まるで鼻唄を歌うかのように軽い調子で放たれた、とてつもなく物騒な言葉だった。
掴み所のない間延びした声とは裏腹に、場の空気が急速に緊迫感を帯びる。

「殺さなーい」

今度は真逆の言葉。
夜も明けきっていない森の中、況して地が大きく抉られて爆発し、未だ砂塵が舞っているのだ。視界の悪いことこの上ない。
しかし視界が晴れ始め、マルタにも襲撃者の姿をようやく捉えることができた。

「殺ーす」

桜のようにふんわりした、淡紅色の短髪。
薔薇のように情熱的な、赤い瞳。
貴族のように優雅な、首を縁取るフリル。
血のように鮮やかな、深紅色の上着。
金剛石のように輝く、美しい装飾の施された剣。
真珠のように清楚な、一輪の花。

「殺さなーい」

──あまりにも非現実的でミスマッチなそれらの色彩に、目を奪われた。

「殺ーす」

剣を持ったままの右手で器用に、左手に持った花の花びらを一枚ずつ千切っていく。

「殺さなーい」


残った、最後の花びらが





「コ・ロ・ス」







プチッ。


花びらを全て失った、白い花の残骸がぽとりと落ちた。




「おやおや、ご機嫌麗しゅう」


193 :花占い 3:2008/09/03(水) 04:23:28 ID:6VloUBKyO

その男は、まるでたった今二人に気が付いたとでも言うように御辞儀した。

「えーっと、お前らどなた様?」

呆気に取られて、二人は固まる。

『逃げてください!』
「「?!」」

今、確かに声がした。
……彼の他に仲間らしき者はいない。だが目の前の男のものとは違う声だった。

『事情は後です! それより』
「それはそれとして、お待ちかねー、『窓辺のマーガレット』でお馴染みのオレ登場でーす」

気のせいだろうか、奴の持つ剣に嵌め込まれた宝石が明滅したように見えたのは。

『この男は危険です!』
「さてさて……」

何もかもがデタラメなその男は、聞こえる声も無視し続け、デタラメな構えで美しい剣を此方に向けた。

「花占いを決行したところ『血祭り』との結果が出たので、オレのために殺されちゃってくれませんか?」
『逃げて! 早く!!』


だが、その悲痛な叫びも空しく。









「醜く惨めに血を撒き散らして死ぬんだりゅん」



男はニタリと笑みを浮かべて、甘美なティータイムの始まりを告げた。






【ユージーン・ガラルド 生存確認】
状態:TP100%、右手に刺し傷(応急処理済み)、極度の緊張
所持品:ゴッドウェポン(他は不明)
基本行動方針:アニーを始め、仲間たちを探す
第一行動方針:目の前の男を倒す
第二行動方針:アニーが心配
第三行動方針:マルタと行動を共にする
現在位置:D2南


194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 04:25:17 ID:A3UP8IcQO
支援

195 :花占い 4:2008/09/03(水) 04:25:22 ID:6VloUBKyO

【マルタ・ルアルディ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、極度の緊張
所持品:鬼包丁(他は不明)
基本行動方針:エミルと再会する
第一行動方針:目の前の男を倒す
第二行動方針:ユージーンと行動する
第三行動方針:北の様子が気になる
現在位置:D2南

【ハスタ・エクステルミ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、殺しへの悦び
所持品:ソーディアン・シャルティエ(他は不明)
基本行動方針:脳内会議に基づき皆殺し
第一行動方針:花占いに基づき目前の二人を殺す
第二行動方針:皆殺し。殺しを楽しむ
現在位置:D2南



196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 04:28:06 ID:6VloUBKyO
投下終了だぷーww
ハスタ難しすぎだろ!w
ハスタ登場話の作者の凄さを身を以て知ったぜ…
制限引っ掛かってないはずなのに意味もなくドキドキする俺ww

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 04:38:03 ID:A3UP8IcQO
位置まとめGJ
投下乙です
ガオラキアの森やべえなハスタまで来たかw
ユージーンもマルタ武器揃ってるしどうなるかわからんね

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 07:26:43 ID:9NfnssbWO
投下乙。
ハスタのイッちゃってるっぷりがやべぇw
ユージーンとマルタ…この二人は武器交換したほうがよさそうだと思うのは俺だけ?


199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 07:26:54 ID:v5R7A7huO
作者さん、乙なんだけど、
口 調 が ハ ス タ 感 染 し と る が な


それにしてもハスタ怖、怖っ
これは期待せざるを得ないGJ!

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 07:46:35 ID:v5R7A7huO
連投スマソ

ラタ様の憂慮がマジならマルタは、その、やばくないか? 術師的な意味で。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 08:46:56 ID:6R1c1/wfO
今更ごめん。マルタがユージーンを刺したんだよね…?

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 08:55:17 ID:u2nt3GunO
その通り。
ところで、今更だがキールの支給品が多くないか?
ケイジ含めて支給品だろ?

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 09:02:34 ID:YR5la6rSO
投下乙です。
Iプレイしたけど俺には絶対ハスタは書けない自信あるww

確かに多いなww???の部分を削れば良いんじゃね?>キールの支給品。


204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 10:37:59 ID:vhZ2IsGgO
45分から投下します。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 10:41:05 ID:6mHuVg31O
一応ここでも言っておいたほうがいいのかな……
昨日のジェイドとリフィルの話の作者です
クレメンテ老の知り合いで空気王、チェルシー、バルバトスを書き忘れてました
まとめ氏のほうに修正希望のメールを出しておきました、ご迷惑おかけします

にしても、何たる失態……ちょっとサツマイモで斬られてきます

206 :絶望へのプレリュード 1:2008/09/03(水) 10:49:58 ID:vhZ2IsGgO
大樹の元では僅かな月明りすら届かない。
クレスは大樹の根元に置いたランタンの火を消しながら、静かに口を開いた。
「僕は、それでも移動した方が良いと思います」
若い女性の断末魔、それを間近で聞いた二人。
だが、リーガルが下した判断はその場に止どまる事だった。
「リーガルさん、この森は暗過ぎて奇襲には弱いし……奴は危険です、絶対に。
 断末魔が10分も聞こえ続けるなんて、到底真面な殺し方じゃないですよ。狂ってる」
拷問か尋問好き、それか唯の快楽殺人者だ―――クレスは俯き、若干震えた声でそう続ける。
髪の隙間から見える少年の表情には、間違い無く恐怖と焦躁が募っている。
リーガルはそれを認めると、己のサックを弄る。
「クレス、それは分かっている。だが此所は皮肉にも森。それも一切の月明りを遮断する様な深い森だ。
 歩けば堪った枯れ葉と雑草、枯れ木が音を立ててしまう。
 静かな夜では遮二無二に行動するのは致命的だ」
彼の言う事は尤もだった。
クレスは黙らざるを得なかったが、間を開けてやっぱりダメだ、と首を振る。
「リーガルさ―――ッ!?」
勢い良く顔を上げる彼の目の前に提示されていたのはコンパスだった。
「納得してくれるか、クレス」
ぐるぐると一心不乱に回る針。決定打だ。
少年は舌打ちをする。
……これでは、朝まで待つしかないじゃないか……!
「この森はガオラキアの森と言う。
 マナの大樹は本来此所には存在し得ない筈なのだが、それは今は捨て置こう。
 ……此所は迷いの森とも呼ばれる。幾人もの旅人を葬ってきた。
 無論魔物の所為でもあるが、その最たる理由がこれなのだ」
少年は溜息を吐くと自分のサックからコンパスを取り出す。同じ様にぐるぐると回る針に二度目のそれが吐かれた。
「……」
と、クレスの中を何かが駆け巡る。
「ちょっと待って下さいリーガルさん、今の話」
……何だろう、喩えようが無いけど、妙な感覚だ。
これは……そう、違和感。一番合点が行く表現がそれだ。
迷いの森、違うそこじゃない。
魔物、旅人、ガオラキア―――違う。

「む。何だ?」

何だろう、この妙な違和感は。



207 :絶望へのプレリュード 2:2008/09/03(水) 10:52:17 ID:vhZ2IsGgO
“この森はガオラキアの森と言う。
 マナの大樹は本来此所には存在し得ない筈なのだが、それは今は捨て置こう。
 ……此所は迷いの森とも呼ばれる。幾人もの旅人を葬ってきた。
 無論魔物の所為でもあるが、その最たる理由がこれなのだ”

待て。マナの大樹、だって?
馬鹿な。リーガルさんが知っている筈は無いじゃないか。
リーガルさんはテセアラとか言う国のアルタミラって場所の公爵で会長だって言ってた。
そんな場所、僕の世界には無いのに。大樹の事を何故?
それに“マナ”って名前を如何して知ってる?
偶然、いや真逆。これは到底偶然では済ませられない。
もしかして、リーガルさんと僕の世界には何か関係が?

そう、例えるならば未来と過去の関係、とか。

「……リーガルさん、貴方先程マナの大じゅむぐぅっ」
「静かに。誰か来る!」
出鼻を挫かれた形になりクレスは思わず反論しそうになるが、口に押さえ付けられた手の力は凄まじい。
とてもでは無いが撥ね除ける事は出来なかった。
「こちらに近付いているな……」
(不味い、気付かれたか? だとすれば何時から? 全く気配に気付かなかった……野生の獣並だな)
ゆっくりと塞がれた口が開放される。手錠が僅かに音を立てた。
表情を険しくしたリーガルが静かに立ち上がる。
足音の元が膝の丈程までに育った葦が揺れる。
「な……女、の子……?」
間の抜けた声がクレスの口から出る。
その先から姿を見せるのは泣きべそをかく女の子。
「あ、アリエッタ、怖い人に追われてるの……ひっ、えぐ……た、助けて」

その下に隠れた素顔を、彼等は知らない。

「リーガルさん、周りの警戒をお願いします。僕はこの娘を守る」
震えながら涙を浮かべる少女を抱き寄せ、クレスは淡白な口調で言う。
「……承知した。クレスもくれぐれも警戒を怠るな。敵が何処から現れるか分からぬ」
リーガルの声に僅かな澱みが混じっているのを、クレスは聞き逃さなかった。
疑問に感じながらも頷く。今悠然すべきは敵への警戒。
余計な思考に囚われれば怠りに繋がる。
怠りは油断と隙へ、油断と隙は死へ。
この娘を守らなければならない今、それだけは防がなければ。
「……分かっています、リーガルさんも気を付けて」
リーガルさんの背に声を掛けながら、僕の服を握って泣きべそをかく彼女へと視線を滑らせる。
僕は、やっぱり守るものが居なければ安心出来ないのかもしれない……。

208 :絶望へのプレリュード 3:2008/09/03(水) 10:54:34 ID:vhZ2IsGgO
「もう大丈夫だ、僕が君を守るよ、アリエッタ」
彼女とは全く似てはいないが、“守るべき人”という還元された存在意義に彼女が重なる。
ミント・アドネード。
彼女はこの馬鹿げたゲームには参加していないみたいだけれど。だからこそ僕は帰らなきゃならない。
その為には敵を討つ覚悟だって十分に、
(待て、それはどう言う意味だ。例えばすずちゃんが、リーガルさんが敵になったとして)
あると思うし、
(僕は彼女らを討てるとでも言うのか? ……待て、僕は今何か恐ろしい事を考えている気が、)
脱出の為なら、優勝――――範疇に――――
(待てってば。首輪の解除が必ず出来ると何故信じない)
「……ッ」
あどけない瞳が僕を貫いていた。僕は慌てて笑顔を造る。
そう、今のは何でもない。何でもないんだ。だから忘れよう。
“さっきは、何も無かった”。それでいいじゃないか。
余計な事を考えるな僕。
彼女を守る。今はそれが最善なんだ。だからそれだけ考えていればいい。
「……ああ、御免よ。僕はクレス、クレス・アルベイン。
 そう言えば君はどんな人に追われてたんだい?」
鼻を啜りながら、少女はゆっくりと口を開ける。

「とっても怖い、男の人なの」

「へぇ、その男の人って何処に居たのかな?」

遠くで叫び声が聞こえた。
僕は一瞬何がなんだか理解出来ず、少女が指差す方向をゆっくりと見た。









リーガルは違和感を、否。それにすら達していないが、何かを感じていた。
騒ぐ葦が彼に嫌な予感ばかりを擦り付ける。
(彼女は何か、何かがおかしい。私の気のせいなのか……?)
【くっ。疑心暗鬼に囚われるとは……鍛練が足りぬ……】
たまたま彼女が追われていた所、我々を見つけて現れた。それだけではないか。
迷いは毒だ。疑うなリーガル。
(待て、ならば何故少女は気配を消して我々の元に現れた?)
【それは簡単な事だ。我々が敵か味方か分からなかったから気配を消したまでだ】
(いや、それは無い。命からがら逃げてきたあどけなさが残る少女が気配を消せるとでも言うのか?)
【消せないとは言い切れない。現にプレセアならばその程度訳は無い】
(少女は泣いていた。そんな余裕は無かった筈だ)
【決め付けるな。少女でも優れた軍人かも知れぬ】
(それもそうか……)

「矢張り、杞憂か……」
リーガルは溜息を吐き頭を振る。

209 :絶望へのプレリュード 4:2008/09/03(水) 10:58:15 ID:vhZ2IsGgO
あの様な少女を疑うとは、無意識に自分はこのゲームに毒されているのかも知れぬな。
(……いや)
【……待てよ】

(【命からがら逃げてきたならば矢張りおかしい。彼女には傷が無かった。かの背丈では草花や枝で肌を切る筈だ】)

(【騙し討ちだとすれば合点が行く。我々を分離させ】)

(【そしてクレスを人質に取るならば……!】)

「馬鹿な、彼女にそれ程の力があるとは思えぬ……!」

(【いや、あの気配断ちは紛れも無い暗殺者レベルだ。見た目に惑わされてはならぬ】)

(つまり)
ふと地面を見る。彼女は傷を負っていなかった筈だ。
【彼女は】
ではこの血は、誰のものだ?
(【このゲームに乗った参加者ッ!!】)

「いかんクレス! 逃げろ、その娘は!」









「怖い人はね、」
彼女は指をゆっくりと上げる。
細い指先が、ある方向を指し(刺し『とすん』さし)た。
「此所なの」

すらりと力強く伸ばされた指は、僕の顔面を指している。
「え」
少女の口が信じられない程に歪む。僕の頬に生温い汗が伝った。
浮かんだ三日月から可愛い笑いが溢れる。
僕はゆっくりと自分の腹を見た。
僕の口の端からだらりと温い赤が溢れる。
震えながら僕は少女と刃を交互に見る。
少女は、とても冷たい瞳をしていた。
ずるりと刃が抜かれる。僕の身体は崩れ落ちた。









「くっ……間に合わなかったか……! おのれ貴様、よくも!」

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 11:02:10 ID:6mHuVg31O
 

211 :絶望へのプレリュード 5:2008/09/03(水) 11:02:19 ID:vhZ2IsGgO
走ってくる男をアリエッタは見つめる。
瞬間、アリエッタはにたりと笑った。リーガルに戦慄が走る。
キープされていた魔術が発動する。全身を光の鎚が駆け抜け、身体がびくりと強張った。
「アリエッタは、イオン様に会うまで絶ッ対に負けないんだからッ!」
少女のヒステリックな声が大樹の周りに響く。
リーガルは顔をしかめる。思わず耳を塞ぎたくなる大絶叫だ。


……この高が五秒の攻防で、リーガルは、アリエッタは大切な事を忘れていた。

周りへの警戒、女の叫び声。音を立ててはならない事。


世界が終焉を導く蒼に染まる。
少女の悲鳴。男の叫び声。四人目の狂った笑い。
乾いた音が暗闇と狂気に抱かれた森に響いて、弾丸が彼女を貫く。
弾かれる様に空を舞う少女。混沌とした四人の思惑。
眠る少年の葛藤、転がり倒れる一途な少女。
弾倉が金属音を立てて地面を跳ねる。
溢れる二人の血、痺れに呻く男。

「問二」

硝煙を上げる銃をくるくると回しながら、闇から天上王が現れる。
公爵の髪よりも蒼い光が彼の顔を照らす。

「一瞬で死ぬか、時間を掛けて死ぬか、どちらが好みだ? 三秒以内に答えよ」

大樹の下、彼等は踊る。
―――さあ、惨劇は目の前だ。


212 :絶望へのプレリュード 6:2008/09/03(水) 11:05:25 ID:vhZ2IsGgO
【ミクトラン 生存確認】
状態:HPTP100% 血塗れ 興奮
所持品:フランベルジュ ブルーキャンドル
    イリアのサック(デザートイーグル 銃弾×30 ??? ???)
基本行動方針:ピエロ含め皆殺し
現在位置:D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)

【クレス・アルベイン 生存確認】
状態:HP45% TP100% 失神 失血中 僅かな葛藤 右横腹に深い裂傷
所持品:デュナミス パナシーアボトル×3 オベロナミンEX
基本行動方針:ゲームを止めるため同志を募る
第一行動方針:???
現在位置:D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)

【リーガル・ブライアン 生存確認】
状態:HP95% TP100% 若干の痺れ
所持品:ねこねここねこ ??? ???
基本行動方針:状況把握
第一行動方針:私がやらねば…!
現在位置:D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)

【アリエッタ 生存確認】
状態:HP65% TP95%以上 アニスへの対抗心 激痛 腹に銃跡
所持品:ソードブレイカー ??? ???
基本行動方針:イオンを守る。イオンを優勝させる?
第一行動方針:痛いよう…
現在位置:D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)


213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 11:07:14 ID:vhZ2IsGgO
投下終了。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 11:10:43 ID:6mHuVg31O
投下乙です
クレスーーー!?人のよさが裏目に出たか……
アリエッタに続き、みっくん襲来とは会長ピンチ!

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 11:20:13 ID:BfWsqID00
乙です
天上王怖えぇぇ
会長頑張れ、としか言えんな…

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 11:24:40 ID:fiSrBdgDO
乙!
会長…つくづくガオラキアの森に縁がないなorz
もう少しでいいから生きて欲しいな

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 11:33:26 ID:6VloUBKyO
投下乙!
1stで大活躍(…)したクレスが早くも?!とwktk…じゃなかった、hrhrしたよ←
ていうか、アリエッター!
おまえもピンチだが、そのイオン様は更に大ピンチだぞw
近いんだし早よ助けに行ってやれやww早くしないとヴェイグの二の舞になるぜw
しかしそうすると城カオス率が更に増える罠www

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 12:35:40 ID:6sXT9VvC0
クレスのロワにおける運の無さにワロタ

219 :ニアミスハピネス☆アイアンメイデン@修正:2008/09/03(水) 12:41:45 ID:v5R7A7huO
携帯からですが、作者です。
キールの状態欄を修正します。

【キール・ツァイベル 生存確認】
状態:HP、TP100%、
所持品:デクスのアイアンメイデン グランドセプター クレーメルケイジ
基本行動方針:殺される気はない。サイグローグの言葉を信じかけている。
第一行動方針:???
現在位置:D3黎明の塔から移動開始。
※キールが信じかけているサイグローグの発言には、彼しか聞いていないものを含み得ます。


お手数かけますがよろしくお願いしますorz


220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 12:44:15 ID:fg9eqHtJO
>>219
メールの方がよくないか?分かんないけど

まとめサイト行ったら仕事の速さに吹いた
ご苦労様です

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 14:08:42 ID:MFhN5TFDO
これはクレスソス
周りに人もいないし、会長一人でどうにか出来るのか!?

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:03:51 ID:YR5la6rSO
会長は手枷破壊されれば(ry

D-1にはダオスも向かってるから更にカオスになるなw

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:08:01 ID:0Go/xOxRO
20分ごろから、G4投下します。
ちょっと長いので、支援してくださると嬉しい限りです。

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:08:50 ID:rwyQfXQA0
ダオス、シゼル、ミクトランとラスボス祭りになりそうだな。
もう片方のラスボスコンビは多分これから考察や雑談に入るだろうから燃えてくる。

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:09:28 ID:6mHuVg31O
カオスエリアその1キター!
支援します

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:27:25 ID:0Go/xOxRO
遅れてすみません
それでは今より投下します

227 :危機を乗り越えて(いろんな意味で 1:2008/09/03(水) 15:29:17 ID:0Go/xOxRO
「よし、じゃあ行くか。」

とりあえず、お互いが持っている情報を全て交換し終えたロイド、クロエ、ノーマの三人は、この場を離れることにした。
ザックを手に、立ち上がる三人。と、

(………っ!?)

不意に、寒気がロイドを襲った。
出来るだけ自然に辺りを見回し、彼はその寒気の正体を感じとった。

殺気。

野生のカンか、剣士のカンか。
自分の中の何かが、ほんのわずかな、だがとてつもなく禍禍しいそれを、敏感に感じとった。

(もうこのゲームに乗ってる奴がいるのかよ!)

ロイドは歯を軋ませ、思考を巡らせる。
どうする?どうやってこの場を切り抜ける?

「どうした、アーヴィング?」

彼の表情の変化に気付いたクロエが、小さく尋ねる。
ロイドは彼女を振り返り、そしてハッとした。
彼の目に入ったのは、河口を渡った所にある岩場だった。
少し遠いが、泳ぎ切れない距離じゃない。
悩んでいる暇はない。ロイドは意を決した。


228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:29:37 ID:6mHuVg31O
支援

229 :危機を乗り越えて(いろんな意味で 2:2008/09/03(水) 15:31:58 ID:0Go/xOxRO
「おい、アーヴィング。」

顔は自分を向いているが、視線は自分を向いていない。
それに気付いたクロエは、再びロイドを呼んだ。
ようやく開いたその口から出たのは、予想もしてなかった言葉だった。

「二人とも、泳げるか?」
「は?」「へ?」

気の抜けた声が同時にでた。

「あ、あたしは泳げるけど…」

語尾を濁らせて、ノーマはクロエを見た。
その様子から、ロイドは悟る。

「カナヅチなのか、クロエ。」
「なっ!」

顔を赤めて、クロエは憤る。が、彼女が声を上げる前にロイドはその腕を掴んだ。

「ノーマ、河の向こう側に岩場が見えるよな?そこまで泳げるか?」
「えっ!あ、う、うん。どうしたのさ、ろいどん?」

早速作ったあだ名で呼ぶも、彼は返事を返さず、クロエを見た。

「手、離すなよ。絶対だぜ?」
「な、何を言ってる!というか、離…」

クロエが言い終わる前に、ロイドは彼女の腕を引いて走り出した。
慌ててノーマも続く。

「ノーマ!飛び込め!!」
「どえぇっ!?」

空いた方の手でノーマの腕を掴むと、ロイドは彼女を河へと飛び込ませる。
それとほぼ同時に、ワルターが岩場から短剣を手に踊り出た。

「ちぃっ!待て!!」
「お、お前は…」
「クロエ!息止めろ!!」

ロイドの怒鳴り声に我に返った刹那。
気が付けば、水の中にいた。


230 :危機を乗り越えて(いろんな意味で 3:2008/09/03(水) 15:33:35 ID:0Go/xOxRO
「くそ…逃したか…。」

水しぶきを上げて遠ざかっていく獲物の背を、ワルターはふがいない気持ちで見ていた。
手に持った短剣を投げ付ければ、当たる可能性もある。
だが、大事な武器を失いたくはない。
ワルターは舌を打つと、河口に背を向けた。

気配は絶っていたつもりだった。
だが、メルネスの事を考えるあまり、殺気を隠しきれていなかったようだ。
ワルターは短剣の柄を軋ませると、低く、唸るように呟いた。

「次はしくじらん…。」

彼は歩み始める。
新たな獲物を探すために。
メルネスを守るために。

231 :危機を乗り越えて(いろんな意味で 4:2008/09/03(水) 15:34:47 ID:0Go/xOxRO
「ゲッホ!うげ〜…しんど〜…。」

岩場にたどり着いたノーマは、岸にあがると同時にへたりこんだ。
少し遅れて、ロイドが息を荒げつつ岸にたどり着く。
彼は先にクロエを押し上げた。ノーマがそっと横たわらせる。
ロイド自身もなんとかよじ登り、岩に背を預けて肩で息をした。

「……アンタ、誰?」

濡れたせいで、特徴的な立てた鳶色の髪が力無く垂れており、まるで別人な彼にノーマはふざけたように言う。
ロイドは疲れた笑みを浮かべると、髪を両手でかきあげて立たせた。

「いきなり人を海にほん投げるなんて失礼じゃない?」
「わりぃ。なんか変な奴が俺達のこと狙ってたみたいだったからさ。」
「変な奴?」
「あぁ。…そういえば、クロエ。知り合いみたいな反応してたけど、誰だったんだ?……クロエ?」

ここでようやく岸に着いてから、彼女が全く動かないことに気付き、二人は顔を見合わせた。

「クロエ!」
「クー!」

体を揺さぶり、呼びかけても反応はない。
ロイドは慌ててびしょ濡れのザックから小瓶を取り出した。

「エリクシール…ダメだ!気を失ってるから飲ませられない!」
「あれは!?使い方がわからなかった、輪っかみたいなの!」

ロイドはエリクシールをしまうと、金色の輪を取り出した。

「こんなのどうするんだ?」
「とりあえず、クーにつけてみてよ!何か起きるかもしんないじゃん!」

ノーマに言われた通り、ロイドはクロエの腕に輪をはめる。が、

「………」
「…………」
「何も起きねぇな。」
「だね。…使えねー!」

しびれを切らしたように、ノーマはロイドを指差した。

「こうなったらあれだ!ろいどん!人工呼吸だよ!」
「なっ何ぃ!?」

声を裏返らせて、ロイドはノーマを見た。

「早く!クーが死んじゃうよぉ!」

その言葉に、ロイドは息をのむ。
そうだ、恥ずかしがっている暇はない。
大事な仲間を失う訳にはいかないのだ。

「わ、わかった。」

ロイドはクロエを見つめ、心の中で静かに謝った。そして…



232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:34:56 ID:6mHuVg31O
支援

233 :危機を乗り越えて(いろんな意味で 5:2008/09/03(水) 15:36:06 ID:0Go/xOxRO
「う……げほっげほっ…」

口をつけようとした瞬間、クロエは目を覚ました。
驚いて固まるロイドとノーマ。
クロエは横たわったままぼんやりと瞳を動かし、そして。

「ハッ!」

気付いた。

「アーヴィングゥゥウゥウ!!!!」

ロイドは急いで体をクロエから離したが、もう遅かった。
高速の拳が彼を襲う。
たまらず、ロイドはそれを避ける。

嫌な音が響いて、ロイドは口を開けたまま再度固まった。

ロイドが避けたクロエの拳は、彼の背後にあった岩に直撃していた。
間違いない。拳が砕けた。
すぐさまロイドは岩に正座し、何度も土下座した。

「悪いクロエ!俺が男らしく黙って殴られていればこんな―」
「…痛くない。」
「―え?」

クロエは拳を岩から離すと、その手を開いたり閉じたりした。
本当に大丈夫のようだ。
ロイドは不思議に思い、岩を軽く叩く。

するとどうだろう。
その岩は、クロエの殴ったところからひび割れ、崩れ落ちたではないか!

「ちょ…おま…ええええぇ!!?」
「クー、いつの間にそんな破壊神に…。」
「私は知らない!お前達が何かしたんじゃないのか!?」

ノーマは考え込み、そして、手を叩いた。

「そっか!その輪っかだよ!」
「…?これか?」

クロエは腕につけられた輪を外して眺めた。

「きっと、着けた人がパワーアップできる道具なんだよ!よかったじゃん、ろいどん!武器になるよ!」
「そ、そうだな。やったぜ。ははは…」

嬉しそうに言うノーマに、ロイドは乾いた笑みで返す。

「少しここで休まないか?…気分がわるい。」
「ん、そうだね。」
「あ!帽子がない!」
「泳いだんだもん。仕方ないっしょ。」

何事もなかったかのように進められる二人の会話。
だがロイドの背中には、先程とは違った嫌な寒気がしていた。

(あれ…よけてなかったら俺、どうなってたんだろ…。)



234 :危機を乗り越えて(いろんな意味で 6:2008/09/03(水) 15:38:23 ID:0Go/xOxRO
【ノーマ・ビアッティ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、軽い息切れ、びしょ濡れ
所持品:本人確認済み支給品0〜2個
基本行動方針:殺し合いに乗る気はない。死にたくない
第一行動方針:クロエ・ロイドと共に行動する。しばらくこの岩場で休憩
第二行動方針:セネル達と合流する
現在位置:G6岩場

【クロエ・ヴァレンス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、若干の目眩、びしょ濡れ、帽子紛失
所持品:オブシディアン、本人確認済み支給品1〜2個
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:ノーマ・ロイドと共に行動する。しばらくこの岩場で休憩。
第二行動方針:セネル達と合流する
第三行動方針:同志を探す
現在位置:G6岩場

【ロイド・アーヴィング 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、軽い息切れ、びしょ濡れ、すけべ大魔王
所持品:本人確認済み支給品1個、エリクシール、ソーサラーリング
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:ノーマ・クロエと共に行動する。しばらくこの岩場で休憩
第二行動方針:同志を探す
第三行動方針:クラトス達が気になる
現在位置:G6岩場

【ワルター・デルクェス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、暗殺失敗による苛立ち
所持品:タバサ、本人確認済み支給品1個、黒髭ダガー
基本行動方針:シャーリィの護衛をする、可能ならセネルとその仲間を殺す
第一行動方針:しばらく獲物を探す
第二行動方針:シャーリィを探す
第三行動方針:シャーリィを他の参加者から守る
現在位置:G4砂浜

※クロエの帽子はGエリアの海を漂っています。
※ソーサラーリングはAの世界の物です。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:41:37 ID:0Go/xOxRO
投下終了です
コンピュータが馬鹿になったので、携帯からの投稿になりました
なので、変な所があるかも知れません
G4がさらにカオスになるようにフラグをt(ry

では、支援ありがとうございました

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:45:19 ID:A3UP8IcQO
乙です
メルネスを想いすぎて殺気を殺せないワルター何かワロタw
いきなり人工呼吸という展開にもっていくとはさすが攻略王
クロエが破壊神化した腕輪が所持品欄に無いのはまだ誰のものでもないから?

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:46:15 ID:6mHuVg31O
投下乙です
なんつー危機ばっかwワルター襲来以外大爆笑の危機……w
ソーサラーリングで力UPはあれか、ミュウアタック的意味なのか
……あれ?じゃあもしかして飛んだり火吹いたり(ry

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:47:50 ID:q1Cgr1bI0
ロイドは野生の勘が鋭いんだよ!
激しく投下乙です。
まさかこのロワの参加者を軒並み攻略する気じゃあるまいな…

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:52:25 ID:oThgJR7X0
乙です
って何気に黒髭ダガーwww

>>236
元々ロイドの支給品だからロイドの項にある

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 15:55:45 ID:A3UP8IcQO
そうかAのソーサラーリングはミュウが腹につけてる位だから腕輪なのかクロエファイアとかクロエウイングとかシュールw

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:17:02 ID:6mHuVg31O
短めですが投下します

242 :フィリア・フィリスは大いに悩みバトルロワイヤルの地を歩む 1:2008/09/03(水) 16:19:07 ID:6mHuVg31O
風に乗り、微かに空気に混じる、清らかな水の匂い。

「……ここから南に下ったところには、確か滝がありましたね」
「そうだったな……そこ、足元危ないぞ」
「あ、すみません」

ジューダスとフィリア、18年という時を経て再び巡り会った奇妙な二人は、B6の山中から東へと下っていた。
北は海、南は滝の真上となった以上、東か西へと進むしかなかった。
そして東と西を比べた結果、僅かに東のほうが山を抜けるのが早いだろうという事である。

「にしても地図には湖も川もありませんし……滝の水はどこから流れて来ているのでしょうか」
「山の随分上から流れている事も考えると、地下水というわけでもないだろうな……まあ、こんな事を気にしても意味はないかもしれないが」

ちなみに、ジューダスの姉でありフィリアの仲間である少女がその滝に落とされたりしているのだが……当然、彼らが知る事は無い。
運命は、時に厳しい。

(夜間の山歩きはやはり少し辛いですね……でも、弱音を吐いてはいられませんわ)

フィリアは体力があるほうではない。
元々、室内に篭りきりだった学者であり、旅する中で多少鍛えられはしたのだが……それでも、歴戦の勇者とは思えない程貧弱である。

ふと前を見る。
少し先で仮面を被った青年が立ち止まり、自分を待ってくれている。

「す、すみません……」
「いや、構わない。何なら少し休むか?」
「いえ、そこまでは」

提案をきっぱりと断ると、青年はそうかと呟き、また先を進み始める。

(どうして私は、この方を信用したんでしょうか?)

ふと、そんな考えが湧き上がる。
黒一色の服装、魔物の骨で作られた仮面……お世話にも、怪しくないと言える格好ではない。
18年後の未来から来たという話も本来なら不思議な物だ……なのに。

(本当だ、と思ったのはどうしてなんでしょう……?)

彼のほうから、声をかけてくれたから?


243 :フィリア・フィリスは大いに悩みバトルロワイヤルの地を歩む 2:2008/09/03(水) 16:20:05 ID:6mHuVg31O
こちらの事を、少しも疑わなかったから?
それとも……

「大丈夫か?」

ハッと顔を上げる。
ジューダスが再び少し先で立ち止まり、自分を待っている。

「いえ……心配ありません、早く他の人を探しましょう」
「……そうか」

そう呟いた声には、明らかな心配の色。
フィリアは軽く頭をふり、自分を叱咤する。

(一度信頼すると決めたんです……しっかりしなさい、フィリア!)

そうだ、自分は彼を信頼すると決めたはず。
それならば、最後まで信頼し通すべきだ。

(無事でいて下さいね、スタンさん、ルーティさん、みなさん……私は、大丈夫ですから)

心の中で、仲間の無事を強く祈る。

これから進む先、どんな出会いが待つのか……彼女は、知らない。



【ジューダス 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:ロイドの仮面セット、レーザーブレード
基本行動方針:お互いの仲間を探す
第一行動方針:フィリアを守る
第二行動方針:上手く素性を隠す方法を考える
現在位置:B6、山中(B7方面へ下山中)

【フィリア・フィリス 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:マジックミスト、確認済み支給品0〜2
基本行動方針:お互いの仲間を探す
第一行動方針:ジューダスと共に行く
第二行動方針:ジューダスに既視感
現在位置:B6、山中(B7方面へ下山中)


244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:21:06 ID:6mHuVg31O
投下終了です
タイトルに見覚えがある?
何、気にす(ry

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:31:51 ID:q1Cgr1bI0
投下乙。そしてまとめさん仕事速い…超乙。
そして、こちらも投下いたします

246 :年の差4014歳 1:2008/09/03(水) 16:36:10 ID:q1Cgr1bI0


大きな木に、川の流れる穏やかな景色。
なんて素敵な庭、と平和な世界なら思っただろう。
だが、景色に耽る余裕は少女に無かった。
赤く照らされた景色の合間から、いつ何かが飛び出してくるか。
そういった恐怖と戦いながら、怯えた足取りでようやく館の前までたどり着く。

「誰も居ないのかなぁ……」

風で揺れる葉の音にも反応して振り返る。
今はただ、ひたすら不安だった。
辺りの様子を頻りに気にしてしまう。
ふと見ると、木の幹から何かが突き出ている。
枝かと思ったがそれにしてはに細い。
近づいてみると矢が突き刺さっていた。
背伸びして両手で掴み、引き抜く。
よく研ぎ澄まされた鏃、しなりのいい木から作られた材質。
名射手の放った矢かもしれない、とチェルシーは思った。

「どなたのでしょう……」

見回しても、辺りに矢はこれ一本。
まさか、この矢で殺し合いをしようとした人物がこの館に、とも思った。
背後から狙われている図を思い浮かべてぞっとする。

(……でも、ウッドロウさまのものかもしれません)

だとしたら、この館にいるのはウッドロウかもしれない。
その矢をサックに大事にしまって、
淡い期待を抑えられず、館の扉を恐る恐る開く。

「ご……ごめんくださー……い……」

か細い声に暗闇は答えない。
館の中を照らすため、赤いランタンを扉の内側へと差し入れた。
が、その手首が突然何者かに掴まれる。

「!?」

不意に力強く館の中に引き入れられ、両手を後ろ手で拘束された。
力強く大きな手に、続いて口を塞がれる。

247 :年の差4014歳 2:2008/09/03(水) 16:37:21 ID:q1Cgr1bI0

「きゃ……むっ!ぅー!」
「2、3……質問に答えてもらう……動かないでもらおう」

すぐ背後から、低い男の声が聞こえてくる。
ウッドロウのそれではない。
チェルシーが少しでも抵抗しよう、と口を押さえる手に思い切り齧り付こうとする。
すると、すかさず口から手が離れてチェルシーは空を噛んだ。
続けて視界に現れた男の右手には、短めの刃が握られていた。

「大人しくしていれば危害は加えない……」
「は………はぃ………」

男の声に威圧が篭る。
自分はどうなってしまうのか、と声が震えた。
頭に浮かぶのは想い人の姿。
ウッドロウの顔を思い浮かべ、チェルシーの眼には涙が溢れる。
だが、男は構わず質問を投げかけた。

「まず、この殺し合いに参加する気でいたのか?」
「ぃ……いいえ……」
「……あの赤い光……お前の仕業か」
「はい……ランタン、です」
「……妙だな、私のものより強い光だが……それに赤い光……」
「で、でも」

チェルシーが足先で転がっているランタンを示すと、確かにそれはランタン。
赤い光を放つそれは確かに館全体を照らし出すほどに明るい。
後ろの男は、質問を続けた。

「では、あの光は戦闘でも、仲間を呼ぶためのものでもないのだな?」
「い……いいえ違います……わた、私は、まだ、ひとりで」

恐怖の為たどたどしくなるが、しっかりとチェルシーは返答する。
男は冷静そのもので、チェルシーの手に力が加えられないように握っていた。

「……最後だ」
「ひ……」

その言葉がとてつもなく恐ろしく感じ、チェルシーは悲鳴を漏らした。
だが、続けての問いに眼を丸くする。

「ランタンを消してくれ……あの光は目立つ、こちらを使え」
「え?」

そしてチェルシーの両手は解放され、男のナイフも引っ込んだ。
慌てて離れ、赤い光を吹き消す。
残った光は、男の手の仄かなランタンの光だけだった。

「……怖がらせてすまない、用心のためだった」
「…………わ、私を……殺したり……」
「いや」
「は……はぁぁ…………」

男は黙って首を振る。
ランタンに照らされる男の姿は、声の感じより幾分若く見うけられた。
無表情ながらも、声から先程の威圧感が伝わらなく、少しは信用してもよさそうだった。
震えが収まり、腰が砕けてぺたんと座り込む。


248 :年の差4014歳 3:2008/09/03(水) 16:38:56 ID:q1Cgr1bI0

「ひどいです……わたし、殺されるかと……」
「そのことは後で如何様にも詫びよう……今は落ち着いて情報を話したい」
「は、はい…でも……」
「?」
「……こ…腰が、抜けちゃいました………」




マントの男は、クラトスと名乗った。
居間へ行きながら、とりあえずお互いの知る人物の名を告げる。
互いに注意すべき人物も挙げた。
腕に抱かれて部屋まで運ばれ、チェルシーは柔らかなソファーへ下ろされる。

「お姫様抱っこは、ウッドロウさまのために取っておいたのに……」
「この緊急事態だ、そうも言ってられん」

少々むくれた様子のチェルシーに、クラトスは困り顔で台所へ向かう。
一先ず、館の居間らしき所で話し合いを始めるようだった。
クラトスが台所から、茶を淹れて持ってくる。

「あの道化師は、抜かりがないようだ……この家は食料がまるで見当たらない」
「え?……じゃあ」
「我々の所持するものだけが食料、ということだ……日がたてば、奪い合いも起きる」

チェルシーの絶望が、更に深まり出す。
これではどうあっても殺し合いが止まらない、と。
しかし、はたと気づく。

「あの、じゃあこのお茶は……」
「ハーブが栽培されていたのを拝借した。植物はそのままのようだ」
「へぇ…クラトスさんが………あの、おいしいです」
「……そうか」

ほんの少しだけ、仏頂面のクラトスの口角が持ち上がったような気がする。
チェルシーはやっとまともに安堵できて、笑顔を返した。
間に合わせとは言え、温かなハーブティーを口にして両者ともに落ち着いて話し出す。
自分のこと、仲間のこと。
サイグローグのこと、そして世界のこと。
異世界の住人、というのも実感が湧かなかったが嘘偽りではなく、事実なのだから仕方ない。
情報を一頻り交換したところで、クラトスが現在の状況を切り出した。


249 :年の差4014歳 4:2008/09/03(水) 16:40:31 ID:q1Cgr1bI0
「ところで……本来、我々の状況は茶を飲んでいるどころではない」
「え」
「森の外からあの赤い光を見ていた者がいたとしよう……それが消えたら、何を想像する?」
「えっと……灯りを消したんだから……」

チェルシーがカップを置いて考えを巡らせる。
答えは容易に想像できた。

「……森に潜むことにしたか……建物の、中に入ったか」
「正解だ……しかし明かりをしばらく点けていて、消したのだから後者を想像するだろうな」
「じゃあ……」
「この館に誰かが来るかもしれない……それが敵か味方かはわからんが」

自分で淹れた茶を飲み干し、クラトスは地図を開いた。
現在地を指差しながら、これからの移動ルートを確認していく。

「このように、まともな道はB5の渓谷を抜けるルートしかない…故に、ここに待ち伏せされたら危険だ」
「じゃあ、急がないと!」
「いや……もう遅い。焦るより、対策として装備をきちんとするほうが先決だ」
「そうですか……」
「それにチェルシー、山道は大丈夫なのか?」
「これでも、山暮らしですから」

そうか、と相槌を打って準備にかかる。
クラトスが荷物を拡げ始めたので、チェルシーもそれに習った。
お互いの支給品についてをまだ話していなかったからだ。
まず、最初にチェルシーの荷物からランタンが二つ出てきたことに驚く。
やはり、あの赤いランタンは支給品だったのだ。

「ランタンは二つもいらないです、不親切ですねサイグローグさんは」
「殺し合いを提案した時点で、まともな思考は期待せぬことだな」
「わかってますよぅ」

ぶつくさ文句を言いながら、チェルシーは荷物から模造刀を引っ張り出す。
見てもいいだろうか、とクラトスが言うので手渡した。

「これは……」
「あ、カタナって言う武器なんですよ」
「切れんな」
「え?」

クラトスが刃をなぞるも、刃が潰してあるようでその指は切れていない。
紛い物と解るとチェルシーが、そんなぁとしょげ返った。

「まあ、武器にならないこともない…借りても?」
「ええ、私は弓使いですし……あの、ところでそれは…?」
「……フォークだ……扱いづらくてな」

机の上の巨大なフォークに苦笑する。
確かに、クラトスには少々不恰好な武器かもしれない。
続けてバスケットを手にとって、空けてみた。
甘酸っぱい、瑞々しい香りが鼻をくすぐる。
イチゴの入った菓子と、真っ赤な林檎が入っている。

250 :年の差4014歳 5:2008/09/03(水) 16:42:05 ID:q1Cgr1bI0
「わあ…クラトスさん、これも支給品ですか?」
「ああ」
「すっごくおいしそう……あ、でも今はそれどころじゃありませんよね」
「ああ」

辺りをうろつきながら、何かを探している様子だ。
生返事を返しているのは、台所の中。

「……何を探してらっしゃるんです?」
「砥石、だ……包丁はあった、砥石もあるはずなんだが……」
「あ、でしたら!」

やっぱり男の人だから、と台所事情にはクラトスよりも詳しいチェルシーが率先して探し出す。
こういうものは低い所へしまうんです、と一番下の棚から砥石をごとりと取り出した。

「すまないな」
「いえいえ、でもどうするんですか?」
「これを、研ぐ」

切れない以外は本物と同じ刀を、片手で示す。
確かにまともな武器として使えるようになるかもしれない。

「少々時間がかかるが……良いだろうか?」
「はい」
「……仲間達と早く会いたいだろうに、すまないな」
「それは、お互い様ですし……それに」
「?」

砥石を居間へ運び、腰を据えて研磨にかかりながら二人は話す。
チェルシーは確かに不安気な様子だが、クラトスに向かってにっこりと笑う。

「ウッドロウ様も、スタンさんたちも強いですから。私は、信じてます」
「……ありがとう……お互い、いい仲間を持ったようだな」
「はい!」

ゆっくりでいい、クラトスという頼れる人と探し回ればきっと会える。
チェルシーはそう信じていた。
クラトスが僅かに微笑み返してくれたのを見て、心の奥底の優しさを感じ取る。
と、クラトスが思い出したように扉へ向かう。

「すぐ戻る」

と言い残して扉から慎重に辺りを見回して外に出る。
一人残されると、急に不安になるものだった。
心細くなったチェルシーは、机の上の矢を手にウッドロウを想い浮かべる。
が、ほどなくクラトスが戻りほっと安堵した。

「どうなさったんです?」
「これを……」
チェルシーに頑丈そうな枝を二本、渡す。
今しがた、庭から調達したらしい。

「これは?」
「先程弓使いと言ったな…弓は、作れるか?」
「はい、得意です」
「戦力は少しでも欲しい……いざというときの為、頼む」

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:43:35 ID:6VloUBKyO
支援

252 :年の差4014歳 6:2008/09/03(水) 16:43:50 ID:q1Cgr1bI0
わかりました、とクラトスから包丁を受け取った。
ウッドロウと祖父から教わった弓の作り方を生かし、間に合わせの弓を作る。
矢も一本だけでは心許ない、何本か作っておこう。
ウッドロウに会うため、そしてウッドロウを守るために。
恋する少女は、一生懸命だった。
そして、クラトス。
剣の扱いはさすが年の功といったところか、手馴れたものだ。
専門の鍛冶屋ほどではないが、剣に鋭さを取り戻すために研ぎ始める。
子を思う父もまた、一生懸命だった。

「…クラトスさん」
「どうした?」
「さっきのクレープ……ちょっとだけ食べません?」
「……食料は貴重だ、交渉材料にもなり得る……温存するのが得策だろう」
「……わかりました」

おじいちゃん子のチェルシーには、ものすごく年上のクラトスは馴染み易かったようである。




【クラトス・アウリオン 生存確認】
状態:HP100% TP100% 
所持品:マジカルポット バスケット(中:ストロベリークレープ リンゴ)
    フォーク(TOA) 模造刀(研磨中)
基本行動方針:仲間達に会う 争いを極力避けつつゲームを止める
第一行動方針:山道(B5)越えのため万が一を予想して武器を調達中
第二行動方針:チェルシーと協力して南へ向かい、仲間を捜索する
現在位置:A-4モリスン邸(現代)@TOP


【チェルシー・トーン 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:包丁 レッドランタン 
    手作りの弓(作成中)手作りの矢(作成中)チェスターの矢 
基本行動方針:仲間に会う・ウッドロウ様を守る
第一行動方針:山道(B5)越えのため万が一を予想して武器を調達中
第二行動方針:クラトスと協力して南へ向かい、仲間を捜索する
現在位置:A-4モリスン邸(現代)@TOP

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:45:13 ID:q1Cgr1bI0
投下完了しました。
どうして私の好きなキャラはあまり喋らないんだろう…
チェスターの矢は現代モリスンの家でのアレです。おkですかね

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:47:20 ID:6mHuVg31O
投下乙です
確かに年の差もの凄いw
クレープ食べたがるチェルシー可愛いよチェルシー

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 16:49:20 ID:6VloUBKyO
投下乙!
この二人もついに出会ったか。
にしても、砥石とはなかなかやるな…
砥石と聞いて真っ先にボボボボプレプレプレプレを思い浮かべた俺を許してくれ←

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:08:48 ID:1RlXDuEY0
投下乙
ジューダス達はこの先にいる人物と状態を考えると修羅場は免れなさそうだ
逆にチェルシーとクラトスは和むw

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:25:37 ID:A3UP8IcQO
投下乙
ジューダスとフィリアは西に行けばエルレイン南に行けばルーティ、
東に行けば不安定スタンとフラグ満載だったが東を選んだか。これは楽しみ
二人に地形について鋭いツッコミ入れられて地図作った俺涙目w
クラトスの年はおじいちゃんってレベルじゃねーぞw

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:42:18 ID:YR5la6rSO
歳の差4014歳チームはほのぼのしてて良い感じだねwwジュダフィリ組が東に行ってくれなきゃルークがかなりヤバかったし、スタンとイレーヌとのフラグも気になるw

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:55:20 ID:Wvj/xef1O
>>244
もしかしてヒャッハァ?



260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:55:56 ID:OUuKj9pb0
投下します

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:58:24 ID:GU1BzRk40
>>259
だな。これはもはや愛だ!

262 :お話ししましょう:2008/09/03(水) 17:59:27 ID:OUuKj9pb0
彼は困惑していた。

話そう、と言ったものの何を話せばいいというのだろう?
そもそもこの少年は錯乱していたとはいえ自分は撃たれた。
そんなやつと何を話せばいい?
いやいやだからこそ話す必要があるんだろう?

―――なんで撃ったのかを?

そんなことわざわざ話す必要は無いじゃないか?
殺すためだろ?

そんなことがセネルの頭の中をぐるぐるぐるぐる駆け巡っていた。

……沈黙が気まずい。
耳に入るのは規則的な波の音。
そもそも話そう、と言ったのはセネル。
チャットに話を振れというのも無理な話だ。
先ず何から切り出す?

彼は血を恐れていた。異常なまでに。ということは。

「あの最初に死んだ赤いの、知り合いか?」
ゲームが始まるあの時に爆ぜたあの男の知り合いと考えるのが自然じゃないか?

チャットの小さな肩がぴくりと動いた。
「……はい」

「………そうか」
チャットはきっとあのときの青年のように死ぬのを恐れてトリガーに手を掛けた。
でも死ぬのと同じくらい血も怖かった。もうあんな紅い噴水を見たくなかった。


チャットは見た目からして非力だろう。セネルよりも脆いだろう、精神的にも体力的にも。



263 :お話ししましょう2:2008/09/03(水) 18:00:10 ID:OUuKj9pb0
「今までよくがんばったな、チャット」
くしゃり、とまた頭を撫でた。
またチャットの目から涙が零れた。
「う……っうっ」

信頼してきた仲間は殺され、他の仲間と離れて一人ぼっち。
怖くて怖くてたまらなくて。死にたくなくって。
とっても短い間だったけどひとりぼっちでうずくまって泣いてる時間は彼の人生の中では比類するものが無いほど怖かっただろう。

「おいおい、また泣くなよ。男だろ?」
セネルはそんなチャットを見て苦笑する。

「……ボクは、男じゃありませんッ!!」
セネルは非力だと思っていた少ね…否、少女にとびっきりのストレートをプレゼントされた。


【チャット 生存確認】
状態:右頬にやや腫れ TP100% 落ち着いた 男と間違われたことに憤慨
所持品:スタンダードマグ(残り装填5発) 銃弾×50発 ???
基本行動方針:死にたくない
第一行動方針:まったく失礼な人ですね!
第二行動方針:???
現在位置:G4海岸西

【セネル・クーリッジ】
状態:右頬にかすり傷 TP100%
所持品:??? ??? ???
基本行動方針:仲間を探し、この状況をなんとかする
第一行動方針:男じゃなかったのか!
第二行動方針:???
現在位置:G4海岸西



264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 18:01:34 ID:OUuKj9pb0
投下終了
1番目番号入れ忘れスマン

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 18:05:15 ID:fg9eqHtJO
投下乙
セネルさんフラグぶち折ったwさすがです仙人w

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 18:07:52 ID:0Go/xOxRO
投下乙!
チャットかわいいよチャット
セネルに撫でられて泣くチャットに萌えた
つか殴んなwww

あぁあいい雰囲気のお二人さんだが早いとこそこから離れてくれぇ((°□°;))
同じエリアに奴がいるんだよぉ

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:09:41 ID:K1z7yK0O0
投下しますね。

268 :止めたの方は、赤信号でした。止め逃げでした。:2008/09/03(水) 20:15:27 ID:K1z7yK0O0
月明かりが落ちる平原で、駆け抜けていく影が踊る。
踊らせる曲はない。在るのはただただ荒い息遣い。
キルゾーンとなることを強いられたこの島で、エミル・キャスタニエはためらいを忘れて走り続ける。

ぜい、はあ、と上がりあがる息より、疾駆する自らを支える足より、ばくばくと早く巡る心臓。
けれど、もっともっと早いのはそこに宿ると古今東西で唱えられたもの――彼らの心だ。

(マルタ……!)

もう終わった旅の中で、ヴァンガードの奸計に嵌められたあの時の事が、
何度も何度もリフレインして離れない。走れども、走れども。
あの時は、しいながいて大丈夫だった。
けれど、そんな幸運を何度も期待するほどエミルもラタトクスも甘い生涯は送っていない。
リヒターの手によってマルタがくずおれた瞬間が、再び脳裏でフラッシュバックし、
全力全霊で駆けながらも彼は器用に舌を打つ。
そんな彼の傍らを、青い大小の獣が併走する。
契約の儀式を行ったわけではない。そんな余裕はエミルたちには今のところ無い。
エミルと伴に走るのはただ単に、青い獣の大きな方が彼とちょっとした知己であるゆえだ。
しかしながら、その姿は見る者次第ではかつての旅を彷彿とさせるに違いなかった。
もっとも、エミルたち自身にはそのつもりなどカケラもない。
彼の脳裏のほとんを占めるのは、一人の少女なのだ。
(ちなみに残りすべては、千年分の仕事を置き去りにしてしまったあの閉ざされた間のことである。)


そうやって、彼らは駆けて駆けて、駆けて。
ただひたすらに北を目指していた彼の足が、突如縫い止められた。
止めたのは、呼び止める声ではない。
長い髪の、甘い茶色。その色彩が呼び起こした彼の思い違いが足を止めさせるその瞬間。
先に気づいた赤い目の方が何度目かの舌打ちをして、

(……ち、マルタじゃねぇのな。エミル、替われ)

引っ込んだ。それはもう早業で。

(え、ちょっと、ラタトクス、そんな急に――!?)

用意もなく体を押しつけられたことと、マッハ少年もかくやな全力疾走をいきなりやめていること。
――ここから導かれる帰結はたった一つ。
大小の獣たちが、痛そうに耳を、あるいは目を伏せる目前で、

「うわぁあぁあっぁぁぁ……!」

エミル・キャスタニエは大きくつんのめって、勢いのまま人生二度目の口付けをするハメを見るのだった。

【エミル・キャスタニエ 生存確認】
状態:息が激しく上がっている、前半身(少なくとも顔)を打った。
   TP100% マルタを想い、焦りが募る。口付けの相手は、地面? それともまさか……。
所持品:ノイシュ、クイッキー、残り一つは本人確認済み
基本行動方針:マルタを探し、守る。
第一行動方針:マルタが心配で仕方がない。
第二行動方針:(ラタトクスのみ:エミルに出会った人物との対応をさせる。)
第三行動方針:ギンヌンガ・ガップへおいてきた仕事が気になる。
現在位置:D5

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:16:27 ID:ugypP9+J0
「仮定」の書き手さんがサニィタウンの描写気にしてたけど、
建造物の注釈って要る?
俺も知らない建物が幾つかあるからさ
イメージだけでも分かるとより楽しめるんだが。

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:19:18 ID:K1z7yK0O0
以上です。
ラタ様が出会ったのはどっちになるのかしら……。

ところで、1レスの字数・行数制限てどんなものです?
改行とかで使いたいので、誰かお願いします。

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:21:15 ID:vhZ2IsGgO
携帯だと1024字。改行は頻繁にしない限り気にしなくてもいける。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:25:25 ID:oThgJR7X0
この板の設定では 半角4096文字 60行まで となっております

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:27:54 ID:YR5la6rSO
投下乙です。あれ?ラタトクスじゃなくてラタトスクじゃなかったっけ?ラタ未プレイだから良く分からないけど。あとノイシュってあり?前議論になってた気がするけど忘れたw

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:28:41 ID:fg9eqHtJO
D5に誰かいたっけ?
誰かと出会うなら確定させた方がいいと思うよ、状態表つけて
選択の幅があるのはいいけど、誰からも放置される可能性もあるからさ
次の人が書きやすいようにさ

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:37:36 ID:YR5la6rSO
>>274
ラタ様が通った時刻にはいるかどうか分からんが、カイルとティアはD-5に居た筈

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:38:02 ID:oThgJR7X0
って質問にだけ答えてしまった
乙です
D5ってことはティアとカイルか、それとも北上したレイスか
ティアとちゅーとかいくらエミルでも許さんぞ…

>>273
ノイシュについては あり1票 なし1票 書き手に任せる1票 だった

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:45:02 ID:gRJYssI10
出してももてあますだけ、って意見があったと思うけど<ノイシュ

建造物、分かる範囲なら説明文書こうか?

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:45:07 ID:fg9eqHtJO
うーん、こういう投げ方は困るんだけどなぁ
文章力は高いんだけど
ごめん、自分の意見が場違いだったらスルーしてくれ

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:46:12 ID:GU1BzRk40
間接的に登場させてるけど、これは状態表が無いだけで出てるから・・・状態表追加しといたほうがよくないか?
まとめ氏も登場キャラ判断が面倒になるんじゃないか?アンカーとか

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:47:05 ID:9NfnssbWO
エミルの移動スピードにもよるが、出会ったのがティアたちだとしたら動いていないのが不自然かもね
エミルの初期位置からだいぶ距離があるし

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:47:40 ID:6R1c1/wfO
乙です。しかしティアの唇を奪わせるわけには(ry
自分も未だに間違えるがラタトスクだよな?

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:52:55 ID:K1z7yK0O0
>>268です。
ノイシュについては問題ないつもりでいたのだが、見落としていたっぽいですね。
状態表の方は確定をあえてはずしていたので、
ノイシュの扱いが定まったら付け加えて再度落とします。


283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:58:24 ID:ugypP9+J0
>>277
お願いします。

今出てる建造物
A4・・・モリスン邸(現代/TOP)
C2・・・ハイデルベルグ城(TOD 時計塔なし)
C4―C5・・・
D1・・・大樹ユグドラシル(TOP,TOS)
D2・・・ガオラキアの森(TOS)
D3・・・黎明の塔(TOI)
D4・・・オアシス(TOA)
E4・・・
E5・・・タタル渓谷(TOA)
E7・・・ナーオス基地(TOI)
F6・・・
G2・・・サニイタウン(TOR)/バンエルティア号第3段階(TOE)

オアシス、サニィタウン、バンエルティアは書ける。
タタル渓谷はちょっと自信ない。

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 20:58:31 ID:6VloUBKyO
投下乙!
がっつーーーん!Σ(゚Д゚;)
また被っちまった…orz
リアル涙目な俺ww避難所に投下してくるよ……凹凹凹
俺、カイルとティアに嫌われてるのかもしれないw

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:03:19 ID:YR5la6rSO
>>284
まだ分からんぞwもしかしたら北上してきたレイスかも知れないしww

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:06:34 ID:6VloUBKyO
>>285
いや、>>268と被ったのはエミルなんだ。
カイル・ティア・エミルの3人を出しているところまで被って俺は今燃え尽きてるww

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:11:47 ID:oThgJR7X0
ってかルールに「コーダ、タルロウXの支給は不可」ってあるわけで、
つまり逆に言えば「それ以外はあり」ってことでな

>>286
お前は今泣いていいwww

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:23:34 ID:6VloUBKyO
>>287
確かにそうだな。ノイシュ禁止、とは書いてないもんな
ていうかかたじけねぇw
レイスちゅーでもティアちゅーでも被ってる事実が尚更涙を誘うんだ。
今だけ泣かせてもらうよ(´;ω;`)ブワッ
こうも被っちまうと供養する気力もなくなるぜ……orz

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:23:36 ID:3ZxzoZ7X0
投下します。短いです。

290 :そして、誰も北へ行かなかった:2008/09/03(水) 21:26:37 ID:3ZxzoZ7X0
男がそこに辿り着いたのは執念の一言だった。
(貴様らごときに…!俺は…負けんぞぉ…!)
強さを追い求める男に、敗北は許されない。超人的な体力。体が傷つくことも厭わず、男は波を蹴った。
そして、男はアッシュやアニーが消えた先から目を離すことなく、岸へとたどり着いたのだった。
息を荒げ、酸素を求めるように男は大きく口を開く。休息はそれだけだった。
体を休めるよりも、男は勝利を追い求めた。
「男に“後退”の二文字はねえ!!」


絶望が形を為して、二人の前に現れる。
ゆらり、と現れたそれはまさに亡霊のようだった。亡霊であったらよかったのにそれは紛れもない現実だ。

「くそっ……化け物かよっ!」

傷を庇うように、ゆるやかな速度で街へ向かっていた二人は前方の光景に言葉を失う。
――倒したはずの男が、街の前に立っている。

「―――ぶるうああああああぁぁああああああああぁあああああああぁぁぁぁ」

男は咆哮をあげた。街の入り口で放たれたそれは、大きく街を揺るがす。
頭の芯に響いてくるような叫び声にアッシュとアニーは顔を歪める。
とても、今の状態では手に負える相手ではない。
まだバルバトスは二人に気が付いていないようなのが唯一の救いだ。
手には、二人と戦った時とは異なる武器を握りしめていた。
黒い大剣、魂喰いと名付けられたそれは名前に違わぬような怪しい輝きを醸し出している。
男は街の中へと消えていく。アッシュとアニーを探しているのだろう。
ゆっくりと歩いていたおかげで、二人は難を逃れたのだ。

「ど、どうします……?」

勝てない。差は圧倒的だ。だが。

「街が無人だといいんだが、な」

あの敵はアッシュ達が連れてきてしまったのだ。放置するのも罰が悪いが、行ったところで役に立てるとも思えない。
――二人は選択を迫られていた。

【バルバトス・ゲーティア 生存確認】
状態:HP80% TP95%
支給品:プラズマカノン ソウルイーター ???
基本行動方針:殺す
第一行動方針:ぶるぅぁぁぁあ……
現在位置:G2街

【アッシュ 生存確認】
状態:HP40% TP85%
支給品:クリスダガー ??? ???
基本行動方針:アニーは守る
第一行動方針:バルバトスを追いかける?遭遇しないように通り過ぎる?
第二行動方針:レプリカの野郎はどうしたんだ…?
現在位置:G2街付近

【アニー・バース 生存確認】
状態:HP85% TPほぼ100%
支給品:ハヌマンシャフト ??? ???
基本行動方針:アッシュに守ってもらった恩を返す
第一行動方針:バルバトスを追いかける?遭遇しないように通り過ぎる?
第二行動方針:治療道具は支給品にあるのかな…確認しよう
現在位置:G2街付近

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:28:18 ID:3ZxzoZ7X0
終わりです。ゲームのしつこさを再現してみました。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:31:45 ID:6VloUBKyO
投下乙です。
ついに唯一の安全地帯だったサニィタウンにもマーダーが…!
頭脳派コンビやばいなww
穴子様には惚れ惚れするな、しかし。

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:40:51 ID:YR5la6rSO
投下乙です。穴子www北上と思いきや赤毛組のストーカーかww
しかも頭脳派コンビも巻き込む事になりそうだw
>>288ぶっちゃけカイルとティアの登場話を勢いだけで書いたのは俺だが、カイルとティアもお前に書いて貰うのを待ってると思うぜ?

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 21:46:17 ID:fg9eqHtJO

術をつかうなあぁぁぁぁってなりそうだなw
術使いしかいない街だ

ノイシュはどうしよう
書き手が持て余しそうにないなら出してもいいと思うんだけど、どうだろ
俺はノイシュが何かさえ分からないんだけどさw
把握の狭さがここにきてorz

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:02:07 ID:rwyQfXQA0
ジェイドの譜術→術に頼るか雑魚共が!「エアプレッシャー」
リフィルてんてーの治癒術→回復晶術だと?貧弱すぎるわ!「断罪のエクセキューション」
\(^O^)/オワタ
詠唱キャンセルのカウンター誘いとかって使えないんだっけ?

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:21:01 ID:6mHuVg31O
10分後に投下します

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:25:31 ID:ugypP9+J0
建造物解説書いてみた

【バンエルティア号】
出典:TOE
チャットの祖父アイフリードが遺した海賊船。
外観はSFに出てくる戦艦の様な形で、外壁は青、赤、緑のタイルが張ってあるような感じ。
フリンジ砲が搭載してあり、堅固な城門をぶっ飛ばせるくらいの威力がある。
中は
           展望室
           ↑
デッキ 飛行艇格納庫 操舵室
  ↑ ↓   ↑  ↑
  部屋×2  ↑  機関室
    ↓   ↑  ↑
  部屋×2←←出入り口
     ↓
     潜水艇格納庫

このような作りになっている。

この内、外が見えるのは操舵室、展望室のみ。
部屋は医務室、宿泊室、販売室、遊戯室、転送室に改造できる。
改造してなければただの空き部屋。
展望室の中央にはバーカウンターがある。
飛行艇、潜水艇格納庫にはアイフリードの胸像が飾ってある。
床は明暗の差があるが、ほぼ緑で統一してある。時々鉄板がむき出しになっている部分もある。
上下階の行き来は自動式ののハシゴで行う。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:30:09 ID:ugypP9+J0
ぐあぁ、崩れた。
コピぺったら普通に見えるんだけど

【オアシス】
出典:TOA
オアシスと言っても緑はかなり少なく、やしの木が何本か生えている程度。
レンガで周りを固めてある泉と、真ん中に巨大な譜石が鎮座している池がある。
建物はレンガ造りの小さな食堂のみ。他にテントが複数。
池の周囲に創世歴時代の遺跡の残骸が目立つ。

【ガオラキアの森】
出典:TOS
作中で迷いの森とか言われている、でもプレイする上で交通の要所。
やぶが多く薄暗く、苔むしている。
出てくる敵もドクロや虫のシンボルと、不快感&ホラーッ気満点。
出口が二つ、無限回廊になっている部分もある。

299 :小さな戦士:2008/09/03(水) 22:31:08 ID:6mHuVg31O
(頑張らなきゃ、いけないですの)

眩しい朝日が、閑散とした城の中へと差し込む。
その朝日に照らされて、ミュウは石造りの廊下を走る。
時折、体のあちこちについた擦り傷が痛むらしく、ぽてりと転ぶ。
しかし直ぐに起き上がり、再び走り出す。

(頑張って、スパーダさんやリカルドさんと一緒に、イオンさんを助けるですの)

傍にいたのに……イオンは、あの恐い女の子に捕まってしまった。
自分がした事といえば、弱々しい火を吹く事くらいで。
その後は女の子に捕まり、放り投げられ……気絶した。
何も出来なかった。そう、何も。

(でも……諦めちゃ、駄目ですの)

自分が目覚めた時スパーダやリカルドはいなかった。
広間にいたのは恐い女の子と、恐い男の人と、イオンのみ。
ミュウはそれを、スパーダ達が訳あって撤退したと考えた。

(僕だって、きっと何か出来る事があるですの。イオンさんを助けて、ご主人様達を探して……みんなで、帰るですの)

広い城を、ミュウは走る。
女の子達に見つからないよう、広間を通らず外に出ようとした為だろうか。
ミュウは未だ、外に出る事すら出来ずにいた。
窓から出ようにも……雪国に造られた城は、積もった雪が入り込まないように、窓は高めに造られている。
ソーサラーリングがあればミュウウィングで飛ぶ事も出来たが……今のままでは、ジャンプしても窓には届かない。

(お台所を探して、勝手口から出るですの)

やや乏しい人間の住み処の知識を、総動員して考える。



300 :小さな戦士 2:2008/09/03(水) 22:32:20 ID:6mHuVg31O
(お城、広いですの……どこから出ればいいですの?)

キョロキョロと辺りを見回しても、何もわからない。
細く開いていた扉を発見し、体をねじ込むようにして中に入る。
扉の先には……いくつかのベッドと、机。
どうやらここは客室らしい。

(出れないですの……)

がっくりとうなだれるミュウ。
こうしている間にも、イオンはあの恐い二人にどんな目に合わされているのか……
小さく身震いすると、回れ右して部屋を出ようとする。



ガタッ



突然の物音。
飛び上がるほど驚いたミュウは、慌て机の影に隠れる。



ガタガタッ……ガタン



音を立てて窓が開き……浅黒い肌をした、一人の男が入ってきた。

「やっぱりここ……ハイデルベルグ城だよなぁ。どうなってんだ?」

男は室内を見回すと、そう呟く。
脇腹に、何やら赤い染みがある……怪我をしているのだろうか?
だが、それよりも気になる事を男は言った。

(ハイデルベルグ城……このお城の事ですの?)

この男は、城の事を知っているのだ。
自分を、外に連れ出してくれるかもしれない。
いや、もしかしたら……イオンを助ける手伝いをしてくれるかも。

だが、もし殺し合いに乗った男だったら?
あの恐い二人組と仲良くなってしまうような性格だったら?

(そしたら……大変ですの。イオンさんだけじゃなくて、スパーダさんやリカルドさんも危ないですの)

男は、ベッドのシーツを使って脇腹の傷を手当したり、部屋の中を物色したりしている。


301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:34:22 ID:ugypP9+J0
【サニイタウン】
出典:TOR
街や建造物のイメージはヴェネツィアを想像してもらえばほぼ正解。
町全体が川の河口に浮かぶ丸い島。(マップに川無いけど)
町の真ん中に広場があり、そこから放射線状に区画が分かれている。
北と南に町の出口があり、東に川からの船着場、西に海に繋がる港がある。
石畳の道と頑丈そうな橋はかなり整備されており、プレイ中に街中を船で移動する事は無い。
ただし、海側にある民家の中には船着場があり(半床下、土間や勝手口のような位置取り)どのマップでも運河が映るので、ゴンドラも住民の足になっている事は想像に難くない。
玄関を出たら路地を挟んですぐ運河(しかも柵が無い)。と言う区画もある。
海抜ゼロメートルの位置にあるため、よく水の被害に逢うことがチャット内で語られている。

302 :小さな戦士 3:2008/09/03(水) 22:34:53 ID:6mHuVg31O
このままでは、見つかるのも時間の問題。
逃げるか、助けを求めるか……早く決めなくてはいけない。

(どうすれば……どうすればいいですの?)

机の影で震える姿が見つかるまで……後、少し。



【ロニ・デュナミス 生存確認】
状態:HP60%、TP100%、脇腹に刺し傷(応急処置済み)
所持品:GD脱出用ロープ、???、???
基本行動方針:スタン、カイル、他仲間と合流
第一行動方針:城を探索。
第二行動方針:仲間を探す。
現在位置:C2ハイデルベルグ城、客間

【ミュウ】
基本行動方針:みんなと一緒に帰る。
第一行動方針:ロニと接触するか、否かを決める。
第二行動方針:恐い二人組からイオンを助け出す。
現在位置:C2ハイデルベルグ城、客間


303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:35:40 ID:czGdeTFk0
連絡:
ミクトランの登場話を書いた書き手の方へ

所持品はフランベルジュになっておりますが、これはPやSの『フランヴェルジュ』なのですか?
Eに『フランベルジュ』という同名の普通の武器があるので、説明をお願いします。


アイテムの解説を書いてて、どっちなのか判断が微妙でした。
ほぼ間違いなく、『フランヴェルジュ』のつもりだとは思いますが、念のため。

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:36:39 ID:6mHuVg31O
投下終了です
ミュウが自立行動してるけど……大丈夫でしょうか

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:37:11 ID:gHfcsaLmO
C2を24時間制限(39分から)待ってた自分涙目…ミュウは支給品だからひっかからないだろうか
不安に思いつつ39分過ぎたらC2、投下します。長いです。状態欄が。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:37:35 ID:ugypP9+J0
乙!邪魔してゴメン
C2が更にカオス化www

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:40:36 ID:gHfcsaLmO
C2投下します。ミュウの話が被らないので多分どう転んでも大丈夫です

308 :Person who conceives frenzy -decisive battle 1:2008/09/03(水) 22:42:51 ID:gHfcsaLmO


――私は大丈夫よ、ヴェイグ。

光の柱の中へ足を一歩踏み入れながら、美しい金髪を持った少女は振り向く。

――心配しないで。ヴェイグが来てくれるまで、私きっと待ってる。
――だから、ヴェイグも、本当に、気をつけて。

彼女の名を呼びかけた唇は。彼女の肩へ伸ばしかけた腕は。
霞のように光に溶けて消えていった、彼女の残り香を掴むばかりだった。




「ヴェイグくん」
隣の男に呼びかけられ、そこでヴェイグは我に帰る。
城の様子を隠し窓から伺っていたウッドロウは、険しい顔をしてヴェイグの肩を掴んでいた。
「……どうした」
「否、なんでもない」
ヴェイグは早まる鼓動を抑えるように俯く。
城の中はあの轟音から暫く何も聞こえて来ない。
しかしクレアが万が一その場所にいたらと考えると居ても立ってもいられなかった。
「……階段付近に3人……否、4人見えた。十中八九戦闘中だ。今入るのは危険すぎる。どうする?」
「クレアはっ! クレアはいるのかっ!?」
縋り付く様に叫ぶヴェイグに、ウッドロウはゆっくりと首を横に振る。
「……ここからでは確認しかねる」
「ならっ!」
思わず駆け出したヴェイグだったが――それより早く、ウッドロウが走っていた。
「こちらへ来たまえ、ヴェイグくん! 正面から入るのは危険だ。非常用の出入り口がある!」
ウッドロウの言葉はとても頼もしいものに感じられて。
迷わずヴェイグは彼のねぎを背負った背を追った。

――そうして2人は、ハイデルベルグ城へと進入を果たす。


309 :Person who conceives frenzy -decisive battle 2:2008/09/03(水) 22:45:45 ID:gHfcsaLmO



「くそぉぉぉおおおおぉぉっ!!」
スパーダは駆けた。
自らが操る風のように。
辺りに鮮血を撒き散らしながら。
背中から感じる狂気を孕んだ殺気は止まることを知らない。
だが幸いにも男と女の2人組は、背を向けたスパーダを追撃してくることはなかった。
「ベルフォルマっ!!」
リカルドはいつの間にかすぐそこにいた。
瓦礫の横で、叫ぶ声は擦れ、胸を押さえて苦しそうに息をしている。
散乱した銃弾を適当に拾い上げる手は震えている。
「……こっちだっ……行くぞ……」
「こっちだって……壁じゃねえか、只のっ」
「……チッ」
リカルドは舌を打つと、スパーダの襟首を掴み壁へ向けて放り投げた。
「うおわあああっ!」
宙に浮いた身体は壁に打つかり、痺れる様な痛みと回転する様な感覚に襲われた。
――そう、回転したのだ。
「……誰かは分からんが、助かった、恩に切る」
リカルドが壁の向こうからゆっくりと入ってくる。
その手にあったのは彼の体躯には小柄な二丁拳銃と……小さな矢と、何かのメモ。
そこに書かれていた文字――
――『左の壁を押せ』。
「なに、気にすることはない」
「それよりクレアは――クレアはいるのか!?」
壁の向こうの空間にいたのは、銀髪青眼の男が2人。
銀色の髪と青を基調とした服は、旅のかけがえの無い仲間、ルカ・ミルダを思い起こさせる。
(ミルダが成長したら……否、こんな感じには成らんか)
リカルドは自嘲する様に笑い、2人の男を観察する。

一方は、ねぎを構え腰にさつまいもをぶら下げた男。
一方は、右手にフライパンを、左手におたまを構えた男。

――あまりにもこの場に似つかわしくない光景に、スパーダとリカルドは張り詰めていた緊張感が一気に崩れ去るのを感じた。
同時に、
「痛てててててぇえええぇえ!!」
身体中に負った傷の痛みまでも、襲い掛かってきた。




「……ヒールオブアース」
ハイデルベルグ城の王族のみが知る秘密の通路に癒しの力が満ちる。
息を切らしつつ詠唱をしたのはリカルドだった。
大いなる生命を育む大地の様な優しい色をした陣が石畳の上に展開され、リカルドとスパーダを包む。
合流した4人はお互いの素性と今持つ情報を確認しあっていた。
その合間にリカルドは己とスパーダのダメージの回復を試みたのだ。
リカルドの打撲はともかく、スパーダの目に見える裂傷は完全には塞がらなかったもの出血の勢いは落ちていく。
「おかしい……何時もならこの程度の傷なら出血は最低でも止められる筈だが」
リカルドの呟きに、この城の主だというウッドロウが答える。

310 :Person who conceives frenzy -decisive battle 3:2008/09/03(水) 22:48:48 ID:gHfcsaLmO
「サイグローグは言っていた。『回復力はある程度弄った』と。恐らくこの世界では……治癒術の効果が落ちるようになっているのだろう」
「サイグローグならそれが出来てもおかしくない」
クレアという少女を探しているという、ヴェイグが呟く。
彼の世界のサイグローグの館では、体力回復の術の一切を封じられたこともあったのだ。
「確認しよう。今この城の中に居るのは、リカルドさん、スパーダくん、イオンくん、ヴェイグくん、私
 ――そしてこのサレという男とアリスという女の7人だ」
ウッドロウは名簿を取り出し、ハイデルベルグ城の正確な見取り図を紙に書きながら確認する。
「1階より上に誰も居ないことは、城に進入したときに確認してきた。
 城を囲む森にも誰かいる気配は感じられなかった。
 殺し合いに乗った討つべき敵はサレとアリスの2人ということだ。数ではこちらが有利だが」
「……あいつら、頭イカれてやがる。完全に人殺しを楽しんでる目をしてやがった」
スパーダが唇をかみ締めるように言う。
リカルドがヒールオブアースをかけ続けているとはいえ、身体中を切り刻んだ傷の痛みは未だ消えず根強く残っている。
同じ風使いの剣士として、圧倒的な力の差を見せ付けられて――悔しさで身が悶えそうだった。
イオンを守るどころか自分の身すら守れず。
遊ばれるように身体中を切り刻まれた。

――心に剣を持ち、誰かの楯になれ。

ベルフォルマ家に伝わる騎士の心得の一つ。
(俺は誰の、楯になれた?)
得物を持たぬ己はこんなにも弱く無力で。
「サレは……オレたちの世界で生きていたときもそうだった」
ヴェイグもまた唇を噛み締める。
獣王山の決戦で、ヴェイグはサレを手にかけることを拒んだ。
サレはその後すぐ、仲間のガジュマの大男に殺された。
しかしこの世界で蘇って尚彼はそうしてヒトの命や心を弄んでいる。
――殺したくない。
あのとき戦闘不能のサレにそう感じてしまった自分の心は間違っていたのだろうか?
「できるだけ情報が欲しい。相手の得物は?」
「サレって奴がかなり上等の細剣1本、アリスって奴が趣味の悪い大剣1本とこいつ1本」
ポケットから残りの苦無をばら撒いてスパーダは壁にもたれ掛る。
「アリスについては分からんが、サレは元々細剣使いだ。それと風の導術を使う。リカルドが吹き飛ばされたのもサレの術だろう」
「なるほど……それに対して、こちらの得物は」
4人の得物を取り出し確認しあう。
リカルドの持つオートマカスタムとばら撒かれた苦無は良いとして、残りは……。
フライパン、おたま、フォーク、ねぎ、さつまいも、とうもろこし、箒。
ふざけているとしか、リカルドとスパーダとヴェイグには思えなかった。
「どう考えても戦力不足だな」
リカルドが治癒術を解き、すっと立ち上がる。
「城の武器庫を確認してこよう。使えるものがあるかもしれない」
「だがそれでは……時間に余裕がない」
傭兵として、生まれながらの訓練を受けてきたリカルドの耳はしっかりと聴きつけていた。
「依頼主の命にな」
遠く、壁の向こうから聞こえてくる少年の悲鳴を。

311 :Person who conceives frenzy -decisive battle 4:2008/09/03(水) 22:53:17 ID:gHfcsaLmO



「ああああぁぁぁああぁぁっっっ!!!」
荘厳なハイデルベルグ城の広間に響くは甲高い声変わり前の少年の悲鳴。
薄いタイツに覆われた細い足首から止め処なく流れる血。
両の腱を絶たれた少年はそれでも意識を失うまいと、青白い顔で唇を噛み締めている。
「へえ? まだ意識あるんだ?」
柔らかな少年の頬に苦無の鋭い刃を付きたてながら少女は嗤う。
「そっちの方が面白いけどね。ゾクゾクするよその悲鳴」
階段に足を組んで座りその様子を眺めている男も嗤う。
「もっとあいつらに聞かせてやるといい」
言いながら男――サレはイオンから取り上げたザックの中身を漁る。
出てきた小さなグミにサレは「ほう」と口笛を吹いた。
「何か入ってたの?」
アリスが聞くのにサレは彼女に向かいグミを一粒放り投げた。
「それだけだよ。アリスちゃんにあげるよ」
素っ気無く言うサレに、アリスは素直にミックスグミを一粒受け取った。
「……じゃ、次は爪でも一枚ずつ剥がしてやるとかどうだい? いい声で啼くと思うよ、ソイツ」
「アリスちゃんそういうの大好きv ねーえ、イオンくんだっけぇ? どの爪から剥がす?」
甘く囁く少女の顔は、何処かアリエッタやここにはいないアニスのそれを思い出させた。
「僕は……僕は、貴方たちの思い通りになんてなりません……絶対に」
強い意志を秘めた眼差し。
泣き叫ぶばかりだったペットが突然主に噛み付いてきたようなそれに、アリスは眉を顰める。
「……じゃあ、全部一気に行っちゃおうか?」
ゴールデンドーンを振りかぶり、とびきりの笑顔を浮かべるアリス。
イオンが覚悟したその瞬間。
「ウインドカッタぁー―――っっ!!!」
一陣の風が、アリスの大剣を弾いた。
「きゃあっ!!」
ガランと大きな音を立て、ゴールデンドーンが床に落ちる。
イオンが目を見開いた先には、緑色の風が剣の勢いを持って駆けつけてくる姿があった。
「随分早いご到着だねぇ」
サレが立ち上がり、ウインドエッジで突進するスパーダを吹き飛ばす。
そのままスパーダの元へ駆け出そうとして――反対側の殺気に気付き、振り返る。
「大人しくしていろ!」
翻った紫のマントに1点、穴が開く。
床に突き刺さった弾丸の着弾点から石礫が発生し、サレの足を掬う。
「くっ!」
しかし華麗に着地したサレの視線の先に居たのは、
隠し通路を経由して背後に回っていた二丁拳銃を構えた黒衣の傭兵だった。
そしてその背後にもう1人。
どくり、とサレの胸に再び痛みが走る。
しかしその痛みすら、サレにとっては最早快楽で。
「……っハハハハっ!! 早速キミに出会えるなんて、感激だなぁ……!!
 キミもそう思うだろう? ……ねぇ、ヴェイグぅ!!」
狂って歪んだ笑みを貼り付けて、サレはイクティノスの切っ先をフライパンとおたまを持つ憎き男に突きつけた。

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 22:55:37 ID:ugypP9+J0
支援

313 :Person who conceives frenzy -decisive battle 5:2008/09/03(水) 22:55:56 ID:gHfcsaLmO


「受けよ、無慈悲なる白銀の抱擁! アブソリュート!!」
ウインドエッジで吹き飛ばされたスパーダを、凍て付く氷が追い討ちをかけるように包み、砕く。
鋭い氷刃はスパーダの傷を再び裂き、その冷気を持って凍りつかせた。
「わざわざ虐められに戻ってきたの? ご苦労様v」
アリスはゴールデンドーンを拾いなおしスパーダに向けて構える。
氷に抱かれ凍えた寒さから身を奮うようにして体勢を立て直し、スパーダは見据える。
アリスの隣に足を放り投げる様にして座るイオンは血塗れで。
壁を通り越して聞こえてきた絶叫の真実を知る。
スパーダは己の二本の得物を構え、イオンに視線を送る。
強い眼光。
イオンもまたそれに気付き、こくりと頷き返した。
絶対にお前を守る。
貴方を信じ、できる限り生きる。
確認の儀式。
「アハハ、なにそれぇ? 箒と……とうもろこし? それでアリスちゃんに勝てるとでも思ってるのかしら?」
スパーダの手に握られた得物は――
相変わらずのミスティブルームと、新しくヴェイグとウッドロウから譲り受けたとうもろこし。
(みつあみの方がヴェイグで、色黒の方がウッドロウ――だったよなっ)
スパーダはそれでも全力を持ってアリスに挑もうとしていた。
(ウッドロウ――早く――出来るだけ早く来てくれよな!!)
ウッドロウがひとり向かった先は城の中の武器庫。
万が一あるかもしれない、何かこれより使える武器をこちらに持ってきてくれることを願って。



【スパーダ・ベルフォルマ 生存確認】
状態:HP40%(ヒールオブアースによる回復と術の直撃による)、
    TP95%、身体中に裂傷 凍傷
所持品:苦無×29、ミスティブルーム  とうもろこし
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:アリスを倒しイオンを救う
第二行動方針:ウッドロウが武器を持ってきてくれるのを待つ
第三行動方針:ルカ達を探す
第四行動方針:ルーク・フォン・ファブレを探す
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近広間

【リカルド・ソルダート 生存確認】
状態:HP65%(ヒールオブアース複数回による回復)
    TP60% 背中に強い打撲 瓦礫による擦り傷
所持品:オートマカスタム(6発充填、一方にヒビ) 予備弾17発(拾い集めた分) ウッドロウのメモ ハイデルベルグ城見取り図
基本行動方針:殺し合いに乗る気はない
第一行動方針:ヴェイグとともにサレを倒しイオンを救う
第二行動方針:イオンの依頼を遂行する
第三行動方針:ルカ達を捜索する
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近広間

314 :Person who conceives frenzy -decisive battle 6:2008/09/03(水) 22:58:34 ID:gHfcsaLmO
【イオン 生存確認】
状態:HP10%、TP100% 右手骨折 アキレス腱損傷 両足から出血 全身に擦り傷と切り傷
所持品:なし
基本行動方針:殺し合いに乗らない
第一行動方針:リカルドとスパーダを信じ、耐える。
第二行動方針:リカルド・スパーダと共にルーク達を探す
第三行動方針:アリエッタが殺し合いに乗っていた場合、説得して止めさせる
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近広間

【サレ 生存確認】
状態:HP100% TP90% 胸部に痛み(傷はない) イクティノスにより風の導術が強化 マントに弾痕
所持品:ソーディアン・イクティノス(ウッドロウキター!って良く見たら別人だし…本人まだかなー) ペイルドラグ ガーネット ミックスグミ×2
基本行動方針:ゲームに乗り、ヒトの心を否定する
第一行動方針:ヴェイグ、リカルドで遊ぶ
第二行動方針:スパーダ、リカルド、イオンを殺す
第三行動方針:ヴェイグらへの復讐
第四行動方針:アリスは殺さない。
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近広間

【アリス 生存確認】
状態:HP99% TP90%  頬に切り傷 靴に焦げ
所持品:暗黒邪神剣ゴールデンドーン 苦無×1 ミックスグミ×1
基本行動方針:ゲームに乗り、自分の強さを証明。デクスともに元の世界に帰る
第一行動方針:スパーダで遊ぶ
第二行動方針:スパーダ、リカルド、イオンを殺す
第三行動方針:デクスを探す
第四行動方針:サレは殺さない。
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近広間

【ヴェイグ・リュングベル 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:金のフライパン 銀のおたま 金のフォーク
基本行動方針:とにかくクレアを探し彼女を守る。ゲームについてはその後考える
第一行動方針:リカルドをサポートし、サレを倒す
第二行動方針:ウッドロウ(ユージーンに似てる気がする)と行動し、クレアを探す
第三行動方針:仲間との合流
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段付近広間

315 :Person who conceives frenzy -decisive battle 7:2008/09/03(水) 23:00:58 ID:gHfcsaLmO
【ウッドロウ・ケルヴィン 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:ねぎ さつまいも  木製の矢(10本)
基本行動方針:同士を募り脱出への道を探す。障害となるものは討つ
第一行動方針:スパーダとリカルドに協力。武器を取りに隠し通路を通り武器庫に
第二行動方針:ヴェイグ(リオンくんと考え方が似ているようだ)と行動。慎重に。
第三行動方針:仲間との合流
現在位置:C2・ハイデルベルグ城隠し通路の中

※広間の階段側(サレ、ヴェイグ、リカルド)、通路側(アリス、スパーダ、イオン)でそれぞれ分断されています。
※スパーダ、リカルド、ウッドロウ、ヴェイグの間で交換された情報は今までの経緯、同シリーズからの参加者情報、RとリメDにおけるサイグローグとオーブの情報です。
※ミュウは鳴き声が届かない(気絶しているだけかもしれません)城内のどこかまで投げ捨てられました

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:02:47 ID:gHfcsaLmO
以上です。ミュウに関してはどうなるか分からないので
追記はそのままにしときました。
投下制限大丈夫かな…

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:03:52 ID:ugypP9+J0
乙!!!
イクティノスwwww

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:05:06 ID:gRJYssI10
投下乙です!
なかなかカオスになってきたなー。そしてドッペル組も合流か。
スパーダかっこいいなあ。がんばれ。
でも強敵相手に野菜で戦うところがシュールすぎるw
そして状態表のイクティノスwww

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:06:39 ID:gRJYssI10
・モリスン邸(TOP)
緑や池に囲まれ自然に溢れた、白塗りのきれいな館。
2階建てになっており、1階が広間と厨房、2階が寝室二部屋となっている。
1階の広間と厨房は入口こそ別だが、奥にある通路で繋がっている。
2階の寝室には、ベッドが1つずつ置かれており、本棚やテーブルもある。
玄関は広めで、入って右側に階段がある。
全体的に明るい雰囲気なのは、窓が多いからだと思われる。
作品で出てきたチェスターの矢は、クレスを介抱したチェスターが
屋外で矢の練習をしていたときに刺さったもの…だったと思う。

・タタル渓谷(TOA)
ルークとティアが超振動で飛ばされたとき、最初に着いたところ。
EDでパーティメンバーがいたところでもある。
夜は薄暗くも満月が見えるため、ぼんやりと月明かりに照らされ
とても幻想的である。
草や藪が多いが基本的に一本道で、道の傍を川が流れている。
1番奥にはセレニアの花という、白い花がたくさん咲いている花畑がある。


とりあえず2か所。意外とほかにも建造物情報書いてくれてる方がいて助かった。

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:07:50 ID:6mHuVg31O
投下乙です
スパーダかっこよすぎんぜ!だがアリスちゃんは強敵だぞー
ヴェイグとサレの因縁が早くも激突……これはwktk
そしてイクティノス自重wウッドロウが頑張ってんのにw

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:10:52 ID:NfAJvwnz0
投下します
変なとこあったら遠慮なく突っ込んでください

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:10:59 ID:gHfcsaLmO
確認なんだけど、ミュウみたいな意思を持った自立可能な支給品は
24時間制限に引っ掛かる?状態表に書くなら引っ掛かる?
タバサやノイシュも今回みたいなことあると思うんで意見聞きたいです

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:11:08 ID:YR5la6rSO
投下乙!イクティノスwwwwwそれと何故か「なに、気にすることはない」という空気王の汎用台詞に今更吹いたww

324 :金色の光1:2008/09/03(水) 23:12:22 ID:NfAJvwnz0
姉が生きている。
その身を犠牲に散っていたはずの姉は、呼吸をし、確かにここに存在していた。
今もこうしてジルバの背中に抱かれている姉に触れると、人の体温が感じられる。
しかしその顔色は優れない。
確か最後に見た姉はこんな顔をしていた気がする。
それはつまり、姉が危険な状態である事を示していて。
シャーリィは背筋が凍った。
本能が叫んでいる。
早く、早く姉を治療してくれる人を探さなければ。
そうしないときっと姉は。

(また死んでしまう)

無機質な箱に示された赤い二つの点はまだ遠い。
例えもしこの赤い点の人物達と合流出来たとしても、その人物達が治療の術を持たぬなら意味がない。
急に不安に駆られたシャーリィは、安息求めて前を歩く人物に目を向けた。

「どうしました?」

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:13:20 ID:K1z7yK0O0
乙です! 乱戦ktkr!
でもなんかデジャ・ヴュがwww

ところで、自分先ほどのエミルパートのものですがどうしましょう。
書き上がってはいるんだけど、ノイシュだけが気にかかったます。

326 :金色の光2:2008/09/03(水) 23:13:36 ID:NfAJvwnz0
返ってきた優しい声と表情にシャーリィは心の底から安心した。
そうだ、自分はもう一人ではない。
一人で抱え込まなくても大丈夫なのだと。

「いえ、なんでもないです。それより早くしないとこの人たち、どんどん遠くに行っちゃいますよ」

にこりとシャーリィが笑う。
場に似つかわない年相応な少女の声で。
大丈夫、自分の大好きな兄ともきっと会うことが出来る。
だって自分は運がついているから。
ジルバという親切な人に出会えたのがその証拠だ。
だからシャーリィには今目の前で起きていることが理解できなかった。
見覚えのある金色の光。
自分の姉のテルクェスの色は確か何色だったろうか。
シャーリィの体が宙に浮く。
その時気を失っているはずの姉の唇が動いた気がした。

「ジルバさ……」

水の跳ねる音がした。
ジルバが振り返るとそこにいたはずのシャーリィが居なくなっている。
地面に落ちている無機質な箱が彼女が確かにそこに存在していたことを示していた。
そして異変はもう一つ。
それは睡眠薬で眠っているはずの彼女だった。

【シャーリィ・フェンネス 生存確認】
状態:HP100% TP100% 困惑
所持品:??? 
基本行動方針:ゲームからの脱出、殺し合いに乗る人は止める
第一行動方針:ステラを治療する
現在位置:G4・海岸付近(海に落下)

【ジルバ・マディガン 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:睡眠薬 遅効性の毒薬(回りきるまで3時間?4時間程度) 草刈鎌
基本行動方針:ステルスマーダーとして行動。ゲームに優勝する
第一行動方針:シャーリィと共に南の海岸へ向かう
現在位置:G4・海岸付近

【ステラ・テルメス 生存確認】
状態:HP80%(時間経過とともに減少) 意識回復(朦朧)
所持品:???(ジルバのカモフラージュのため、最低ひとつは残っています)
基本行動方針:???
第一行動方針:シャーリィをジルバから引き離す
現在位置:G4・海岸付近

首輪探知機は地面に落ちてます。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:14:40 ID:6R1c1/wfO
投下、建造物情報共に乙。ミュウ話、個人的には通って欲しいが大丈夫だよな?後の投下とも矛盾はないし…

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:19:56 ID:9NfnssbWO
ノイシュ話はどうにも判断しにくいかな…状況も読みにくいし、迷い所だ

ミュウ話はさしたる矛盾はなさげ。
ただ、24時間制限はどうしたものかな

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:26:13 ID:YR5la6rSO
投下乙です。ステラ目を覚ましたか!ステラ頑張れ、超頑張れ!

マスコットはどうなるんだろうな?
今回のミュウ話は24時間制限に引っ掛かったとしても投下し直せば良いと思うけど、後々タバサやノイシュ、クイッキーにミュウが単独行動する事も考えたらどうなんだろ?やっぱり24時間制限付けた方が良いのかな?

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:38:24 ID:gRJYssI10
今回はいいと思う。ただ、これから自律行動が多くなるようなら
意思持ち支給品にも24時間制限はかけた方がいいかもしれない。

ノイシュはどうしようか…
たしか議論してるときにも「移動に便利」とか、「戦闘とかで役立てないし流石になしだろ」とか、
色々意見はあったんだが。
私的に非戦闘系のコーダがだめなら、ノイシュも難しいと思うんだが。
他の意見も聞いてみたい。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:43:09 ID:6VloUBKyO
俺も今回はいいと思うが、自立行動し得る以上24時間制限はあった方がいいだろうな。
さっきノイシュ云々の話で
「もしノイシュ話が駄目になったら俺の没作本投下できるのか?」
と少しでも考えてしまった自分に嫌悪orz
すまない、吊ってくる…
人間って本当に醜い生き物だな←

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:49:57 ID:ugypP9+J0
支給品メインの話の場合
話の展開に影響する行動を取る場合は制限。
今回のミュウのようにストーリーの語り役としては可。

とか考えてみたが、線引きが難しいので制限に一票。
ノイシュは支給品としては、設定上の知能が高すぎる気がする(高いよな?)
S(SRは未プレイ)のゲーム内レベルの行動なら構わないけど。
タバサは自立行動可能な上、人間並みの思考回路を持ってるしな。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:11:08 ID:VSs66e970
そういえば、24時間制限で少し気になったことがあるんだが。
たとえば3時に投下されたチームAと、18時に投下されたチームBが合流する話があるとして
この場合、時間はどちらの時間を基準にするのだろうか?
仮にチームBを優先するとしても、その前に誰かがチームA単独の話を書いたら
合流話はできなくなると思うんだが。
で、またチームB単独の話が来て…みたいなループになって。
つまり、本来組み合わせたい組み合わせができなくなるというか…人口密集してるところはキツいと思ったんだ。

そこで提案。
上のような事例があるとしたら、チームAの時間を優先することにしてみないか?
実質チームBがまだ24時間経ってなくてもおk、ということ。

作品のクオリティという点を考えると危ない面もあるんだが、どうだろう…?

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:15:08 ID:JuIz73RE0
私は賛成だな


335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:18:06 ID:Ym8Oqh0yO
自分はチームB優先で今まで書いてたけど下手すると連投できるようにならないか?

今すぐC2話投下しちゃうぞ

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:24:28 ID:VSs66e970
それもそうか…新しいキャラが1人ずつ増えるようなことになったら、
ほぼ連投できるもんな…。

ごめん。>>334には悪いが、忘れてくれ。
ただ、なんだか24時間制限がどうにも足枷になってるときもあると思ったんだ…。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:24:58 ID:Ym8Oqh0yO
あ、今すぐC2は無理かww
勘違いスマン

C2とは関係ない話投下します…C2の作者様方すみません…

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:25:53 ID:7XZuvOzqO
40分から投下します。

339 :K 1:2008/09/04(木) 00:26:48 ID:Ym8Oqh0yO
「これなんかでいいかしら?」
アガーテは木の上に引っかかった蔦を手に取り、すとりと地面に降り立った。
彼女の豪奢すぎるドレスは動きやすいよう途中で裂かれ、腰の辺りで余った布を巻きつけている。
昔から城の中でもお転婆と名を馳せたアガーテにとって、ガジュマであることもあわせ木の上に上ることは容易だった。
「はい……丁度いいと思います」
対して、猫耳とマントを身につけた少女――プレセアは、蔦を受け取るとそれで木の棒に大きな石をくくりつけた。
武器がなければ作ればいい。
そう言った幼い少女は、器用に即席の斧を作り上げたのだ。
もちろんオアシスに都合のいい石なんて落ちているわけもなく。丸みを帯びた石でできたそれは斧というには余りにも殺傷能力に欠けていた。
「ねえ、さっきの声……どう思う?」
アガーテはここから南西にある塔の方から響いてきた声に対する意見をプレセアに求める。
「あの声は……危険、です。恐らく彼は私の知っている人物ですから」
プレセアはこしらえた斧を握り感触を確かめながら言った。
幼い少女がこのように斧を作りあげ、持ち上げていることにアガーテは心から驚く。
「会って、説得することはできないかしら……」
「思い込みが激しい人です。……言っても聞かないと私は思います」
胸の前で手を組んだアガーテに、プレセアは言う。
少女はアガーテが思ったよりずっとしっかりしていて――否、アガーテよりもしっかりしているようだった。
「アガーテさんがさっき、語ってくれたこの殺し合いに対する考え……私も同意です。あなたのような人がいてくれるなら、きっと打開の道はどこかにあるはず」
武器の材料を探しながら、アガーテがプレセアに語ったこのバトルロワイアルに関する考え。
それをプレセアはずっと頷いて聞いてくれていた。
すっくとプレセアは立ち上がるのをアガーテは目で追った。
「夜が明ける前に、砂漠を抜けましょう……日が照りだしてから砂漠を抜けるのは辛いです」
少女を追うように、アガーテも立ち上がった。
少女は、アガーテが思うよりもずっと大人びていて冷静で、胸が締め付けられた。


オアシスを抜け、歩き出してからどれくらいが経っただろうか。
プレセアは西の方向をじっと見つめると、ペルシャブーツをアガーテに急いで渡す。
「プレセアさんっ……?」
「辛いかもしれませんが……全力で走って、逃げてください」
「えっ」
「早く」

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:27:54 ID:HTfYfz0iO
個人的には早くC2話読みたいので今すぐ投下してほしいぐらいだ。
まぁマスコット24時間制限云々はともかく、それに関してはどちらに合わせてもいいんじゃないだろうか。
ある程度は空気読めよという条件付でだが。

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:28:15 ID:o1P5r2FP0
三たび>>268です。
ノイシュはどうもだめって感じがしますね。
SS中では大筋には影響ないですし、ノイシュは省いてみました。
あとは、ラストが誰なのか追加しました。
これはこれで荒れるかもですが、338さんのあと、投下します。

342 :K 2:2008/09/04(木) 00:28:52 ID:Ym8Oqh0yO
冷静に紡がれる声。月に照らされてはっきりと映し出された少女の横顔は、アガーテも良く知る顔だった。
戦地へ赴くときのミルハウストのそれや、共に旅したヴェイグたちのそれ。
――残酷なまでに戦士の顔だった。
「さっきの声の持ち主が来ています。……この砂漠だと、隠れる場所もありません」
手製の斧を構えるプレセアはアガーテの方を見ない。見据えているのは砂の中にその影をはっきりと映した1人の男。
拡声器を片手に、斧を担いだ男の姿。
「アガーテさん」
プレセアは再び言う。
「貴方の思いを、他の参加者に伝えるんでしょう? 彼は言っても聴きませんから、私がどうにかします」
「――っ!!」
アガーテは靴を脱ぎ捨て、ペルシャブーツに履き替える。
そうして、ほんのすこしだけ笑った少女に背を向けて、全力で走った。
「――南で! 南で待ってるから!!」
最後にそれだけ叫んで、アガーテは砂の中へと消えた。



「コネコちゃん発見。でも悪いね、俺のコネコちゃんはアリスちゃんだけなんだ。少女は大人しく死ね」
戦斧を携えた男がプレセアと、アガーテの去った方向を見ながら言う。
「崩襲地顎陣!!」
普段は地面を破砕し石礫の嵐を周囲に撒き散らす技は、やわらかい砂の層に邪魔され砂のカーテンを張り巡らせるにすぎなかった。
それでもデクスの視界を遮るのには十分だった。
「ん? 少女は確か例の少年と一緒にいたような」
デクスも斧を構える。
「ここから先に……あなたを通すつもりはありません」
斧対斧。持ち主の力量はともかく、お互いの武器の種類は同じでもその出来にはあまりの差があった。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:31:01 ID:sgLcBfXWO
>>336
Aチームの制限時間を過ぎた時点で、Bチームとの合流話を予約できるようにするとかどうだ?
Bチームの制限時間が解除されるまで、他のチームの話は投下可能にして
同じようなもんかなぁ…

344 :K 3:2008/09/04(木) 00:31:05 ID:Ym8Oqh0yO




走った。
走った。

アガーテは大きな両目から溢れる涙を堪えることもせず、ただただ走り続けていた。
流れた涙は軌跡となって月明かりに輝きさながら真珠のように見えた。
――アガーテは分かっていた。
プレセアは遠まわしに自分にこう告げたのだ。『足手まといだ』と。
武器も持たず、戦う術も持たずあの場にいてもプレセアの足を引っ張るだけ。
(わたくしはなんて愚かな……)
また涙が溢れる。
せめて何の効果があるかもわからないけれど自分の所持品を代わりに持たせておくべきだった。
後悔してもしきれない。
それでもアガーテは足を止めない。

守ると決めたはずの少女は、自分よりもずっとずっと強い、決意を秘めた戦士だった。
アガーテは何度も砂に足をとられながら、美しいドレスを砂で汚しながら、
それでもただただ走り続けた。
『貴方の思いを、他の参加者に伝えるんでしょう?』
プレセアが言ったその言葉。
その言葉を、約束を守るために。


日が上るのが見える。
南へがむしゃらに走ったアガーテは、涙で濡れ腫らした瞳を拭いもせずに、ゆらゆらと揺れながらおぼつかない足取りでどこかの草原を彷徨っていた。
あの少女は無事だろうか。
ここはどこだろうか。
わたくしはこれから――。
ふらりと崩れ落ちたアガーテの目に入ったのは、美しい花畑の白い花が閉じていく光景。
そして――。

(ミルハウスト……? そんなわけ、ないのに……)
夜が明けるのと入れ替わるようにそこへ佇んでいた、美しい金髪を持った彼女の騎士の姿。





『アリスちゃーーーーん!! 聞いてるかーーーーーい!!』
拡声器を通して砂漠に響くは血塗れの男の声。
『今、俺はまた君に一歩近づいたよ!! 待っててね!! 君をきっと守りに行くから!!』
拡声器の電源を切り、デクスはボトルの水を飲む。
「ちょっと苦戦しちゃったけど……アリスちゃんに似合いそうなアクセサリーも見つけたよ」
斧使いの少女の亡骸から、猫耳やマントを剥ぎ取りザックも奪うとデクスは日の昇る方向を見た。
「南だっけな…街があるから、そこにアリスちゃんはいるかな?! それともお花畑かな?!」
愛しい彼女の居場所とは反対方向にデクスは斧で進路を取る。
「さっきのコネコちゃんもう一匹もね」
早速照りつける太陽は、少女の亡骸に対して余りにも無慈悲だった。

345 :K 4:2008/09/04(木) 00:32:55 ID:Ym8Oqh0yO



【アガーテ・リンドブロム 生存確認】
状態:HP80% TP100%  疲労による気絶 (ドレスは裂いてミニスカートっぽくしてます)
所持品:ホーリーリング、メンタルリング、クローナシンボル、ペルシャブーツ
基本行動方針:殺し合いを否定し打開する道を探す
第一行動方針:???
現在位置:E5(タタル渓谷)南西

【レイシス・フォーマルハウト 生存確認】
状態:HPTP100% 帽子に花飾り無し
所持品:セイファートキー フェアリィリング トレインケイジ
基本行動方針:リッドの遺志を汲む
第一行動方針:倒れた人影を確認
第二行動方針:先ずは同志を探さねば
現在位置:E5(タタル渓谷/TOA)南西

【デクス 生存確認】
状態:HP70% TP60% 叫んだ事による若干の疲労。 血塗れ。
所持品:拡声器、グレートアクス シーブズマント ネコ耳 サポートハンド プレセアのザック
基本行動方針:アリスを守る。
第一行動方針:アリスを探す。
第二行動方針:アリス以外の参加者は殺す。
第三行動方針:逃げたネコミミ少女が南って言ってたからとりあえず南に向かう
現在位置:D4南→南方面に移動中



【プレセア・コンバティール 死亡】

【残り62人】

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:34:08 ID:Ym8Oqh0yO
以上です。
カワイイ女の子ばっか死んでてすみません
タイトルモトネタ好きな人もすみません

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:35:55 ID:v1AUUoRR0
>>355
そうか、それも問題あるな。

>>333を例にしたら
3時にチームA投下、18時にチームB投下
翌日3時から18時までチームAキープ権発動
18時を過ぎたらキープ権喪失。A或はBが被った場合キープ者優先
とか考えたけど、手間かかりすぎか。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:39:25 ID:vR/sDoZTO
投下乙です。
プレセアァァァァ(ノ△T)

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:40:41 ID:Ym8Oqh0yO
あーでもやっぱ今からC2書こうと思えば書けちゃうか
24時間制限かかってないキャラ無理矢理引っ張ってきちゃえばいいんだしな

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:40:47 ID:VSs66e970
投下乙!
うわぁぁぁぁんプレセアァァァァ!
確かに危ない予感はしていたが…タイトル元ネタに心当たりがあるだけに悲しいぜ。
そしてデクス、拡声器でわざわざ言うとは…案外鬼畜だなw

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:43:11 ID:T2ZcbJpjO
プレセアァァァァァッー!
拡声器がここまで死亡フラグを持ってないのは初めて見たな
アガーテとレイスが合流しても丸腰だ!逃げろー!

352 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ):2008/09/04(木) 00:46:08 ID:7XZuvOzqO
投下します。

353 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) 1:2008/09/04(木) 00:47:52 ID:7XZuvOzqO
  「そうね、それは真実だわ。私にはそれを否定する権利も無い。他も同様にね」
  「でも、貴方はまだ知らない。こちらに来たばかりの貴方には、きっとまだ理解出来ないわ」
  「貴方の模倣しただけの正義が、【模倣元の私の正義とは限らないのよ】」
  「コピーし続けると、劣化するわ。【そして材質とインクまではトレース出来ない】」
  『「【本の表紙だけなのは、私と貴方(貴女)、舞台裏の彼等、その中の誰だと思う?』」】




小波の向こう側から漏れる光が彼等の肌を刺す。
時折鈍く虚空を貫く金属音と、大地を割る音がゆらりと立ち上がる彼の鼓膜を揺らす。
ひんやりとした空気の中に、汗と血が混じった飛沫が飛んだ。
ふと彼女は虚ろな瞳で彼等の騒いでいる地面を見据えた。
それは酷いもので彼女は吹き出しそうになった。
何が可笑しいのかは己の脳内でも甚だ疑問ではあったが、追求する気力と到るまでの興味が皆無だ。
「ぇぐおっ……」
葦は潰され、大地は罅割れ、
血に濡れた岩に焼けた樹木。
定期的に上がる蛙が潰れた時の様な情けない音と男の図太い笑い声は、最早BGMに近いものと成っていた。
「ごぁっぐ…ぐふぅッ……!」
半ば一方的な私刑は、もう一時間近く続いている。
彼が骨を一本も折る事無く、更に致命傷も負っていないのは、決して力が拮抗しているからでは無い。
唯、単に赤鬼が遊んでいるだけ。
彼は、生きているんじゃない。あと一歩の処で生かされているのだ。
「ぐっ…あ……ぅッ!」
鈍い音がした。嗤う男は既に戦輪を使用していない。
悪魔の宝石により極限まで引き出された力が籠った拳。
それが見事なまでに鳩尾を貫いていた。

「イレーヌさん、これから如何します? あいつら、放っておいても大丈夫だと思いますけど。関係無いですし」

血を吐きながら倒れて失神している赤毛の少年にどかりと足を乗せ、赤鬼は少年のサックを漁る。
ペットボトルを取り出すと、鬼は汚らわしい弧を顔に浮かべた。

「―――そうね、私達の邪魔をする訳で無いのなら、別に興味は無いわ。行きましょう」

冷水が少年の顔を叩く。
無理矢理に意識を取り戻された少年は奇妙な声を上げた。
「何時まで寝てんだあッ! 俺様に傷を付けた罪は忘れさせねぇぞ、薄汚い豚がぁあぁぁあッ!」
青年は顔を顰めた。あの男の品の無い言葉が逐一癪に障る。

354 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) 2:2008/09/04(木) 00:51:00 ID:7XZuvOzqO
関係無いとは言えど、一度は彼女を襲った屑。
ならば今殺しても何ら問題は無いか……?
「……ええ、そうですね。回収したいモノもありますし」
やめておこう、とスタンは喉まで上がって来ていた『あいつ、殺しときます?』という言葉を封殺する。
今、彼女に骸を見せるのは恐らく酷だ。
それに、彼女が望んでいない。
勝ち上がる為にも、余計な浪費は野暮というもの。
「……南下、しましょうかイレーヌさん。取り敢えず川へ行きましょう。水辺はサバイバルの基本です」
あら、詳しいのね。頼もしいわ―――と彼女は笑う。
疲れ切った表情の笑いに俺は込み上げてくる何かを押さえ切れなかった。
堪らず俺は口を開く。心無しかBGMが激しさを増していた。
「あの、イレーヌさん。貴女は――――」


刹那、どさりと背後の少年が喘ぎながら崩れ落ちる音。
続けられた言葉を私は聞き取る事が出来なかった。
口をぱくぱくと開けて――恐らく何か喋っているのだろう――いたけれど、男の図太い声が邪魔をする。

「はは、はッはァッ! 一人も逃がさねぇよ、豚がぁッ! 後ろの男もッ!」
朦朧とする意識の中で、少年ルーク・フォン・ファブレは確かに“僅かな寒気を感じた”。
景色が朧気で、よく分からないけれど。
まるで先生がローレライの力を解放した時の様な――或いはそれ以上の――とてつもない何かの片鱗が、一瞬だけ覗く。
同時にがくんと視界が揺れた。顎に強い衝撃。
生暖かい自分の血と砂が混じった唾が口の中で暴れる。
「お前も!」
スタン君の顔が暗くて見えない。
揺れる前髪の下で、それでも彼は確かに何かを呟いていたのが聞こえた。
私は彼の名前を呼ぶ。彼は私の声を無視して、ゆっくりと背を向けた。
ごきゃりと男の拳が少年に叩き込まれる音。

「“―――あの血塗れ女も!”」


どくん、と心臓が高鳴る。
その瞬間、きっと俺の中の最後の硝子が木端微塵に砕け散った。



「全員殺してや――――!?」
「――――!?」



鬼の様な形相をしていたマグニスの丸太の様な腕が宙で止まる。
否、止められた。
彼等から約5メートル離れた位置にまで近付いていた彼―――スタン・エルロンに。

355 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) 3:2008/09/04(木) 00:54:49 ID:7XZuvOzqO
この瞬間、彼を中心にして世界は時を刻むのを忘れてしまっていた。
凍り付いた彼等の砂時計。言い様も無い“何か”が、此所に、渦巻いている。
そしてその中心は、間違い無くこの青年―――!
三拍程間を開けて、虫の息のルークと血塗れのマグニスは唾を飲み込んだ。
信じられない。到底この世の人間が発せられる殺気では無いのだ。
否、語弊がある。そもそもこれは殺気ですら無い。
言うならば、それは“存在感”。
酷く哀しさを覚えさせる程までに冷たく、それでいて深淵に秘められた炎は灼熱。
矛盾している―――二人はそう感じた。
掴み所が無い彼の存在は、一種の神々しささえ二人に感じさせる。
何者なのだ、このニンゲンは―――二人には、彼が同じ生物とは到底思えなかった。
(……何だよ、これ?)
かと言って彼、スタン・エルロンが自分より遥か上の存在、と云う風に感じた訳でも無かった。
そのだらりと頭を垂れ、虚脱した様子からは見窄らしさや死者に通じる何かさえ感じさせる。
だが弱々しく立つ彼は、それでも個を成立させて居た。
触れれば壊れてしまいそう、なのにこの圧倒的な力強さの正体は一体何だと言うのか?
(それに、何時の間に?)
十メートルは離れていた、警戒も怠らなかった筈だ、とマグニスは思う。
朝焼けに照らされている彼の表情は、しかし未だ見えない。
頭を垂れて口を閉ざしていた彼は、漸く少しだけ頭を上げた。
光を浴びて金色に輝く髪が風に揺れる。
ルークも、マグニスも、言葉を忘れてしまった様に唯々彼に釘付けにされていた。
(馬鹿な)
彼が剣を握り直す。
(この俺様が)
風が海から、否、“凄まじい熱風が彼の足元から巻き上がる”。

ゆっくりと足が出る。優しく踏まれた葦が、けれどもその瞬間に灰燼と帰す。石は紅く、まるでアイスの様に溶けた。容易くだ。

生物の本能的危機感が、マグニスの中の鐘を鳴らす。

こいつは、人間じゃない―――バケモノだ。

「……お前……」

青年が口を開く。
満身創痍の少年は腰を抜かしてしまい一歩ま動けない。




「――――先刻、“何て言った”?」



彼が顔を勢い良く上げる―――黒く澱む瞳、真直ぐなそれは男を貫く。

356 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) 4:2008/09/04(木) 00:57:53 ID:7XZuvOzqO
全身を走る戦慄。反射的に身を翻す。
命令がシナプスを光速で走り抜ける。全脳細胞が、告げる。
こいつに関わると例外無く―――――――死ぬんだ、と。
全力で身体を翻して、そして絶句する。
生まれて始めて味わう感情、“恐怖”。
その名の通り全身を焼かれる様なそれを、男は感じる。
かつてない感覚に全身を生温い汗に濡らす。
怖い(死ぬ)、怖い(死ぬ)、怖い(死ぬ!)!!

“嫌だ、死にたくねえぇぇッ!”

そうして足を縺れさせながらも、男は逃げる。逃げて、逃げて、前を見る。
“何故だ”

血を求める様に蠢く剣がゆっくりと動く。身体は動かない。炎が纏われる。

“何故、俺様の前に、お前が、立って、いるんだ?”

汚い悲鳴と共に灼熱の剣閃が、男を襲う。
肉が焦げる音、炎の耐性とは無関係に、身体が。
「ひいッ……!」
少年は小さく悲鳴を上げる。
男の皮膚が破れる。血が蒸発し、肉の組織が硬化し、爛れて、壊れる。

そう。それはまるで悪夢の中の、地獄の業炎――――。









太陽が輝く。波の音と戦ぐ葦の音が心地良い。
さっきまでの出来事は、悪い夢だったのだろうか。

「行け、お前に手を出すつもりは無いからな」

どさりとライフボトルが投げ出される。
赤鬼のサックを持つと、バケモ―――いや、彼は低く、唸る様に俺に言った。

「あぁ……悪い、そうだよな。動けないよな」

ボトルと彼を交互に見比べ、俺はうんと頷く。
殺されないのが本当に不思議だった。何を考えているんだろう、この人は。
ゆっくりと近付いて、彼が器用に俺の口を開け、命の水を静かに流し込む。
一連の動作には優しさすら感じた。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 00:59:06 ID:v1AUUoRR0
胃をキリキリさせながら支援

358 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) 5:2008/09/04(木) 01:02:02 ID:7XZuvOzqO
本当に捉え処が無くて、俺は戸惑う。

有り難う、と俺が言うと彼はいいよ、と淡白に言った。

「……じゃ、俺はこれで」

冷たいボトルを手に取り、俺は漸く立ち上がる。
―――待ってくれ、と言うと彼は歩くのを止めた。
背を向けたまま、振り向かない。
遥か遠くに彼女が不思議な目で、俺を見ていた。始めてみる表情だった。
俺も挑戦する。無理なのは非を見るより明らかだ。

「まだ何か、あるのか?」

名前を、と俺は言う。ふらつく身体を、剣を地面に刺して支えた。
名前を、教えてくれ……俺はそう言った。

「スタン」

酷く淋しそうな背中が言う。
これ以上何も訊くなと、殺すぞと、俺に言う。
寒気が走った。金色の髪が風に靡く。
もしかしてこの人、悲しいのかな、と思った。

「―――スタン・エルロン。世界は救えても、その為に犠牲になった人すら救えない、英雄崩れさ」

自嘲気味に呟いて、俺に背を向けたまま彼は空を見上げる。
「……君とは、出来れば争いたくは無いね」
俺が何かを言おうと口を開けると、彼はけれど、と続けた。
俺は言葉を飲み込む。億の彼女が俺に背を向けた。

「次に会う時は、きっと君も、俺も、“剣士”だ」

それじゃあ、元気で。君は、大切な人を守れるといいね―――そう呟いて地平線の向こうに消える彼を、俺はずっと見ていた。




……彼は、まだ知らない。男が尚も、執念だけで生きている事を。






359 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) 6:2008/09/04(木) 01:04:27 ID:7XZuvOzqO
【ルーク・フォン・ファブレ 生存確認】
状態:HP10% TP80% 全身に傷や打撲、痣 瀕死 イレーヌとスタンへの不思議な感情
支給品:メロメロコウ ミスティシンボル ソウルブラスト 空の瓶
基本行動方針:今自分に出来る事をする
第一行動方針:休もう……


【イレーヌ・レンブラント 生存確認】
状態:精神不安定 頬に傷 魔剣の声が聞こえる エクスフィア装備
所持品:魔槍ブラッドペイン スターダストリング 要の紋付きエクスフィア マグニスのサック(内容不明支給品一個)
基本行動方針:スタンと共に答えを探す
第一行動方針:邪魔をする人間には容赦しない
第二行動方針:魔剣の指示を遂行するか考える
現在位置:B7北

【スタン・エルロン 生存確認】
状態:現実への絶望 精神不安定 理想崩壊 エクスフィア装備
所持品:魔剣ネビリム 要の紋付きエクスフィア ネクロノミコン センチュリオン・イグニス
基本行動方針:イレーヌを最後まで守る。イレーヌを許容しない世界を許さない
第一行動方針:障害は斬る
第二行動方針:少女の支給品を回収
現在位置:B7北

【マグニス 生存確認】
状態:TP5%以下 HP85% 重度の全身火傷 エクスフィア剥奪 気絶 恐怖
所持品:無し
基本行動方針:???
現在位置:A7南


  【決断を】
  「いいえ」
  【強情だな、分からぬフリをしているのか】
  「いいえ」
  【本心か。ならば、我々は何も言うまい】
  「ええ」

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:06:21 ID:7XZuvOzqO
投下終了です。

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:07:12 ID:Ym8Oqh0yO
乙です。スタン奉仕マーダーか。
…マグニスさまのHPとTP逆だよな…?

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:08:57 ID:VSs66e970
投下乙です。
うーんスタンがなんだか悲しいな…見た感じイグニスの影響も少しあるんだろうか。
マグニスさまは一体どうなってしまうのか?
その場に残されたルークは?

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:09:23 ID:T2ZcbJpjO
乙です。
ルークの場所欄がナイヨーたぶんスタンの近くだろうけど。
なんか装備も充実した恐ろしいコンビが出来上がってしまった…

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:10:04 ID:JuIz73RE0
ルークの現在地が抜けてるぞー

それにしても乙!
スタンやべえええ!リアルに鳥肌たったわ

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:11:51 ID:v1AUUoRR0
乙。
引き込まれた。
が、hrhrし過ぎてこの20分で俺の胃がすげー事になったぜ。
何処も彼処もロワらしくなってきた〜〜。


366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:12:14 ID:vR/sDoZTO
投下乙!ルークゥゥゥ!そしてマグニス様ぁぁぁぁ!スタンは奉仕マーダーか。
なんかスタンとイレーヌさんは独特の雰囲気があるよね。

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:12:44 ID:XovSWUe9O
皆様投下乙です
プレセアが…!
まさか…まさかプロットが丸被りするとは!(実話)
とはいえアガーテさまとレイスが心配。デクスが向かってるし、さらに南にはやる気ないシゼル…
そしてスタンこええ!エクスフィアとネビリムで最強マーダーコンビだ
マグニスさまの目覚めが早いか、ジュダフィリ組が着くのが早いか…

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:13:00 ID:ERLceOkj0
投下します。

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:13:23 ID:HTfYfz0iO
投下乙!
赤毛脂肪フラグ立ちすぎwwもうktkrwww
とりあえずもしかすると本気の親子対決とスタン・坊っちゃん戦が見れるかもしれんな
スタンに本気で恐怖を覚えた…

370 :そんなこんなで出来てるのさ(のよ) @修正:2008/09/04(木) 01:14:16 ID:7XZuvOzqO
【ルーク・フォン・ファブレ 生存確認】
状態:HP10% TP80% 全身に傷や打撲、痣 瀕死 イレーヌとスタンへの不思議な感情
支給品:メロメロコウ ミスティシンボル ソウルブラスト 空の瓶
基本行動方針:今自分に出来る事をする
第一行動方針:休もう……
現在地:A7南

【イレーヌ・レンブラント 生存確認】
状態:精神不安定 頬に傷 魔剣の声が聞こえる エクスフィア装備
所持品:魔槍ブラッドペイン スターダストリング 要の紋付きエクスフィア マグニスのサック(内容不明支給品一個)
基本行動方針:スタンと共に答えを探す
第一行動方針:邪魔をする人間には容赦しない
第二行動方針:魔剣の指示を遂行するか考える
現在位置:B7北

【スタン・エルロン 生存確認】
状態:現実への絶望 精神不安定 理想崩壊 エクスフィア装備 ルークに妙な親近感
所持品:魔剣ネビリム 要の紋付きエクスフィア ネクロノミコン センチュリオン・イグニス
基本行動方針:イレーヌを最後まで守る。イレーヌを許容しない世界を許さない
第一行動方針:障害は斬る
第二行動方針:少女の支給品を回収
現在位置:B7北

【マグニス 生存確認】
状態:TP5%以下 HP85% 重度の全身火傷 エクスフィア剥奪 気絶 スタンへの恐怖
所持品:無し
基本行動方針:???
現在位置:A7南


  【決断を】
  「いいえ」
  【強情だな、分からぬフリをしているのか】
  「いいえ」
  【本心か。ならば、我々は何も言うまい】
  「ええ」

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:15:38 ID:JuIz73RE0
>>367
是非とも避難所の方に投(ry

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:17:22 ID:Ym8Oqh0yO
修正なしってことはマグニスさま強靭すぎワロス

373 :止めたの方は、赤信号でした。止め逃げでした。-Plus a girl- (1):2008/09/04(木) 01:18:54 ID:ERLceOkj0
月明かりが落ちる平原で、駆け抜けていく影が踊る。
踊らせる曲はない。在るのはただただ荒い息遣い。
リヒターの得物とよく似た刃と掃除用具を背負い、キルゾーンとなることを強いられたこの島でエミル・キャスタニエはためらいを忘れて走り続ける。

ぜい、はあ、と上がり上がる息より、疾駆する自らを支える足より、ばくばくと早く巡る心臓。
けれど、もっともっと早いのはそこに宿ると古今東西で唱えられたもの――彼らの心だ。

(マルタ……!)

もう終わった旅の中で、ヴァンガードの奸計に嵌められたあの時の事が、
何度も何度もリフレインして離れない。走れども、走れども。
あの時は、しいながいて大丈夫だった。
けれど、そんな幸運を何度も期待するほどエミルもラタトスクも甘い生涯は送っていない。
リヒターの手によってマルタがくずおれた瞬間が、再び脳裏でフラッシュバックし、
全力全霊で駆けながらも彼は器用に舌を打つ。
そんな彼の傍らを、尾ばかり目立った青毛玉が併走する。
契約の儀式を行ったわけではない。そんな余裕はエミルたちには今のところ無い。
ただ単に、邪魔ではないから放置している。そんなところだ。
しかしながら、その姿は見る者次第ではかつての旅を彷彿とさせるに違いなかった。
もっとも、エミルたち自身にはそのつもりなどカケラもない。
彼の脳裏のほとんを占めるのは、一人の少女なのだ。
(ちなみに残りすべては、千年分の仕事を置き去りにしてしまったあの閉ざされた間のことである。)


そうやって、彼らは駆けて駆けて、駆けて。
ただひたすらに前を目指していた彼の足が、突如縫い止められた。
視界の先、朱塗りの橋にて、不意に揺れた甘い茶色。その色彩が駆けるエミルの足を止めさせる、その瞬間。

(ち、マルタじゃねぇのな。エミル、替われ)

マナの気配だと知るや、ラタトスクが引っ込んだ。それはもう早業で。

(え、ちょっと、ラタトスク、そんな急に――!?)

用意もなく体を押しつけられたことと、マッハ少年もかくやな全力疾走をいきなりやめていること。
――ここから導かれる帰結はたった一つ。
青の毛玉が驚いて全身と目玉を膨らす目前で、

「うわぁあぁあっぁぁぁ……!」

エミル・キャスタニエは大きくつんのめって、勢いのまま人生二度目の口付けをするハメを見るのだった。


374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:19:56 ID:7XZuvOzqO
>>372
すみません、反対でした。マグニスのTPHP orz

375 :止めたの方は、赤信号でした。止め逃げでした。-Plus a girl- (2):2008/09/04(木) 01:20:33 ID:ERLceOkj0
「不本意です。……さっそくクラースさんがいるなんて」

眉を寄せて呟いたすずが選んだのは、身を潜めるのにうってつけの林をあえて離れることだった。
うるさい曲刀をザックへ放り込んで黙らせ、気配を絶って枝を渡る。
なるべく早く、されど隠密行動で。幼い日よりその身に叩き込んだ技で、彼女がクラースたちを撒くのは本当にあっという間の出来事だった。
それがつい、半刻ほど前のこと。
現在、彼女がいるのは最初の獲物が飛び込んだ川のほとりだった。
手負いにしたはずの赤毛の女にとどめを刺そうというつもりではない。
単に襲撃される方向がより限定的な場所を選んだらそうなっただけだ。
開けた土地で、視界の限りには人影もない。追ってくる気配も他のものも、同じくだ。
それでも、すずは張りつめたものを緩める気はない。

ゆえに、人目もはばからず月下を走る影を見た我が目を、はじめは信じられなかった。
次に罠であることを疑う。先ほどやり過ごした二人組とぐるだったら目を覆うような惨状を見るのは十中八九、自分だ。
その不安にぶるりと身震いすると同時に、橋を渡ることを選択した自らを悔やむ。
知らぬ間に心の糸がたわみつつあったのだろう。それをなじる。
最後に、おしゃべりな曲刀を引き抜く。直後に崩されることを知らないまま、決意を持ってかぶりを振るう。

「もしそうだとしても、まずは一人を。そうすればきっと血路は開かれます。
 いきます。――今度こそ、しくじりません」



走り来る者、待ち受ける者。
両者に共通するのは、守らなければならない人がいることだった。


【エミル・キャスタニエ 生存確認】
状態:疾駆による疲労から息が激しく上がっている、前半身を中心にを打ち身・擦り傷等。
   TP100% マルタを想い、焦りが募る。マフラーなし。
所持品:クイッキー、紫電、デッキブラシ 
基本行動方針:マルタを探し、守る。
第一行動方針:マルタが心配で仕方がない。
第二行動方針:(ラタトスクのみ、エミルに出会った子供との対応をさせるつもり。)
第三行動方針:ギンヌンガ・ガップへおいてきた仕事が気になる。
現在位置:D5の橋手前(東側)

【藤林すず 生存確認】
状態:HP100%、TP90% 決意するも、無防備すぎる相手の行動に呆気にとられている
所持品:ソーディアン・アトワイト 時を駆ける少年の人形
基本行動方針:クレスかクラースを生き残らせる。
第一行動方針:転んだ人物が体勢を立て直す前に詰め寄って一撃を。
第二行動方針:二人組が戻ってくる前に片をつけます。時間はかけません。
第三行動方針:ダオスは自分の手で殺します。
現在位置:D5の橋の上

【カイル・デュナミス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:アビスレッドのコスチューム(仮面は外してます) ブリザードマグ 他アビスマンのコスチューム、カイルの服
基本行動方針:殺し合いを止める。仲間にもアビススーツを着させたい?(強制はしない)
第一行動方針:塔に行く。
現在位置:D5の橋西側

【ティア・グランツ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%
所持品:アビスピンクのコスチューム(仮面は外してます) ロリポップ メロン一個 ティアの服
基本行動方針:ルーク達と殺し合いに乗ってない人を探す。
第一行動方針:塔に行く。
現在位置:D5の橋西側

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:22:37 ID:ERLceOkj0
以上です。セリフすくないorz
投下ラッシュにかぶるんじゃないかと冷や冷やしましたぜっと。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:25:11 ID:VSs66e970
投下乙!
相手はまさかのすずちゃんかww ルーティ涙目www

…と、気になったのだがキス(?)の相手がすずなら
カイルとティアの状態表いらなくない?

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:28:27 ID:ERLceOkj0
うーん、すずが二人を目撃してるので付けてみたけどよけいでしたかい?
キスの相手は、うん、位置を見てもらうと
物理的に無理だよと=地面だよと言い訳させてください。



379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:31:10 ID:ATIyzk6zO
投下乙!
まさか早くも3(実質4)人目の死人が出るとは…
しかもタイトルの意味がわかっただけに悲しい…

スタン組とかすずとかが怖ぇ…
この調子だと今週中にはリッド以来の男性死者登場か?

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:32:05 ID:VSs66e970
>>378
ああ、なるほど。申し訳ないorz
やっぱり相手は地面なのか…2回目というとこで妙に引っかかってしまった。
それなら大丈夫だと思います。

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:39:10 ID:vR/sDoZTO
投下乙!
すずちゃんも奉仕マーダーか。
カイルとティアの状態表は要らないんじゃない?前のルーティとクラースさんの話ではすずちゃんの状態表無かった筈だし。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:43:48 ID:v1AUUoRR0
でも二人の存在、すずの思考に影響してるからなぁ。

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:17:34 ID:SQ2HpORQO
タイトルタイプミスしてたがなorz
↑でお願いします。
まとめさんまじごめん。


で、状態欄なんだけど、半分お節介で入れたから
不要意見が多いなら修正依頼出します。
意見求む。

吊ってくる。


384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:31:58 ID:xJAqS/31O
皆さん乙!
しかし戦闘の細かい描写がないと納得できないのは自分だけかな…プレセア…orz

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 08:31:47 ID:XovSWUe9O
すずちゃんの言ってた二人組ってのはルーティ&クラースかと思ったけど、カイル&ティアなの?
そこんとこ誰か詳しくー

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 10:26:37 ID:RuexO/w10
クラース達とエミルがグルでも、すずが「目を覆うような惨状」にゃならん(なると思わない)だろ
だから「やり過ごした二人組み=すずが知らない人=カイルとティア」ってあたりで納得しといてくれ

>>383
そこメル欄だぞww

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 11:15:20 ID:gYNGxrIuO
次からはもっと分かり易く書いて欲しいぜ。
ネタに走り気味な2ndだけどそろそろ引き締めていかないとね。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 11:21:51 ID:NKP9/DYK0
引き締まってるとこもあるけど、ね

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 12:34:35 ID:vR/sDoZTO
いや、まだ序盤だからネタに走ったりしてもほのぼの出来たり笑えた方が良いだろw局面が進むにつれシリアス一辺倒になりがちだし。

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 12:39:09 ID:SQ2HpORQO
締まる締まらないの話をしてる折、
非常に情けないが修正を投下します。
昨夜から何度もの失態で、ほんとうに申し訳ない。

391 :止めたのは、赤信号でした。止め逃げでした。-Plus a girl- (1)修正:2008/09/04(木) 12:46:02 ID:SQ2HpORQO
月明かりが落ちる平原で、駆け抜けていく影が踊る。
踊らせる曲はない。在るのはただただ荒い息遣い。
リヒターの得物とよく似た刃と掃除用具を背負い、キルゾーンとなることを強いられたこの島でエミル・キャスタニエはためらいを忘れて走り続ける。

ぜい、はあ、と上がり上がる息より、疾駆する自らを支える足より、ばくばくと早く巡る心臓。
けれど、もっともっと早いのはそこに宿ると古今東西で唱えられたもの――彼らの心だ。

(マルタ……!)

もう終わった旅の中で、ヴァンガードの奸計に嵌められたあの時の事が、
何度も何度もリフレインして離れない。走れども、走れども。
あの時は、しいながいて大丈夫だった。
けれど、そんな幸運を何度も期待するほどエミルもラタトスクも甘い生涯は送っていない。
リヒターの手によってマルタがくずおれた瞬間が、再び脳裏でフラッシュバックし、
全力全霊で駆けながらも彼は器用に舌を打つ。
そんな彼の傍らを、尾ばかり目立った青毛玉が併走する。
契約の儀式を行ったわけではない。そんな余裕はエミルたちには今のところ無い。
ただ単に、邪魔ではないから放置している。そんなところだ。
しかしながら、その姿は見る者次第ではかつての旅を彷彿とさせるに違いなかった。
もっとも、エミルたち自身にはそのつもりなどカケラもない。
彼の脳裏のほとんを占めるのは、一人の少女なのだ。
(ちなみに残りすべては、千年分の仕事を置き去りにしてしまったあの閉ざされた間のことである。)


そうやって、彼らは駆けて駆けて、駆けて。
ただひたすらに前を目指していた彼の足が、突如縫い止められた。
視界の先、朱塗りの橋にて、不意に揺れた甘い茶色。その色彩が駆けるエミルの足を止めさせる、その瞬間。

(ち、マルタじゃねぇのな。エミル、替われ)

月下の人物が、求める相手にあらずと知るや、ラタトスクが引っ込んだ。それはもう早業で。

(え、ちょっと、ラタトスク、そんな急に――!?)

用意もなく体を押しつけられたことと、マッハ少年もかくやな全力疾走をいきなりやめていること。
――ここから導かれる帰結はたった一つ。
青の毛玉が驚いて全身と目玉を膨らす目前で、

「ど、うわぁあぁあっぁぁぁ……!」

エミル・キャスタニエは大きくつんのめって、勢いのまま人生二度目の口付けをするハメを見るのだった。

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 12:48:49 ID:SQ2HpORQO
以上前半のみですが、
すずを認識した際の意味不な箇所を差し替えです。

まとめさん、お手数かけます。

393 :愚かな母親:2008/09/04(木) 13:03:34 ID:pOcgLIHP0
海を見ていた。
どれくらいそうしていたのかはわからない。ただ荒れる水面をどこか眩しそうにシゼルは眺める。
力強い命の源、海。シゼルは潮風に包まれながら自分の思いを確認する。

(……メルディ)

シゼルはとうのとっくに死んだはずの人間だ。大変なことをしてしまい、償いになるとは思えないが世界を守るために命を落とした。
シゼルはそれで満足して生を終えたはずだったのだ。彼女は死人だ。
意識が消滅する瞬間を鮮明に覚えている。シゼルは死んだ、必ず。
では、どうしてシゼルはこの場所に立ち、呼吸をしているのだろうか。考えられるのは一つしかない。
サイクローグの言葉を思い出す。優勝の景品という死者蘇生の権利。彼には本当にその力があるのではないか――?
俄かに信じられない話だが、シゼルの存在がその事実を証明している。否定しようがない。
もともと、あんな大規模に人を集め、首輪を取り付け、殺し合いを強制させることができるような力の持ち主だ。

シゼルは己のすべきことを考える。
初めは死んでしまいたいと思っていた。自分は運命にしたがって消えるべきだと。
だが、元より聡明な頭脳はそれを許してくれなかった。気がついてしまったのだ。
死者蘇生の可能性と、――彼らの存在を。

(リッド、キール……)

サイクローグに殺されてしまった少年リッド。彼は、メルディにとってとても大切な仲間だった。
シゼルの前に立ちはだかったリッド達はダイヤモンドよりも硬い絆で結ばれていた。凶悪な力に支配されたシゼルを打ち破るほどに。
そして、キール。彼はメルディにとって、おそらく最も大切な人なのだろう。
最期の時、シゼルがメルディに近寄ろうとするとキールは体を張ってメルディを守ろうとした。
リッドのような力を持たないのに、メルディのためを思って体を投げ出したのだ。
それを見て、シゼルは安心して逝けたというのに今の惨状はどういうことだろうか。
あメルディを支えてくれていた仲間たちにあとを託してシゼルの母親の役目は終わったはずだった。

(私は、)

これが自分だけなら、いつ死んでも構わない。だが、ここには未来ある少年達が大勢いる。
シゼルはすでに汚れきっているのだ。もういくら汚れても何も変わらない。

(リッド、キール、……皆をメルディの元へと帰す)

優勝して蘇生の権利を得る。シゼルはそこで死んでも構わない。彼女は死は怖くない。

(愚かな母親だな……私は)

これは悪魔の行いに違いない。蘇生させる心積もりだとしても、一度は皆を殺すのだ。
メルディはこんなことを望まないだろう。これはシゼルのエゴだ。
彼女はただリッドとキールの消滅によって、メルディの笑顔を失いたくないだけなのだから。


【シゼル 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:支給品不明
基本行動方針:優勝してリッド含む皆を蘇生させる。
第一行動方針:優勝を目指す。
現在位置:F5、浜辺

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 13:05:28 ID:pOcgLIHP0
投下終了です。投下宣言したはずなんですが、あれ?書き込まれてない?
シゼルは実はネレイドが中に残ってた、でも面白いと思ったんですが言及はしませんでした。

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 13:45:03 ID:vR/sDoZTO
投下乙です!
なんていうか、クレスとかルカが全員蘇生に賭けて殺し合いに乗るとかなら分かるけど、ラスボスが全員蘇生に賭けて殺し合いに乗るとは…意外な展開ですねw
シゼル本当に哀愁が漂ってるなw

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:05:28 ID:XovSWUe9O
投下乙です
シゼルが動いたー!何となくG4付近がピンチ……ロイド達逃げてよかったな
ラスボスマーダーとして惜しみなく実力を発揮してくれそう

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:13:28 ID:ZGLznLwcO
確認なんだが、G4に建造物あるっけ?
あると思い込んでたんだけど、ただの岩場に見えてきた。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:17:14 ID:DXOFIB0v0
投下します

399 :危機感ゼロ:2008/09/04(木) 14:18:40 ID:DXOFIB0v0
「つーかさ、ロイどんの所為であたしらびしょびしょじゃーん、どうしてくれんのさー」

重量を増した衣服が肌に張り付くのがなんとも気分が悪い。
両手を使って塗れたスカートの裾を絞ると、含んだ水が合わせて流れ出す。

「こんなかわいーい女の子がびしょ濡れでこんなとこに…襲われたらどーすんのさ!」

「襲う方にも選ぶ権利あると思うぜ。てかロイどんってさ、お前…」

「なんだとー」

「何だよ」

「止めないか二人とも!」

終わりの見えない言葉の防攻戦はクロエの一喝により、多少衰えを見せた。
というか、何とも緊張感の無い奴等だとクロエは思う。
先程あのワルターに命を狙われかけたというのに、ノーマはともかくきっとこの少年も随分肝が据わっている。

「てかそのあだ名どうにかならないのかよ!?何かどっかの太鼓を思い出してすげー嫌だ!もっとさ俺にぴったりなクールな感じの…」

「だーもーあたしの付けたあだ名に文句あんの!?つーかあんたの何処がクールなのさ!?」

停止したと思ったらまた再開される口喧嘩。
それもとてつもなく音量が大きい。
近くにまだワルターがいたらどうするつもりだ。
自分達はここにいますとご丁寧に教えているようなものではないか。
それでまたワルターのような連中を呼び寄せでもしたらどう責任を取ってくれるのか。
今此方にある武器らしい武器(武器と呼んでいいかは不確かだが)はこの綺麗な円を描く輪だけだ。
他にも武器になるよな物はないかと、三人で支給品を見せ合ったが生憎クロエの持っていた剣以外には存在しなかった。
特に。

(ノーマの持っていたこれは何の役に立つんだ?)

何の変哲も持たないただのホイッスル。
所謂はずれというやつだろう。
自分も人の事を言えないが。

「よーし!じゃあこうしようじゃないの、これで勝負してロイどんが勝ったらあたしがもっとクーーーールなあだ名を考えてあげよう!」

そうしてノーマはクロエの残りの支給品を取り出す。

「望むところだ!その代わり俺が負けたらロイどんで我慢してやるよ!」

題して。

『叩いて被ってじゃんけんぽぉぉん対決!!』

400 :危機感ゼロ2:2008/09/04(木) 14:19:26 ID:DXOFIB0v0
【ノーマ・ビアッティ 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、びしょ濡れ
所持品:ホイッスル、本人確認済み支給品1〜2個
基本行動方針:殺し合いに乗る気はない。死にたくない
第一行動方針:クロエ・ロイドと共に行動する。とりあえずロイドに勝つ。
第二行動方針:セネル達と合流する
現在位置:G6岩場

【クロエ・ヴァレンス 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、びしょ濡れ、帽子紛失
所持品:オブシディアン、安全ヘルメット、ピコピコハンマー
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:ノーマ・ロイドと共に行動する。しばらくこの岩場で休憩。
第二行動方針:セネル達と合流する
第三行動方針:同志を探す
現在位置:G6岩場

【ロイド・アーヴィング 生存確認】
状態:HP100%、TP100%、びしょ濡れ、すけべ大魔王
所持品:本人確認済み支給品1個、エリクシール、ソーサラーリング
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:ノーマ・クロエと共に行動する。とりあえずあだ名を変えさせる
第二行動方針:同志を探す

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:27:37 ID:vR/sDoZTO
投下乙です!ロイド組はさっきワルターに襲撃されたばっかなのに平和だなww

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:38:59 ID:XovSWUe9O
投下乙です
お前らw危機感ゼロってレベルじゃねぇマイナスだw

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:42:13 ID:j8nGkeWpO
乙です!
ロイド君自分でクールって言ってる時点でクールじゃないよwww

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:52:54 ID:HTfYfz0iO
投下乙!
こいつらに緊張感が生まれる時は来るのかwというか来てもらわないと困るwww

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 14:55:42 ID:XovSWUe9O
エミルが北上したから、1番近いのはルビア組か?
ここと遭遇したら余計にボケに走る気がw

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:09:42 ID:Ym8Oqh0yO
ロイドクロエノーマ、24時間制限引っ掛かってるよ
ちゃんと時刻見てから投下してね

407 :399:2008/09/04(木) 15:21:13 ID:DXOFIB0v0
すいません
今確認したら確かに引っ掛かってました
今度からもっとよく確認してから投下します

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:22:23 ID:HTfYfz0iO
でもロイド話もうまとめサイトにうpされちゃってるぜ?
どうするよ?
というかまとめ氏仕事早すぎwwすげぇwwww
いつも本当に乙ですw

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:24:08 ID:LOKo0XYX0
ほかにロイドチーム書いてた人がいないなら、そのまま通していいんじゃない?
…時間まとめようか?

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:51:46 ID:LOKo0XYX0
結局暇だったんでまとめてしまった。
とりあえず9/3の分からまとめてある。
ここに書いてないチームは既に制限切れてる、ということです。参考にどうぞ。
とはいえ自分で見直し確認する努力もお忘れなく。


キール 09/03(水) 00:11:51
ハスタ、ユージーン、マルタ 09/03(水) 04:11:14
クレス、リーガル、ミクトラン、アリエッタ 09/03(水) 10:49:58

↓ここからまだ投下制限あり
フィリア、ジューダス 09/03(水) 16:19:07
チェルシー、クラトス 09/03(水) 16:36:10
セネル、チャット 09/03(水) 17:59:27
バルバトス、アッシュ、アニー 09/03(水) 21:26:37
ミュウ、ロニ 09/03(水) 22:31:08
ウッドロウ、ヴェイグ、スパーダ、リカルド、
イオン、アリス、サレ 09/03(水) 22:42:51
ジルバ、シャーリィ、ステラ 09/03(水) 23:12:22

デクス、アガーテ、レイス 09/04(木) 00:26:48
スタン、イレーヌ、ルーク、マグニスさま 09/04(木) 00:47:52
エミル、すず、カイル、ティア 09/04(木) 01:18:54
シゼル 09/04(木) 13:03:34
ロイド、ノーマ、クロエ 09/04(木) 14:18:40

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:56:54 ID:JdhfV6l9O
今更な話なんだが、
禁止エリアの都合上6日ちょいで全エリア埋まるから、
最初の話の8日を6日に変えた方が良いと思うんだけどどうだろ
このまま進めるとロワ参加者からサイグローグがアホの子扱いされかねんし

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:57:28 ID:ulB2TGjZ0
まとめ乙です…
24時間って投下開始からじゃなくて投下終了からじゃない?

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:59:38 ID:yEOCJC5A0
.>>410
乙です
でもやっぱ24時間だと物凄く制限されちゃうよな

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:01:50 ID:ulB2TGjZ0
>>413
そこはもう、頼む空気を読んでくれと願うしかない制限待ちの身
制限ないと連投が怖いです

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:06:05 ID:LOKo0XYX0
>>412
そうなのか? てっきり開始時間を基準にしてるものだと思ってたよ。
まあ、これくらいの時間だと思ってください。

こうやって時間出せば、なんとなくどこのまとまりが出来るか
考えられそうだしな。

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:14:45 ID:pOcgLIHP0
投下します。

417 :ハーフエルフと天使と科学者と 1:2008/09/04(木) 16:16:07 ID:pOcgLIHP0
「僕はミトス。お前達は?」
「……ミトス?」
「あたしはハロルド。ハロルド・ベルセリオスよ。まあよろしく」

最初に口を開いたのはミトスだった。簡潔に自己紹介を終えると、リヒターが微かに訝しげな顔をした。
ミトス?ともう一度口内で単語を転がすが、リヒターの呟きはハロルドにすぐに掻き消されてしまった。
「ほら、あんたは?」とリヒターはハロルドに促されてやっと己の名前を口にする。

「リヒター・アーベントだ」
「ふうん。……で、お前達は具体的にこれからどうするつもりなのさ?」

だらりとやる気のなさを隠すこともなく壁へと寄り掛かっているミトスにリヒターは小さく苛立ちを覚える。
だが、別にどうでもいいことだ。ミトス、という彼の世界では大きな意味を持つ名前を持っているからこんな風に気になるのだろう。
ミトスはまるで死んでいるように瞳に生気がなかった。

「そうねぇ、あたしは……」

うーん、と指を唇にあて考えるような素振りを見せたハロルドはじっと目の前の男二人を眺める。
(そこらの人間とは違う感じがするわね)
ぐふふふふ、とハロルドは笑みを漏らす。ミトスは不思議そうに、リヒターは眉を顰めハロルドを見つめている。

「じゃーん!スペクタクルズ!」
「……なにそれ」
「あら、知らないの?」

得意気に声を張り上げたハロルドにミトスとリヒターはお互いに顔を見合せる。

「知ってるけど……どうするのさ、それを」

ミトスは胡散臭そうにハロルドを見つめ返す。ハロルドはそんな二人へと向き直ってそれを掲げた。

「こうするの、よ!」

不思議なレンズは、まずはリヒターの姿を写し取った。
な、と困惑するリヒターをよそにレンズは情報を映し出す。といっても九十九個も支給されたアイテムだ。
そんな詳細を映すはずもなく―――

「リヒター・アーベント。ハーフエルフ……?20歳。ふむふむ」
「へえ、お前ハーフエルフなんだ」
「……」

ミトスが愉快そうに唇をつり上げるのを、リヒターは黙殺する。このような反応は慣れているからだ。
ハーフエルフとは酷い差別を受けている人種である。リヒターも例外ではなく幼い頃から虐げられて育ってきたのだ。
スペクタクルズが映し出したのは、名前、人種、年齢ぐらいである。それ以外の情報はたいしたものがない。
殺し合いの舞台では役に立つものとは思えなかった。精々、偽名や年齢詐称を見抜くくらいだろう。
こんな場所でなく、犯罪捜査にでも役立てるべきだ。
微妙な雰囲気に包まれた洞窟の空気は重い。だが、ハロルドは持前の好奇心でそれをあっという間に打ち破る。

418 :ハーフエルフと天使と科学者と 2:2008/09/04(木) 16:17:19 ID:pOcgLIHP0
「ねえ、ハーフエルフって何よ!そこんとこ詳しく教えてくれない?」
「……ハーフエルフを知らない?」

リヒターがやや驚いたようにハロルドを見た。なによ、とハロルドは多少拗ねたように見返してみせる。
ミトスまでもが生温かい視線を送ってきたことに気がついて、ハロルドは声を張り上げる。

「ちょっとあんたら揃ってなんなのよ!?仕方ないじゃない!あたしたちの世界には変な神様はいるけど、ハーフエルフなんて種族はいないんだから!」

ぜぇはぁと息を荒げながらのハロルドの叫びにミトスとリヒターは驚いた。

「『あたし達』の世界ってどういうこと……?」



ハロルド達の会話は思わぬ方向にまで発展した。ハロルドの言う異なる世界。
天才科学者であるハロルドは別次元の世界を肯定した。ミトスとリヒターの世界とハロルドの世界を比べてみたが、環境は似ていても歴史はまったく重ならない。
古代大戦、天地戦争。お互いに知らない歴史、文化。ミトス達もその存在を信じるしかなかった。
死んだ筈のミトスがこうやって生き返っているのだから、もはやなんでもありだ。
ミトス・ユグドラシル。天使。年齢不明。
(……年齢不明、ね)
ミトスにもスペクタクルズを使ったハロルドは、ハーフエルフと天使についての知識を手に入れていた。
新たな知識を手に入れて、ハロルドはほくほくだ。
殺し合いはつまらない。だけど、こうやって新しいことを知るのは楽しくて仕方ない。
未知の生物との出会いを目指してハロルドは行動することに決めた。その過程で、首輪をなんとかする方法も見つかるかもしれないということもある。
両方とも科学者としては成し遂げたい目標だ。

「うふふふ。なっかなかの収穫ね。あんたらはどうするの?あたしと一緒に行く?」
「僕は、」
「俺はこいつに話がある」
「ふーん。まあ、ごゆっくり。じゃあね」

ハロルドは不穏な空気を漂わせている二人を後にし、洞窟を進んでいく。
同郷らしいのだから積もる話もあるだろう。ハロルドは振り返ることをしなかった。

【ハロルド・ベルセリオス 生存確認】
状態:健康
支給品:天才ハロルドの杖 スペクタクルズ×97
基本行動方針:面白くないのでゲームに乗らない
第一行動方針:スペクタクルズで未知の種族のデータ採取! 首輪もどうにかしたい。
現在地:C4 オアシス付近
備考:シンフォニア世界のハーフエルフ、天使についての情報を得ました。

419 :ハーフエルフと天使と科学者と 3:2008/09/04(木) 16:18:31 ID:pOcgLIHP0
「で、話ってなに」

ハロルドが去ってしばらく経った後、ようやくミトスは口を開いた。
相変わらずの姿勢だが、今回は薄い笑みが顔に張り付いている。

「……ミトス・ユグドラシルというのは事実か?」
「だったらどうするの、お前は」

挑発するように声色を変えたミトスはリヒターに向かって笑う。
リヒターはゆっくりと斧をミトスに構えた。向けられた武器にミトスは怯む様子はない。

「僕を殺すつもり?」
「……おまえのせいで、アステルは死んだ」

何かを噛みしめるようにリヒターは呟く。アステルを殺したのはラタトスクだが、元の原因を辿ればミトスに責任がある。
ミトスがラタトスクの信頼を裏切り、人間に絶望したラタトスクはアステルを殺した。
ハーフエルフであったリヒターを屈託なく受け入れてくれた、ただ一人の親友であるアステルを!

「復讐かい」
「―――違う」

リヒターははっきりと否定する。ミトスは意外そうに目を見開いた。
ここで復讐に染まりミトスを殺しても何にもならないのは理解している。だが、必要なものがリヒターにはあった。

「クルシスの輝石を持っているな」
「うん。それが?」
「大人しくそれを渡せ。そうすれば何も危害は加えない」

ミトスの笑みが深くなった。リヒターはただミトスの返答を待つ。
ギンヌンガ・ガップの封印にはクルシスの輝石が必要だった。
すべてが終わり、人柱になるとしてもハーフエルフの寿命だけでは足りない。
無機生命体になることによって寿命を延ばすことがどうしても必要だった。
コレットや他の人間から奪うより、ミトスから奪う方が罪悪感も何もない。
ミトスはアステルが死んだ元凶で、それ以前にも大量の人間を殺している。躊躇する必要などどこにもない。

「嫌だって言ったら?」
「力尽くで奪わせてもらう」

リヒターの言葉にミトスも動いた。

「じゃあ、殺してでも――奪って見せなよ」



420 :ハーフエルフと天使と科学者と 4:2008/09/04(木) 16:19:51 ID:pOcgLIHP0
死ぬつもりもないが生きるつもりもない。
だが、くれと言われてやれるほどクルシスの輝石は安いものではない。
斧が振り落されると同時に、ミトスはホーリーランスを発動させた。

「じゃあね」

ミトスは機敏な動きで体を後退させた。リヒターとミトスの間が空いたかと思うと、途端に天井から土砂が降り注ぐ。

「―――っ待て!」

ミトスの声が洞窟に響くが、リヒターの視界は砂埃で覆われ何も映さない。
ミトスがホーリーランスの対象に設定したのはリヒターではなかった。この狭い洞窟全体を狙い光の刃を誕生させたのだ。
攻撃を受けて、崩れ落ちた壁が落ち着くころには洞窟にミトスの姿はない。

「……逃げられたか」

リヒターはそのまま斧をしまう。
(殺してでも奪いとれ、か)
ミトスの言葉リヒターは思い出す。ミトスの濁った瞳が脳裏から離れない。
聞いていたミトスの姿とは随分とかけ離れていたが、実力はかなりのものだろう。殺すのは相当難しい。
だが、計画には必要な物なのだ。必ず手に入れてみせる。望むなら殺してでも手に入れてやろう。

【リヒター・アーベント 生存確認】
状態:健康
支給品:ストライクアクス ??? ???
基本行動方針:ゲームに乗るつもりはないが、ミトスを殺して輝石が欲しい。
第一行動方針:元の世界に帰る方法を探す。
現在地:C4、洞窟出口付近

ミトスは七色の羽を広げて、宛てもなく飛んでいた。
なぜかクルシスの輝石が欲しいらしいリヒターに襲われたらやっかいなので、とりあえず離れている。
逃げてきたのは、洞窟が戦場としては狭すぎることとリヒターの強さだった。
勝てないとは思わないが、無傷で済む相手とも思えない。わざわざそんな相手と戦う気力が湧いてこなかったミトスは逃げを選択したのだった。
あいつは殺しにくるだろうか?どこか似たような雰囲気をリヒターに感じたミトスは小さく笑った。
ロイドはミトスの正反対の存在だが、リヒターはミトスとよく似ている。まるで鏡のように。
影にも殺されて、鏡のような存在にも殺されるのなら面白いかな、ミトスは思う。
(別の世界か)
ハロルドの言葉をミトスは思い出していた。ハーフエルフが居ない世界。そこには差別がないのだろうか。
ミトスは自分の居場所が欲しかっただけだった。前はその場所が姉のいる世界だったのだけど、計画は失敗した。
(僕の居場所……)
芽生えた感情の正体はわからない。ただもう少しだけ生きていようとミトスは思った。

【ミトス・ユグドラシル 生存確認】
状態:TP95% 全てにやる気が無い 飛行中
支給品:ローレライの宝珠 ジェットブーツ エリクシール
基本行動方針:取り敢えず死ぬ気は無いけど生きる気も無い
第一行動方針:適当なところで地上に降りる。
現在地:B6 上空

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:20:54 ID:nKeivmb8O
>>397
無いです
大きい画像を見てくれればわかりますが建物に見えたのは椰子の木だと思います
二つの砂浜はG4付近はビーチ、G6付近は岩場的な雰囲気で作りましたが紛らわしくてごめんなさい

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:22:13 ID:pOcgLIHP0
投下終了です。ラタトスクはプレイ動画把握なのでおかしいところがあったら教えてください。
ああああ最後の休みがあああ

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:24:44 ID:pOcgLIHP0
あ、リヒターの行動方針を不都合だったのでいじりましたがこれは大丈夫でしょうか?
状況表では決定されてましたが、本文で明言されていた訳ではなかったので変えてしまったのですが

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:28:54 ID:nKeivmb8O
乙です
リヒター「ニア 殺してでも うばいとる」
ミトス「な、なにをするきさまー!」
がすぐさま思い浮かんだw

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:31:03 ID:ulB2TGjZ0
>>424
同じこと思い浮かんだww
そして
 ねんがんの くるしすのきせき を てにいれた!
まで思い浮かんだ。ミトスもカコイイがリヒターさんもカコイイよ豚が…

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:35:52 ID:gYNGxrIuO

バラけたかwなんと早いトリオ解散…
マーダーがいないのに何故小競り合いが起きたんだ…リヒターはミトス専門マーダーってことか?w
ころしてでもうばいとる

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:46:45 ID:HTfYfz0iO
ちょwガチでいきなりミトvsリヒネタが来てるwww
クルシスの輝石狙いというのがいいな。
これで比較的平和な東もミトリヒ戦の巻き添え食らう形で本格化するかな?
しかもその方向にはD陣がww
ルークの危機加減に同情w

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:24:36 ID:BDnq24hqO
空飛ぶのって規制されてないっけ?

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:31:49 ID:JuIz73RE0
テンプレ見てみたけど特に言及されてなかったぞ?

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:35:25 ID:EPAcQm2BO
空中制限で思い出したけど、バンエルティア第三段階の飛行機能ってあり?なし?

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:35:36 ID:gYNGxrIuO
まあ飛べるキャラ少ないからな
あとはクラトスぐらいか?

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:37:47 ID:JuIz73RE0
ワルちんも飛べるだろ確か

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:41:01 ID:ulB2TGjZ0
ワルター飛べるならステラとシャーリィも頑張れば飛べそう

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:42:55 ID:gYNGxrIuO
1人で勝手に飛ぶのはいいが、何人も運んで飛べる感じならうざいな
マーダーに襲われても空にみんなで逃げればいいやんは萎える

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:45:38 ID:YkQn8KG/0
空に向けてワールドデストロイヤーで一網打尽ですね

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:49:02 ID:ulB2TGjZ0
むしろ空からワールドデストロイヤーで穴子優勝

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:51:51 ID:JuIz73RE0
>>430
そんなんあったっけ?
もしかしてアイバードのこと?
それだったら個人的には無しだと思う

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 17:53:09 ID:XovSWUe9O
投下します

439 :黒と白、そして赤 1:2008/09/04(木) 17:54:26 ID:XovSWUe9O
「ぴょろ〜ん!」

朝日が緩やかに差し込みつつある森の中に、ふざけた男の声が響く。
確かにそこで起きている光景は、ふざけた物かもしれない……それは、ただの殺戮劇なのだから。

「と〜うっ♪」

狂った男は、片手に携えた剣を体全体を捻るようにして大きく振り回す。
ユージーンはゴッドウエポンを装着した両手を交差して斬撃を防ごうとするが、剣の切っ先はぬるりと下に滑り、脇腹を薙ぐ。

「ぐうッ!」
「このっ……フォトン!」

更に追撃をかけようとする殺人鬼に対して、マルタが術を発動させる。
横合いから弾けた光は男を吹き飛ばすが、相変わらず平然としてクネクネとした動きを続けている。
恐らく、素早く横に跳んで衝撃を殺したのだろう。

「大丈夫!?今回復を……」
「いや、駄目だ……来るぞ!」

癒しの術を唱えようとするマルタを、ユージーンが制す。
不自然に揺れる男は剣を朝日に閃かせ、再びユージーンに迫る。

(駄目だ、このまま持久戦に持ち込まれたら……ユージーンが本当に危ない!)

フォトンの詠唱をしつつ、マルタは冷や汗を浮かべる。
彼女が術の媒体としているのは、支給品として入っていた―――レンズ、という透明な石だ。
微弱ながら魔力の様な力を感じるものの、コアと比べれば力は少なく術の威力も落ちている。
回復術も効果は期待できないだろう、ここはやはり……

(二人で接近戦に持ち込んで、一気に畳み掛け……!)


440 :黒と白、そして赤 2:2008/09/04(木) 17:55:58 ID:XovSWUe9O
「近付きはするな!マルタ!……こいつは生半可な相手じゃない!」

鬼包丁を携え走り出そうとしたところで叫ばれ、びくりとする。

「厳しいが、術で援護を頼……ぐっ!」
「お喋りは楽しみ……だけどそれ以上の楽しみを教えて上げるだポン♪」

鮮血が舞い、再び呻き声を上げるユージーン。
殺人鬼、ハスタ・エクステルミは指に付いた返り血を舐め楽しそうに語る。

「それはズバリ……オレの目の前にいる黒猫さんと白いお花ちゃんを、赤猫さんと赤いお花ちゃんにするコ・ト」
「……狂ってる」

ニタリと笑うハスタに、マルタが呟く。
体の震えが止まらない。
アリスと同じ、いやそれよりも上の……狂気と、殺人への快楽。

「マルタ……お前の攻撃系の術は『フォトン』だけか?」
「ううん、まだあるけど……でも、範囲が広い術なの。下手に使ったら、ユージーンも巻き込んじゃうよ!」

ユージーンが小声でマルタに話しかける。
無論ハスタへの警戒も怠らないが……ハスタのほうはただ、クネクネとしている。

「そうか……なら範囲は構わん。1つ、出来るだけ派手な術を頼む」
「でも……っ!」
「策がある……合図したら出せる様にしてくれ!」

無理矢理話を切り上げると、殺人鬼に向かって走り出す。
とたんに嬉しそうに剣を振り回す男を睨み、刃を身につけた武具で上に弾く。


441 :黒と白、そして赤 3:2008/09/04(木) 17:57:17 ID:XovSWUe9O
男がのけ反ったところで体に拳を叩き込もうとするが、反った反動を利用した蹴りが顎を狙う。
慌て後ろに引くと、足先が顎を掠める……男はそのまま後ろにバク転を決めると、こちらに刃を突き出し迫る。
後ろでマルタが呟く詠唱の声が聞こえる……横に避ける訳にはいかない!

ユージーンは左手を突き出し、同じく突き出された剣の刃をそこで受け止めた。

「……にょっ?」
『なっ……!』

少しだけ驚いた殺人鬼の声と、時々聞こえる若い男の声。
唇を噛み締め痛みを堪えると、がら空きの男の脇腹に回し蹴りを叩き込む!

「ひょっ……!」

奇妙な声を上げ、男の顔が急速に視界の右端へとブレる。
手応えはあった……少なくとも、相手を『目的の場所』に入れる事は出来た!

「やれ!マルタッ!」

殺人鬼の姿を確認している暇も惜しい、詠唱を終えたマルタへと叫ぶ。

「七色の光に込められし裁きの剣……プリズムソードッ!」

マルタの手の中のレンズが輝きを増す。
ハスタとその周り……密集した木々へと、まばゆい光の刃が降り注ぐ!
逃げ場は無い……しかし、確実に仕留める為、ユージーンは男の元へと走る!

「なっ……ユージーン!」

マルタが叫ぶが、足は止めない。
光の雨を耐えながら、刃が刺さった一本の木に組み付き……へし折る!

「うおおおおおおおおおッ!!!」

余り太くはない物の、それでも手負いの身ではそれを振り回す力など無い。


442 :黒と白、そして赤 4:2008/09/04(木) 17:58:28 ID:XovSWUe9O
故に、無駄な労力は使わず……重力と勢いのまま、振り降ろす!

「轟破槍ッ!」

姿はよく見えなくとも、光の中心へと、木を突き刺す。
痛む体を叱咤激励して飛び退き……光の雨が止んだ後には、もうもうと土煙が舞うのみ。

「やった、か……」
「ユージーン!何て無茶してるの!?」

肩を大きく上下させ、体のあちこちに切り傷と焦げ跡をつけたユージーンに、マルタが駆け寄る。

「プリズムソードの直撃で十分だったじゃない……少なくとも、逃げる時間はあったはずだよ!」
「すまない……だが、あの様な危険は出来るだけ消して置きたかったんだ」

マルタの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいる。
本気で怒っているらしい……ユージーンは素直に謝る。

「それって……話してた仲間の……アニーって人の為?」
「ああ」
「そっか……大切な人の為なら、少ししょうがないかな」

涙をゴシゴシ拭いながら、マルタは小さく笑う。

「私だって、エミルが危なかったら、無理しちゃうかも―――」

言葉が途切れた。



ゾクッ!!!



突如膨れ上がる殺気に……ユージーンはマルタをとっさに突き飛ばす。

「があァァァッ!!!」

直後に、ユージーンの口から絶叫がほとばしる。
振り向いた彼の左肩に、血で濡れた刃が突き立てられていた。

狂気を孕んだ殺人鬼の持つ、銀の刃が。

「……ぐりんっ」

笑いながら呟き、手を捻る。


443 :黒と白、そして赤 5:2008/09/04(木) 17:59:43 ID:XovSWUe9O
剣が捩られ……ユージーンの左腕が、根本から斬り落とされる。

鮮血が、舞う。

「ヒャッ……ハアアアアアアア!!!」

吹き出す血に彩られ、殺人鬼が笑う。
両手を上げ、楽しそうに、嬉しそうに。

「ひ、あ……ああ……」
「マル、タ……立てるか」

突き飛ばされたままの体勢で恐怖に顔を引き攣らせガタガタと震えるマルタ。
血を吹き出す肩を右手で抑え、ユージーンが問い掛ける。

「お前だけでも、逃げろ……早く……!」
「で、でも……でも……!」

震えながらに、マルタが首を横に振る。
その足元に……ふわりと、何かが投げられる。

血でぐっしょりと濡れた、黒いマフラー。

「エミルに……謝るんだろう……」
「あ……ああ……わた、し……」
「……行けッ!マルタ!」
「あ、うあ……うあああああああッ!!!」

マフラーを握りしめ、マルタが走り出す。
その姿を見送ると、ユージーンは前へと向き直る。

血まみれになり、日の光に照らされ……穏やかに笑う男の姿があった。

「やあやあ、ゴメンね……楽しさの余り、ついつい大喝采しちゃったポン♪」

血でまだらに染まった顔でニコリと笑い、男は高らかに宣言する。

「さあ、第二ラウンド……こっから先は、ずっとオレのターンだ!」







砂漠の中を、マルタは走る。
ユージーンから返された、エミルのマフラーを握りしめ、走る。

「ユージーン……!」

砂漠に、ぽたりと水が落ちる。


444 :黒と白、そして赤 6:2008/09/04(木) 18:01:51 ID:XovSWUe9O
晴れ渡る空の下、砂漠に僅かな雨を降らしながら……マルタは走る。







「うーん残念……元々が黒いせいで、赤猫さんにはなりませんでした……赤黒猫さんだりゅん」

体中を斬り刻まれ解体されたユージーンに、ハスタは心底残念そうな視線を向けた。

「にしても助かったポン♪キミのマジカルなパワーにお礼を申し上げます」
『くそ……くそう……ッ!』

手の中でクルクルと弄びながら、ハスタは剣に―――シャルティエに語りかける。

プリズムソードの直撃をくらう寸前……ハスタは持ち前の戦闘センスを生かし、シャルティエを媒体とした晶術を発動させた。
ストーンウォール……それがハスタを光の刃から守り、ユージーンの一撃を耐えた理由。
自分のせいで死んだ黒豹のガジュマに対し……シャルティエは、嘆き悲しむ事しか出来なかった。

「おやおや何を泣くのかなー?……そうか、もっと血が欲しいんだね?ワカルワカル」

悲痛なシャルティエの声を聞き、ハスタは笑って提案する。

「それじゃあさっきの白いお花ちゃんを追い掛けて……早く赤いお花ちゃんにするに決定!」

血塗られた刃を陽光に煌めかせ、ハスタは駆け出す。

と、数歩進んだところで振り返り……ニコリと笑って呟いた。


「さようなら、赤黒猫さん」





445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:01:59 ID:tu88BcEB0
しえん

446 :黒と白、そして赤 7:2008/09/04(木) 18:03:50 ID:XovSWUe9O
【マルタ・ルアルディ 生存確認】
状態:HP95%、TP70%、深い哀しみ、やや血まみれ
所持品:鬼包丁、レンズ×30、エミルのマフラー
基本行動方針:エミルと再会する
第一行動方針:ハスタから逃げる
現在位置:D3砂漠、西

【ハスタ・エクステルミ 生存確認】
状態:HP75%、TP70%、血まみれ、脇腹に痣、体に焦げ、殺しへの喜び
所持品:ソーディアン・シャルティエ(他は不明)
基本行動方針:脳内裁判に基づき皆殺し
第一行動方針:白いお花ちゃん(マルタ)を追う
第二行動方針:皆殺し、殺しを楽しむ
現在位置:D2森、南


【ユージーン・ガラルド 死亡】

※ユージーンのサックと所持品は、遺体の側に放置。

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:05:10 ID:XovSWUe9O
投下終了です
ラタトスクは動画把握なので詠唱の声や設定に不安があったりします
間違いがあったら言って下さい

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:07:56 ID:ulB2TGjZ0
乙です
友人ちゃん…猫扱いカワイソス…だがずっとオレのターンに笑ってしまった
マルタのプリズムソードは「剣に秘められし七色の裁きを受けよ」が正しいやつですが
気にすることはないと思う

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:14:41 ID:N0VjXGxc0
何故だろうハスタ見てると某ゆきねぇや某UGu見たいに
最期は命乞いしそうに思える。

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:18:03 ID:JuIz73RE0
ユージーン逝っちゃったか
ていうかハスタいつの間に晶術知ったんだw

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:23:14 ID:HTfYfz0iO
うん…なんか、ごめん……
脱出フラグが1本消えた……orz
ユージーンごめん凹
マルタ、そっち行ったらキールが…!

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:31:57 ID:RuexO/w10
乙だけど、誰か死亡したんなら残り人数も書かなきゃ。残り61人かな
ユージーンもだけどシャルもカワイソス(´・ω・)
てか調べてみたらハスタ土・闇属性得意なのかwww
シャルと全く同じとか、めちゃくちゃヤバイじゃねぇか…戦力的に考えて

しかしハスタさん出てくるとIをやってみたくなるw なんなのこの人はwwww

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:37:33 ID:1WMzVJFfO
>>452
窓辺のマーガレットさんはテキストも凄いが中の人の演技もすごいぞw
イッちゃってる感がヤバいから…

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:41:30 ID:SQ2HpORQO
ハスタkkkkktkr!

そういやマーガレットも白い花には違いないよね。
いや、彼の場合はもうすでにだろうけど。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:41:36 ID:sgLcBfXWO
乙です
あぁ愛しの黒豹さんが…
ゆっくりおやすみ(T_T)

しかし読み直してみたらカオスなエリアはとことんカオスだなwww
C2が印象的すぎて影薄いが、G4半端ねぇw
ステラ目ぇ覚ましたし、ワルターがメルネスさん探してるし、セネルいるし、可哀相なシゼルも近くにいるし…
みんなが集まったらどうなることやら

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:09:41 ID:SKdzYTT00
10分後くらいに投下します。

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:09:50 ID:gYNGxrIuO
投下乙
ハスタwwwユージーンはよく頑張ったよ!

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:12:33 ID:Mi9EXsajO
ユージーンちゃんがああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:16:52 ID:vR/sDoZTO
投下乙です!
リヒターはミトス狙いか!そしてユージーン(ノ△T)ウッ
ハスタさんは期待通りの大活躍っぷりだなw

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:19:38 ID:HTfYfz0iO
30分頃から投下します。
支援は…大丈夫かと思いますが、よければ念のため1回お願いします。

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:23:52 ID:ATIyzk6zO
>>411
首輪を外したら
全部閉鎖されても殺し合いは続くからじゃ?

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:29:53 ID:SKdzYTT00
投下します。

463 :デルクェス1:2008/09/04(木) 19:30:59 ID:SKdzYTT00
獲物を取り逃がしたことで、ワルターは頭を切り替えることにした。
全員殺せばメルネスは死なない。ただし、メルネスが殺される前でなければ意味がない。
―――――メルネスが、死ぬ? 
果たして、そんな事が許されるのであろうか。とても許される事ではない。だが、考えなければならない、その事態を。
それを防ぐために自分がいるのだ。メルネスは自分が、必ず、守らねばならない。
そのためにすべきことは……。
メルネスを見つけ出すことはもちろんだが、自分の戦力を把握し、
どのように戦うべきかを決める必要がある。

ワルターはやっと冷静になれた。開始から今まで、決意を固めたところに、
予想の遙か斜めを行く支給品に不意打ちを喰らい、殺気を消し忘れるほど取り乱してしまっていたが。

464 :デルクェス2:2008/09/04(木) 19:31:47 ID:SKdzYTT00


まずは―――
「デルクェス!」
殺戮の翼――彼はテルクェスを飛ばしてみた。問題ない。爪術も問題なく使えた。
滄我とは感じが違う海で、爪術が問題なく使えることは、水の民にとって気分のいいものではなかったが、
今はそんな事はどうでもいい。
次に、改めて支給品の確認。
ブレスもアーツも使いこなす彼にとって、武器は必要でなかったが、あるに越したことはない。
黒ひげダガーはとどめなどに使うには十分だ。
問題はそれよりも、「彼女」である。
さっきまで背負っていた袋からいきなり少女が現れる、等という事が想像できるだろうか。
そんな予測不可能な事態に出くわして、さっきは不覚を取ってしまった。
「彼女」の姿は、完全に人間の少女そのものであった。完全な姿だからこそ、違和感があった。


465 :デルクェス3:2008/09/04(木) 19:33:54 ID:SKdzYTT00
動かない。ピクリとも。呼吸の動作さえない。だから気付けた、「彼女」は人形であると。
あの主催者の様子なら、本当に人間の少女を支給したとしてもおかしくはなさそうだった。
どちらにしても、こんなもので何をしろというのだろうか。
いっそ捨ててしまえば荷物が軽くなるのでは、とも思ったが。


水の民は、テルクェスを発展させた形として、自らの分身となるモンスターを作り出して戦わせることができる。
アーツ系爪術を殆ど覚えない水の民は、これが接近戦の手段である。
そして、ワルターは、カカシと呼ばれるロボット兵を操りヴァーツラフ軍と戦った。

それらの力で、この少女の人形も操れるのではないか、と考えた。
物は試しである。人形の胸に手を当てて、カカシを操ったときのように、力を込める…


466 :デルクェス4:2008/09/04(木) 19:35:59 ID:SKdzYTT00



背中が、僅かに動いた。―――刹那、人形が糸で持ち上げられたかのような動作で、少女が立ち上がった。

その身体は、背中に生えたワルターの誠名で支えられていた。

ワルターは、僅かにほくそえんで、何も言わずに歩き出した。

【ワルター・デルクェス 生存確認】
状態:HP100%、TP95%、暗殺失敗による苛立ち
所持品:タバサ、本人確認済み支給品1個、黒髭ダガー
基本行動方針:シャーリィの護衛をする、可能ならセネルとその仲間を殺す
第一行動方針:しばらく獲物を探す
第二行動方針:シャーリィを探す
第三行動方針:シャーリィを他の参加者から守る
現在位置:G4砂浜


467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:36:07 ID:HTfYfz0iO
あれっ、先を越されちゃったぞ…しかもまた被った俺は涙目ww

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:40:05 ID:RuexO/w10
投下予約時間を10分近くオーバーして既に次の予約入ってるのに投下するのってアリなの?

>>467
お前は泣いていい…

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:40:45 ID:gYNGxrIuO
ええええドンマイです
でも何分後に投下しますって書き方はやめた方がいいと思うよ、二人とも。投下します→で勝負が正々堂々してていいかも

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:42:40 ID:gYNGxrIuO
>>468
どうだろう…今回は微妙なケースだ

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:43:20 ID:HTfYfz0iO
それもそうだよね。
それに某キャラの出方によってはまだ投下できるチャンスあるし。
まぁ3回も被れば自然と諦観できるようにもなるさ…

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:44:50 ID:6KIJvPKo0
>>467
供養場の常連さん? くる?

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:45:58 ID:vR/sDoZTO
投下乙です。ワルちんはメルネス様大好きだなww

○○分後っていうのはキャラ被り、被らない限らずその間は他の人がSS投下出来ないからな…どうなんだろ?
>>467避難所で待ってるぜ。

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:48:57 ID:HTfYfz0iO
>>472
もはや常連ww
俺は当事者なんでみんなの意見に従うよ。
それにキャラの出方によっては没にしなくてもすむからな…一応。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:50:35 ID:ulB2TGjZ0
文章長くて支援欲しい場合は予告していいかな?
今それでちょっと悩んでたとこだからついでに聞いておく

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:53:15 ID:gYNGxrIuO
前から微妙だなと思ってたけど、ついに問題が起きたw
速さでいうと先に投下した氏の方が勝ってるから問題はないけど、やっぱり少し揉めそうだから徹底した方がいいかもね
これからは何分後に投下しますはなしで即投下のガチバトルで

477 :黒と白、そして赤@修正報告:2008/09/04(木) 19:54:22 ID:XovSWUe9O
投下乙です
タバサが、タバサが動いたー!

「黒と白、そして赤」でマルタの詠唱と残り人数が抜けていました
避難所のほうに修正版を投下しましたので、お願いします

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:00:10 ID:HTfYfz0iO
というか今更だが俺が全面的に拗れさせていたことに気付いた。すまない、謝るよ…

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:04:36 ID:T2ZcbJpjO
問題は付き物だよなこういう企画には
だからこそ燃える

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:14:46 ID:RuexO/w10
流石に10分はその間に1個投下出来かねないし、何より落とす方にも読む方にも待つ時間が長すぎだろう
投下宣言してから即投稿でも、連投規制のせいで45秒は開くし、それだけあれば十分だろう
もちろん本投下前に他に宣言してる人がいないかの確認にリロードするのが前提になるけど

>>477
>>111なんで、まとめに反映して欲しいならここに落とすかメールするかしといたほうがいいよ

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:15:31 ID:vR/sDoZTO
>>478なに、気にすることはない。被って愚痴るぐらいならきっと誰でもやるさ。○○分投下の件に関してはお前さんじゃなくてもいつか問題になってたと思うし。
で、どうする?意思持ち支給品の24時間制限に関してとか○○分投下の件とかテンプレに一言加えといた方が良いのかな?

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:17:31 ID:9x1otqvf0
>>478
投下宣言を撤回せざるを得ない状況だったんだし、今回は仕方ないと思うよ。ドンマイ

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:19:40 ID:HTfYfz0iO
じゃあ今度こそ投下するよ

484 :俺は海賊? 1:2008/09/04(木) 20:21:44 ID:HTfYfz0iO


「本当にすまん……」
「どこをどう見たらこのボクを男と間違えるって言うんです?」

セネルは自分よりも遥かに幼い目の前の少女に平謝りしていた。
少女──チャットを少年と間違えてしまったのだ。
さっきまで泣きべそをかき取り乱していたとは思えないほど力強いストレートが腹に決まって、心の準備をしていなかったセネルは思わず腹を押さえ地に蹲った。
そんな呻くセネルに謝りもせず、チャットは頬を膨らませ顔を赤くしながらぶつぶつと文句を言っている。
しまいには「聞いてるんですかセネルさん!」と怒る始末だ。
ダメージからようやく復活したセネルは、チャットを宥めるべく彼女に向き直り、冒頭の会話へと繋がるわけである。

(どこからどう見ても少年だろ)

未だ痛む腹を擦りながらセネルが内心そう呟いていたのは言うまでもない。

「そうだ、チャット」
「何ですか?」

チャットはきょとんとセネルを見上げた。

「この辺で、長い金髪の女の子を見なかったか?」
「金髪、ですか?」
「頭に花飾りをつけていて茶色のベストを着た子だ」

セネルは淡い期待を抱いてチャットに尋ねる。
だが。

「いえ……」
「じゃあ、左側で髪を団子にして纏めた白い服を着た子は……」
「残念ですが……。お恥ずかしながら、ボクはずっとここで泣いていたので」
「そう、か……」

そう簡単に見つかるとは思っていなかったが、やはり落胆は隠せない。
──と。

「セネルさん」

チャットが声を掛けてきた。

「何だ?」


485 :俺は海賊? 2:2008/09/04(木) 20:23:56 ID:HTfYfz0iO

彼女の顔からはさっきの狼狽した様子が綺麗に消えており、むしろ悪戯っ子のような表情だった──そう、ハリエットがセネル達に料理を振る舞う時のような。


「ボクの子分になりませんか?」





【セネル・クーリッジ 生存確認】
状態:右頬にかすり傷、TP100%
所持品:本人確認済み支給品1〜3個
基本行動方針:仲間を探し、この状況を何とかする
第一行動方針:こ、子分……?
現在位置:G4砂浜

【チャット 生存確認】
状態:右頬にやや腫れ、TP100%
所持品:スタンダードマグ(残り装填5発) 銃弾50発 ???
基本行動方針:死にたくない
第一行動方針:セネルを子分にする
現在位置:G4砂浜



486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:26:04 ID:HTfYfz0iO
短いけど投下終了。
これならいい、よな…?(不安)

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:50:45 ID:bpIye7qb0
投下乙です
小さなキャプテンwww
やっぱりチャットはこうじゃないとなw
そして自分も投下します

488 :王子と虎と崖、そして咆吼 1:2008/09/04(木) 20:52:18 ID:bpIye7qb0
「…ところで。貴様はこのような話を知っているか?」
返り血すらも蒼く染めんとする光に包まれながら、かつて天上王と恐れられた男は炎の魔剣を片手に口を開く。
その口調は至って平静で、まるで茶会中に楽しむ会話をしているようにすら感じられる。

「―――今でない時、ここでない場所の物語だ。
 ある日、三人の王子が園林に出かけ、奥深く進んだところで仔を持つ虎に出会う。
 その母虎は飢えており、酷くやつれていた」
話し相手は、荒い息をつきながら鬱蒼と生い茂る木々の一本に寄りかかり、かろうじて意識を繋ぎ止めている青髪の男。
その男の姿は、通常ならばショック死してもおかしくない程酷い有様だった。
右腕は付け根からバッサリと斬り取られ、手枷で繋がっている左腕から力無くだらりと垂れ下がっている。
左脚は天上王に立ち向かった初期の段階でへし折られ、膝から下は右腕同様に焼かれながら断ち斬られた。
身体には無数の銃創。そのどれもが絶妙に急所を外しており、全身を紅く染めている。

「…それを見た第一の王子は言う。
 『可愛そうに、食べる物が無いのか。このままでは、親は我が仔を喰らってしまうだろう』と。
 王子達は何とかしてやりたいと思ったが、虎が餌とするものがものなだけに、どうするべきか考えあぐねていた」
天上王―ミクトランは、男―リーガルの様子を気にも留めず話し続ける。
リーガルは急に話し出したミクトランの真意を計りつつ、倒れたままの青年―クレスの方を視線で一瞬追う。
クレスは桃色髪の少女―アリエッタの手によって倒れた時から動く様子はなく、血を流し続けている。
そのアリエッタも、この男は非常に危険だ(こいつをイオン様に近づけちゃ絶対ダメ、です)と本能で感じ取ったのだろう。
果敢にもミクトランに立ち向かおうとした所を再び撃たれ、その激痛に耐えかねたのか意識を手放しているようだった。

「…そんな時、第三の王子は何か意を決したのか二人の兄を説得して城へ返した。
 そして虎のところに戻ると崖の上に登り、乾いた竹で首を刺して血を流し、崖の上から飛び降りて虎の前に身を投げ出した。
 …自らを飢えた虎の食料とするために」
ミクトランの話は止まらない。それどころか、話す口調は次第に熱を帯びてきている。
(あのままではクレスが危ない。しかし、下手に動く事も出来ない。か…)
リーガルは考えていた。己の状態では生き残ることは不可能だろう、と。しかし、あの青年にはまだチャンスがある、とも。
(どうか持ちこたえてくれ…ッ!)
満身創痍。しかし彼の瞳には強い意志が宿っていた。否、その意志でもって黄泉路へ逝かんとする己の意識を引きとどめていた。


489 :王子と虎と崖、そして咆吼 2:2008/09/04(木) 20:53:21 ID:bpIye7qb0
「…そして。己が身体を虎に差し出した第三の王子は、後の世に聖人と崇められる事となった。
 …くっ、くくく、くはははははははははははははははははははははははは!!!!!!
 面白い! 実に愉快ではないか!! これを愉快と云わずして何と云う?!!」
リーガルの瞳を見て、感情の昂ぶりが頂点に達したのだろう。ミクトランは、笑い出した。
「いいだろう! 今の私は非常に気分が良い!!
 問三!
 飢えのあまり我が仔を喰らわんとする"虎"と成るか! その飢えた"虎"に我が身を差し出す"王子"と成るか!
 二つより選べ!! …貴様のその瞳に免じて、"虎"には手を"出さない"でやろうではないか。"約束"する」
そう言いながらリーガルの足下にデザートイーグルを投げ捨て、魔剣をもって彼の手枷の繋ぎ目を破壊する。
天上王の言葉を信用するなら。それは、全員は"殺さない"という宣言だった。
「……」
信用性はゼロに等しい。しかしリーガルにとって、それは絶好の―そして唯一のチャンスだった。
重りとなっていた右腕が外れた分いくらか動かしやすくなった左手で銃を取り、
無言のまま半ば地を這うようにしてクレスの側へと向かう。
その様を特に何をするでもなく見ているミクトラン。
しかし、その気になればいつでもその凶刃を繰り出せる事をリーガルは理解している。
生殺与奪の権利は、たった一人の男に委ねられていた。

(…わたしはかつて、)
倒れたままの青年の所に着き<まだ息があることに安堵し>、
(大切な人を守ることが出来なかった…)
銃の照準をゆっくりとその額に合わせる<己の命を燃やし、氣を練る>。
(だからこそ、言える…)
体力の殆ど残っていない身体ががくりとバランスを崩し<青年の傷口に左腕を添え>、
(…大切な"もの"を守れ、クレス!)
銃声が鳴った<練った氣を送り込む>。

「…ほう、それが貴様の出した答えか」
ならば。
「私も其れ相応の役目を果たさねば成るまい」


490 :王子と虎と崖、そして咆吼 3:2008/09/04(木) 20:54:22 ID:bpIye7qb0

潮騒の様な葉擦れの音色に誘われて、クレス・アルベインの意識は浮上する。
(…僕は)
まだ思うように身体を動かせないものの、先ほどまでに比べると雲泥の差である。
(僕は、死んだのか?)
しかし腹部の傷の痛みが、自分はまだ生きているという事を示している。
(血が…止まっている)
自身の記憶の中では止めどなく流れていたそれは今や全く流れていなかった。
<血ト、肉ノ焼ケタ臭イ>
ゆっくりと起きあがる。頭が少しクラクラするのは、血を流し過ぎたためだろう。
<土砂降リノ雨音、濡レテ冷エタ身体>
焦点の定まってきた目は、ある"モノ"を見ることを拒んだ。
<既ニ事切レテイタ父親>
(どうして…)
頭では違うと理解しているのに、心が『あの時』の情景を重ね出す。
(どうして…ッ!)
<次第ニ冷タクナッテイッタ母親>
片腕と片足を無くした、首無しのモノ言わぬ肉体。
『大切な"もの"を、守れ』
「―――――――――――――――ッ!!!!!!」
暗い森は、虎の咆吼を優しくも哀しく包み込んだ。

若き虎は、知らない。
男が己の命を彼に分け与えた事を。
男が、虎の誇りをもって王子となる選択をした事を。
若き虎は、まだ知らない。
男の顔が、とても穏やかなものである事を。

獣の咆吼は、それに慣れ親しんできた少女を覚醒させるのに十分だった。
(ママが…泣いてる)
まだ朦朧としている意識の中で、小さき虎は考える。
(泣かないで、ママ…。アリエッタ、イオン様のことを守りたいだけなの…)
(…? …うん。わかった)
次第に浮上する意識の中、心の中で眠っていた小さな種が、少しずつ暖められていく。
目を覚ましたとき、小さき虎は何を思う?


491 :王子と虎と崖、そして咆吼 4:2008/09/04(木) 20:55:42 ID:bpIye7qb0
【クレス・アルベイン 生存確認】
状態:HP40%(リーガルによる練氣治癒功と失血による) TP100% 失血による貧血 僅かな葛藤
   無力感 過去の幻影? 右横腹に深い裂傷(止血済み) 
所持品:デュナミス パナシーアボトル×3 オベロナミンEX
基本行動方針:ゲームを止めるため同志を募る
第一行動方針:???
第二行動方針:どうして…ッ!?
現在位置:D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)

【アリエッタ 生存確認】
状態:HP55% TP95%以上 アニスへの対抗心  緩やかな覚醒 腹に銃跡(×2)
所持品:ソードブレイカー ??? ???
基本行動方針:イオンを守る。イオンを優勝させる?
第一行動方針:泣かないで、ママ…
現在位置:D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)


「…さて。なかなか面白い事をしてくれたではないか、あの地上人…」
頬を伝う血もそのままに、天上王は進む。
「"約束"は守ったぞ。私は貴様等地上人とは違うからな」
その先に待つのは…?


【ミクトラン 生存確認】
状態:HPTP100% 血塗れ 興奮が少し落ち着いた 頬にかすり傷(銃弾による)
所持品:フランベルジュ ブルーキャンドル
    イリアのサック(デザートイーグル 銃弾×20 ??? ???)
基本行動方針:ピエロ含め皆殺し
第一行動方針:あの地上人の様に骨のある奴が多ければいいが…
現在位置:D1(ガオラキアの森/TOS)、C1に移動中



【リーガル・ブライアン 死亡】

【残り60人】

※リーガルのサックはD1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)に放置されています。
※首を斬り取られているため、リーガルが身につけていた首輪D1(ガオラキアの森-大樹ユグドラシル根元/TOS)は取得可能です。


492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 20:57:37 ID:bpIye7qb0
投下終了です
本人がいるのに台詞を奪ってすまない…

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:05:27 ID:XovSWUe9O
投下乙です
>>484
チャット元気が出てきたなw
小さなキャプテンの復活に期待
>>488
会長ーーーッ!みっくん恐ろしい…
1stと違い、綺麗なクレスの活躍が見れそうだな
アリエッタは…まずイオン様のいる北に行くべき

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:10:10 ID:9x1otqvf0
乙乙
徐々に死者が増えてきてるな…今日の3人はみんな誰かを守って散ってるのが印象的だ

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:34:45 ID:RuexO/w10
投下乙です
チャットwwww リーガル様……そしてロニ逃げてー!!

ところでちょっと気になるんだけど、>>303さんも言ってるけどみっくんのフランベルジュは
エターナルソードフラグ立ってる方のフランヴェルジュ? それともS以外の?
ものすげー気になるんだけどさぁ…

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:37:34 ID:HTfYfz0iO
>>495
ロニは確かC1からC2ハイデルベルグ城の客室に移動したんじゃなかったか?

497 :492:2008/09/04(木) 21:41:58 ID:bpIye7qb0
>>495
自分もそれを判断しきれなくて…
現段階ではどちらともとれるように表現して、
みっくん登場話を書いた方に確定していただき次第修正する予定です

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:45:50 ID:HTfYfz0iO
ところで、>>466のタバサが動かされているときは背中からワルターのテルクェスが生えている状態、ととっていいのか?

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:46:15 ID:gYNGxrIuO
十中八九エターナルフラグ立ってる方だと思うんだけど、数日反応がなかったら直しちゃってもよくないか?
重要アイテムゲットにはラスボス級(ミクトランミトス)やマーダー(シンク)を倒さないといけないなんて燃えるぜ

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:50:36 ID:OfFt8Ub80
>>495
まとめだとフランヴェルジュの方に直されてるね。
多分Sのものだと思う。

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:56:57 ID:bpIye7qb0
うぉ、ほんとだ
すっかり見落としていたな…
まとめ氏に修正依頼出してきます

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:05:34 ID:QSZCki+1O
>>498
それでいいんじゃないかな
自分はガストの羽かワルターが飛ぶ時の羽を想像してたが、
要は黒い翼が生えてるんだろう

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:43:02 ID:ulB2TGjZ0
投下します。長いんで支援お願いします。

504 :Scutum 1:2008/09/04(木) 22:43:59 ID:ulB2TGjZ0
「君は確か」
机の影で震えていたミュウを抱え上げたのは、銀髪褐色の男。
しかしそれはミュウが見つけた男ではなく、青い鎧に身を包みねぎを背負った別の男。
「みゅっ!」
ミュウは思わず悲鳴を上げかける。
しかしそれはねぎ男の手ですぐに止められた。
「しっ……静かに。私はウッドロウ・ケルヴィン。君のことはスパーダくん達から聞いている」
ミュウを抱え、頭を撫でるようにして落ち着かせてやりながらウッドロウは言う。
「どうやら無事だったようで何よりだ。……しかし、あの男は……」
進入を果たしたときには間違いなくこの城に入っている者は件の7人だけだった。
なのに今ウッドロウの前では、1人の男が気絶したように爆睡している。
武器は――取り出してはいないようだったが、確認しようと彼に近づきすぎるのは危険だった。
彼がまた、サレやアリスのように殺し合いに乗ったものだったら?
ここで敵をまた1人増やすのは得策ではない。
眠る男を観察すれば、破ったシーツを包帯代わりにした脇腹から出血が見られた。
その色から察するにかなりの量。貧血で気絶しているのかもしれない。
スパーダとリカルドから伺ったこの城の内部の状況、サレとアリスの嗜好からして別の場所で傷つけられ、この城に逃げ込んできたということだろう。
彼の服に返り血のようなものは見られない。そこからウッドロウが導き出した結論は、『彼は武器を所持していない』ということだった。
「……ミュウくん、頼みがある」
「みゅ?」
小声で囁くウッドロウに、ミュウも出来る限り小さな声で鳴く。
「彼の様子を少し見張っていてくれ。1階の広間は危険だ。しかし客間なら――おそらく奴らがここまで逃げ込んでくることもないだろう。
 それに客間は寝室だからね。防音に優れている。彼が音で目を覚ますことはないだろう。彼がもし目覚めたら――
 そこの棚の後ろに小さな隠し扉がある。そこを通って逃げてくれ。分かったね?」
「みゅ……」
「大丈夫だ。リカルドさんやスパーダくんを信じたまえ。彼らが……否、私たちが、イオンくんを救ってみせる」
「みゅ!」
ミュウは小さな手をぴょこりと上げ、ウッドロウに承諾の意志を伝える。
ソーサラーリングを持たぬ己ができること。

――今、自分に何ができるか。

イオンを助けると決めたけれど、小さな自分は彼の盾にすらなれず。
できることを考えられないままのところに現れたのはウッドロウだった。
彼に言われたことくらい、できないでどうする。
小さな身体に大きな決意を秘め、ミュウは一生懸命に息を潜める。
「ミュウくん……後は、任せたぞ」
ウッドロウは気配を消し、再び武器庫への進路をとり始めた。
窓から光が差し込む。いつの間にか日差しは真昼のものになっていた。
(太陽が高いな……)
進入したのは朝日が昇ると同時だったはずなのに、時間経過の早さにウッドロウは驚く。
しかしまた遠くで轟と戦いの音が響く。
(……そんなことを気にしている場合ではない、か……)
ウッドロウは駆ける。知り尽くした己の城でも複雑な隠し通路の道程は記憶にある以上に長く感じられた。


505 :Scutum 2:2008/09/04(木) 22:45:10 ID:ulB2TGjZ0






「くるしいぞ〜v」
アリスがキャハハと甲高く笑いながら、スパーダを弄ぶ。
彼女の降らせる氷の雨にスパーダは貫かれ、一度放された距離をなかなか詰められずにいた。
(こっちも術使いか…! だったら距離さえ詰めれば楽勝のはずなのに!)
不釣合いな大剣を翳し下級術を高速詠唱するアリスに既にダメージの蓄積された身体はなかなか動いてくれなかった。
ミスティブルームととうもろこしで、雨のように降る氷の針をなんとか捌ききる。
捌ききったときにはもう次の詠唱が完了間近で瞬きした後には水の刃が飛来してスパーダを斬る。
その繰り返し。
自分が詠唱で返しても追いつけるわけがない。
「こんにゃろ……っ! ――魔神剣・双牙ぁ!!」
双剣に見立てたホウキととうもろこしで、渾身の衝撃波を放つ!
「あれれぇ? そんなことしちゃっていいのかなぁ?」
しかし後に放ったとうもろこしからの中段を狙う衝撃波は盾代わりのゴールデンドーンに弾かれる。
ニヤリと笑ったアリスがゆっくりと視線でホウキからの地を這う衝撃波を追う。
その視線の先には。
「あぁあぁぁっ!!」
両のアキレスを切断され、人形のように動けない、イオンの姿。
「イオンっ!!!」
放った後では衝撃波の辿る軌跡をコントロールできない。
いつの間にかスパーダは誘導されていたのだ。
スパーダ、アリス、イオンの順で直線状に並ぶ位置に。
「お友達に傷つけられて可哀想にv」
アリスが嗤う。イオンの身体が細かく震える。
「この……ドS女がぁ!!!」
「褒め言葉として受け取っておくわv」
アリスからまた放たれる凍てつく針。
完全にスパーダの戦う道は、接近戦になんとかして持ち込むことしかなくなっていた。
(どうする、どうする、考えろ、選べ、俺!!)
広間に利用できそうなものは何もない。身を隠しながら近づくこともできない。アリスの背後に回る隙もない。
詠唱に成功しても、遠距離から技を放っても、全てイオンに誘導されてしまうだろう。
(選ぶ余地もないじゃねぇか!)
スパーダはにぃと口の端を吊り上げ、白い歯を覗かせる。

――楯である己が、守るべきものを傷つけるなんてあってたまるか。

ミスティブルームととうもろこしを握る手にぐっと力を篭めなおす。

――そして己は、剣なのだから。

スパーダは選んだ。

「突進あるのみに決まってるだろ!!!!!!!」
スパーダは鋭く降り注ぐ氷柱の雨の中に飛び込んだ。
肌が切り裂かれるのも構わず。肉を貫かれるのも構わず。
「肉を切らせてなんとやらっ! だぜぇっっ!!」
スパーダはアリスの真正面から懐に飛び込んだ。
剣を操るスパーダには分かったからだ。アリスの本来の武器は剣などではないことが。
あの大剣はただ適当に振り回しているだけなのだと。
彼女の相手を遠ざけていく戦い方からして、接近戦の不得意な術使いなのではと。

506 :Scutum 3:2008/09/04(木) 22:46:50 ID:ulB2TGjZ0


(あれ、なんかおかしくねぇか?)

スパーダの心に疑問の焔が燈ったときは既にアリスは目の前で。

(――だったら何で、俺に『接近戦を選ぶしかない選択肢』を差し出した?)

本当に楽しそうに、少女が人形遊びをするような顔で。
アリスは大剣とは逆の手に、握り締めた苦無をスパーダに向けて差し出していたのだ。

(俺を刺すには、距離、足りないだろ。なのになんでそんな顔していやがんだ?)

「味わいなさいv 地獄の季節v」

苦無の先から放たれたのは幾筋もの電撃の鞭。
「しまっ……」
咄嗟に防御体制を取るが距離は近すぎた。
全段命中、素晴らしいじゃないか。
身体に奔る痛み、痺れ、焦げの味。
トレードマークの帽子が落ち、アリスが容赦なくそれを踏みつける。
それらを感じながら、次の瞬間にスパーダは床に這い蹲り帽子と同じ扱いを受けていた。
「お肉、アリスちゃんに斬って欲しかったのねv」
ぐりぐりとアリスはスパーダの傷口を抉るように靴を動かす。
突進で突き刺さった氷を釘に、足を鉄鎚に見立てて押し込んでいく。
「があああぁぁぁああ!!」
イオンの絶叫の代わりに響くのはスパーダの叫び。
「スパーダ、さんっ……」
ふるふると大きな瞳を揺らすイオンの姿もどこかぼやけて見える。
「イオンくーん、イオンくんの盾ってこんなにも弱いのよ。じーっと見てなさいv」
アリスは術を唱えない。苦無も振るわない。大剣も持っているだけ。
折れそうな細い足。たったそれだけに麻痺した身体は蹂躙される。
「2度もアリスちゃんのところに戻ってくるなんて、スパーダくんも相当アリスちゃんのこと好きなのかな?」
最後に大きく、背中に蹴りを入れて、アリスは動けないスパーダの元を離れる。
視線だけでそれを追ったスパーダが辿りついたのは、イオンの顎を白魚のような指先が撫で上げる様だった。
「もーっと虐めてあげる。見せ付けてあげるわよ。力無き者の末路をその目にじっくりね? 大丈夫、すぐに後、追わせてあげるから?」
イオンの首筋に突きつけられた苦無。僅かに滑らせる。たったそれだけで薄皮が破れ血が流れる。
「や、め……ろ……」
唇もろくに動かない。
「さ、イオンくん? もーっとアリスちゃんを楽しませてね?」
「や…めろ、よっ……!」
俯いたイオンの表情は見えない。
スパーダは無理矢理にでも身体を動かしたかった。
なのに全く身体は言うことを効かない。筋肉が痙攣を続けているだけだ。
イオンの口が、何か動いている気がした。
そう見えるのも、自らの筋肉の振動のせいだろうか?

――スパーダさん、ありがとうございます。

小さな声。消えそうな、弱弱しい声。

――出会ったばかりの無力な僕に、こんなにも優しくしてくれて。

(何だよソレ、まだ俺はお前を助けられてねぇんだぜ、お礼言うタイミング間違えてるだろ)

――だから僕も、貴方と同じ様に、彼女らには決して屈しません。


507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:48:30 ID:yEOCJC5A0
支援

508 :Scutum 4:2008/09/04(木) 22:48:40 ID:ulB2TGjZ0

「彼は……スパーダさんは、僕の、盾なんかじゃありません……」
イオンはその目に強い意志を宿らせて、きっ、とアリスを見る。
「スパーダさんは大切な友達で……そして、僕が、スパーダさんを守ります!!」
振り絞るような絶叫。
手足の中でたった一箇所だけ自由に動く左手。
それを思いきり床に叩きつける。
アリスの苦無が血管を裂くのにも構わずに。
イオンの周りに眩い光で描かれた譜陣が一瞬で展開する。
オリジナルの導師イオンより受け継がれた、最大の力。

「アカシック・トーメント!!!!!!!」

血飛沫の中、イオンの叫びと共に光が爆発する。

咄嗟にゴールデンドーンで防御したアリスだったが、その光の柱は容赦なくアリスを飲み込み弾き飛ばす!

「きゃああぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!!」
轟音と悲鳴。
アリスが背後の壁ごと吹き飛ぶ。
彼女はもう、スパーダから見えない城の外へと剣と共に消えていた。

「イ、オ……ン……」
穴の空いた城の外はもう完全に日は昇りきっていて眩しすぎるほどだった。

叫びたいのに、叫べない。
スパーダは唇を噛み締め涙を堪える。
己は剣で、楯であるように。
そう言い聞かせていたのに、今の己はまさに剣のように楯のように自分の意志では動くことも出来ない。
首から鮮血を噴出しながら、それでもイオンはスパーダに向けて微笑みかけ、そしてがしゃん、と人形が崩れるように頭から床に落ちていった。

――あなたは、僕の友人に、とてもよく似ていたんです。

そう言いかけた唇は笑みの形のまま、二度と動かなかった。


509 :Scutum 5:2008/09/04(木) 22:49:45 ID:ulB2TGjZ0








風の刃が、朱の絨毯の敷かれた階段を、石ごと切り裂く。
それに対するは金のフライパンに銀のおたま。
「それで何を料理してくれるつもりかなぁ、ヴェイグ? ブルーベリージャムなら歓迎するけど」
「ふざけるなっ!!」
サレの鋭い剣閃を、フライパンの底でなんとか防ぎながらヴェイグは叫ぶ。
サレとアリスを分断し、各個撃破する。
そのため階段方向にサレをおびき寄せたはいいが、追い詰められたのは逆にヴェイグたちの方だった。
「ウインドエッジ!」
詠唱の短い初級導術で、サレはヴェイグの背後のリカルドの詠唱を阻止する。
「チッ!」
両手の二丁拳銃からレイジングハントによる連続射撃をサレに行うリカルドだが、弾丸はサレの周囲を渦巻く嵐のフォルスに勢いを殺され服にほんの僅かな切れ込みを入れるだけ。
ヴェイグはサレの力を知っていた。
だからサレの弱点である地属性の術技を操れるリカルドとともにここへ来た。
だが、サレの嵐のフォルスは、導術は、剣術は。
全てがヴェイグの知るサレのそれよりも強大だった。
(何故、どうして!)
己の得物が使い慣れた大剣ではないから?
フォルスが暴走を起こすほど、目の前の男が狂っているから?
否、それだけでは説明しきれない。
その原因を、理由を、ヴェイグは知らなかった。
彼の持つ細剣が、とある世界の科学技術の粋を集め生成された素晴らしい触媒であることを。
サレの剣を受け止めながら、ヴェイグはすぐ後ろに居るリカルドの気配を感じていた。
階段の踊り場の上。2階へと続く道は既にサレが術により破壊し瓦礫の山と化している。
リーチの短いおたまとフライパンでは思ったように技が出ない。
それを嘲笑うかのようにサレの攻撃は目の前のヴェイグではなく遠くのリカルドへと集中していた。
「どうだい? キミが守ってあげなきゃならないんだろう? 守れてるかい?
 ホラ、どうにかしてご覧よ。キミの大好きな『心の力』ってやつでさぁ!」
ヴェイグは剣技で押されてはいるもののほぼ無傷。
それなのに、ヴェイグの背後にいるリカルドは詠唱どころか銃弾の装填すら阻まれ、肌には幾筋もの裂傷と出血が発生していた。
(――オレは遊ばれている。完全に……)
ヴェイグがそう気付くのに、時間はかからなかった。
サレがバックステップで階段を数段降り距離をとる。
普段の得物なら腕を振り払えばすぐに詠唱中断できる距離なのに。
「……ガスティーネイル!」
「ぐあぁぁあっ!!」
「リカルドっ!!」
虚しく宙を切り裂いたフライパン。背後で切り裂かれたリカルド。
リカルドの盾となるためにこの場にいるはずのヴェイグは、盾にしてはあまりにも無傷だった。
踊り場にうつ伏せに倒れこんだリカルドを振り返る。


510 :Scutum 6:2008/09/04(木) 22:50:43 ID:ulB2TGjZ0
「――前を見ていろ、リュングベル!!」
聞こえたのは力強い、不慣れな呼び名。

「――前世の力を見よ! グランドダッシャーっっ!!」
『!!』

ヴェイグとサレが目を見開いたのはほぼ同時。
二つの銃口が光り、両方から合わさった莫大な大地の力を持った衝撃波が階段を駆け下りる!

「っぐわぁっっ!!」
嵐のフォルスで幾分か相殺されたものの、真正面からリカルドの奥義を受けサレはようやく足に傷をつくり出血を服に滲ませた。
怯むサレが体勢を整える前に、リカルドが肩の大きな裂傷を押さえながら立ち上がる。
「――下がっていろ」
ゆらりとヴェイグの前に靡く黒いコートと長い黒髪。
「こいつは危険すぎる、……この手の快楽殺人者は長く放って置くとしつこいからな。一気に蹴りをつける」
すうと細まった蒼の瞳は、暗殺者の陰と決意を宿らせていた。
「あんたはダメージが大きい! オレは未だ無傷だ、オレが」
「そのままごとセットでか?」
リカルドが銃でこつりとヴェイグのフライパンをつつく。
何も言い返せなかった。

「まあ、せめて回復術だけでもかける時間位は欲しかったがな」
ヴェイグを庇うよう正面を見据えるリカルド。
「へぇ……大怪我の割りに根性あるんだね、お前。でもそろそろお前にも飽きたし……死ね」
サレが細剣を構え突進してくる。
ヴェイグの前に盾のように立ったリカルドは……次の瞬間、その姿を変えていた。

それは長身のヴェイグの背丈の倍はあるだろうか。
白いフードを被り、柄の両側に蒼い刃のついた鎌を持った、鋭い眼光を放つヒトの姿。

――死神というものが現実に存在するのならば、このような姿をしているのだろうか。

「良き来世を――」

その巨人の口が零したのは、紛れもなくリカルドの声。

眠りを司る死神――ヒュプノスの処刑鎌が、振り下ろされる。

「――――エンドレス・トラジディ!!!!」

鎌が回転し、嵐を切り刻む。
キンキンと何度も、絶え間なく響く金属と金属のぶつかり合う音。
死神が鎌を振り払い、衝撃波が前方に立ち上る。

背後にいたヴェイグの肌さえ切り裂かれてしまうような力。
勝敗は既に決していた。

「リカルド……」
巨人の姿が薄く霞み、リカルドの黒コートの形が戻りはじめる。

511 :Scutum 7:2008/09/04(木) 22:52:15 ID:ulB2TGjZ0


舞い踊った粉塵がようやく落ち着きを取り戻した先にヴェイグが見たものは。

「――良き来世、ね。楽しんでいるところだよ、僕は今まさに。キミなら分かるだろ? ヴェイグ?」

巨人から――元の姿に戻ったリカルドの背から飛び出ていたのは美しい銀色の刀身。
それはまるで己の最期を思い出させ、サレは嗤った。
ぐりぐりと貫いた心臓をかき回すように刀身が捻られる。
リカルドの口から血が溢れ、色白い肌に朱が飛び散る。
だらりと長い腕が垂れ下がる。
細剣が引き抜かれるのと同時に、リカルドの身体と入れ替わるようにしてサレの姿が現れる。
「それ、は」
サレが左手に持っていたのはあの旅の中で己が手にし振るった大剣。
分厚く幅広い刀身はサレの細い身体がすっぽり隠れてしまうほどで。
ほんの僅か、刀身に傷が入っているが損傷はたったそれだけ。
ペイルドラグは――かつてのヴェイグの愛剣は、サレを守る盾となり、リカルドの秘奥義を防ぎきったのだ。

「さて……やっとふたりきりになれたじゃないか、ヴェイグ。どうだい? キミの使った剣のせいで、大切なお仲間の努力が無駄になった気分は?」

イクティノスの刀身と自身を血に塗れさせ、サレは嗤う。
その輝きと、フライパンとおたまの輝きが、窓から差し込む強い光に交差する。
その狂気を宿したサレの紫の瞳はヴェイグの薄青の瞳にしっかりと映りこんでいた。






「スパーダくん!」
ウッドロウがスパーダの元に戻ってきたとき、神聖な王城の広間は血で汚れていた。
まるで彼の父が謀反によって殺されたときのような――否、それより悲惨な状況だったかもしれない。
「ウッド、ロウ……おせーんだよっ……!! 早く、は、やく、イ、オンをっ、イオンを助けて、やって、くれよ!! イオンのザックの中にっ、グミ、あるはず、だからっ!!」
床にうつ伏せで倒れたスパーダは途切れ途切れに言う。
出血も酷いが、それよりも身体が麻痺しているようでびくびくと痙攣を続けている。
アリスという少女らしき人物は見当たらない。
壁は壊されて大きな穴が開いていた。そこからおそらく、城の外へと逃れたのだろう。
その壁の手前に落ちているのは、赤く染まった1人の少年。
「スパーダくん……だが、これはもう」
遠くに投げ捨てられた彼のものと思しきザックをそれでも確かめる。
グミどころか、支給品は何一つ中に入っていなかった。
「それと残念だが……武器庫は、空だった」
残酷な言葉がスパーダの傷を更に深く抉る。
ウッドロウはそれでも、城の暖炉の柵を無理矢理外して剣に見たてらるようにと持ってきていた。
冷静に考えれば、サイグローグが謀反を起こす可能性のある参加者に、わざわざ新たな戦力を渡すわけがないのだ。
それでも万が一の可能性に賭けた――ウッドロウの選択はそれだった。


512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:55:32 ID:ew6pbjV10
支援

513 :Scutum 8:2008/09/04(木) 22:55:49 ID:ulB2TGjZ0
結果的には間違いだった。
もしウッドロウ自身もスパーダをサポートし、アリスと戦っていたら?
戦況は変わったかもしれないし、変わらなかったかもしれない。
「ヴェイグくんと、リカルドさんは」
「分かんねぇ……分かんねえよっ!」
分断する作戦を提案したのもウッドロウだ。しかし階段の上に彼らは行ってしまったのだろうか、広間からは様子が見えない。
激しい音も聞こえないが、誰も戻ってくる気配もない。
客室で眠っていた青年が目覚めて動き出した気配も感じられず、連絡をくれるはずのミュウもまた沈黙を通したまま。
――城にはもうこれ以上誰もいないだろう。
(――動けぬスパーダくんをこの場に置いていってでも)
「……私はあちらの様子を見てくる」
ウッドロウは駆けた。今度は手遅れにならぬように。
「畜生、畜生、なんで、動かねえんだよ! 俺の身体! 動けっ、動けよっ!! 動けって言ってるだろ――――!!!」
石畳の味を舐め、泣き叫ぶスパーダの声を背に受けながら。

背負ったねぎを手にし、矢を矢筒から取り出そうとしたとき、腰に提げた時計が日差しを受けて煌めきウッドロウの視線を誘う。
長針と短針の位置は、12を示す文字盤の上で重なろうとしていた。






【スパーダ・ベルフォルマ 生存確認】
状態:HP10%、 TP85%、身体中に裂傷、擦り傷、凍傷、麻痺
所持品:苦無×29、ミスティブルーム  とうもろこし
基本行動方針:打倒サイグローグ
第一行動方針:麻痺からなんとしてでも回復
第二行動方針:ルカ達を探す
第三行動方針:ルーク・フォン・ファブレを探す
現在位置:C2・ハイデルベルグ城広間

【サレ 生存確認】
状態:HP60% TP65% 胸部に痛み(傷はない) イクティノスにより風の導術が強化 左足に裂傷
所持品:ソーディアン・イクティノス(ぶっちゃけどんな状況かまださっぱり分からん…持ち主がやばいのは分かったけど…ウッドロウマダーorz)
     ペイルドラグ ガーネット ミックスグミ×2 イオンに支給された水、食料
基本行動方針:ゲームに乗り、ヒトの心を否定する
第一行動方針:ヴェイグで遊ぶ
第二行動方針:スパーダ、イオンを殺す
第三行動方針:ヴェイグらへの復讐
第四行動方針:アリスは殺さない。
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段踊り場


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:01:52 ID:ulB2TGjZ0
さるさんです。避難所にあるんで代理どなたかお願いします

515 :Scutum 9:2008/09/04(木) 23:08:04 ID:RuexO/w10
【アリス 生存確認】
状態:HP50% TP70% 頬に傷 靴に焦げ
所持品:暗黒邪神剣ゴールデンドーン 苦無×1 ミックスグミ×1
基本行動方針:ゲームに乗り、自分の強さを証明。デクスともに元の世界に帰る
第一行動方針:???
第二行動方針:スパーダを殺す
第三行動方針:デクスを探す
第四行動方針:サレは殺さない
現在位置:C2・ハイデルベルグ城外

【ヴェイグ・リュングベル 生存確認】
状態:HPほぼ100% TP100%  リカルドの死と自分の無力さにショック
所持品:金のフライパン 銀のおたま 金のフォーク
基本行動方針:とにかくクレアを探し彼女を守る。ゲームについてはその後考える
第一行動方針:サレを倒す
第二行動方針:ウッドロウ(ユージーンに似てる気がする)と行動し、クレアを探す
第三行動方針:仲間との合流
現在位置:C2・ハイデルベルグ城階段踊り場

【ウッドロウ・ケルヴィン 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:ねぎ さつまいも  木製の矢(10本) 尖った柵
基本行動方針:同士を募り脱出への道を探す。障害となるものは討つ
第一行動方針:ヴェイグ、サレ、リカルドの元へ走る
第二行動方針:ヴェイグ(リオンくんと考え方が似ているようだ)と行動。慎重に。
第三行動方針:仲間との合流
現在位置:C2・ハイデルベルグ城広間

【ロニ・デュナミス 生存確認】
状態:HP60%、TP100%、脇腹に刺し傷(応急処置済み) 貧血により気絶に近い熟睡中
所持品:GD脱出用ロープ、???、???
基本行動方針:スタン、カイル、他仲間と合流
第一行動方針:熟睡
第二行動方針:仲間を探す。
現在位置:C2ハイデルベルグ城、客間

【ミュウ】
基本行動方針:みんなと一緒に帰る
第一行動方針:今自分に出来る事をする
第二行動方針:目の前の男の見張りにつとめる
現在位置:C2ハイデルベルグ城、客間

※放置アイテム
・イオンの死体傍:イオンのザック(水、食料、支給品なし)
・階段:リカルドのザック、オートマカスタム(2丁とも残弾ナシ、一方にヒビ)、予備弾10発、ウッドロウのメモ ハイデルベルグ城見取り図


【イオン 死亡】
【リカルド・ソルダート 死亡】

【残り58人】

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:09:00 ID:ulB2TGjZ0
9で終わりです。代理ありがとうございました
時止めちゃってすみません

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:12:01 ID:KBxehO5CO
投下乙です。
イオン…
リカルド…


518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:12:11 ID:ew6pbjV10
乙!!
イオォォォンン!!
リカルドカッコいいよリカルド・・・・・。
しかももうすぐ放送じゃねーか。
ヴェイグ・・・・・・。

ってか、イクティノス自重ww

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:15:06 ID:yEOCJC5A0
投下乙です
イオンとリカルドが(´;ω;`)ウッ…

自分も投下します

520 :Star Dust1:2008/09/04(木) 23:15:57 ID:yEOCJC5A0

見ていて不快になる程の輝かしい黄金の光。

完全に自分の計算不足だった。
その美しい顔を苦痛で歪ませながらも、真っ直ぐに此方を射抜く視線にそうとしか思えなかった。
呼吸は乱れ、胸を抑える手はガクガクと震えている。
しかし、致死量の薬と毒を体内に含んだはずのそれは、今にも崩れそうな足で間違いなくその地に立っていた。
ジルバは思わず舌打ちをした。
どうやら目の前のヒューマの娘は、最愛の妹を身を挺してまで守るつもりらしい。
あぁ、なんて美しい姉妹愛だろう。



反吐が出る。



「おやぁー、こんなに早く目が覚めるなんて思わなかったよ。ヒューマにしては頑丈だね。でも、そんなフラフラな身体でどうするつもりだい?」

ステラは答えない。
否、答えることが出来ないという方が正解だろう。
実際ステラは今の状態で立っている事態が奇跡に等しい。
それどころか無理をして立ち上がっている所為か、毒の周りが早くなっている。

「折角じわじわとゆっくり殺してやろうと思ったのに、そんなに死に急ぐこともないだろうに」

ジルバの唇が綺麗な弧を描いた。
どうせこの女は何も出来ない。
自分がここで止めを刺さなくとも、このまま捨て置けば身体中に毒が回り勝手に野垂れ死ぬ。
しかし、死なれる前に他の参加者に自分の事をベラベラと喋られては堪らない。
なるべく自分が不利になる要素は取り除かなければ。

(さてどうしてやろうかね)

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:16:02 ID:5jaoliHK0
投下乙。
イオンもリカちゃんも秘奥義使って散ってしまったか…。
これで放送後に危険なキャラが更に増えたな。アリエッタが一番危ない。ルカも少しやばいかもしれないな。

522 :Star Dust2:2008/09/04(木) 23:16:43 ID:yEOCJC5A0

いつの間にかステラの足は地面に崩れ落ちていた。
しかし、その瞳は揺るがない。
曇りの無い、どこか哀れみにも似たその視線。
それが無性にジルバの癇に障った。
確かこんな目をした、偽善の塊の女が脳裏に浮かぶ。

「気に入らないね。お前のその目」

ジルバはサックに手を突っ込むと、ステラから奪った草刈鎌を取り出す。
不気味に輝くそれをジルバはステラの喉元に押し当てた。
それでも彼女は何も言わない。抵抗もしない。
今度は出来ないのではなく、しない。
彼女は静かに目蓋を閉じた。
どろりと熱いものが首を這う。
閉じた目蓋の向こうに愛しいあの人が見えた気がした。



ジルバはステラが事切れた事を確認すると、シャーリィが落下した海を見る。
荒々しく暴れる海面には、もう既に彼女の姿は見えない。
彼女は放置しても大丈夫だろう。もし後で彼女と再会したとしてもステラは他のマーダーに殺された事にすればいい。
人の良い娘だ。疑念を抱くこともないだろう。
地面に虚しく投げ出された探知機を拾い上げると、ジルバは反応のある方向に歩き出した。
最も馬鹿で愚かしい、新たな獲物を見つける為に。



――――――


ごめんね。
私はまた貴方を悲しませてしまう。
貴方は意外に泣き虫だから、もしかしたら私の為に泣いてくれるかしら。
怒りっぽい貴方の事だから、もしかしたら私の為に怒ってくれるかしら。
そんな優しい貴方だから、私のお願い聞いてくれる?
これは私の我侭かもしれないけど。
私はまた約束を破るけど。
シャーリィだけはどうか守ってあげて。

ねぇ、セネル。約束よ。




【ジルバ・マディガン 生存確認】
状態:HP100% TP100%
所持品:睡眠薬 遅効性の毒薬(回りきるまで3時間?4時間程度) 草刈鎌  ???
基本行動方針:ステルスマーダーとして行動。ゲームに優勝する
第一行動方針:他の参加者と合流し、利用する。
現在位置:G4・海岸付近

【ステラ・テルメス 死亡】
【残り58人】


ステラのサックの中身はジルバが回収しました。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:44:15 ID:ulB2TGjZ0
投下終了なら終了宣言してくれ、終了じゃなかったらすまん

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 23:46:33 ID:yEOCJC5A0
すいません終了です

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 00:38:41 ID:XO9oM3UU0
投下します

526 :女王と騎士と・・・・・1:2008/09/05(金) 00:39:59 ID:XO9oM3UU0
「行こう、アガーテ」
心を残すように何度も何度も渓谷を振り返る彼女に、努めて優しくレイスは声をかけた。
朝の光の柔らかさと引き替えに、景色が次第に鮮やかさを増してゆく。その事に焦りを覚え意味も無くザックを持ち直す。
「ええ」
ええ分かっています。と、己に言い聞かせているのだろう。
呟きながら僅かの間うな垂れ、アガーテはレイスに向き直った。
「行きましょうレイス」

「わたくし達は、死ぬ訳には行かないのですよね」
彼女の猫の光彩がきゅっと細くなる。急に光が差したからだろうと、彼はそう思う事にした。


++++++++++++


夜明けと共に、異相の女性が現れ、すぐに倒れた事はレイスを少なからず驚かせた。
すぐに駆け寄り、しかし数歩の距離を残した所で注意深く様子を確認する。
(武器を持っている様子は無い)
外傷こそないが、スカートの部分を短く裂かれたドレスは砂と土まみれになり、元が豪奢なだけに一層悲惨な有様だった。
綺麗に巻かれていた銀髪も所々乱れている。
(殺し合いに乗った者に追われて、命からがら逃げてきた。と言った所か)
戦う術を持たない女性を、このような目に逢わせる者がこの島には既に存在しているのだ。
その事に怒りを覚えつつ、レイスは女性の傍らに膝をついた。
「君。君、しっかりするんだ」
恐らく疲労とで倒れたのだろう女性をすぐに起す事は忍びなかった。
だが、殺し合いに乗った者が彼女を追いかけて来ないとは限らないのだ。
何度か声をかけ、目を覚ましたアガーテと名乗る女性に水を差し出しながら、レイスは目まぐるしく思考を動かし始めた。




「・・・一度だけ振り向いたら、大きく砂埃が上がるのが見えました。それ以降は分かりません」
己の身に降りかかった事を全て語り終え、アガーテはドレスの裾を更に破ろうとするかのように握りしめた。
「なるほど・・・・」
深く頷き、そのまま考え込むレイスは、やはりアガーテの最愛の人に何処か似ていた。
ミルハウストとは話し方が違う。姿も違う。
だが、インフェリアと言う国の(恐らくプレセアの語ったテセアラと同じく、別の世界なのだろう)元老騎士と言う肩書きの為なのか。
自分に接する様が、なぜか数年前までのミルハウスとを思い起こさせるのだ。
(あの頃貴方は、まだわたくしの事を妹としか見てくれなかった)
大きな薔薇の造花の下で、衝動が強く湧きあがる。カレギアに戻り、彼の腕の中に飛び込みたいと。
何も知らなかった王女の頃のように。
(けれど、この現実から逃げる訳にはいかない)
『貴方の思いを、他の参加者に伝えるんでしょう?』 その言葉一つ渡され、手渡した少女を置き去りにして、自分は逃げたのだから。
これ以上の逃走は許されない。否、許せなかった。

527 :女王と騎士と・・・・・2:2008/09/05(金) 00:43:12 ID:XO9oM3UU0

「すぐに此処を離れよう」
アガーテ。カレギアと言う国の女王だと自嘲気味に語った彼女の話を聞き終え、レイスが出した結論はそれだった。
弾かれたように彼女が自分を見つめる。怒りのためか顔が蒼ざめている。
「君の言葉を聞いて、その声の主が追いかけてくる可能性が高い。対抗する為に武器を探すか、或は身を隠す」
「プレセアはどうなるのです!?」
柔らかなアルトを上ずらせて詰め寄るアガーテに、レイスは黙って首を横に振る事で答える。
瞳に涙を浮かべて息を呑む彼女は、その王と言う立場ゆえだろうか、何故か遠い故国の異母妹を思い起こさせた。
(アレンデ・・・・)
無邪気で、夢見がちな。しかし人の言葉に耳を傾ける心を持った王女は今如何しているのだろうか。
彼女が、アガーテのような激しい感情を見せた事は無い。戦いを止めたいと、そんな理想や信念を語った事も無い。
けれど異母妹は、己がセレスティアに渡った後、密かに続けていたやり取りの中で、何かに目覚めるような様子を時折見せていた。
(もう少し成長したら、君は、彼女のようになっていただろうか)
己の責任を知り、どんな状況でも人を思い遣る女王に・・・。
アレンデを守るようにアガーテを守り、導こう。それが、友の遺志を継ぐ事にもつながる筈だ。



躊躇いを見せた後。小さく肯定を口にしたアガーテの前に、レイスは地図を広げた。
「道は二つ。西の街に行くか。北東に逃れるか」
南は論外だ。平原と海しかない。追いつかれたらそこで終わりだ。
西の街。他の参加者に会える可能性が高いのは此処だ。
殺し合いに乗った者も居る可能性があるが、武器を調達できる可能性もある。
だがその長い道のりには平原が広がっている。たどり着くまでに身を隠せるような場所は恐らく無い。
(鉢合わせる危険もあるが、北東。山へ逃げるか。橋を渡るか)
川沿いに北上すれば、水の確保に来た参加者に会えるかも知れない。運が良ければの話だが。
(直接的な危険も大きいが、上手く行けば西に行くより早く、大きな安全が手に入る)
アガーテの疲労と、追いつかれる可能性を考えると、西に行くのも同程度の危険が伴う。
それを考えればやはり北東。しかし、身を隠した所で、自分達はこの島に吹き荒れる理不尽に対抗する術をまだ何一つ持っていないのだ。
武器が欲しい。不完全な極光術一つでは彼女を守れない。
(いや、武器は追って来る者をやり過ごしてから捜せばいい)
「わたくしは、西へ行くべきだと思います」
思考の渦を、凛とした声が断ち切った。
目の縁を赤くして、それでもアガーテは真っ直ぐにレイスを見つめる。
「このまま身を隠した所で、何も変わりません。ならばヒトが多く集る所で、戦いを止めるように訴えるべきです」


レイスは迷い、そして決断した。


++++++++++++


朝の気配が完全に消えるのと同じくして、二つの影が渓谷から消えた。
そして・・・・・・



「コネコちゃん、みぃつけた」
一つの影が、それを追う、

528 :女王と騎士と・・・・・3:2008/09/05(金) 00:45:08 ID:XO9oM3UU0
【アガーテ・リンドブロム 生存確認】
状態:HP85% TP100% 疲労 深い悲しみ 犠牲を出す事への嫌悪(ドレスは裂いてミニスカートっぽくしてます)
所持品:ホーリーリング、メンタルリング、クローナシンボル、ペルシャブーツ
基本行動方針:殺し合いを否定し打開する道を探す
第一行動方針: わたくしの思いを、他の皆に伝えなければ・・・・
第二行動方針:プレセア、死んでしまったの?
現在位置:E5→?

【レイシス・フォーマルハウト 生存確認】
状態:HPTP100% 帽子に花飾り無し
所持品:セイファートキー フェアリィリング トレインケイジ
基本行動方針:アガーテを守り、サイグローグを倒す
第一行動方針:アガーテを守る
第二行動方針:同士を探す。或は武器を確保する
現在位置:E5→?

【デクス 生存確認】
状態:HP65% TP60% 砂漠を歩いた事による疲労。 血塗れ。
所持品:拡声器、グレートアクス シーブズマント ネコ耳 サポートハンド プレセアのザック
基本行動方針:アリスを守る。
第一行動方針:アリスを探す。
第二行動方針:アリス以外の参加者は殺す。
第三行動方針:ネコミミ少女+1を追いかけ、殺す。
現在位置:E5(タタル渓谷/TOA)南西

※アガーテとレイスが現在共有している情報は、お互いの基本的なスタンス、出自、ロワ内での行動のみです。
お互いの特殊能力、仲間、元居た世界の情報は交換する時間がありませんでした。


529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 00:47:15 ID:XO9oM3UU0
終了です。
突っ込みを受ける覚悟はあります。(HPは無いけど)

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 00:52:24 ID:4FREgyh10
乙です! 彼らがどっちへ行くのかは、決め方含め気になりますね。

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 01:02:47 ID:KDe3knUQO
皆投下乙です!
会長…リカちゃん…イオン…そしてステラァァァァァァァァァァァァァァァァァ!
一般人キャラがどんどん死んでいくね。生き残ってるのは後アガーテと鼻垂れだけ?個人的にクレアとステラに期待していたんだけどなorz

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 01:06:00 ID:lrqDEAFX0
洟垂れはあれでも立派な軍人だぞwww

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 01:13:11 ID:/t14posKO
イオン様とリカルド…依頼人と雇われ人が同時に脱落とは…
両者の最後の秘奥義、かっこよかったです
アリエッタとルカは放送後涙目…いや、スパーダが1番涙目?
そして妹を守ったお姉ちゃん…!
ジルバ様は外道(いい意味で)

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 01:20:21 ID:KDe3knUQO
そういや彼も『一応』六神将だったねwwwヘタレ過ぎて忘れてたwwwでもぶっちゃけディストの戦闘力どれくらいあるんだろ?最低でもオラクルナイトくらい?
>>522残り57人じゃね?イオンとリカルド死亡話から残り人数変わってなくね?

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 01:33:44 ID:/t14posKO
今の鼻垂れはディムロス持ちだから戦力にはなりそう
モースに第七音素使ってたから譜術の素質はありそうだし
…ただディムロスを持って駆けずり回る体力があるかどうか

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 01:57:30 ID:eXv3xpcPO
なんというかもう


クレアァァァァァァ!
ステラァァァァァァ!



537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 02:11:32 ID:/t14posKO
減ったにしろカオスなC2、みっくんのいるD1、穴子フラグのG2と危険なところはいっぱいあるが、安全なのはどこだろう?
ロイド達は危機感ゼロだが、下手したらシゼルが海渡ってくるし
ディムロス組は近くに不安要素シンクがいるし

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 02:19:57 ID:OeaFnStX0
A4のチェルシー・クラトス組とかは今のところ安全じゃない?
周りに人少ないし、危なそうなのはエルレインしかいない
そのエルレインも危ないのはD2キャラ限定で近くにD2キャラはいない

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 04:21:08 ID:SMLxdmxzO
結局>>333>>343の話はどうなったんだろうか?
個人的に気になって気になって仕方ない

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 08:21:26 ID:JP/qbijL0
纏めて感想です。
プレセアに続いてリーガルも逝ったか・・・・
Sで結構気に入ってるコンビだったからもっと暴れて欲しかったな。
クレス頑張れよ。1stの取り返し的な意味で。

ハスタ、シルバ、サレなどといったマーダーも凶悪すぎて良いです。
それぞれどんなムゴイ最期になるか楽しみですし。

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:29:12 ID:SMLxdmxzO
関係ないが、昨日までの爆裂投下が嘘みたいに止まってるな…また被りそうな予感ww

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:31:03 ID:dZU5Vbgv0
はっ、ひょっとして同じ穴のむじな?
かぶったらこわいなー。

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:33:06 ID:N8LObS050
嵐の前の静けさってヤツか
楽しみだぜ…

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:34:30 ID:SMLxdmxzO
>>542
正直俺の被りギアスはぶるぁぁあ並ww被る可能性は大だ…orz

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:38:04 ID:khHCnEK1O
被ったら問答無用で供養所の裏な。

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:39:52 ID:SMLxdmxzO
株ったらむしろ灼熱のバーンストライクをお見舞いしてやるぜぃぃぃ…!

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:41:14 ID:RgBhNOlXO
狙ってるのは同じ所かもしれんw
状況表が投下しおわってから24時間だっけ?ここ決めとかないと揉めるぞ

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:42:59 ID:khHCnEK1O
つーかそのつもりでいる。投下完了からでいいんだよね?

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:45:32 ID:/t14posKO
一連の流れを見ると、どうもアイツのいる場所しか浮かばんw

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 17:46:29 ID:SMLxdmxzO
そうだな。
俺たちにもC2城みたいな混戦フラグが立っちまったww
みんながどこ狙いか気になってぶるぁぁあの幻聴が聞こえてきた罠

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:03:47 ID:dZU5Vbgv0
ついに解禁キター! 投下しまっす。

552 :声が彼らの手を結ばせたんだ。 ―But, it is a wrong keyhole― 1:2008/09/05(金) 18:05:15 ID:dZU5Vbgv0
塔は、高かったのでした。というか、高すぎたのでした。
例になぞらえるとしますなら、キールが振り切れるまでエアリアル・ボードを操っても足りないのが明明白白なくらいに。

ですから、キールには足を使うよりほかの道はないのでした。
終わりの見えない下り道に毒を吐きながら、どれほど降りたことでしょうか。
何度も足を踏み外し、数えた歩数が霧散します。
そうして、そのたびに、

「この塔を誰が建てたんだか知らないけど、これだけは間違いないぞ……!」

だの、

「フン、きっとそいつらは体力だけが取り柄の脳足らずに決まっているさ」

だのとあまり代わり映えしない言葉を吐き捨てるのでした。

そしてついに、キールは地上へ到達しました。
長い道のりを終えた安心感からでしょう。疲労がたちまち彼を襲います。
急がなければと唱える頭脳は、その荒馬の群のごとき奔流に一時だけは抵抗しますが、すぐに白旗が振られることとなりました。
勝者に委ねられたキールは内壁に手を添え、ずるずるとへたりこむのでした。

この時の彼はまだ知りません。扉の向こうでとっても楽しそうな声があがったことを。

553 :声が彼らの手を結ばせたんだ。 ―But, it is a wrong keyhole― 2:2008/09/05(金) 18:06:11 ID:dZU5Vbgv0
「実はオレ、今すごく感動しています」

回りながら男は言いました。天を仰いで、こころなし目が潤んでいるようにも見えます。

「だから、お花ちゃんを赤くしきるのは後回しにしちゃうぞーと決めました」

きれいな三回ターンを描いて、さらに言います。

「というわけなんで、お花ちゃん」

落ちていた鬼包丁をむんずとつかんで、これまた器用に一回転。

そして……、

「オレがオレ殺害現場を堪能して戻るまでよい子で待ってるんだぷー」

ざしゅりがつん。

何かがしぶく音と、何かに突き立てられる音がしました。
直後に扉が外から開けられます。男と一緒に、長い悲鳴の最後の尾羽根も入ってきます。
ここでようやく、キールはおもての異変に気づくのでした。

554 :声が彼らの手を結ばせたんだ。 ―But, it is a wrong keyhole― 3:2008/09/05(金) 18:07:25 ID:dZU5Vbgv0
数十分後、心の中の楽しき思い出のアルバムにページを加えた男は、言いつけを守らない悪い子のお花ちゃんを追いかけます。
けれども、血のあとをスキップらんらんで辿った彼が見つけたのは、あんまり素敵ではない拷問人形でした。
血のにおいがするそれを、彼は迷いなくそれを開けます。そうして、がっかりしました。
そこにあったには、お花ちゃんのかわいい腕……ではなく、腕が纏っていたふくらむ形の袖ひとつとたくさんの白い髪の毛でした。

けれど、彼はくじけません。
お花ちゃんのほかにも、楽しいことはあと五十といくつもあるのです。
気を取り直すと、彼は、「ぴょろ〜ん♪」、靴を飛ばしました。
きれいな放物線を描いて、砂漠に靴が落ちました。
とんがったつま先が、一瞬だけ天を指し、やがてゆっくりと彼の行く方向を教えてくれます。
彼はそれに従って、走り始めました。
今日の天気は、ところにより晴れのち血の雨が降りそうです。



【ハスタ・エクステルミ 生存確認】
状態:HP75%、TP70%、血まみれ、脇腹に痣、体に焦げ、殺しへの喜び、
貴重な体験にうきうき、悪い子だったお花ちゃん(マルタ)にがっかり
所持品:ソーディアン・シャルティエ(他は不明)
基本行動方針:脳内裁判に基づき皆殺し
第一行動方針:次のお楽しみさん待ってるんだりゅん。
第二行動方針:皆殺し、殺しを楽しむ
現在位置:D3砂漠→???
※アイアンメイデンは、D3に一つ目のふたを開けられた状態で転がしてあります。
 マルタの服の袖、アリスの髪の毛も同じくです。

555 :声が彼らの手を結ばせたんだ。 ―But, it is a wrong keyhole― 4:2008/09/05(金) 18:09:07 ID:dZU5Vbgv0
キール・ツァイベルは、少女を乗せたエアリアルボードを駆って
遙か向こうに見える山脈を目指していました。
本当はあのとき、血まみれの少女を一瞬放っていこうと思ったことは確かです。
もしも、あのとき少女が、
「……――ぃル? 助けてくれたのね、ありがとう…………」
などと舌っ足らずな声で宣わなければ、今頃きっと少女の命は無かったでしょう。
幸運にも名簿には名を連ねていない、キールにとっての『大切な彼女』を連想させた幼げな呼ばう声。
このゲームの開始以後、初めて自らに向けられたその声が、彼の最初の道行きを定めたのでした。



【キール・ツァイベル 生存確認】
状態:HP、TP100%、塔を降りたことによる疲労。
   塔を登っていった男へのえも言われぬ恐怖。マルタにメルディを重ねている。
所持品:グランドセプター、クレーメルケイジ、血塗れた鬼包丁、ザック二つ
基本行動方針:殺される気はない。サイグローグの言葉を信じかけている。
第一行動方針:この場から一刻も早く逃れたい。
現在位置:D3北端部。北の山脈を目指してエアリアルボードで移動中。

【マルタ・ルアルディ 生存確認】
状態:HP35%、TP60%、右肩を貫通した刺し傷ほかハスタになぶられた傷多数、血まみれ、
   出血による意識朦朧状態のため、キールをエミルと勘違いしている。片袖なし。
所持品:レンズ×30、エミルのマフラー
基本行動方針:エミル(キール)からもう離れたくない。
第一行動方針:マフラーの件を謝りたい。
現在位置:D3黎北端部。遠くに見える山脈を目指してエアリアルボードで移動中。

556 :声が彼らの手を結ばせたんだ。 ―But, it is a wrong keyhole―:2008/09/05(金) 18:11:46 ID:dZU5Vbgv0
以上です。ありがとうございました。

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:17:30 ID:pJ+NQaL80
乙!
ハスタ怖えww
とりあえずマルタアアァアァアと叫んでおく

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:20:54 ID:/t14posKO
投下乙です
何とか赤いお花ちゃんは大丈夫だったな、マルタ…でもそれエミルちゃう!キールや!
ハスタさんは黎明の塔堪能できてよかったねー

559 :声が彼らの手を結ばせたんだ。3修正:2008/09/05(金) 18:23:46 ID:dZU5Vbgv0


数十分後、心の中の楽しき思い出のアルバムにページを加えた男は、言いつけを守らない悪い子のお花ちゃんを追いかけます。
けれども、血のあとをスキップらんらんで辿った彼が見つけたのは、あんまり素敵ではない拷問人形でした。
血のにおいがするそれを、彼は迷いなくそれを開けます。そうして、がっかりしました。
そこにあったのは、お花ちゃんのかわいい腕……ではなく、腕が纏っていたふくらむ形の袖ひとつとたくさんの白い髪の毛でした。

けれど、彼はくじけません。
お花ちゃんのほかにも、楽しいことはあと五十といくつもあるのです。
気を取り直すと、彼は、「ぴょろ〜ん♪」、靴を飛ばしました。
きれいな放物線を描いて、砂漠に靴が落ちました。
とんがったつま先が、一瞬だけ天を指し、やがてゆっくりと彼の行く方向を教えてくれます。
彼はそれに従って、走り始めました。
今日の天気は、ところにより晴れのち血の雨が降りそうです。



【ハスタ・エクステルミ 生存確認】
状態:HP75%、TP70%、血まみれ、脇腹に痣、体に焦げ、殺しへの喜び、
貴重な体験にうきうき、悪い子だったお花ちゃん(マルタ)にがっかり
所持品:ソーディアン・シャルティエ(他は不明)
基本行動方針:脳内裁判に基づき皆殺し
第一行動方針:次のお楽しみさん待ってるんだりゅん。
第二行動方針:皆殺し、殺しを楽しむ
現在位置:D3砂漠→???
※アイアンメイデンは、D3に一つ目のふたを開けられた状態で転がしてあります。
 マルタの服の袖、アリスちゃんの毛髪も同じくです。


早速誤字発見です、ごめんなさい。
名前欄違いますが、字数オーバーのため何で、あしからずお願いします。

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:35:11 ID:KDe3knUQO
投下乙です!ハスタは何処に向かうのか?C-2の城かD-1のガオラキア方面に向かえば更にカオスになるなwwC-4の洞窟に行ってもリヒター、ハロルドが居るし。どっかの施設を目指すなら、距離的に東は無いか?

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:41:56 ID:69VE/vyg0
乙りゅん
マルタぁーー!!はキールが回復してくれれば大丈夫か
キールはフォッグと再開できそうな予感?
再開してもまぁアレだけどw


なんだかみんなとっても楽しそうなので、24時間制限切れてない所をまとめてみた

2008/09/04(木) 19:35:59
ワルター(タバサ)

2008/09/04(木) 20:23:56
セネル チャット

2008/09/04(木) 20:55:42
クレス アリエッタ ミクトラン

2008/09/04(木) 23:08:04
スパーダ サレ アリス ヴェイグ ウッドロウ ロニ
(イクティノス ミュウ)

2008/09/04(木) 23:16:43
ジルバ

2008/09/05(金) 00:45:08
アガーテ レイス デクス

2008/09/05(金) 18:09:07
ハスタ キール マルタ


>>560
靴の示した先に行ってるだけだからどこでもおkじゃねw

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:48:55 ID:KDe3knUQO
>>561いや、書くつもりは無い(つーか書ける気がしない)が書き手的に考えて見たw。あ、今考えるとマーダー不足気味の東に向かわされるのは充分ありだなw

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:50:27 ID:SMLxdmxzO
投下乙だポン。
言えることはただ一つ。
底知れぬ恐怖で先の展開が読めなくなってきた。
wktkgtbrしてみんなのを待とうと思う←

>>561
時間制限表乙!
意外と投下数少なくてびっくりした。

ああああものっそ被りそうな予感だ。ていうかもういっそ先に白旗揚げたくなったぜww\(^o^)/
今までの書き手さんは皆この恐怖と戦ってきたんだな…尊敬

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 18:53:08 ID:SMLxdmxzO
連レスすまない
>>563sage忘れてしまたorz
もう二度としないよう気をつける(土下座)

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:04:07 ID:khHCnEK1O
乙です!
しかし誰か髪の毛につっこよwww デクスさんあんたつめすぎwwwww

今週末はハスタ天気予報がどこに雨を降らすか期待してるぜ!


566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:15:04 ID:/t14posKO
メイデンの中って、確かアリスの写真が貼ってあった気がしたんだが
もし貼ってあったら、アリスちゃん分が不足しているデクスがパワーアップできるな

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:21:39 ID:qsmzZo9LO
みんな制限切れるの待ってるのかもしれないけど、
暫く続きがない奴も書いて欲しいな。
同じところばっかだと
後々困るし…
(エリア移動できずザックの中身も見てないためなにもせず死亡とかありそう)

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:26:41 ID:SMLxdmxzO
>>567
そう思って今一応他のも書いてます…投下に値する出来になるかどうかはともかく(ry
とりあえずダオス様と豪快さんチームはもはや空気だよね。
ルティチームとナーオスもかw
難しい…

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:27:25 ID:RgBhNOlXO
ロイドの時間軸はまだ決まってないんだよね?
いや別に書いてる訳じゃないんだけどさwどっちが美味しいか考えてた
1回目組は心配しなくても平気だと思うよ。
カイウス組は放置してても平気そうだ

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:29:44 ID:q0NssXQsO
たまには凸凹コンビのことも思い出してあげてください。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:32:15 ID:SMLxdmxzO
凸凹コンビって誰よ?と思った俺はどえすw

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:34:01 ID:RgBhNOlXO
誰だっけ?

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:34:07 ID:69VE/vyg0
マオ&エルレインとカイウス&フォッグは1回しか出てきてないね
前者は単純にどうすりゃいいのかわからん、後者はTとEを両方やった人が少ない、とかかねぇ
Tは(Iもだが)プレイ動画把握すら出来ないから余計にキツイ

>>568
ナーオス組はDorD2とTとAとIやってないと書きづらいからそれで止まってるんじゃないかな
ルーティ&クラースは単純に忘r(ry

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:38:36 ID:SMLxdmxzO
>>573
俺T未プレイ・Dリメイクのみ・D2に至ってはロニがカイルおんぶしてクレスタに帰ったとこで止まっているw
やはり小説頼み(ry

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:40:10 ID:lrqDEAFX0
>>573
ダオスを忘れないでやってください
マオ&エルレインは書こうと思ったらその通り、どうすりゃいいのかわからんかった
C2は最早書かれすぎてあそこだけタイムスリップしてるがな

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:45:26 ID:qsmzZo9LO
>>573
性格だけならミニドラマ(音のみ)があったから
ある程度把握できそうだけど…


T大好きだからみんなに把握して欲しいのに
プレイ動画の撮れる環境のない
パソコンしか無い…orz
携帯(笑)でDSからそのまま撮影ってのもあるが…

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:47:24 ID:SMLxdmxzO
確かC2って第1回放送直前だよな…テラカヲスwww
なんという城マジックwwww

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 19:51:54 ID:WKF2iiuNO
あまり進めすぎても周りとの時系列の矛盾が出てくる可能性があるから気をつけてね。

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:04:08 ID:lrqDEAFX0
かといって時進めないと放送が永遠に来なくなるからなぁ
まだC2以外は早くて朝六時くらいだろ?
C2は同じ建物内に8人+1本と1匹が最初ッから大集合しちゃったのがな…

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:08:44 ID:SMLxdmxzO
そうだC2カヲスフラグ最初に立てたの俺じゃん…!orz<Iコンビ+イオン様
お詫びと言っちゃなんだが、過疎地がんばるので許してくれ

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:08:56 ID:/t14posKO
豪快さんチームはあれだ、山降りた先がC2に近いから危険なんだ
ナーオス組はずっと基地捜索、でもいい気がw

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:14:52 ID:WKF2iiuNO
ごうかいさんは明るくなったら下山する予定のはず。
ナーオス組は探索してれば大丈夫…なのかな?

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:23:05 ID:lrqDEAFX0
豪快さんちは北方面に下りれば大丈夫じゃないか?
キールマルタと合流の可能性もあるし
C2は放送後がスパーダとヴェイグ的な意味で更にカオスになるだろうから危険すぐる

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:23:54 ID:SMLxdmxzO
ヤ、ヤッタ!(゚∀゚)
2,5度目の正直w
長めなので支援をお願いします

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:24:33 ID:69VE/vyg0
おめでとう支援

586 :傀儡師 1:2008/09/05(金) 20:24:59 ID:SMLxdmxzO
 
 
海。
 
 
 
 
 
 
限りなく広大なそれから生まれた彼の生の全てはメルネスという存在の為に在った。
しかし、メルネスを狙って近づいた薄汚い陸の民の男一人葬ることもできないまま、彼は死んだ。
そして何故か再び生を与えられていたのだ……。
 
 
彼は今自身を生んだ偉大なる海を左に、歩を進めていた。
 
 
 
つい数十分前、ワルターは彼を葬った男の仲間二人を発見した。
メルネスを惑わす要因でもある彼女たちを当然のように殺そうとしたが、一緒にいた知らない顔の男が此方の僅かに漏れた殺気に気づき、逃してしまった。
殺気を消し切れなかった自分の甘さに歯噛みする。
 
彼らは河口を挟んだ先の東の島へ逃げた。
追おうと思えば勿論できる。
ワルターのテルクェスは彼の翼となる。追跡は容易なことだった。
だが、空を飛ぶ彼の姿が手強い奴等を引き寄せ、殺されるようなことがあれば本末転倒である。
水の民とはいえ、滄我の恩恵があまり受けられないこの舞台で泳げばやはり体力を消耗する。
彼にはメルネスを守るという使命があるのだ。
今殺せないのは惜しいが、いざメルネスを見つけたときに守る力が残っていないのではどうしようもない。
自らの不甲斐なさを悔しく思いながらも、彼は西へと進む。
 
 
 
……そして。
 
 
 
 
 
 
彼は見つけてしまったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(セネル・クーリッジ──メルネスを惑わす男……!)
 
 
 
彼の険しい視線の先には、憎むべき因縁の男がいた。


587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:26:54 ID:lrqDEAFX0
支援

588 :傀儡師 2:2008/09/05(金) 20:27:25 ID:SMLxdmxzO
 
 
  *  *  * 
 
 
「子分……だって?」
「ええ。アイフリードの子孫である、このボクが直々に誘ってあげてるんですから、感謝してくださいよ。セネルさん」
 
チャットは自慢でもするかのように誇らしげに胸を反らした。
しかし、生憎セネルは聖人君子ではない。
この舞台に招かれてからずっと溜まっていた彼の感情が、ついに爆発した。
 
「……ふざけてるのか?」
「は」
「こんな時に冗談言ってる場合かっ! おまえも見てたんだろう! おまえの仲間がいとも簡単に殺されたのをっ!!」
 
セネルの、突然の感情の昂りに付いていけずに、チャットは固まった。彼女が何か言い掛けていたのも構わず、セネルは捲し立てる。
 
「わかってるのかよッ!!!」
 
いけないとわかっていながらも──かつて旅の保護者的存在に“そんなことでは誰も守れない”と言われたことを思い出しながらも、セネルは爆発した感情を抑えることはできなかった。
言い終え肩で息をしていたが、はっとして口を噤む。
 
「……言い過ぎた。だけどな」
 
そう続けようとして、セネルはやっと気が付いた。チャットの小さな肩が震えていることに。
彼女がふざけていたわけではなかったことに。
 
「……チャット」
 
彼女に初めて会ったときのようにできる限り優しく声を掛ける。
チャットの肩がびくんと大きく揺れた。
セネルに怒られるのかと恐れているのだろう。
 
「一緒に行かないか?」
 
ぽん、と肩に手を置いて問う。
 
「へっ?」
 
余程意外だったのか、チャットの口から拍子抜けしたような声が漏れた。
 
「い……いいん、ですか?」
 
──そうだ、チャットはまだ子供だ。
怖いに決まっている。


589 :傀儡師 3:2008/09/05(金) 20:29:42 ID:SMLxdmxzO
怖いから、仲間が欲しかった……だけど素直に頼れないから、ああして「子分になれ」と偉そうに言う他なかったのだろう。
 
 
「ああ。俺たちは……仲間だ」
 
 
穏やかに、セネルは言い切った。
チャットは涙を目の端に浮かべ、セネルが安心させるように頭をぽんぽんと叩くのに身を任せた。
 
海賊アイフリードの子孫たる、チャット。
マリントルーパーとして暮らしていたこともある、セネル。
 
海に少なからず縁のある二人がこうして出会い仲間となれたのは、海に導かれたからかもしれない。
 
「ありがとうございます、セネルさん」
「もう、大丈夫か?」
 
心配するセネルに、
 
「ボクはもう子供じゃありません!」
 
と頬を膨らませながら返す。
その反応こそが子供だということに、チャットは気付かない。
 
「あ、あれ……?」
 
と、チャットの表情が一変し、セネルの背後へと視線を遣る。
 
「どうした?」
「だっ、誰かが、此方に……」
 
それを聞きセネルは勢いよく背後を振り返った。その目は紛れもない戦士のものに変わっていた。
 
(こいつ……全く気配がしなかったぞ!)
 
振り返ると、黒と白のワンピースに身を包み、長い緑髪を後ろで纏めた少女が小走りで此方にやって来ていた。
 
「よかった……人を探シていたのでス」
 
どこかぎこちない口調で少女は言う。
 
「……おまえ、何者だ」
「私はタバサと言いまス」
「……」
 
この少女も参加者だろうか。
全く記憶にない。
ちゃんと名簿を見るのだったと後悔する。
 
「安心シて下サい。私はゲームに乗るつもりはありまセん。ソれより……」
 
そう言って彼女は両手を上げ、自分が危害を加えたりするつもりがないことを示す。
だがセネルは警戒を解こうとしなかった。
 
「おまえが危害を加えないことの証明にはならない」
 
彼の武器は己の拳と脚。
剣や弓や銃などがなくとも、一番信頼できる武器は常に此処にあるのだ。


590 :傀儡師 4:2008/09/05(金) 20:31:24 ID:SMLxdmxzO
いつでも攻撃に転じられるようファイティングポーズを取る。
警戒を解くには気になる点が残っていた。
 
なぜ気配を消して近づいてきた?
 
気配を消して近付くことは、ここでは逆効果だ。
そんなことをすれば即座に敵とみなされて攻撃されかねない。
人を探しているだけなら、探し人にだけ声をかければよい。
仮に、隠れて相手を見極めた後だと言うのなら尚更おかしい。危険でないと判断したにもかかわらず気配を消して近付く必要はないからだ。
第一、それなりの修羅場を潜り抜けて来た自分──しかも元軍人──すら気配を完璧に殺すことは難しいのだ。
それをこの少女はやってのけた。
つまり、自分以上の戦士だと考えていいだろう。
いくら少女と言えど、そのような相手を前に警戒を緩めるほど自分も愚かではなかった。
 
「……チャット、下がれ」
「違うのでス、聞いて下サい。男の人に追われているのでス。助けて下サいまセんか?」
「!」
 
しかし、この言葉を聞いて、少女の言い分が正しかったことにセネルは気付いた。
 
影で口端を上げた男が、一人。
その男は砂浜にいくつも転がる大きな岩の一つの後ろから姿を現した。
 
「……ワル、ター……」
 
セネルは目を見開き、男の名を呟いた。
 
「……これは好都合だな。セネル・クーリッジ、貴様と再び会えるとはな……そこの女と少年もろとも今度こそ貴様を葬ってやる!」
 
そうして彼は懐からダガーを取り出し、セネルに向かってきた。
ワルターも接近戦では元来セネルと同様体術を用いて戦うが、刃物で戦った方が優位に立てると踏んだようだ。
 
「チャット! おまえはタバサと一緒に西へ逃げろ!」
「えっ……?」
 
繰り出された斬撃を、支給された白銀の篭手で防ぎながらチャットに叫ぶ。
 
「ここから西に確か街があったはずだッ……タバサを、頼む!」
「で、でもセネルさんが……」
「こいつは俺がっ、何とかする、から……くっ!」
 
セネルは自分を信じて、タバサを任せてくれた。
そしてこの戦いに巻き込まれないよう逃がそうとしてくれている。
初めて会ったとき、此方が攻撃してしまったというのに。


591 :傀儡師 5:2008/09/05(金) 20:33:50 ID:SMLxdmxzO
チャットは震えながらも決意を固める。
 
「……わかりました。子分の信頼に応えないわけにはいきません」
 
立ち上がり、タバサの手を取る。
 
「さぁ、タバサさん。行きますよ!」
「は、はい、チャットサん!」
 
いつおまえの子分になったんだと苦笑し、セネルは横目で彼女たちを見送った。
二人の姿が小さくなったのを確認すると、ワルターから距離を取るためにバックステップする。ワルターもチャット達を追いはしなかった。
 
「ワルター、これで気兼ねなくおまえと一対一で戦える」
 
だがワルターは、そんなセネルに小馬鹿にするように冷たい視線を送った。
 
「フン……気付かなかったようだな」
「何だと?!」
 
ギッとワルターを睨み付けるも、怒りに身を任せそうになるのをぐっと堪える。
セネルはお世辞にも気が長いとは言えなかった。
それでもここで冷静さを失っては不利になるばかりだと、旅を通して学んでいた。
 
「何故水の民たる俺がテルクェスを使わないか」
「何が言いたい!」
「テルクェスは滄我の恩恵。そして授かったその力は形も用途も、俺たち水の民の意のままに操れる」
「だからっ!?」
「俺がオートマタを操ってヴァーツラフ軍と戦っていたのを忘れたのか?」
「それとこれと何の関係があるんだ!」
 
今そんなことを言う理由がわからず、声を荒げる。
だが、ワルターはどこ吹く風と彼の怒りを受け流し、続ける。
 
「そういえば、面白い物が支給されてな」
 
セネルは唐突な話題転換にに、ワルターの次の言葉を待つしかなかった。
一方のワルターはと言うと、彼は積年の怨みがようやく晴らせることが余程嬉しいのか、記憶にある彼よりも饒舌だ。
その口調はまるで酔っているかのようで表情も恍惚としている。
 
「人形──と言ったらどうする?」
 
 
そう言って、チャットが走り去った方を見遣った。
 
 
(──まさか!)
 
 
ワルターはセネルに焦りが生まれたのを感じて、畳み掛けるように矢継ぎ早に言葉を紡いだ。
 
「小さな子供一人守れないおまえが、メルネスを守るだと?! 笑わせる! メルネスを惑わせ危険に晒す、薄汚い陸の民!」


592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:35:24 ID:lrqDEAFX0
支援

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:35:49 ID:6N8wHbwW0
おめでとう支援

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:36:23 ID:69VE/vyg0
支援

595 :傀儡師 6:2008/09/05(金) 20:36:31 ID:SMLxdmxzO
 
奪った者と奪われた者。
殺した者と殺された者。
 
「セネル・クーリッジ!!!」
 
因縁の二人の闘いが、今再び幕を開けた。
 
 
 
タバサの背からは先程までなかったはずの黒い翼が生えている。
彼女の手を引いてがむしゃらに走るチャットには、そのことを知る由もなかった。
 
 
 
 
 
【ワルター・デルクェス 生存確認】
状態:HP100%、TP95%、憎しみ、決意
所持品:黒髭ダガー、支給品1個(本人確認済み)
基本行動方針:メルネスの護衛をする。可能ならセネルとその仲間を殺す
第一行動方針:セネルを殺す
第二行動方針:少年を殺す
第三行動方針:シャーリィを探して、他の参加者から守る
現在位置:G4砂浜
 
【セネル・クーリッジ 生存確認】
状態:右頬にかすり傷、TP100%
所持品:シルバーガントレット(TOR)、本人確認済み支給品2個
基本行動方針:仲間を探し、この状況を何とかする
第一行動方針:ワルターと戦う
第二行動方針:チャットが危ない!
現在位置:G4砂浜
 
【チャット 生存確認】
状態:右頬にやや腫れ、TP100%
所持品:スタンダードマグ(残り装填5発) 銃弾50発 ??? タバサ
基本行動方針:死にたくない
第一行動方針:G2村へ逃げる
第二行動方針:セネルが心配
第三行動方針:怖いよう…
現在位置:G3東(G2村へ)
 
※タバサは形式上チャットが持っていることになっていますが、実際にはワルターがテルクェスで操っています
※タバサに個の思考はありません
 


596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:39:22 ID:SMLxdmxzO
投下終了。
チャットとセネルにフラグを立ててみた。
皆、思う存分折ってくれw
なんか俺が今回投下できたのは、皆が俺に譲ってくれたからなんじゃないかと思えてきたよ←
供養場常連から一歩遠ざかったw
支援もありがとう

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:41:01 ID:lrqDEAFX0

セネルとワルター因縁のタイマン勝負か。今度はG2村がカオスの予感

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:41:19 ID:69VE/vyg0
色んな意味で乙です
ってチャットまた少年扱いされてるしwww

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:41:54 ID:/t14posKO
投下乙です
因縁の対決スタート!なんか同作キャラ遭遇が多いだけに、どこもかしこも最初からクライマックス並w
チャット後ろ後ろー!G2にはリフィルもいるし、タバサがどう出るか…

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:42:38 ID:khHCnEK1O
投下乙! やはりあなただったのか、おめでとさんです。

キャプテン後ろ後ろー!

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:45:19 ID:6N8wHbwW0
おめでとう!
マジおめでとう!!
取り合えずめっちゃ祈っとくよ。
G4ジルバとシャーリーもいるし、どうなるか分からなくて楽しみだ!!

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:48:33 ID:SMLxdmxzO
ええ、俺だったんですよw
ただ、昨日投下されたワルター話があの流れじゃなかったら、この話はお蔵入りだった。
昨日のワルター話書き手さんにも感謝してる

これでハスタが来たらG2オワルw
チャットという脱出キーパーソンの運命や如何に…?!
リフィル様がいるからこそタバサにもG2に行ってもらいました。
他のパートもがんばらねば。

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:14:28 ID:7HYR4HXBO
投下します。

604 :ルームメイト 1:2008/09/05(金) 23:19:13 ID:7HYR4HXBO
かーごーめ♪

  半ば半壊した地下洞窟を彼女は降りる。
  隙間風に手から下げたランタンがゆらりと揺れる。中の油が何かを含む様な音を立てた。
  ……そう、あの後の崩壊で気付く事が出来た。見逃すなんて出来ないわ。

かーごーめ♪

  冷めた風に炎がゆらりと揺れる。金具が小さく音を立てた。彼女は立ち止まる。
  ランタンを掲げると奥まで続く漆黒が恐怖を際立たせる様で、少し笑ってしまった。
  様々な陰影は幾千もの黒を束ね、彼女の網膜に焼き付いた。

かーご(島)のなーかのとーりー(誰か)は♪

  黴臭い匂いが彼女の鼻腔を刺激する。彼女は眉間に皺を寄せた。
  ヒールを一回こつりと鳴らす。音の反響から判断して全壊はしていない。彼女は声を殺して笑う。
  ふと壁に指先を這わせた。見た事が無い苔が生えている先に、罅割れを見つけた。
  ランタンを近付ける。ふわりと軟らかく揺れる炎が隙間の中を照らした。
  杖の先に魔力を収束させ、<出力最小、可能な限り浪費はせず、且つ密度は最大。但し上限1パーセント>紫雷を放出する。

いーつーいーつー出やーる♪

  鏡面の様にそれが弾かれた。面白い、と思う。
  そして彼女は推理が正しいと確信する。知的好奇心が彼女の表情に恍惚を浮かべた。
  艶やかで妖艶な唇が灯に照らされる。ふっくらとしたそれは僅かに振動していた。

よーあーけーのばーんーに♪

  彼女は手頃な石灰岩を杖で砕くと、ゆっくりと腰を曲げた。
  そうして土煙の中を彼女は進む。揺れる橙が照らす雲母が混じった土埃は、金色に輝いていた。

かーめ(天使)とつーる(学者)がすーべった♪

  立ち止まり、そして息を殺して大きく開いたそこに石灰石を投げ入れる。
  転げ落ちる先に、七色に輝く何かを見た。
  彼女はにたりと笑う。実に面白そうなこのパズルを独り占めさせるには、己の名が廃る。
  ゆらり、と彼女は身を隙間へと滑らせた。
  かちゃかちゃと鳴り、反響するランタンの金属音が、とても心地良く感じた。


朝日が照り付ける。手頃な木の頂点に立つ天使ミトスは、小さく笑っていた。
「リヒター・アーベント、だっけ? 小生意気だよね、あいつ」
本来温かい筈の陽光も、襲う筈の眠気も彼には無い。
目が眩むほどに照り付ける太陽、温度が無い風。

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:19:18 ID:SMLxdmxzO
支援要りますか?

606 :ルームメイト 2:2008/09/05(金) 23:22:54 ID:7HYR4HXBO
その全ては鬱陶しいだけで、それ以上の役割は無い。

すたりと木の上から降り、手頃な岩を見つけて少年は腰を下ろした。
周りの地面は赤茶色。見上げると天をも突き抜ける峰があった。
「術の威力が半減してた。この様子じゃ恐らく回復術もだ。
 マナの相対量の圧倒的少なさが原因か、それとも円滑化の為の主催側の意図か」
少年は目を峰から太陽へと滑らせ、ぼそりと呟いた。
なんだかマナが薄くて身体の調子も思わしくないし、面倒だね―――そう続けると小さく溜息を零す。
「……唯、理解出来るのは」
低く、腹から捻り出される様にボーイソプラノが喉から漏れる。
少年はポケットを弄る。取り出されたのは四つ折りにされた地図だ。
「このマナ。この地図。そしてあの大樹」
右手で少々癖が付いた前髪を弄る。遥か彼方にあるが、指の隙間から覗く天使の目は確かにそれを認めていた。
そう、悠然と強く枝を伸ばすあれは間違い無く、大樹カーラーンだ。
「大樹カーラーンが何故かこの離島にある。それは間違い無い、許容する。……けれど」
少年は瞼を下ろす。計七回目の確認だがマナの香りは明らかに大樹のそれ。
しかし会場全体を見ると、これはどう言う事だろう。
瞼をゆっくりと上げると、少年は頬杖を付く。
矢張り、イマイチ解せない。
「にも関わらずマナの濃度が一定だ。それは矛盾する。浪費側が仮に1000人だとしても、大樹が生み出すマナが勝つ」
名簿を見る限り生存者は65人。
大樹の生み出すマナと65人の消費量、単純に考えて釣り合う筈が無いじゃないか。

地図を左手で折り畳み、ミトスは眉間を指で揉む。蟠りが如何しても抜けない。
「仮に大樹の生み出すマナが抑制されているのだと断定しても」
呟きつつ、ミトスは眉間から指を離し手頃な木の枝に掛けた時計を一瞥する。
放送は間近だ。何人が死んだだろうか。
「……今現在マナが減少増加、その孰れの道をも辿っていない」
一拍間を置き、ミトスは思考を戻す。
偶然? 真逆、馬鹿馬鹿しい。有り得ないに決まっているじゃないか。
「需要供給が偶然にも等しいなんて、誰が如何考えてもパーセンテージ的に有り得ない」
微風が金色の前髪を揺らす。
心底鬱陶しそうな顔をして、少年は散らばった金糸を耳に掛けた。
(更に)
解せない理由はそれだけでは無いのだ。

607 :ルームメイト 3:2008/09/05(金) 23:25:08 ID:7HYR4HXBO
「日を重ねれば当然の如く参加者は激減する。大樹が弱らない限りはマナが永遠に満ち溢れる」
手を顔を前で組み、少年は額にこつりと当てた。
その本の頁数、優に4000。膨大な情報量を以てしても、そこにあるのは噛み合わぬピースだ。
「しかしルールには魔術や回復術は効果一定の制限付き、とある。“需要供給の等式が明らかに成立し無い”」
そうなると、益々訳が分からなくて泣けてくる。
何処かで、何かを見落としている筈なんだ。
気付け、ミトス・ユグドラシル。
「大樹はマナの量を自己操作不可能だ。だから枯れてしまう訳だからね。
 故に枯れでもしない限りはマナ放出量は変化し得ない」
<待て。ならば今の大樹が枯れ掛けていると仮定してはどうだろう?>
馬鹿が、それこそ暴論じゃないか僕。
枯れるスピードは僕達が使うマナの量に比例するんだ。
故に大樹カーラーンが枯れるスピードは計算では求められない。
<だが予想は可能だ。個々に宛てた推量で無く集団での推量ならば>
馬鹿。所詮それは推量の域を出ないんだ。
「だからルールで定められている以上“大樹が枯れないのは必然的”」
ミトスは虚空を柔らかく掴み、そして唸る。
ふと空を見やると流れる雲が薄く伸びていた。
「しかし矛盾が生じる。“何故大樹が破壊されないと主催は暗に断定している”?」
峰は空を貫いている。
あそこの頂上に転送された奴は最高にツイてないな、と心の中で嗤った。
<……?>
ふと、その瞬間にミトスの目が見開かれる。
あ、と情けない声が上がるが、それに意を返さぬ程に動揺したままミトスは立ち上がった。
<そうか>
如何してこんな事に気付かなかったんだ僕。
<違う。マナは“大樹だけじゃない”>
何て事は無い。簡単じゃないか。
<生まれる方だけに拘るから袋小路に入ってしまうんだ>
ミトスは時計をザックに入れ、急いで地面を蹴る。
転がる小石が小さく音を立てた。
<地図が全てじゃない。平面情報に捕らわれるなんて極めて愚挙だ>
眩しい太陽に小さく舌打ちをし、ミトスは掌で光を遮る。
探せ。感覚を研ぎ澄ませ。探るんだ。
「……つまり」
マナを辿って大樹に行けるなら、“逆も出来る”。
「以上から示唆出来る可能性は三つ。細かいものを含めればもっとあるが、意味を還元すればたったそれだけだ」
右足の爪先が地に付く。

608 :ルームメイト 4:2008/09/05(金) 23:28:05 ID:7HYR4HXBO
背中の翼が虚空に溶ける様に優しく消え、ぴんと背を伸ばす雑草がその華奢な両足を柔らかく受け止めた。
彼の着地点を中心に同心円状の風が吹く。
「一つは“絶対に認めない”」
金色の前髪が揺れる。
さらりと風に流れ、艶やかなキューティクルの輪が光る。
「もう一つは“有り得ない”」
丹念に磨かれて輝く水晶の様に透き通る瞳がそれを捉える。
深淵へと続く道は<偶然の>発見だった。
「そして僕は最後の解に今気付いた」
嫌らしい笑みが弧となり少年の顔に張り付いている。
ゆっくりと踏み出された足には、けれども気力が宿っていた。


「何だかわからないけれど、これとあれ、“多分**じゃない”」


生きる気も無い、死ぬ気もない。けれども興味が奥底で波紋を広げる。
空っぽな少年の足を動かす理由はそれで充分過ぎる程だ。


反響する足音、石灰岩と湧き水が漏れる音。
自らが切り開いた暗闇の奥に、目当てのそれはあった。
吸い込まれる様に半透明な階段に足が出る。不思議な感覚だった。
まるで自分の意思で無い様な、だがこの昂揚の正体は紛れも無く自分のそれだ。
(文字が読める。もっと早くに気付くべきだった。そもそも他の世界の奴等と言語が同じな筈が無い)
黄金の粒子が世界を染める。それはまるで夢の世界の雪の様で。
間違い無く、天使ミトス・ユグドラシルはこの瞬間に言葉を奪われていた。
―――ふわり、と浮遊感。
重量では無いが収束するそれに不思議な感覚を覚えた。
(ルールブックと簡易アイテム説明書が支給された時点で、その謎は気付くべきだったのに。僕の馬鹿)
かつりと靴が音を立てる。
(ハロルドと言う術者、動揺して無かった。マナを微塵も感じなかったのに)
少年は透明な足場を見た。この物質、一体何処まで下から生えている?
(つまり他の世界の奴から見れば漂うこれはマナじゃなくて対応する別の魔力の根源)
「ラジエイト」
(それはいい。それよりも言語変換機能が解せない。何かしらの装置が首輪、若しくは脳の内部に仕込まれている?)
「プラネットストーム」
(否、後者は有り得ない)
「セルパーティクルは放出され」
(首輪、と言う形にしたのは理由が在る筈だ。脳の内部に仕込めるなら爆弾も脳の内部に仕込める筈)
「そして還る」
(“つまり思考操作もされていない”)
「循環せよ」
(待て、それは本当に断定して良いのか)
「遥か彼方の―――――」

609 :ルームメイト 5:2008/09/05(金) 23:31:55 ID:7HYR4HXBO
(外させたいから、いや気付かせたいからわざわざ首輪にしたんじゃないのか)
「――――――ファロース―――――」
(“僕自体が僕であると絶対に証明出来るのか”)
「―――――経由し」
(駄目だ。キリが無い。それは水掛け論だ)
「根源の大樹」
(なら結局都合が良い方を結論にしろと? 馬鹿馬鹿しい)
「名をユグドラシルと冠す」
静かに天使は顔を上げる。遥か彼方に浮かぶ紋様と文字が織り成す幾何学模様は美しかった。
「――――パッセージリングからマナを送れ」

ラジエイト、パッセージ?
……大樹ユグドラシル?
大樹カーラーンじゃないのか?
「…へぇ、謎説き」
如何して、僕の名前が。
それに訳の分からない単語ばかりだ。
けれど、この妙な感覚は何だろうか。
「暇潰しには良いけれど」
少年は笑う。年相応の笑いで無く、大人の笑いだ。
所々に黒い影が混じるそれは、ボーイソプラノと反発し違和感を“彼女”に与えた。
「つまり、そう言う事なんだろ、ピエロ」
身体が幻想的な七色の光に包まれる。
舞い散る羽は粒子に当たり鱗粉の様に弾け飛び、それに吸い込まれた。
彼女が彼を目にする前に、彼は体内時計の針を強引に進める。
「乗ってやるよ、生死の議論なんかより、よっぽど興味がある」
髪がふわりと揺らぐ。伸びたそれは神々しささえ彼女に感じさせた。
(紛い物か、本物か、それとも、有り得ない解か?)
目を細める。……面白いじゃないか。
“私を、誰だか分かっているの(か)?”
「挑戦してやるよ、サイグローグ。お前の好きにはさせない。
 バトルロワイアル? ルール? 反吐が出るね。“僕の世界は喩え馬鹿げた殺戮ゲームの中でも僕がルールであり真理だ”」
こつりと小石の音。ミトス――――否、ユグドラシルは気に掛けなかった。
彼女は違うと理解しているからだ。
馴れ合うつもりは更々無いが、敵も一人とは限らない。
ならば共闘も一つの選択であり、そして自分は他人をそこまで怨んでいる訳でも無い。
<だからお前も来たんだろ。面白そうだから、帰って来た。それだけ、だろ?>
……危ない存在だな、お前も。
面白いか面白くないかで判断していれば、何時か何も無くなると言うのに。

610 :ルームメイト 6:2008/09/05(金) 23:34:37 ID:7HYR4HXBO
「だから他の馬鹿共の負けは、ある意味で決まってる。
 “同じ土俵に上がれないあいつらは既に敗者だ”」
文字通り段々と近付く女を背後に感じながら、彼は瞼を下ろす。
幻想的な世界から一片し、そこは虚無の世界。完全なる無。
そう。僕は空っぽだ。以上も以下も無く、零の存在。
周りの景色が消えるだけで此所まで絶望出来る。
「だけど僕はお前と対等さ、残念だね? サイグローグ」
けれど、だからこそ最果てのものが見える訳でもあり。
「僕はゲームの参加者じゃない。お前と同じ傍観者なんだよ。だから挑める」
(勝負だよ、ピエロ。制限時間は8日間。首輪はハンデだ。
 こっちは二人掛かりでお前へと王手を指してみせる)
「お前の蒔くピースと僕達がパズルを埋める時間、どっちが早いだろうね?」



  舞台裏を嗤う天使は、彼女は。


「うしろの正面、だ・あ・れ♪」


  未だ、真実を何も知らない。




611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:34:45 ID:Y6tV32XL0
支援

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:34:49 ID:OqcbUKsr0
支援

613 :ルームメイト 7:2008/09/05(金) 23:35:40 ID:7HYR4HXBO
【ミトス・ユグドラシル@ユグドラシル 生存確認】
状態:HPTP100% 全てにやる気が無い 飛行中 何かをキープスペル中 ある重大な何かに気付いた?
支給品:ローレライの宝珠 ジェットブーツ エリクシール
基本行動方針:取り敢えず死ぬ気は無いけど生きる気も無い
第一行動方針:この島の舞台裏の解明
第二行動方針:この女、一緒に居ても不便では無いな
現在地:B4(霊岬ファロース/TOE)地下、ラジエイトゲートセフィロト内、パッセージリング前(TOA)

【ハロルド・ベルセリオス 生存確認】
状態:健康
支給品:天才ハロルドの杖 スペクタクルズ×97
基本行動方針:面白くないのでゲームに乗らない
第一行動方針:スペクタクルズで未知の種族のデータ採取! 首輪もどうにかしたい。
第二行動方針:此所に私より早く居るならこいつも頭悪くなさそうだし。一緒に居るならいいかもね
現在地:B4(霊岬ファロース/TOE)地下、ラジエイトゲートセフィロト内、パッセージリング前(TOA)

*洞窟の中心が半壊し奥に通じる道が出現しました

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:36:46 ID:7HYR4HXBO
投下終了です。

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:39:56 ID:/t14posKO
投下乙です
ミトスが無気力から脱した!?そしていきなり重大な物発見!?
このコンビは厄介だな…頭良すぎて俺には書けん

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:40:13 ID:SMLxdmxzO
投下乙です!
やばいいきなり核心に…!
この続きを他に書ける人がいるだろうか、否いるまい…。
神を超えた伝説の科学者と、生物を超えた伝説の英雄タッグ……怖すぎるgtbr

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 23:45:16 ID:Y6tV32XL0
投下乙です
舞台裏に関わらせるのがこの二人とは……!
すさまじい筆力です。読んでて納得してしまった。うまい。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 00:00:31 ID:w7qgVtJZO
推理をするミトス…真っ先にバーローを思い出した俺はまさしくバーローwww

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 00:04:24 ID:czxeR1jKO
>>618
何かひっかかると思ってたが…
そ れ だ w

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 00:24:40 ID:GplajB5u0
キモスレ晒しage

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 00:32:53 ID:bowExYijO
IDにB5やらSMやら…
これから何が起こるんだよw

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 01:10:22 ID:lba9ebaxO
乙!ユグ様きたー!!
なるほどセフィロトか…いつも状態欄に助けられる読解力のない自分\(^o^)/

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 01:25:34 ID:PpOmtmGr0
乙です!
セフィロトって事はジェイドも来ないと詳しい事わからなそうだなー

>>618
今回はティトレイがいないのが悔やまれるwww
二重の意味で

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 04:38:22 ID:6dSTUreJO
乙!
謎解きの方向性によってはエミルとルークの身が危険な気がして心配です…

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 07:06:10 ID:C/AMmnSQO
さぁ、面白くなってまいりましたw

ジェイドが既にミトスの情報と死人についての仮説をもってるから、そう簡単にはいかない事がすでに目に見えているぞww
こっからどうなるのか、もうwktkが止まらないw

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 09:09:30 ID:czxeR1jKO
ジェイドでなくても、ディストでもある程度わかるかもな

627 :まとめ:2008/09/06(土) 11:41:58 ID:LUbViNSv0
キールの最新話の作者さん、添付が見えませんでした、すみません。テキストでそのままメールして頂けるとうれしいです。

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:34:43 ID:Ux1ClCLA0
投下します。

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:35:40 ID:Ux1ClCLA0
夜の谷を吹き抜ける冷たい風が、ゴオーッゴオーッと不気味な音を立てる。
雲が月明かりを遮断し、本来なら美しいはずのタタル渓谷の夜景は闇に包まれている。
少年と女性は焚き火の傍に座り夜明けを待っていた。
最初は情報交換と支給品の確認をするためにしばらく火の元を離れずにいたが、
どうせなら夜が明けてから行動しようという能天気な提案にエルレインは同意した。
特定の人物を捜索している彼女にとって、視界の狭まる夜中に動き回るのは得策ではない。
厳かな聖女の衣装に身を包んだエルレインが、少年と共に地べたに座っているのは何だか異様な光景だった。

「ねえ、エルレイン。ボクちょっと考えたことがあるんですけど…笑わないで聞いてくれる?」
突然少年は真剣な表情で問いかけた。
「笑ったりしませんよ。話して御覧なさい」
エルレインが優しくそう答えると、マオは一息おいてからおずおずと話し始めた。

「あのね…ボクのいた世界とエルレインのいた世界って違う世界なんじゃないかな…?
 …ボクのいた世界では、ヒューマって種族とガジュマって種族が一緒に暮らしてるんだよネ。
 それでよく差別とか…いろいろ問題も起きるんだけど、エルレインくらいの大人でガジュマを知らないっていう人は多分いないと思う。
 それに、色んな国を旅してきたけどエルレインが言った街もレンズで奇跡が起きるって話も聞いたことが無いヨ。」

ここに留まると決めてから、マオとは様々な話をしてきた。
マオが『王の盾』を脱走し、ユージーンという名の『ガジュマ』やヴェイグという名の『ヒューマ』と旅をしたことを話せば、
エルレインは自分が『アイグレッテ』の『ストレイライズ神殿』を総本山とする『アタモニ神団』の長だと話した。
エルレインが『レンズ』によって奇跡を起こすと言えば、マオは『フォルス』を使って火を操ると言った。
お互いの身の上話をしただけでこれだけ未知の単語を聞くことは珍しい。
13歳の自分が相手の話す固有名詞を知らないのはともかく、ヒューマやガジュマを知らないというのは異常だとマオは考えたのだ。
「別の世界」などとヒルダやティトレイに言ったら「子供の考えそうな事だな」なんて馬鹿にされるかもしれないが、
それくらいしかエルレインの奇人変人ぶりを納得させる理由が思いつかなかった。
エルレインについて、初めは”信心深い”の度を越したちょっとヤバイ人だと思っていたが、
「自分の世界とは全く違う別の世界に存在する聖女エルレイン」と考えることでと彼女についての見方もぐんと広がる。
彼女がまともな人間だという可能性も格段に高くなる。それはただ単に自分を安心させたかっただけかもしれないが。

630 :夜明けを待つ 1:2008/09/06(土) 13:36:36 ID:Ux1ClCLA0
夜の谷を吹き抜ける冷たい風が、ゴオーッゴオーッと不気味な音を立てる。
雲が月明かりを遮断し、本来なら美しいはずのタタル渓谷の夜景は闇に包まれている。
少年と女性は焚き火の傍に座り夜明けを待っていた。
最初は情報交換と支給品の確認をするためにしばらく火の元を離れずにいたが、
どうせなら夜が明けてから行動しようという能天気な提案にエルレインは同意した。
特定の人物を捜索している彼女にとって、視界の狭まる夜中に動き回るのは得策ではない。
厳かな聖女の衣装に身を包んだエルレインが、少年と共に地べたに座っているのは何だか異様な光景だった。

「ねえ、エルレイン。ボクちょっと考えたことがあるんですけど…笑わないで聞いてくれる?」
突然少年は真剣な表情で問いかけた。
「笑ったりしませんよ。話して御覧なさい」
エルレインが優しくそう答えると、マオは一息おいてからおずおずと話し始めた。

「あのね…ボクのいた世界とエルレインのいた世界って違う世界なんじゃないかな…?
 …ボクのいた世界では、ヒューマって種族とガジュマって種族が一緒に暮らしてるんだよネ。
 それでよく差別とか…いろいろ問題も起きるんだけど、エルレインくらいの大人でガジュマを知らないっていう人は多分いないと思う。
 それに、色んな国を旅してきたけどエルレインが言った街もレンズで奇跡が起きるって話も聞いたことが無いヨ。」

ここに留まると決めてから、マオとは様々な話をしてきた。
マオが『王の盾』を脱走し、ユージーンという名の『ガジュマ』やヴェイグという名の『ヒューマ』と旅をしたことを話せば、
エルレインは自分が『アイグレッテ』の『ストレイライズ神殿』を総本山とする『アタモニ神団』の長だと話した。
エルレインが『レンズ』によって奇跡を起こすと言えば、マオは『フォルス』を使って火を操ると言った。
お互いの身の上話をしただけでこれだけ未知の単語を聞くことは珍しい。
13歳の自分が相手の話す固有名詞を知らないのはともかく、ヒューマやガジュマを知らないというのは異常だとマオは考えたのだ。
「別の世界」などとヒルダやティトレイに言ったら「子供の考えそうな事だな」なんて馬鹿にされるかもしれないが、
それくらいしかエルレインの奇人変人ぶりを納得させる理由が思いつかなかった。
エルレインについて、初めは”信心深い”の度を越したちょっとヤバイ人だと思っていたが、
「自分の世界とは全く違う別の世界に存在する聖女エルレイン」と考えることでと彼女についての見方もぐんと広がる。
彼女がまともな人間だという可能性も格段に高くなる。それはただ単に自分を安心させたかっただけかもしれないが。

631 :夜明けを待つ 2:2008/09/06(土) 13:37:26 ID:Ux1ClCLA0
エルレインもマオが「レンズってメガネのレンズ?」などと質問してきた時は流石に違和感を覚えたが、
それよりも相手が自分の知らない単語を話すことが気になっていた。
全知全能の神の化身であるはずのエルレインにとって、未知というものは果てし無く不愉快で恐ろしいものだった。
カイル・デュナミスはエルレインの目的を妨げる最大の不安因子だったが、マオの話を聞けば聞くほどそれは増していく。
フォルトナの意思により再びこの世に生を受けてからというもの、彼女が今まで認識していた常識が通用しない場面が多々あった。
マオの言動もそうだが、主催者のピエロが話すこのゲームの内容。奇跡の力を持たない者が、なぜ死者を復活させることができるのか。
名簿にはカイル・デュナミスに殺されたはずのバルバトス・ゲーティアの名があった。エルレインは彼をもう一度復活させた覚えは無い。
この少年の言うとおり、別の世界の存在を認め、その世界にはその世界の常識があるとするのなら全て辻褄が合う。
だがあまりに現実離れした意見である。
それに「別の世界」が認めるのならそれもまた未知の存在…。


「なんか…ごめんなさい…。世界がいっぱいあるなんて変だよネ…。」
エルレインが黙っているので、やはりおかしな話をしてしまったのだろうかと不安になり、マオは恥ずかしそうに地面を見た。
それに気付くとエルレイン目を細め、相変わらずの落ち着いた態度で答えた。
「いいえ…我々がこの地に転送される前、主催者は『優勝者が願えば元の世界に送り届けることも可能』という言い方をしました。
 少なくともこの世界は、我々が元居た世界とは別の世界なのかもしれません…。」
―――かもしれない。
断言できないことにエルレインは苛立ちを覚えた。
エルレインはそれからまた無言になり、マオの考えを肯定することも否定もすることなかった。

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:38:26 ID:mA2mpdx2O
タイトルは?

633 :夜明けを待つ 3:2008/09/06(土) 13:38:51 ID:Ux1ClCLA0

ヴェイグとユージーンの三人だけで旅をしていた時のように、なんとなく気まずい沈黙が流れる。
重い空気に絶えられなくなったマオはまた別の話題を振った。
「ボクは夜が明けたら仲間になってくれそうな人を探しに行きたいんだけど、エルレインは?」
マオの最終的な目的はサイグローグのいる場所にたどり着き、彼を倒すことだった。
それにはヴェイグ達の他にも協力してくれる仲間が必要だ。
「私は大罪人カイル・デュナミスとその仲間を探すつもりです。夜が明けたらこの谷を抜けて人のいそうなところに移動してみましょう。」
その男の名はエルレインと初めて会った時からちょくちょく耳にしている。
マオはエルレインが彼を「この世から消し去る」などと物騒なことを言っていた事が気になって仕方が無かったのだ。
エルレインについて無理やり納得してみたものの、やはり警戒心を解くわけにはいかない。
「罪人?そのカイルって人は敵なの?」
「そう…神に仇なす危険なる者、進むべき道を誤った聖女リアラと共に神に刃を向けた大罪人…!
 私に与えられた最大の使命は、女神フォルトナに変わり彼と彼を支持する者を抹殺することなのです…!」
エルレインはゆっくりと感情をこめた低い声で言い、その物々しさにマオは恐怖を感じた。
説明を聞いてもどのような罪を犯したのかマオには良くわからなかったが、彼女の世界ではきっと犯してはならない罪だったのだろう。
「じゃあエルレインは、カイルって人を見つけたら………。」

―――殺すの?

最後の言葉はなかなか言えず、マオはエルレインから視線を反らし俯いた。
そんなマオの姿を見て、エルレインは少年の頭に手を乗せ優しく微笑みかけた。
「怯える必要はありませんよ。カイル・デュナミスは神の意思によって断罪されるべき存在。
 人々から幸福を奪う紛う方なき悪なのです。…あなたにもきっと、わかる時が来るでしょう。
 マオ、あなたは他人を思いやれる優しい子なのですね。あなたのような人こそ、神の加護がもたらされるでしょう。」
穏やかな優しい口調で名前を呼ばれると、ふと紅い羽根を持つ美しい聖獣の姿が思い浮かぶ。
マオが顔を上げると、そこには全てを見透かすような聖女の瞳があった。

634 :夜明けを待つ 4:2008/09/06(土) 13:42:53 ID:Ux1ClCLA0

「安心なさい。私がこの世に再び現れたのは女神フォルトナの御意志。
 罪無き弱きヒトを助け、大罪人カイル・デュナミスとその一味を抹殺した暁には、人々は神の愛を受け絶対の幸福を得るでしょう。」




======================

【マオ 生存確認】
状態:HP100% TP100%  エルレインを警戒、少し信頼
所持品:忍刀・東風 エクスカリバー ファルステヴェルン
基本行動方針:ヴェイグたちと合流してサイグローグと戦う
第一行動方針:夜が明けたらエルレインと共に人を探す為渓谷を抜ける
第二行動方針:仲間になりそうな人を探す
第三行動方針:カイル・デュナミスが気になる
現在位置:B5の渓谷地帯


【エルレイン 生存確認】
状態:HP100% TP100%  未知への不安と苛立ち
所持品:???
基本行動方針:カイル・デュナミスの死
第一行動方針:夜が明けたらマオと共に人を探す為渓谷を抜ける。
第二行動方針:カイルとその仲間達の抹殺
第三行動方針:罪無き弱きヒトを幸福へと導く
現在位置:B5の渓谷地帯

※ マオは自分の居た世界、エルレインの居た世界、今居る世界が別の世界だと考えています。
※ 二人はお互いの世界についてかなり詳しく情報交換しました。
※ エルレインは自分がこの世界にいるのはフォルトナの意思だと思っています。


635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:44:42 ID:Ux1ClCLA0
投下終了です。最初タイトルミスごめんなさいorz

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:46:33 ID:Qr1FBVWV0
乙です。くそー別パート書いてたからマオエルレインパート先越されたぜ!
エルレイン様の慈愛が感じられて良かったです。
フェニアとエルレインって喋り方似てる気がするしね。

自分も投下します

637 :星の屑作戦 1:2008/09/06(土) 13:47:43 ID:Qr1FBVWV0
金色の優しい光がシャーリィを包む。幼い頃、年の近い男の子にいじめられたシャーリィをあたたかく抱きしめてくれた姉の肌の心地よさにそれは似ていた。
深い深い闇色の海の中。
(お姉ちゃんが、目覚めたんだ)
生物の気配の無い海の中。それ以外は滄我のある海と同じ感覚。
(でも、どうして)
ゆっくりと海上へ向けて、光のちらつく方へと泳ぐ。水の民であるシャーリィは、ここまで深い海に落とされても生命へはなんの影響もない。
それでも海の底は、吸い込まれそうなくらいの闇だった。
その闇の奥へと吸い込まれていく、煌めく金色の粒子はきっと姉の“はじまりの翼”の残滓。まるで星の屑のよう。
(――お姉ちゃんは私を殺そうとした? ううん、そんなわけがない)
光が強くなる。同時に赤い色をした何かが海水に混じる。鉄の匂いと味。
(お姉ちゃんはきっと私を助けようとしたんだ)
そうでなければわざわざ海に落とす必要が無い。ステラはシャーリィが海水拒絶症を克服する前に命を落とした。けれど、殺すつもりで海に落とすつもりではなかったとしかシャーリィには思えなかった。
(だってあの光はあまりにもあたたかくて優しかったもの)
――じゃあ、誰から私を助けようとしたの? お姉ちゃん。
シャーリィの海色の瞳に映る人影。激しい水飛沫。空気の泡。流れる血。
『――ジルバさんっ!!』
血を滴らせながら海に飛び込んできたのは、彼女の姉を救ってくれた獣人の女だった。

「大丈夫ですか、ジルバさんっ!」
海面から顔を出し、意識を失った様子のままのジルバの頬を叩く。
しっとりと濡れてはりついた毛皮。その背中の衣服はぐずぐずに焼け焦げ、所々に切り傷も作っている。
水の民でないジルバの傷口に塩を含んだ海水は毒だ。そう判断したシャーリィは急いで浜を目指す。幸いにも砂浜からそう遠くへは飛ばされておらず、椰子の木の様子から判断して先ほどまでいた場所はすぐ近くだと分かった。
砂浜にジルバを下ろす。傷口に砂の入らぬよう、岩場にジルバを寝かせる。
「ジルバさんっ、ジルバさんっ!」
「……うぅっ……」
シャーリィの呼びかけに、ジルバの身体がようやく動いた。
「ジルバさんっ、大丈夫ですか、何があったんですかっ?! お姉ちゃんはっ!!」
畳み掛けるシャーリィだったが、ジルバは仰向けになったまま、その手をシャーリィの頬に伸ばす。
「……申し訳、ありません……私も必死で……よく、分かっていないんです……」
弱弱しく嗄れた声。涙すら堪えるような彼女の様子に、シャーリィの脳裏に過ぎったのは最悪の想像図だった。


638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:48:04 ID:czxeR1jKO
投下乙です
エルレインこええ…でもちょっと惚れた
フェニア思い出すマオにぐっと来た

639 :星の屑作戦 2:2008/09/06(土) 13:48:58 ID:Qr1FBVWV0






「貴女の姉君……ステラさんは、目を、覚ましてくれました」
涙を流すシャーリィを気遣うように、しかし伝えなければならない“真実”を受け止めさせるようにジルバは言う。身体中にこしらえた切り傷を庇うように。
「貴女を海に落としたのは……貴女を守りたかったからなのでしょう。直後、私達は遠くから……何らかの術による襲撃を受けました」
おそらくそれは姉をはじめに気絶させた人物だろうか。
シャーリィだけテルクェスで海に落としたのは、ジルバの姿があまりにも人とかけ離れているから、彼女を信じられなかったからだろうか。
「ステラさんと私も戦いましたが、相手の姿は見えず……焼け付くような痛みを背中に浴び、気が動転して……必死の思いで、ひとりで、海に逃げてしまったんです……」
ジルバもまた涙を流す。
「激しい術でした。光と闇の両方に遮られて、何も、見えませんでした。……嗚呼、どうして私は、私は、ステラさんを置いてきてしまったのかっ……」
泣き崩れるジルバに、シャーリィも溢れる涙をとめどなく零しながら、彼女の肩を抱く。
「ジルバさんは、悪くありません……っ、こんなにボロボロになったら、きっと誰だってそうすると思います……!」
今は静寂を保つ白い砂浜。すぐ傍にきっと、姉はまだいる。
「お姉ちゃんは、とても強いんです。目を覚ましたならきっと大丈夫です……! きっと、きっと生きていてくれてます」
ジルバの火傷を負った背中に、小さいながらも自分のベストをかけながらシャーリィは姉のいるであろう方向を見つめる。
「……貴女は本当にお強い……私は、私は……っ」
ぽたぽたと、白い岩の上に血と涙が落ちる。あまりに痛々しいそれに、シャーリィは躊躇わずキュアの恩恵を彼女に施す。
「大丈夫ですか?」
「……こんな私のために……本当に、本当にありがとうございます……っ!」
縋るようにジルバは泣き崩れた。頼もしく頭のいい彼女がこんなにも弱弱しく泣きじゃくるなんて。どれほどの力を持った者が彼女と姉を襲ったのか。
「……行きましょう、ステラさんのご無事を確かめるために」
ジルバはようやく涙を拭い、立ち上がる。ふらりと身体がゆれ、足取りもどこかおぼつかない様子だ。それでも彼女は、ステラのために後悔と自責の念を押し殺している。
「……はい、ジルバさん」
そんな彼女を支えながら、シャーリィもまた歩き出す。


640 :星の屑作戦 3:2008/09/06(土) 13:50:23 ID:Qr1FBVWV0






ジルバはもちろん、内心でほくそ笑んでいた。
このバトル・ロワイアルの異常な空気に自分が毒されていたのだろうか、冷静でない行動を自分はとってしまっていた。
ステラの血に塗れた己の身体。そして誤魔化しようのないステラの遺体。
探知機の示す方向に移動したとしてもジルバが疑われるのは間違いがない。
そのためジルバは信用を得たシャーリィを再び利用することを考えた。踵を返しかけた足を戻し、ステラの遺体へと戻る。
白い砂浜に染みこんだ鮮血はまだ新しい。草刈鎌で、ジルバは己の身体に軽く傷をつける。溢れ出す血。だがガジュマの強靭な肉体をもってすればこの程度はほんのかすり傷程度。痛みすら感じない。
ついでにネガティブゲイトを詠唱し、ステラとそしてジルバ自身を巻き込むように発動させる。
歪められた扉が開かれ、漆黒の炎がステラの死体とジルバの背中を焼いた。
美しい女の頬が火傷で爛れる。しかし彼女だとはっきりと分かる程度に。
そうしてシャーリィがいるであろう海へと飛び込んだのだ。血を落とすため、まるで命からがら逃げてきたかのように。
探知機はシャーリィに返した。彼女が歩く方向はジルバの思惑通り。
誰かと誰かの殺気が交差する場所へ、ステラのもとへ。
ふたりの目から溢れる涙もまた、星の屑のように輝いた。


【ジルバ・マディガン 生存確認】
状態:HP80% TP95%  ずぶ濡れ。身体中に裂傷、背中に軽度のやけど
所持品:睡眠薬 遅効性の毒薬(回りきるまで3時間〜4時間程度) 草刈鎌  ???  ステラのザック シャーリィのベスト
基本行動方針:ステルスマーダーとして行動。ゲームに優勝する
第一行動方針:シャーリィを利用する
第二行動方針:他の参加者と合流し、利用する。
現在位置:G4海岸東→G4海岸西へ移動中

【シャーリィ・フェンネス 生存確認】
状態:HP100% TP90% 姉の生死への不安、ずぶ濡れ ベストなし
所持品:首輪探知機 
基本行動方針:ゲームからの脱出、殺し合いに乗る人は止める
第一行動方針:ジルバと行動。ステラの安否を確認する
現在位置:G4海岸東→G4海岸西へ移動中

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:52:45 ID:Qr1FBVWV0
投下終了です。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:55:04 ID:czxeR1jKO
投下乙です
ジルバ…!一時はどうするかと思ったが、ステルスマーダーの品格は落ちてないぜ!
そしてそっちに行くのは危険だー!因縁対決に突っ込むぞー!

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:58:18 ID:4kuDB6tsO
お二方とも投下乙です。

エルレインさま情感たっぷりですね。なにげにいいコンビだし。
パート3の「人々から幸福を奪う紛う方なき悪なのです。」は方ではなく、事でしょうか。
いえ、方法って意味なら誤字ではないんでしょうけど、一応。

ジルバさま、がんばれ。蝶がんばれ!

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 13:58:48 ID:LUbViNSv0
・・・うまい。乙でした

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:03:43 ID:Ux1ClCLA0
投下乙です。
ジルバどうしたかと思ったら自分で…!
2ndはシャーリィ健気だな…しかしこれから修羅場な予感w

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:10:40 ID:w1PZTK1NO
二方とも投下乙です。
エルレインさんのスタンスが危ういな…D2勢に会わないことを祈る
そしてジルバ許すまじ…
さらにまとめ超乙。

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:18:10 ID:Ux1ClCLA0
>>643
自分も事だと思ってたんですが
ヤフったら「紛う方(かた)ない」だったのでそうしました

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:22:27 ID:Qr1FBVWV0
まとめ氏仕事速すぎて泣いた、超乙です。
「ウッドロウがさつまいもで作った矢」に吹いたwwたしかに意味不明wwwww

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:24:49 ID:mA2mpdx2O
投下乙
ステラ死→ワルターVSセネルをシャーリィが見たら精神的にやばそうだ
エルレインはなぁ…本来の意味の確信犯だから怖いよな…

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:37:38 ID:iQAVxxa1O
投下乙です!
マオレイン組はエルレインのスタンスが危険だなww

ジルバ…恐ろしい子!シャーリィが健気なのはまだセネルが生きてるかr(ry

てゆうかタイトル元ネタ0083?

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:51:17 ID:Qr1FBVWV0
>>650
です。よく知らんけどww
こ………このシーマ様もといジルバ様がやられるなんてことはありえないんだよッ!!

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:53:46 ID:lba9ebaxO
乙!マオもエルレインもわりと扱い難しいと思ってたけど、描写うまいな!GJ

そしてジルバ様はこんな凄い方だったとはwやはりステルスは面白い。今後に超期待。

>>650
マオレインってかっこいいなwこれからそう呼ぶわ

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 14:57:28 ID:iQAVxxa1O
まぁ、俺もスパロボとかでしか知らないけど、そういえばジルバの声優シーマ様と一緒かwww

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:01:55 ID:L/4uAVr1O
投下乙です。
エルレイン様おもしろいなwこの人外二人には期待!
エルレイン本気でそう思ってるからこええ
ジルバ様も乙です!ネタキャラの道しかないと思ったら軌道修正できてよかったw
シャーリー逃げてー!

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:13:36 ID:czxeR1jKO
これで一話しか出てないのは
豪快さんチームとダオスか…
豪快さんは南に行けばカオスエリアが近く、北は何もない
ダオスはD1に向かってるけど今どこにいるやら…

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:27:32 ID:kF9rIBrRO
永きコールドスリープから目覚めたら、更に二つ投下されていて驚いた。
投下乙ポン!
マオレインがそのまま南下した場合、いきなり大罪人と…怖ッ!
ステルスジルバ様がキタ!w
ネタキャラ予報脱却おめでとうジルバ様ww
そして仙人と酢飯の再会フラグ。1stで叶わなかった彼らの目的がついにw
叶ってもいいことなさそうと思ったのは内緒だ←

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:32:45 ID:zOsyNynHO
ジルバ様ネタキャラ予報なんて出てたっけ?

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:38:24 ID:dxGTjRjr0
ジルバとステラしかいなかったことをシャーリーが知ってるのにその場でステラ殺しちゃったからな。
疑われる目を作るのはステルスとしては致命的。

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:42:17 ID:Qr1FBVWV0
ジルバ様ネタキャラへの道

【ゲームTORでの行動】
王家の血を陰ながら引くアガーテの乳母兼家庭教師。聖獣王の名を騙ったユリスにそそのかされる形で
カレギア王国乗っ取りを企てたがその計画性は見事なもの。月のフォルスを利用し王を不治の病に見せかけ
じわじわと毒殺。王女であるアガーテからは絶対の信頼を得、彼女の恋愛感情を利用し城から追い出すことに
成功。実質的に国王の座を乗っ取り、ヒューマとガジュマの対立構造をも導き四星すらも掌の上で躍らせていた。

【ロワ中での行動】
ステルスマーダーとして行動を決意。
・ステラを眠らす→睡眠薬の効果時間を確かめず途中で起きられる
・ステラに毒を盛る→ほっといても数時間後に死ぬのに鎌で首斬ってジルバが血塗れ
遅効性の毒薬を飲んだキャラは毒が回りきるまで生き残るという「毒薬のジンクス」を完全スルーし、
さらにステルスマーダーが自らバレバレの殺人を起こすという失敗フラグを初っ端から立てるという、
素晴らしい伝説を残した。「もうヌードになるしかない」とまで一部では囁かれていた。


660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 15:48:03 ID:kF9rIBrRO
>>657
ジルバ様ネタキャラ予報=一部では「もうヌード(ネタキャラ)になるしかない」と囁かれていた

>>659
詳しい説明をありがとう

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 16:08:15 ID:iQAVxxa1O
>>652マオレインは好きに使ってくれww
>>659SS投下された時は俺の状態がステラァァァァ!すぎて気付かなかったけど、今考えると毒薬のジンクスを自分でぶっ壊すとは確かにネタキャラwww
そういえば0083と言えばミクたんと会長もウラキとガトーだなww

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 16:08:42 ID:QLDwv02I0
>>629
タタル渓谷は既にE5にあるから、場所の重複はさけたほうがいいと思う。
状態表では名称が出てないから、単なる修正ミスかもしれないけど。

663 :夜明けを待つ 1@修正:2008/09/06(土) 19:07:45 ID:Ux1ClCLA0
夜の谷を吹き抜ける冷たい風が、ゴオーッゴオーッと不気味な音を立てる。
少年と女性は焚き火の傍に座り夜明けを待っていた。
最初は情報交換と支給品の確認をするためにしばらく火の元を離れずにいたが、
どうせなら夜が明けてから行動しようという能天気な提案にエルレインは同意した。
特定の人物を捜索している彼女にとって、視界の狭まる夜中に動き回るのは得策ではない。
厳かな聖女の衣装に身を包んだエルレインが、少年と共に地べたに座っているのは何だか異様な光景だった。

「ねえ、エルレイン。ボクちょっと考えたことがあるんですけど…笑わないで聞いてくれる?」
突然少年は真剣な表情で問いかけた。
「笑ったりしませんよ。話して御覧なさい」
エルレインが優しくそう答えると、マオは一息おいてからおずおずと話し始めた。

「あのね…ボクのいた世界とエルレインのいた世界って違う世界なんじゃないかな…?
 …ボクのいた世界では、ヒューマって種族とガジュマって種族が一緒に暮らしてるんだよネ。
 それでよく差別とか…いろいろ問題も起きるんだけど、エルレインくらいの大人でガジュマを知らないっていう人は多分いないと思う。
 それに、色んな国を旅してきたけどエルレインが言った街もレンズで奇跡が起きるって話も聞いたことが無いヨ。」

ここに留まると決めてから、マオとは様々な話をしてきた。
マオが『王の盾』を脱走し、ユージーンという名の『ガジュマ』やヴェイグという名の『ヒューマ』と旅をしたことを話せば、
エルレインは自分が『アイグレッテ』の『ストレイライズ神殿』を総本山とする『アタモニ神団』の長だと話した。
エルレインが『レンズ』によって奇跡を起こすと言えば、マオは『フォルス』を使って火を操ると言った。
お互いの身の上話をしただけでこれだけ未知の単語を聞くことは珍しい。
13歳の自分が相手の話す固有名詞を知らないのはともかく、ヒューマやガジュマを知らないというのは異常だとマオは考えたのだ。
「別の世界」などとヒルダやティトレイに言ったら「子供の考えそうな事だな」なんて馬鹿にされるかもしれないが、
それくらいしかエルレインの奇人変人ぶりを納得させる理由が思いつかなかった。
エルレインについて、初めは”信心深い”の度を越したちょっとヤバイ人だと思っていたが、
「自分の世界とは全く違う別の世界に存在する聖女エルレイン」と考えることで彼女についての見方もぐんと広がる。
彼女がまともな人間だという可能性も格段に高くなる。それはただ単に自分を安心させたかっただけかもしれないが。

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 19:12:15 ID:Ux1ClCLA0
誤字もあったので修正しました。
>>662さんの言うとおり勘違いして書いたのを消し忘れてました。
B5の渓谷は名称不明ということでおねがいします。
まとめの人いつも素早い更新と管理乙です。
面倒をかけてすいませんorz

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 21:19:34 ID:w1PZTK1NO
しかし…考えれば考えるほどステラを殺した理由がわからんよ、ジルバ
ごまかすのが難しいではないか

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 21:25:53 ID:czxeR1jKO
カッとなってやった。今は反省している。

ステラ殺害ってこんな感じだよなw

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 21:26:36 ID:WBN1FnDT0
急にステラが来たので・・・

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 21:33:16 ID:n4UIFSzk0
おまいら・・・w

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 22:48:48 ID:e9QbAfyfO
いやしかしゆったりペースになって助かるよ…。

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:19:02 ID:kF9rIBrRO
ゆったりペースになったところ申し訳ないけど、投下します。
少しだけ支援してください

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:23:40 ID:NWJq3LvE0
おk。支援するよ。

672 :氷霧に彷徨う忍 1:2008/09/06(土) 23:24:07 ID:kF9rIBrRO

もしや此処は魔界ニブルヘイムなのではないか?


リヒターはそう思いたくなるほど、自分の置かれた状況を未だ理解できずにいた。
仮にもテセアラが誇る学園都市サイバックの王立研究院で研究者と働いていた彼だ。
しかし、その彼の頭脳を以てしてもこの舞台に送り込まれたことは不可解なことだった。

(だが、もし此処が本当にニブルヘイムなのだとしたら……皮肉なことだ)

かつてリヒターは魔界の扉を開こうとしていたのだから。
そしてギンヌンガ・ガップを思い出す。

(ラタトスクよ。おまえが理を変える間、俺は扉を封印すると言ったのに……すまない)

今頃コアと実体に別れたラタトスクはどうしているだろうか。
そのラタトスクまでもが、実体化したもう一人の彼と共にこの舞台に上がっていることを、リヒターは知らない。

(ミトスはどこに行った?)

そうしてまだ近くにいるやもしれないミトスのマナを辿ろうとするが、彼とおぼしきマナは感じられなかった。
もしかするとこの舞台を分断する川が発する水のマナが、ミトスのマナを遮断してしまったのかもしれないと、リヒターは東へ行くことにした。
洞窟を出て二〜三時間歩くと、やがて朝日を浴びて反射する水面が見えてきた。
流れる水のせせらぎを眺めて思い浮かぶのは、ラタトスクから離反してまで自分の傍にいてくれた喧しい存在。
水を司るそのセンチュリオンは今は隣にいない。
それでも、水の近くにいると彼女の加護があるのではないかと錯覚してしまいそうになる。
認めるのは癪だが、生い立ちから感情をあまり表に出さないリヒターも、やはり彼女のことをそれなりに信頼していたのだと認識させられ、自嘲の笑みを浮かべる。
水のマナと言えば、サックに入っていた小さな鉱石からも強く感じた。
センチュリオン・アクアとは違う正体不明のそれは、水のマナをそのまま凝縮して結晶化しているかのような密度の水のマナを放っていたのだ。
あのミトス・ユグドラシルと戦うことを考えると、心強いアイテムと言えるだろう。

彼の世界に漂っていたものとは若干違うマナを全身に感じながら、リヒターは東へ行くため川に掛かる橋を目指す──。


  *  *  *


「覚悟!」

刃が橋を割る!
正面から体を橋に打ち付けたはずの息が荒い人物は、突如向けられた殺気に気付いたのか咄嗟に体を転がしてそれを避けた。
割れた橋の板の破片が川に落ちていく。
……何たる失態。
このような隙だらけの人間一人殺せないなんて。
本来の得物が剣でないにしても、すずにはその事実を受け入れられなかった。
自分が忍として修練に励んできた時間は何だったのか、と苦々しく思わずにはいられない。
しかし、そんなことを考えている場合ではない。
自分がやらねば誰がやるのだ。
クレスもクラースも、良く言えば優しいのだが、言い方を変えれば……甘い。
彼らが進んでこの殺し合いに乗るとは思えなかったし、優しい彼らはそのままではすぐ殺されてしまうだろう。
そこで彼女は考えた。
彼ら──クレスあるいはクラースを優勝させよう、と。
すずが優勝を狙わないのは、仲間を殺すのは流石に忍びなかったからだ。
それにダオスを倒さねばならない。この手で。
そうなれば自分は間違いなく無事ではいられないだろう。
優しいクレスかクラースを優勝させれば、彼らは間違いなく蘇生を望んでくれるだろう。


673 :氷霧に彷徨う忍 2:2008/09/06(土) 23:25:40 ID:kF9rIBrRO
尤も、仮にすずとクレス達が最後まで生き残った場合、最終的にはどちらかをこの手に掛けねばならないのだが。
我ながら無責任だとは思ったが、その方法こそ彼女にとっての“最善”だったのである。

「逃がしません!」

すずはそう叫んで走り寄り追撃する。
しかし。

「どういうつもりなの?」

橋の上でガキィンと音が響く。
その人物は、すずが近付く僅かな時間で体勢を立て直し、己の得物で彼女の追撃を防いだのだ。
それだけで相手がなかなかの剣の使い手だとわかる。
すずは戦い慣れた忍。況してクレスの剣技を間近で見ていたのだから。
このままでは不利になると、身を翻して距離を取る。

「あなたには何の恨みもありませんが、死んで頂きます」

そう冷たく返しながら、すずは背後を気にする。
先程遣り過ごした男女の二人組はそのまま西へ向かったようだが、入れ替わるように上流から微かに気配が近づいてくるのを感じた。

(早いうちに決着を付けなければ……ですがこの人はどうやら相当の使い手。どうやって)

頭の中で目まぐるしく戦略を立てているすずの思考は、突如として途切れた。
目の前で相対する人物から、禍々しくも神々しいマナが発せられたからだった。
先程までの雰囲気と打って変わって、まるで別人だ。
この感覚は、そう……彼女の憎むべき敵・ダオスと相対した時のものと似ている。
彼の傍にいた青い毛並みの小動物も、恐怖して震えていた。
ゆらりと上げた彼の顔は、不敵に笑っていて。
血を彷彿とさせる緋の瞳はとても冷たく好戦的で、すずの背を汗がつっと流れた。

「……なら、あいつの為にもてめぇみたいな奴は殺しとかねぇとなぁっ!」

目にも止まらぬ早さですずに近付き剣を振るったその動きに、彼女の恐怖に固まった頭と体は付いていかなかった。

「くぅっ!」

辛うじて反応こそ出来たが、すずの左足から鮮血が吹き出し空を舞った。

「おら、まだだ! 崩蹴脚!」

更にすずの腹に蹴りが入る。
足の痛みに気をとられた彼女が踏ん張れるわけもなく、後ろに吹っ飛び橋に叩き付けられる。

「がっ、は……!」

鉄の味が口の中に広がった。
少年がゆっくり近付いてくる。
何とか起き上がるも、片足しかまともに動かない状況に追い込まれたすずは素早く思考を巡らせる。


674 :氷霧に彷徨う忍 3:2008/09/06(土) 23:27:51 ID:kF9rIBrRO
この状態では不利だ。勝ち目はない。退却も戦略の一つ。だが……。

(どうしたらこの方を撒くことができるでしょうか……)

一見破天荒な戦い方だが、太刀筋に無駄が少ない。
少年の言葉から察するに、自分は間違いなく彼の抹殺対象に数えられているはずだ。
こうなれば……。

「手伝いなさい」

小声で剣に話し掛ける。

『……わかったわ。私が合図したら一気に走り抜けて』

名も知らぬ剣──アトワイトも、仕方ないと最小限の言葉で指示した。
足音は止まる。

「……口程もねぇな。もう終わりかよ、つまんねぇ」

そう吐き捨て、すずを見下ろし剣を突き付けた。
すずも少年から目を逸らさない。

「あばよ」

少年が残酷に笑う。
剣が彼女の首を刎ねようとした、瞬間。

『──ブリザード!』

術は完成した。

「な、何だ!? うぐっ」

詠唱の様子も見せず術が急に発動して、流石の少年も驚きを隠せないようだ。
猛烈な吹雪が少年を襲う。
だが、アトワイトの術はまだ終わらない。

『ディープミスト──今よ!』

橋周辺にひんやりと霧が立ち込めるのと同時に合図が出された。
だがすずは動かない。

『何してるの、早く
「お返しです! 忍法・鎌鼬!」

霧の中、風が少年を切り裂いた。

「ぐあああっ!!」

少年の悲鳴と同時に、すずはやっと駆け出した。
しばらくして南東に塔が見えてきた頃、緊張が解けたのか、すずは草原にへたり込んだ。
走ったからだけが原因ではない荒い息が聞こえる。


675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:30:45 ID:NWJq3LvE0
支援

676 :氷霧に彷徨う忍 4:2008/09/06(土) 23:30:48 ID:kF9rIBrRO
沈黙を破ったのはアトワイトだった。姉が妹を叱りつけるように彼女はすずに叫ぶ。

『ッ、なんであの時逃げなかったの! 運が悪ければ貴女が死んでいたかもしれないのよ?!』
「はぁ、はぁ……黙、て、下さい……」
『いいえ、黙らないわ! ……貴女には、果たさなければならない目的があるんでしょう?』

声を荒げていたアトワイトだったが、やがて諭すように静かに問い掛けた。
すずが反芻するように呟く。

「果たす、べき……そう、私はダオスを……そしてクレスさん達を…………」

その言葉にアトワイトはルーティのことを思い浮かべた。
このままではルーティ達もいずれは殺されてしまう。
だが口に出すことはしない。

『……傷の手当てをしましょう。回復術を施すから』

するとアトワイトのコアクリスタルから癒しの光が溢れ、すずを包み込んだ。
沈黙が彼女達を支配するも、やがてすずが口を開く。

「──塔へ」
「え?」
「あそこに見える塔へ行きます。また何かあったら私をサポートして下さい」

今までの命令口調がほんの少しだけ柔らかくなった気がした。
少しは心を開いてくれたのだろうか?

「ええ、わかったわ」

そう返して、アトワイトはどうやってすずを説得するかを再び考え始めた。


  *  *  *


氷のマナがいきなり膨れ上がったのをリヒターは感じた。
分かったのは、その発生源がグラキエスのセンチュリオン・コアではないことだけだ。
嫌な予感がして、氷のマナが漂う場所へ駆け出す。
五分も走ると、川の上が霧に覆われているのが見えた。
地図と見比べて、川に架かる唯一の橋の上がそのマナの発生源だと結論付ける。
参加者同士の戦闘があったのだろうか。
尤も、物音がしないところから見ると戦闘はもう終わっているようだ。
殺し合いが既に行われている事実に、リヒターは──自分がミトスを殺そうとしていることは棚に上げて──人間とはやはり愚かしい生き物だ、と溜め息を吐いて通りすぎようとした。

しかし。


(このマナの雰囲気……エミル、か?!)

リヒターが橋の前に立つと、濃い血の臭いが漂っていることに気付く。

「陽流・甲!」

霧の中の人物に当たらないよう、霧を吹き飛ばす。


677 :氷霧に彷徨う忍 5:2008/09/06(土) 23:33:50 ID:kF9rIBrRO
視界が晴れた。
橋は血で赤に染められていて、その中心で倒れていたのは、やはり……。

「エミル!」

エミルに駆け寄り、傷を見る。
満身創痍という言葉とはまさにこのことだろう、と不謹慎にも考えた。

「深いな……どこか安全な場所へ行ってから回復した方が良さそうだ」

突然、鳴き声が聞こえてきた。
見遣ると、青い毛で覆われた小動物が全身の毛を逆立ててフーッとリヒターを警戒していた。
エミルに支給されたのだろうか。
小動物に近付き、傍に転がっていたエミルのサックに問答無用で放り込んだ。
この小動物のことは後でエミルに訊けばよいことである。

「それに、お前には他にも訊きたいことがあるからな」

そう呟くと、リヒターはそっとエミルを抱き上げて橋を後にした。





【リヒター・アーベント 生存確認】
状態:TP95%、健康、驚き
支給品:ストライクアクス、エバーライト、???
基本行動方針:ミトスを殺して輝石を手に入れる。ゲームに乗るつもりはない
第一行動方針:安全な場所に移動してエミルを回復する
第二行動方針:元の世界に帰る方法を探す
現在位置:D5橋の上→??

【エミル・キャスタニエ 生存確認】
状態:HP55%、TP95%、前半身を中心に打ち身・擦り傷
   全身に裂傷・凍傷、気絶、マフラーなし
所持品:クィッキー、紫電、デッキブラシ 
基本行動方針:マルタを探して、守る
第一行動方針:マルタが心配
第二行動方針:ギンヌンガ・ガップに置いてきた仕事が気になる
現在位置:D5橋の上→??

【藤林すず 生存確認】
状態:HP70%(回復術による)、TP60%(術使用による)
   一部内臓損傷、足に大きな裂傷(処置済み)
所持品:ソーディアン・アトワイト、時を駆ける少年の人形
基本行動方針:クレスかクラースを生き残らせる
第一行動方針:F6塔へ行く
第二行動方針:殺し損ねたエミルが気になる
第三行動方針:ダオスを自分の手で殺す
現在位置:E6



678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:36:06 ID:czxeR1jKO
投下乙です
エミルとリヒター再会おめでとう!
そしてすずちゃんはF6の塔に…?
塔で漫才してる三人は強敵だぞ!

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:36:56 ID:kF9rIBrRO
投下終了です。
やっとエミル書けて満足←
P未プレイなので『忍法・鎌鼬』の表現が間違ってるかも…ご指摘ください。
というかアトワイトの晶術使っちゃったがよかったのかな?
シャルティエ使ってたからいっかと思ったんだがorz

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:41:44 ID:Y1flT9Bg0
乙!
なんつーか、すずは応援したくなるマーダーだな。

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:43:42 ID:mA2mpdx2O
投下乙です
リヒターもエミルと再会か
アトワイトが単体で晶術を使うってことはルーティは晶術が使えないのか?

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:47:13 ID:womcuzqB0
投下乙なんだけど冒頭のリヒターの思考に矛盾がある気がする。
前話で輝石を奪うならコレットよりはミトスがいいってあったから参戦時期ED後はまずいんじゃ。
ED後なら輝石を奪おうともしないだろうし。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/06(土) 23:48:00 ID:Kfrm52KwO
おおっリヒターさんエバーライト所持か!
万能石なだけにどう書かれるか楽しみだ

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:26:40 ID:DjEqCwV9O
あれ、カイルとティアは?
橋の西側にいたと思うんだけど…

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:37:27 ID:w5PeUtTmO
投下乙です。奉仕マーダーってあんまり好きじゃないんだが、すずちゃんは応援したくなるなww
>>684すずちゃんとエミルに気付かず橋を渡りきったのかな?…多分
橋がどんなタイプかわからないけどティアは忍者のすずはともかく、走ってきたエミルの気配に気付かなかったのか?

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:42:50 ID:aIERtf8R0
>>682
最初に出てきたときの行動方針に「ギンヌンガ・ガップの封印に早く戻りたい」ってあるから、
参戦時期がED後なのに関しては問題ないかと

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:51:14 ID:oXKgLZVwO
>>685
いや、前回のすずの描写的に橋到達前に二人を見掛けてるはず。

688 :682:2008/09/07(日) 00:57:32 ID:vPaUIKRr0
>>686
お、本当だ。そうなると前話の思考に違和感が。リヒターが輝石奪おうとする行動は充分ありなんだけど、
輝石なしでも何とかなると分かったED後からの参戦ならどういうつもりで奪う行動に出たのだろうか。
封印中に歳とるのがやっぱり嫌になったのかw
なんか些細なことのような気もするから違和感なければスルーしといて。

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:59:32 ID:DjEqCwV9O
>>686
それならそもそも前の話の思考が矛盾してるんじゃないか?
ED後なら計画も何もないだろうし…

カイティアに関しては改めて読み直してきたけど微妙だな…
川のほとりに隠れて二人組をやり過ごしたとあるから、カイティアは橋を渡り終わってるかも…すまん
エミルが見た『甘い茶色の女』はすずの可能性だって考えられるし

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 01:30:19 ID:ssYI5ZHpO
『氷霧に彷徨う忍』を書いた者です。
皆さまを混乱という名のクリフォトに突き落としたまま放置しててすみませんでした。
後で修正部分を投下しますが、一応弁解(?)を。

前作に「やり過ごす」「(ラタトスクのみ)目の前の少女に対応させる」とあったので、
エミルが見たのはすずで、ギアス組はすずに気づかないまま西へ…という設定を前提に書きました。
またアトワイトに関しては、ハスタがシャルティエを使っていたことから、
使い手が握っていて晶術を使うという意識がある場合にはソーディアンがコアクリスタルから晶力を引き出し晶術を発動させられる、
と考えた結果すずに晶術を使わせました。

皆さまの疑問に答えられましたでしょうか?
後で修正作投下しますね。
長レスすみません。

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 01:34:34 ID:ssYI5ZHpO
連レスすみません。
リヒター矛盾事件については、
話し合った結果前回リヒターを書いた方が修正してくださることになりましたので、それに合わせて自分の書いたリヒエミ再会話に多少の修正を掛けます。

以後は今回のように疑問噴出しなくていいように努めます。
お騒がせしました

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 01:45:41 ID:NNvCSJeVO
アトワイトの話題がちょっと出たから聞きたいんだけど
ソーディアン無しのソーディアンマスターって術技は使えるの?

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 02:09:23 ID:I0h63LkL0
66「ハーフエルフと天使と科学者と」を書いた者です。
リヒター矛盾の件、完全に私のリレーミスです。
今回の件でお騒がせしてしまったみなさまには本当に申し訳なく思っています。
話し合いの結果、リヒターのミトスの輝石のくだりを無くすことになりました。

この場を借りて、本スレで指摘をしてくださった方々、代案を一緒に考えてくれたテイルズ書き手さんたちに感謝の言葉を述べさせていただきます。
おかげで傷が浅い内に修正することができました。
本当にありがとうございました。
『氷霧に彷徨う忍』の書き手さんにも迷惑をかけてしまって申し訳なかったです。素早い対応に感謝しています。

以後は矛盾がないように精いっぱい気を付けますので、今後ともよろしくお願いいたします。
お騒がせしました。

694 :ハーフエルフと天使と科学者と@修正:2008/09/07(日) 02:17:23 ID:I0h63LkL0
「で、話ってなに」

ハロルドが去ってしばらく経った後、ようやくミトスは口を開いた。
相変わらずの姿勢だが、今回は薄い笑みが顔に張り付いている。

「……ミトス・ユグドラシルというのは事実か?」
「だったらどうするの、お前は」

挑発するように声色を変えたミトスはリヒターに向かって笑う。
リヒターはゆっくりと斧をミトスに構えた。向けられた武器にミトスは怯む様子はない。

「僕を殺すつもり?」
「……おまえのせいで、アステルは死んだ」

何かを噛みしめるようにリヒターは呟く。アステルを殺したのはラタトスクだが、元の原因を辿ればミトスに責任がある。
ミトスがラタトスクの信頼を裏切り、人間に絶望したラタトスクはアステルを殺した。
ハーフエルフであったリヒターを屈託なく受け入れてくれた、ただ一人の親友であるアステルを!

「復讐かい」
「―――違う」

リヒターははっきりと否定する。ミトスは意外そうに目を見開いた。
ここで復讐に染まりミトスを殺しても、何にもならないことをリヒターは理解している。
リヒターが懸念しているのは別のことだ。

「……おまえは本当に殺し合いに乗らないつもりなのか」

ミトス・ユグドラシル。英雄として知れ渡っている『ミトス』の裏の顔を知る人間は、ほんの一握りだ。
リヒターもその中の一人である。伝え聞いた殺しの歴史は重く、ミトスの言葉をそのまま信じることなどできやしなかった。
危険人物を放置しておくつもりはない。リヒターはミトスを見極めようとその姿を見つめるが、返ってきたのは返答ではなく溜息。
リヒターが怪訝に眉を顰めるのと同時に、ミトスは行動を開始した。

695 :ハーフエルフと天使と科学者と@修正:2008/09/07(日) 02:19:46 ID:I0h63LkL0

――――光の刃が辺り一帯に降り注いだ。

「これが答えだよ、リヒター・アーベント」

ミトスの声が洞窟に響く。が、リヒターは視界にその姿を捉えられない。
ミトスが放ったホーリーランスは洞窟の壁や天井を崩壊させ、周りに酷い砂埃を起こす。
ボーイソプラノの声が離れていくが、リヒターは追うことができない。

「僕は誰とも戦わないし、馴れあう気もない。じゃあね」
「―――っ待て!」

ミトスがホーリーランスの対象に設定したのはリヒターではなかった。この狭い洞窟全体を狙い光の刃を誕生させたのだ。
攻撃を受けて、崩れ落ちた壁が落ち着くころには洞窟にミトスの姿はない。

「……逃げられたか」

リヒターは多少薄汚れた程度で無傷。これがミトスの答えなのだろうか。
ミトスが信用できるかどうかは分からないが、逃げられてしまったものはどうしようもない。
追おうかとも考えたが、それよりもリヒターにはやるべきことがある。
どちらの優先順位が高いかなど、明白だった。

【リヒター・アーベント 生存確認】
状態:健康
支給品:ストライクアクス ??? ???
基本行動方針:ゲームに乗るつもりはない。ギンヌンガ・ガップの封印に早く戻りたい。
第一行動方針:元の世界に帰る方法を探す。
現在地:C4、洞窟出口付近

ミトスは七色の羽を広げて、宛てもなく飛んでいた。
逃げた理由はリヒターに言った通りである。ミトスには積極的に生きる気も死ぬ気もない。
だから、殺し合いに乗る気など今のところはないのだけど、リヒターに弁解するのはどうにも骨が折れそうなので逃げてきたのだ。
最初からああも疑われていたのでは、無実を示すのはかなり難しいだろう。
あいにくミトスはリヒターにかまってやるような気力は湧いてこなかったのだ。
もう一度意志表示はしてみたが、伝わったかどうかはわからない。どうでもいいか、とミトスは思った。
それよりもこれからどうするべきなのか、先にそれを考えなければいけないようだった。

【ミトス・ユグドラシル 生存確認】
状態:TP95% 全てにやる気が無い 飛行中
支給品:ローレライの宝珠 ジェットブーツ エリクシール
基本行動方針:取り敢えず死ぬ気は無いけど生きる気も無い
第一行動方針:適当なところで地上に降りる。
現在地:B6 上空


696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 02:22:04 ID:I0h63LkL0
修正分投下です。
ハロルドの状況表以下すべて修正になります。
本当にお騒がせしました。


697 :氷霧に彷徨う忍 1@修正:2008/09/07(日) 04:35:30 ID:ssYI5ZHpO
 
もしや此処は魔界ニブルヘイムなのではないか?
 
 
リヒターはそう思いたくなるほど、自分の置かれた状況を今も納得できずにいた。
仮にもテセアラが誇る学園都市サイバックの王立研究院で研究者と働いていた彼だ。
しかし、その彼の頭脳を以てしてもこの舞台に送り込まれたことは不可解なことだった。
 
(だが、もし此処が本当にニブルヘイムなのだとしたら……皮肉なことだ)
 
かつてリヒターは魔界の扉を開こうとしていたのだから。
そしてギンヌンガ・ガップを思い出す。
 
(ラタトスクよ。おまえが理を変える間、俺は扉を封印すると言ったのに……すまない)
 
今頃実体-エミル-と別れてコアとなったラタトスクはどうしているだろうか。
そのラタトスクまでもが、実体化したもう一人の彼と再び融合して共にこの舞台に上がっていることを、リヒターは知らない。
 
(そういえば、エミル達はどこだろうか?)
 
ラタトスクのことを考えていてふと思い出す。
実体化したエミルやマルタ、ロイド一行、そしてアリスやデクスまでもいたのは確認していた。
リヒターはエミル達のマナを辿ろうとするが、彼らとおぼしきマナは感じられなかった。
もしかするとこの舞台を分断する川が発する水のマナが、彼らのマナを遮断してしまったのかもしれないと考え、リヒターは東へ行くことにした。
 
洞窟を出て二〜三時間歩くと、やがて朝日を浴びて反射する水面が見えてきた。
流れる水のせせらぎを眺めて思い浮かぶのは、ラタトスクから離反してまで自分に付いていた喧しい存在。
水を司るそのセンチュリオンは今は隣にいない。
それでも、水の近くにいると彼女の加護があるのではないかと錯覚してしまいそうになる。
認めるのは癪だが、生い立ちから感情をあまり表に出さないリヒターも、やはり彼女のことをそれなりに信頼していたのだと認識させられ、自嘲の笑みを浮かべる。
水のマナと言えば、サックに入っていた小さな鉱石からも強く感じた。
センチュリオン・アクアとは違う正体不明のそれは、水のマナをそのまま凝縮して結晶化しているかのような密度の水のマナを放っていたのだ。
最終的にあの薄気味悪い道化師と戦って脱出することを考えると、心強い支給品と言えるだろう。
 
彼の世界に漂っていたものとは若干違うマナを全身に感じながら、リヒターは東へ行くため川に掛かる橋を目指す──。
 
 
  *  *  *
 
 
「覚悟!」
 
刃が地を割る!
正面から体を地に打ち付けたはずの息が荒い人物は、突如向けられた殺気に気付いたのか咄嗟に体を横に転がしてそれを避けた。
……何たる失態。
このような隙だらけの人間一人殺せないなんて。
本来の得物が剣でないにしても、すずにはその事実を受け入れられなかった。
自分が忍として修練に励んできた時間は何だったのか、と苦々しく思わずにはいられない。
しかし、そんなことを考えている場合ではなかった。
自分がやらねば誰がやるのだ。
クレスもクラースも、良く言えば優しいのだが、言い方を変えれば……甘い。
彼らが進んでこの殺し合いに乗るとは思えなかったし、優しい彼らはそのままではすぐ殺されてしまうだろう。
そこで彼女は考えた。
彼ら──クレスあるいはクラースを優勝させよう、と。
すずが優勝を狙わないのは、仲間を殺すのは流石に忍びなかったからだ。
それにダオスを倒さねばならない。この手で。
そうなれば自分は間違いなく無事ではいられない。
優しいクレスかクラースを優勝させれば、彼らは間違いなく蘇生を望んでくれるだろう。


698 :氷霧に彷徨う忍 2@修正:2008/09/07(日) 04:37:12 ID:ssYI5ZHpO
尤も、仮にすずとクレス達が最後まで生き残った場合、最終的にはどちらかをこの手に掛けねばならないのだが。
我ながら無責任だとは思ったが、その方法こそ彼女にとっての“最善”だったのである。
 
「逃がしません!」
 
すずはそう叫んで走り寄り追撃する。
しかし。
 
「どういうつもりなの?」
 
ガキィンと刃と刃のぶつかる音が響いた。
碧眼がすずを睨み付ける。
その人物は、すずが近付く僅かな時間で体勢を立て直し、己の得物で彼女の追撃を防いだのだ。
それだけで相手がなかなかの剣の使い手だとわかる。
すずは戦い慣れた忍。況してクレスの剣技を間近で見ていたのだから。
このままでは不利になると、身を翻して距離を取る。
 
「あなたには何の恨みもありませんが、死んで頂きます」
 
そう冷たく返しながら、すずは背後を気にする。
先程遣り過ごした奇抜な格好の男女二人組は、
「今何かが聞こえたような……」
「え、あ、ごめんなさい……考え事してて気付かなかったわ」
「そっか」
等と能天気に言葉を交わし、此方に気付くことなくそのまま西の砂漠に向かったようだが、万が一ということもある。
加えて、入れ替わるように上流から微かに気配が近づいてくるのを感じた。
 
(早いうちに決着を付けなければ……ですがこの人はどうやら相当な使い手。どうやって
 
頭の中で目まぐるしく戦略を立てているすずの思考は、突如として途切れた。
目の前で相対する人物から、禍々しくも神々しいマナが発せられたからだった。
先程までの雰囲気と打って変わって、まるで別人だ。
この感覚は、そう……彼女の憎むべき敵・ダオスと相対した時のものと似ている。
彼の傍にいた青い毛並みの小動物も、恐怖して震えていた。
ゆらりと上げた彼の顔は、不敵に笑っていて。
碧だったはずの瞳は血を彷彿とさせる緋に変わっていた──氷よりも冷たく獣よりも好戦的な瞳に。
すずの背を汗がつっと流れた。
 
「……なら、あいつの為にもてめぇみたいな奴は殺しとかねぇとなぁっ!」
 
目にも止まらぬ早さですずに近付き剣を振るう。その動きに、彼女の恐怖に固まった頭と体は付いていけなかった。
 
「くぅっ!」
 
辛うじて反応こそ出来たが、すずの左足から鮮血が吹き出し空を舞った。
 
「おら、まだだ! 崩蹴脚!」
 
更にすずの腹に蹴りが入る。
足の痛みに気をとられた彼女が踏ん張れる訳もなく、吹っ飛ばされ後ろの橋に叩き付けられた。
 
「がっ、は……!」
 
鉄の味が口の中に広がった。
少年がゆっくりと近付いてくる。


699 :氷霧に彷徨う忍 3@修正:2008/09/07(日) 04:38:33 ID:ssYI5ZHpO
何とか起き上がるも、片足しかまともに動かない状況に追い込まれたすずは素早く思考を巡らせる。
この状態では万に一つも勝ち目はない。退却も戦略の一つ。だが……。
 
(どうしたらこの方を撒くことができるでしょうか……)
 
一見破天荒な戦い方だが、太刀筋に無駄が少ない。
少年の言葉から察するに、自分は間違いなく彼の抹殺対象に数えられたはずだ。
こうなれば……。
 
「手伝いなさい」
 
小声で剣に話し掛ける。
 
『……わかったわ。今から私の言う通りに詠唱して。合図したら一気に走り抜けるのよ』
 
名も知らぬ剣──アトワイトも、仕方ないと最小限の言葉で指示した。
足音が止まる。
 
「……口程もねぇな。もう終わりかよ、つまんねぇ」
 
そう吐き捨てると、すずを見下ろし剣を突き付けた。
それでもすずは俯いたままだ。
 
「あばよ」
 
少年が残酷に笑う。
剣が彼女の首を刎ねようとした、瞬間。
 
「──ブリザード!」
 
少女が顔を上げて叫ぶ。
術は完成した。
 
「なっ!?」
 
術が急に発動したことに、流石の少年も驚きを隠せないようだ。
猛烈な吹雪が少年を襲う。
だが、これで終わりではない。
 
「ディープミスト!」
『──今よ!』
 
橋周辺にひんやりと霧が立ち込めるのと同時に合図が出された。
が、すずは動かない。
 
『何してるの、早く
「お返しです! 忍法・鎌鼬!」
 
霧の中、風が少年を切り裂いた。
 
「ぐあああっ!!」
 
少年の悲鳴と同時に、すずはやっと駆け出した。
しばらくして南東に塔が見えてきた頃、緊張が解けたのか、すずは草原にへたり込んだ。
走ったからだけが原因ではない荒い息が聞こえる。


700 :氷霧に彷徨う忍 4@修正:2008/09/07(日) 04:40:09 ID:ssYI5ZHpO
沈黙を破ったのはアトワイトだった。姉が妹をするように彼女はすずを叱り付ける。
 
『どうしてあの時逃げなかったの! 運が悪ければ貴女が死んでいたかもしれないのよ?!』
「はぁ、はぁ……黙、て、下さい……」
『いいえ、黙らないわ! ……貴女には、果たさなければならない目的があるんでしょう?』
 
声を荒げたアトワイトだったが、やがて諭すように静かに問い掛けた。
すずが反芻するように呟く。
 
「果たす、べき……そう、私はダオスを……そしてクレスさん達を…………」
 
その言葉にアトワイトはルーティのことを思い浮かべた。
このままではルーティ達もいずれは殺されてしまう。
だが口に出すことはしない。
 
『……傷の手当てをしましょう』
 
アトワイトはすずに回復晶術を教え、すずがヒールを唱えるとコアクリスタルから癒しの光が溢れ、すずを包み込んだ。
それが数度繰り返される。
沈黙が彼女達を支配するも、やがてすずが口を開く。
 
「──塔へ」
『え?』
「あそこに見える塔へ行きます。また何かあったら私を援助して下さい」
 
今までの命令口調がほんの少しだけ柔らかくなった気がした。
少しは心を開いてくれたのだろうか?
 
『わかったわ』
 
そう返して、アトワイトはどうやってすずを説得するかを再び考え始めた。
 
 
  *  *  *
 
 
氷のマナが膨れ上がったのをリヒターは感じた。
分かるのは、その発生源がグラキエスのセンチュリオン・コアではないことだけだ。
嫌な予感がして、氷のマナが漂う場所へ駆け出す。
五分も走ると、川の上が霧に覆われているのが見えた。
地図と見比べて、川に架かる唯一の橋の上がそのマナの発生源だと結論付ける。
参加者同士の戦闘があったのだろうか。
尤も、物音がしないところから見ると戦闘はもう終わっているようだ。
殺し合いが既に行われている事実にリヒターは溜め息を吐き、再び歩き出した。
 
しかし。
 
 
(微かだがこのマナの雰囲気……エミル、か?!)
 
リヒターが橋の前に立つと、濃い血の臭いが漂っていることに気付く。
 
「陽流・甲!」
 
霧の中の人物に当たらないよう、霧を吹き飛ばす。


701 :氷霧に彷徨う忍 5@修正:2008/09/07(日) 04:41:53 ID:ssYI5ZHpO
視界が晴れた。
橋は血で赤に染められていて、その中心で倒れていたのはやはり……。
 
「エミル!」
 
エミルに駆け寄り、傷を診る。
満身創痍とはまさにこのことだ。
 
「深いな……治療はどこか安全な場所へ移動してからだな」
 
と。
突然鳴き声がした。
見遣ると、青い毛で覆われた小動物が全身の毛を逆立ててフーッとリヒターを警戒していた。
エミルに支給されたのだろうか。
小動物に近付き、傍に転がっていたエミルのサックに問答無用で放り込む。
この小動物のことは後でエミルに訊けばよいことである。
 
「それに、お前には他にも訊きたいことがあるからな」
 
そう呟くと、リヒターはそっとエミルを抱えて橋を後にした。
 
 
 
 
 
【リヒター・アーベント 生存確認】
状態:TP95%、健康
支給品:ストライクアクス、エバーライト、???
基本行動方針:ゲームに乗る気はない。ギンヌンガ・ガップの封印に戻りたい
第一行動方針:安全な場所に移動してエミルを回復する
第二行動方針:元の世界に帰る方法を探す
現在位置:D5橋→??
 
【エミル・キャスタニエ 生存確認】
状態:HP55%、TP95%、前半身を中心に打ち身・擦り傷
   全身に裂傷・凍傷、気絶、マフラーなし
所持品:クィッキー、紫電、デッキブラシ 
基本行動方針:マルタを探して、守る
第一行動方針:マルタが心配
第二行動方針:ギンヌンガ・ガップに置いてきた仕事が気になる
現在位置:D5橋→??
 
【藤林すず 生存確認】
状態:HP70%(回復術による)、TP50%(術使用による)
   一部内臓損傷、足に大きな裂傷(処置済み)
所持品:ソーディアン・アトワイト、時を駆ける少年の人形
基本行動方針:クレスかクラースを生き残らせる
第一行動方針:休む
第二行動方針:殺し損ねたエミルが気になる
第三行動方針:ダオスを自分の手で殺す
現在位置:E6
 


702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 04:47:22 ID:ssYI5ZHpO
修正版投下終了です。
全体的にさりげなく変わっています。
お手数ですが、此方をお願いします>まとめ氏
これで恐らく疑問点は粗方解決したはずですが…「おかしくね?」な箇所があれば言ってください。
本当にご迷惑をお掛けしました。
重ね重ねお詫び申し上げます。

関係ありませんが、SR陣は主人公もヒロインも危機ですね。
ごめんよエミル…

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 09:14:56 ID:w5PeUtTmO
修正乙なんだけどカイルとティアの状態表は?

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 09:27:04 ID:ssYI5ZHpO
>>703
文中にあったギアス組の会話のことですね?
あれは、あくまですずの記憶の中の遣り取り(=リアルタイムではない)なので、別に書くこともないかなと思ったのですが…。
やっぱり書かなきゃ駄目でしょうかね?

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 09:45:10 ID:oXKgLZVwO
現在地を示すためにあればよい気はしますに一票。

それよりギアス組という呼称はあまり感心しません。この場で語りたいことはSSで、SS外で語りたいことならしかるべき場で、ではないでしょうか。



話変わりますが、今回の場合はどちらのパートも修正完了から24時間制限でFA?

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 10:20:02 ID:tl0fYuDA0
まとめですが、デッキブラシはルカと被ってますがわざとでしょうか。
それと、紫電はPの忍刀ですか?Sの武器にも紫電があるので、一応。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 10:38:29 ID:aAHO05G50
57話の書き手です。デッキブラシの件については、自分の完全に見落としです。
非常に申し訳在りませんが、
状態欄と本文三行目からデッキブラシに関する描写の撤回をお願いいたします。

紫電については、リメDからですので、どちらからでもないです。

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:53:22 ID:UnqT5tEGO
>>692
恐らく使えない。
D本編でイクティノスがいないウッドロウは使えてなかった気がした

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 18:46:56 ID:5jjAFhOdO
Dではソーディアンの力があるから昌術を使えるという設定がありましてね


続編で無かったことに!

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 18:47:05 ID:CgJ7j/XAO
まとまったかな?書き手さん、まとめ氏乙です。
カイル&ティアはアビスマンとかコス組とか正義コンビとか、色々あるね。

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:33:36 ID:X4fvZyRiO
投下します。

712 :楽しい朝御飯 1:2008/09/07(日) 19:35:36 ID:X4fvZyRiO
ロイド……我が息子よ……私は、私は今――――






……もう何杯目だろう。
チェルシーは窓の外を見張るクラトスを一瞥すると、白いティーカップに目を戻す。
芯までリラックスする様な高級感溢れる匂い。
湯気と共に立ち上ぼるそれが鼻をくすぐる。
半透明な薄茶色は静かに揺れ、チェルシーの顔を少しだけ曲げて写した。
白いティーカップの縁には金色の装飾がされており、中々のものなのだろう、とチェルシーは思う。
ウッドロウが居ない間ハイデルベルグ城で学んだ知識は、妙な所で生きている。

「これは……」

ふと今まで疑問に思っていなかったが、レースのコースターが皿の下に敷いてある事に気付く。

……か、可愛い……!

脳天に稲妻(インディグネイション)。全身をピンク色が駆け巡り、脳内でクラトスがフリフリエプロンを装着してハーブティーを……!

……はっ! な、なにを考えてるんですか私! 駄目です駄目駄目!

とは否定したものの、とチェルシーはごくりと唾を飲む。
鼓動が妙な想像のせいで早さを増している。経験した事が無い奇妙な汗が背中を這っていた。
そして瞼を降ろし、
“さあチェルシー、覚悟を決めるのよっ!”
いち、にぃの、さんっ!

意を決して思い切り顔を上げる。
目の前には、そう。普通の、至って普通のクラトスの背中。
チェルシーは可愛らしいレースのコースターとハーブティーを啜りながら窓辺に佇むクラトスを見比べた。
それも五回だ。五回見比べた。

「……ぷっ」

それでも渋くて寡黙なあのクラトスが几帳面にもこれを置いたのかと思うと、堪らず小さな笑いが込み上げる。

「……どうした?」
「ひゃっ!? い、いえなんでもなぁ――――」
振り向いたクラトス。キラキラと輝く光が飛び散り、薔薇の額縁の中に顔が……!
「――――くふっ」
だ、駄目、堪えられませんよぅウッドロウ様ぁっ!

チェルシーはその小さな両手を口と腹に当てて呻く。
ぷるぷると濡れた子犬の様に震える身体。
クラトスは慌ててカップを窓際に置き、チェルシーに駆け寄る。
「どうした、具合でも悪いのか!?」
しゃがみ、顔を覗いてくるクラトス。目が合ったチェルシーは妙な奇声を上げ椅子から転げ落ちた。
木製の椅子が派手な音を立てる。
(真逆カップに毒が……!? しまった!)
クラトスは舌打ちをしてチェルシーを抱く。
それが見当違いの考えだと、彼は知らないのだが。

713 :楽しい朝御飯 2:2008/09/07(日) 19:38:39 ID:X4fvZyRiO
「チェルシー、落ち着け、何処か痛むか?」
クラトスさんの顔が覗いてくる。
……ああ、だめですよぅクラトスさん!
「か、片腹が……」
くふ……ふふ、あは、あはっ! く、クラトスさん、こっち見ないで…!
し、死んじゃいますよぅ!!
ちょっ…ぷふっ! 何でそんな真面目な顔で覗いてるんですかあっ!
ひゃふぁっ! あっははははっ! だ…駄目ですよ!
も、もう……腹筋…駄目ぇぇ……ひぃひっ! た、助けてえっ!
「くふふ…片腹が、ぁふっ…痛いですぅ…ぶふぁっ……!」
ぷるぷると震えながら、チェルシーはクラトスの頬を左手でぐいと押す。
勿論、右手は顔を覆ったままだ。
……風船が弾ける様な少女の大爆笑がモリスン邸内に響き渡るのは、10秒後の事である。





しぃんと静まり返ってしまった台所。
申し訳無さそうに顔を伏せ、チェルシーは時々ちらりと目線だけでクラトスの表情を見る。
目を閉じ、黙ってハーブティーを永遠と啜る彼の表情は硬い。
……その、例えようが無いくらいにすごく、硬い。
眉間には皺が寄り、心無しかハーブティーを啜る音が荒い。
(はうぅ、やっぱり怒ってますよぅクラトスさん……私がクラトスさんの顔を笑ったりするからぁ……)
チェルシーはぐすりと鼻を啜る。
その目には薄く涙すら浮かんでいた。要するに半べそである。
(で、でもっ! あれは不可抗力です! く、クラトスさんがレースなんか置くから!)
ガチャン、と勢い良く空のティーカップが置かれる。
その音にチェルシーはびくんと身体を弾かせ、目を強く瞑った。
クラトスが立上がり、ハーブティーを汲む。そして静寂が全身に再び伸し掛かるのだ。
この一時間はずっとその繰り返し。
チェルシーは口をもごもごと動かしながら、指先と指先を合わせて険しい表情のクラトスを上目遣いでちらちら。

「あ、あのぅ……っ」



714 :楽しい朝御飯 3:2008/09/07(日) 19:40:58 ID:X4fvZyRiO
脱力した声が朝日で満ちた部屋の静寂を切り裂く。
二回目の“あ”が酷く上擦ってしまい、チェルシーは恥ずかしさで頬を少し染めた。
「何だ」
ガチャン、と飲み掛けのハーブティーが入ったティーカップが皿に置かれる。
……勢い余って少し中のハーブティーが跳ね、クラトスの顔に飛ぶ。

……チェルシーは、それはとても素晴らしく我慢した。
笑い我慢オブジイヤー大賞を授賞出来るのではないかと疑う程に。
すごく我慢して、我慢して、堪えて、堪えまくって、強張った表情のまま深呼吸をした。
静かにクラトスがナプキンで顔のハーブティーの飛沫を拭う。
口の端が上がる。ふひゅっ、と下唇が噛まれた口の隙間から空気が漏れる。
ひくつく顔、痙攣する横隔膜。
テーブルの下で左手にかぼちゃパンツ諸共太股を抓らせる。
(が、ががが蛾ガGAがが我慢、我慢、我慢よチェルシーっ!
 やれば出来る、私はやれば出来る子なのよおぉぉっ!)
そして、遂にチェルシーは堪えた。地獄の様な試練に堪えたのだッ!
(あ、あたし、やりました! やりましたよウッドロウさま……!)
途端に身体が脱力感に襲われる。息をゆっくり吐くと、チェルシーは表情を和らげた。
クラトスが怪訝な表情をして、何だともう一度目の前の少女に訊く。
チェルシーは慌てて妙な額の汗を拭うと、首を傾けて訊いた。



「クラトスさん……それ、二十九杯目ですけど、何時まで飲むんですか?」



――――あれ? フィリアさんがタイムストップ掛けたのかなぁ?



クラトスの頬が見る見る内に赤く染まる。
はっと、チェルシーが目を見開いて口に手を当てた時にはもう遅い。
見回りをしてくる! と椅子を立ったクラトスが上擦った声で言う。
磨き終わった模造刀を腰に差し、逃げる様にマダオ――――いや、天使クラトス・アウリオンは台所を後にした。


「う、うぅ……ウッドロウ様ぁ……私、また失敗しちゃいました……ぐすん」
取り残された少女、しゅんと萎びたポニーテール。
すっかり中のハーブティーが冷めてしまったティーカップを両手で持ち、チェルシーは再び半べそをかいた。
「クラトスさんはサックも忘れて飛び出しちゃったし……どうしよぅ……」
窓の外を一瞥する。外はすっかり朝を過ぎていて、もうじきに昼だ。
時計は見ていないが、少女は山暮らし。
窓の外から太陽の位置さえ把握出来れば、時計の有無など対した問題ではなかった。

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:41:46 ID:O35aVQ3d0
支援

716 :楽しい朝御飯 4:2008/09/07(日) 19:44:28 ID:X4fvZyRiO
「はぁ……私、クラトスさんと仲直りしたいです」
溜息を着き、悪態を続けて吐きながら頬杖。
空いた左手でクラトスの支給品の妙なポットを弄っていると――――少女の二本の触覚がびびっと天を貫いた。
「そ、そうだ! このポットから出る食材を使って朝御飯を作れば、きっとクラトスさんだって喜ぶ筈です!」
立ち上がってふふん、どんなもんですかとチェルシーはしたり顔。
ところがこの朝御飯が波紋を呼ぶとは、この時のチェルシーは思いもしないのでした。








「すまない、遅くなッ――――――!!?」
クラトスは目を見開いた。テーブルの上にあったのは、なんとまぁ立派な料理!
唖然とするクラトスを余所に、エプロンをつけて目玉焼きを作っていたチェルシーは笑う。
「どうですぅ? 私、こう見えて料理は得意なんですよ!」
フライパンを持ったまま胸を張って頬を染めるチェルシー。
……子供用のエプロンが無かったのか、少々不格好だが、それは触れてはいけない。
クラトスは圧倒され、テーブルの料理と腰に手を当てどうだ! と威張るチェルシーを見比べた。
……八回、見比べた。

「どうしました? あ、びっくりして声が出ないんですねぇ? 失礼ですよぅ?
 私だって愛しの人の為に切磋琢磨で花嫁修行してるんですからねっ!
 ……さぁさぁ、食べましょうよぅクラトスさん♪」

クラトスはごくりと唾を飲んだ。
嬉しそうにエプロンを脱ぐチェルシーを尻目に、再びテーブルを見る。






――――テーブルの上には、トマトサンドイッチにトマトジュース、トマトサラダ。




ロイド……我が息子よ……私は、私は今―――――生死の境目に立たされている……ッ!!




717 :楽しい朝御飯 5:2008/09/07(日) 19:46:03 ID:X4fvZyRiO
【クラトス・アウリオン 生存確認】
状態:HP100% TP100% 精神的な大ダメージ
所持品:マジカルポット バスケット(中:ストロベリークレープ リンゴ) フォーク 模造刀
基本行動方針:仲間達に会う。争いを極力避けつつゲームを止める
第一行動方針:食べねばチェルシーに悪い……しかし食べれば死ぬ! ぬおおぉぉ!
現在位置:A-4モリスン邸(現代)@TOP

【チェルシー・トーン 生存確認】
状態:HP100% TP100% ご機嫌
所持品:包丁 レッドランタン 手作りの弓 手作りの矢×30 チェスターの矢
基本行動方針:仲間に会う・ウッドロウ様を守る
第一行動方針:これでクラトスさんと仲直りです!
現在位置:A-4モリスン邸(現代)@TOP


718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:47:04 ID:X4fvZyRiO
投下終了です。

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:48:46 ID:O35aVQ3d0
乙です。クwwwラwwwwトwwwwwスwwwwwwwww
トマトで死亡とか新しすぎるwwwwww

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:49:29 ID:oXKgLZVwO
投下乙です。
なにこれクソワラタwwwww
クラトスさんまじがんがれwww

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:49:38 ID:FVYr94FA0
投下乙
不覚にもフイタwww

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:51:05 ID:D8B4L9+VO
クラトスwwww
第一行動方針見たらもっと噴いたwww

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:55:33 ID:xQcY9b7q0
投下乙
トマト尽くしとか修羅場な組とのギャップとか色々ひどくて吹いたwww

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:56:27 ID:1odF9P+DO
投下乙
チェルシーwお前よく頑張ったよw
そしてマダオってのはあれですね
まさかの、ダンディなのに、大ボケ。略してマダオですね

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 19:56:59 ID:aIERtf8R0
投下乙マジワロタwwwwwwwwwwwww
薔薇の額縁ってOVAのあれかwww

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 20:24:11 ID:ssYI5ZHpO
投下乙!
トマトキタwwww
なんとwwクラトスwwwww
耐えねばならんのだよ…w
チェルシーGJ!^^

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 20:38:02 ID:NNvCSJeVO
クラトスばかすwww
邸宅でティータイム&朝ご飯まで食べられるなんてなんという平和チームw
しかし細かいこと突っ込んで悪いがフィリアが使うのはストップフロウじゃないか?

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 20:55:27 ID:w5PeUtTmO
投下乙です!クwwwwwラwwwwwトwwwwwスwwwww

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 21:16:07 ID:i+xU+5it0
投下乙
クラトス死亡かw早かったなwwwww

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 21:24:11 ID:pi3B7DygO
投下乙です!息子チームも父チームも平和モードすぎて吹いたwww


731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 22:07:03 ID:DKggXbEYO
投下乙!
親子揃って平和っぷりを披露しやがってwwww

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 22:31:50 ID:kdWka6C6O
投下乙!
すれ違いこえぇww
押し付けた善意は悪意にもなりえるんですね、わかります
クラトスwwww

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 22:57:15 ID:QiZnuiX50
さて、投下をしようか。


734 :聖魔の瞳 1:2008/09/07(日) 22:58:37 ID:QiZnuiX50

白み始めた空の下で、ボクとエルレインは岩場を登る。
もしも敵が襲ってきたら、障害物も何も無い谷間だと逃げも隠れも出来なくなるから。
それに、正しい現在地を把握しておきたかったから、今のうちに高い場所に登っておきたかった。
恐る恐る提案してみたんだけど、意外なほどにエルレインは快諾した。
カイルって人たちを探しに行くんじゃないの? って、思わず言っちゃいそうになるぐらいに簡単に。

無造作に鎮座する大きな岩を幾つも乗り越えて、ようやく視界が開ける場所に着いた。
右手には薄っすらと平原と川のようなものが見えて、左手には未だ黒々とした海が遠くに見える。
振り向くと、衣服に足を取られたのかエルレインが少しだけバランスを崩しそうになっていた。
反射的に差し出したボクの手を、受け取ったエルレインは優しく微笑んで見つめていた。
そのまま一気に引っ張り上げようとして――流石にそれは出来なかった。
(……ヴェイグやユージーン、ティトレイなら、軽々と持ち上げられるんだろうな)
ちょっとだけ、自分の身体がまだ少年であることに、ボクは腹立たしさを覚えた。
体勢を持ち直して登ってきたエルレインは、「ありがとう。マオ」と、変わらない優しさだった。

丁度ボクらが登り終えたタイミングで、東の空が明るくなった。
日の出の眩しくない太陽が、薄っすらと白んでいる周囲を明るく染め上げていった。
その光景は、あたかも今から『世界』が始まるかのようだった。バトルロワイアルの世界が。

735 :聖魔の瞳 2:2008/09/07(日) 22:59:49 ID:QiZnuiX50

――でも、現実はそうじゃないんだ。

不意に、そんな考えがボクの頭の裏側を掠めていった。
ボクらが焚き火に当たっていた間も、きっとバトルロワイアルは続いていて……そして。
一筋、夜が忘れていった風が吹き抜けて、寒々しさと……不安を、ボクに残していった。

ヴェイグ。冷静そうで全然そんなこと無いから、クレアさんを探して無謀な戦いをしてないかな……
クレアさん。この人も見かけと違って凄く行動力があるから、誰か止める人間がついていないと……
ティトレイ。ここに居なかったのはボクらにとっては不幸だけど、でもティトレイだけでも助かってよかったのかも……
アニー。アニーは優しいから、きっと傷ついた人々を助けに走り回ってるんだろうな。
アガーテさん。ミルハウストに抱かれながら死んだのに、こんな場所に呼び戻されるなんてあんまりだよネ。
ユージーン。キミは……キミは、誰かが生きるために自分を投げ出せる人間だから……だからきっと――

「マオ? ……泣いているのですか?」
エルレインが不思議そうにボクの顔を覗き込んでいる、その輪郭だけが見えた。
慌てて、腕で拭った。そんなのじゃ止まる気がしなかったけど、それでも拭った。
そんなボクをエルレインは、後ろから抱きしめた、んだと思う。

服越しにヒトの体温が伝わってきて、それはボクの不安を、少しだけ落ち着けさせてくれた。

しばらく経って、ようやくボクは、エルレインの顔を見れるぐらいに落ち着くことが出来た。
その表情は、相変わらず聖女のような微笑みを湛えている。
「……ありがとう。エルレイン」と、そう声をかけても、決して崩れることは無かった。



736 :聖魔の瞳 3:2008/09/07(日) 23:01:31 ID:QiZnuiX50

改めて、ボクは周囲を見回した。
今まで全く気がつかなかったけど、ボクの背後には凄く大きな山がそびえ立っていた。
推測だけど、30フロアぐらいの道のりがありそうで、ボクの世界にある獣王山よりも高そうだ。
そんな山を見ながら、エルレインはなんだか怪しそうな礼拝をしていた。
宗教というのは良く分からないけど、そういう戒律みたいなものがあるのかもしれない。
エルレインの信じるフォルトゥナというのは、蒼獣信仰よりも変わってることは恐らく間違いないなと思った。

とりあえず、エルレインの奇行のことは一旦忘れて、周囲の状況を整理しよう。
東は、ずっと山脈が続いている。逃げるには有効だけど、それはボクとエルレインの目的とは合わない。
南は、谷を抜けた先に川と、さっきは見えなかったけど橋のようなものも見える。島の中央を目指すなら南だ。
西は、大きな山がそびえている。これに登れば島の全域が見えるけど、あまり賢明な道だとは思えない。
北は、海と小さな平原がある。改めてよく見ると、ここから少し離れた森の合間に家のような建物がある。

(うーん……南に向かうほうが道は広がるけど、まずは北の家を調べるのも良いかな)
どっちが安全なのかは全く分からないんだから、ボクはとりあえず近場を当たってみることにした。
ようやく礼拝を終えて一息ついているエルレインに北に向かう提案をすると、やっぱり彼女は快諾してくれた。

737 :聖魔の瞳 4:2008/09/07(日) 23:02:34 ID:QiZnuiX50

エルレインを前にして岩場を降り、しばらくの間歩くと……確かに森の中に家があった。
それは、落ち着いた雰囲気というか、なんだか堅苦しい感じのする洋館だった。
一見すると自然と調和しているようでいて、しかしどこか線を引いているような、そんな空気をボクに感じさせた。

中に入ろうと古めかしい扉の側によったボクは、足元の靴跡に気がついた。
玄関口には、それほど時間が経っていないと思う、乾いた土が付着していた。

(誰かが、ここを訪れている!)

その事実に気がついたボクの心臓は、一瞬で恐ろしいほど活発に動き始めた。
全身の毛が逆立っているような気がした。『敵』かもしれないから、それも無理なかったけど。
急に喉の渇きを覚えて、ボクは一旦、扉と間合いを置くことにした。

支給品の水を一口飲むと、少しだけ冷静さを取り戻した。
エルレインが近くの木をまじまじと眺めていることに気がつくぐらいには。
「どうしたの? 何か見つけた?」
そう小声で囁くと、エルレインは木についた不審な傷痕を指差した。
それは、人工的な窪みだった。まるで矢が刺さった後のような、そんな窪みが木につけられている。

(戦いの痕!?)そう思ったけど、それは少し違う気がした。
ここで戦いがあったなら、他の木にはついていないというのは変すぎる。
仮に二本で決着がついたのなら、今度は周囲に血痕が残っていないとおかしくなる。

でも、ここに人が居たことはまず間違いない。
それだけでも、入る前に気がつけたのは幸いだった。

738 :聖魔の瞳 5:2008/09/07(日) 23:03:34 ID:QiZnuiX50

――それなら、どうしよう?
エルレインは相変わらずで、こういった相談には絶望的に向いてない。
じゃあ……。ボクはちょっと考えた後、木の根元にあった石を手に取った。
そして、丁度良い窓ガラスを探した。

中に人が居るなら、窓ガラスの割れる音に反応しないわけが無い。
洋館の中に入るのは、何も動きがないことを確認してからでも遅くは無い。
何せボクも――恐らくエルレインも、接近しての戦いは苦手なんだから。

そこまで考えたボクに、不意にあるものが襲い掛かってきた!!

匂い。
それが襲い掛かってきたものの正体だった。
何故、すぐに気がつかなかったのだろうか? ボクらしくも無い。
ボクの鼻腔をくすぐる……あの匂いに!!
それを脊髄が認識した瞬間、ボクは石をポケットに突っ込んで駆け出していた。

(アーッハッハッハ! なんだ、エルレインの奇行を馬鹿に出来ないじゃないか)

そんな、心中の冷静な自分は、今この瞬間は何の役にも立たない虫けらだ。
優先されるのは、そう……ヴェイグたちとの旅でついたヘンテコな癖。直す気もサラサラ無い世間一般で言う悪癖。

“つまみぐい”

739 :聖魔の瞳 6:2008/09/07(日) 23:04:29 ID:QiZnuiX50

もはや躊躇の必要は無かった。
たとえ、洋館の中に居るのがブルーベリージャムをムシャムシャ食らうサレだったとしても。
たとえ、そのうえワインを飲むワルトゥと音もなくナイフで切り分けるミリッツァと共食いするトーマが同席していても。
たとえ、更にオマケにそれが2セットぶん、合計8人による食事会だったとしても。

この匂いの状態を考えると、ミッションは既に遂行不可能の恐れもある。
本能とも言っても良いレベルで、ボクは無音で扉を開けて真正面から強襲を行った。


☆ ミッション:時間内に食せ! 誰かが作ったブランチ ☆



【マオ 生存確認】
状態:HP100% TP100% 不安感(小) エルレインを警戒(現状の扱い方は理解した)しつつ、少し信頼
所持品:忍刀・東風 エクスカリバー ファルステヴェルン 拾ったピクルスストーン
基本行動方針:ヴェイグたちと合流してサイグローグと戦う
第一行動方針:つまみぐいを敢行する
第二行動方針:仲間になりそうな人を探す
第三行動方針:カイル・デュナミスが気になる
現在位置:A4 モリスンの家(現代)の玄関


【エルレイン 生存確認】
状態:HP100% TP100% 未知への不安と苛立ち
所持品:???
基本行動方針:カイル・デュナミスの死
第一行動方針:カイルとその仲間達の抹殺
第ニ行動方針:罪無き弱きヒトを幸福へと導く
現在位置:A4 モリスンの家(現代)の庭

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:05:46 ID:QiZnuiX50
投下終了。
本当に前半と後半で同じ作者が書いているのか? という疑問は受け付けない。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:09:32 ID:O35aVQ3d0
乙。だが夢のフォルスやめろwww悪夢が蘇るwww

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:11:30 ID:i+xU+5it0
乙!
クラトスの救いの神来た!!
四星×2戦とかwww
ってかマオ、ヒルダのこと忘れんなwwwww

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:13:11 ID:1odF9P+DO
投下乙です
前半のマオの独白にホロリときて、後半の奇行に大爆笑させてもらった
つまみ食いwww

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:19:32 ID:ssYI5ZHpO
乙です!
ヒルダ忘却したマオに噴いたw
かわいいよつまみ食いマオかわいい…!
ブルーベリージャムムシャムシャってwww
そういやマオってユージーンをキミって呼びましたっけ?

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:22:35 ID:O35aVQ3d0
>>744
ユージーンを「キミ」って呼ぶよ、ちゃんと。
マオの仲間思い出し描写が絶妙に予知してて泣ける…だがヒルダ涙目w

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:51:48 ID:aUQkLkm3O
パソコンだとアクセス制限とかでるので
こちらで投下してみます。

747 :まっくら山の中:2008/09/07(日) 23:53:16 ID:aUQkLkm3O
「そうなんですか、フォッグさんの居る世界では
そういう人も珍しくないんですね。」
フォッグとカイウスは、まずお互いの世界について
情報を交換していた。
お互いを知らなくては行動するうえで不便だからだ。
「おぅ。ところで、坊主が持ってるのは何だ?」
ひとしきり情報交換が終わったところで、
フォッグがカイウスの首にかけてある
ペンダント…のようなものを指を指した。
「これは、母さんの形見でペイシェントっていう石で
作られてるんですよ。」
「母親の形見か。坊主はアレだな。」
「母親思い、ですね?」
カイウスは足りない言葉をフォローする。
そして真剣な顔をして言う。
「レイモーンの民がこれを使うと、獣化と言って
自分が獣の姿に変わるんです。」
「おぅ、そりゃすげぇな。」
意味を理解してないのだろうが、
とりあえずフォッグは返事をしてみせた。
「初めてのころは、暴走とかしちゃったんですよね…
それくらい、危険な力なんです。」
「まぁアレだ、使わなきゃいい話だろ?」
「簡単に言いますね…」
マイペースなフォッグに、思わずため息がこぼれる。
(フォレストさんみたいな人かと思ったけど、
なんか違うんだよなぁ・・・オレも年とるとこうなんのかな?)
等と緊張感のない思考が出てくるあたり、
緊張をほぐそうと彼なりに
頑張っているのだろう、と思うことにした。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:54:34 ID:aUQkLkm3O
「ところでフォッグさんはこれからどっちに行こうと思います?」
「まず、北に山を下りるのが良いんじゃねぇか?」
ランタンがフォッグの分しかないために、
カイウスはフォッグに身を寄せなんとか地図を見る。
「えっ?南へ行ったほうが人を探すには―」
「確かに人を探すには良いかもしれねぇが、
近くに城があるだろ?そこを拠点にして
参加者を殺す奴がいる可能性もある。
砂漠の方に南下していったとしても、無駄に疲れるだけだろ?」
「あ…」
さすがに軍のボスをやっていただけに、
フォッグの考えは的を得ていた。
「まだ禁止・・・なんとかも広がらねぇうちは、端で
安全にしていたほうが良い。で、ゆっくり
家のあるほうを目指して人を探せばいいんじゃねぇか?」
「わかりました。それじゃあとりあえずオレの支給品を
確認して、明るくなるまで待ちましょうか」
「おぅ。」

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:58:17 ID:aUQkLkm3O
良いのが入っていますように、と数回ブツブツ呟きながら
ガサゴソとザックを漁る。
「ん・・・とこれはスタンドファーム、か。
吹っ飛ばなくなるアイテムですね。っと、まだあった・・・」
細長い感触のものをザックから取り出すと、
横で見ていたフォッグが笑い出した。
「なんじゃそりゃ、武器なのか?」
「いっ一応剣ですよっ!笑わないでくださいよ!
…まぁ、攻撃力はブロンズソードよりも悪いですけど」
中から出てきたのはマゴノテだった。
そして最後の一個を取り出し、フォッグに見せる。
「え、これってフォッグさんの武器じゃ…」
「おぅ、坊主が持ってたなんてラッキーだな。」
「じゃあ、これはフォッグさんが使ってください。」
「俺様はいいんだけど、坊主はそんなんで戦えるのか?」
マゴノテのほうを見て、再度笑う。
「しっ失礼ですね!これはかゆい所に届く便利な剣で…あ…」
何真顔でマゴノテの説明なんかしてるんだ、と顔が赤くなる。
やっぱりおもちゃじゃねぇかと笑われて
しばらくは顔が元に戻らなかった。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:00:12 ID:ldN9J9h4O

「うん、少し明るくなってきたしそろそろ下山しましょうか。」
「おぅ!ふもとまで競争だ!」
「えっあ、ちょっとフォッグさん!危ないですよ!」
”ごうかいさん”だなぁとカイウスは苦笑した。
(まぁ、軍人さんだし大丈夫だよな…?)

【カイウス・クオールズ 生存確認】
状態:鼻に擦り傷、手が少し痛い、TP100%
所持品:サック一式(ランタンなし)、スタンドファーム、マゴノテ
基本行動方針:サイグローグを倒す。
第一行動方針:フォッグさん待って下さいよぉ…
第二行動方針:ルビアを探したい。
現在位置:B3、山中
【フォッグ 生存確認】
状態:HP、TP100%
所持品:聖杖ユニコーンホーン、パナシーアボトル、メガグランチャー(カイウスから貰いました)
基本行動方針:リッドの仇を取る。
第一行動方針:俺様が一等賞だ!ガーッハッハッハ!
第二行動方針:キールやチャットが心配。
現在位置:B3、山中


(スタンドファーム、マゴノテはテンペストに登場したアイテムです。前者はアクセサリー、後者は片手剣の部類に入ります。)

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:02:35 ID:aUQkLkm3O
情報欄に漏れが…

【カイウスとフォッグはお互いの世界について深く情報交換しました。】



投下終了です。
テンペストが好きなので書いてみたものの、
あまりテンペストのことについて書いてないなぁと思ったり…orz
あと、何かありましたらお願いします。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:03:51 ID:aUQkLkm3O
タイトルと番号も漏れてましたorz
やっぱ携帯駄目だ…

そして前に投下したマオエルの方、進路被ってすみません…

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:09:58 ID:M+YWYMeaO
投下乙です
フォッグごうかいさんっつーかお子様wマゴノテとかおたま並のハズレだしw

あと気になったのですが、カイウスがペイシェントを持ってるのはなんででしょう?
支給品ならマゴノテ、スタンドファーム、メガグランチャーで3つだし……
持ち込み品の場合、Tの話の最後でペイシェントは無くしているので、カイウスの参戦時期はED前?

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:14:12 ID:MIhx4JA+0
投下します。

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:21:21 ID:X9TkbSzi0
…支援?

756 :No man cell and two man cell. 1:2008/09/08(月) 00:21:43 ID:MIhx4JA+0
安全な場所、と口に出したものの彼にそのアテがあるわけではなかった。
数秒の黙考の末、「仕方あるまい」、そう呟いて彼は先ほどまでの足跡を引き返すことにした。
絶対のサンクチュアリなど保証されていないこの島で、『自分が通る際に何もなかったから』以上の根拠は今の彼には見つけられる気がしなかったのだ。
そして、足を止めるべき場を見つけられないまま、幾ばくか歩いた時だった。
腕の中の少年が、不意に身じろぎして、瞼をふるわせた。

「……ん……」

「エミル、気がついたか?」

呼びかけながら、足を止める。
傷になるべく障らないように跪き、彼を横えたその瞬間……、

「マルタ……っ!」

「ぬおっ!?」

演目を開始した操り人形よろしく、突如跳ね起きたエミルの頭が、リヒターのそれを猛スピードで掠めた。
思わず飛び出すイヤな汗。
もしアレが直撃していたら脳震盪では済まないかもしれない、という恐ろしさを覚えつつリヒターはエミルの肩をぐっと押さえた。
焦点を結んでいなかった瞳に、彼の姿が映り込み、やがて、

「リヒターさ――おい、あのガキはどこだ!? いや、それよりもマルタは……痛えっ、何しやがる!」

一瞬宿った理性的な色をあっという間に塗り替えた緋色が、リヒターを見て声を荒げた。
が、対するリヒターは冷静なものだ。少年の体に刻まれた傷へあえて指をねじ込み強引に黙らせ、言う。

「マルタなら見ていない。それより、落ち着け」

「落ち付けだと!? こんな状況で落ち着いてなんかいられるかっ、早くあいつを――ぐぁ!」

二度目の悲鳴も発生過程は、直前のものと同じくである。
ただし、今度の場合は力の入れ加減が段違いだ。
ようやく、恐慌状態だった紅い瞳に光が差した。
それを見届けて、再び赤毛のハーフエルフが語りかける。

757 :No man cell and two man cell. 2:2008/09/08(月) 00:23:01 ID:MIhx4JA+0

「……落ち着いたか?」

「ああ、クソお優しい誰かさんのおかげでな!……悪いが急いでるんだ、話なら手短にしてくれ」

痛みのためか涙を浮かべながら、険しい顔でエミルの本性が、ラタトスクが応じた。
応じながら、青年の肩を借り―されど、その傷からは考えがたいほどの確たる足取りで―彼は、再び大地を踏みしめる。
それを確かめ、リヒターはゆっくりと肩を引く。プライドの高い精霊に、気遣ったことを悟られぬくらいの自然さでもって。
そうして、彼は選び選び言葉を紡ぐ。

「用件は三つだ。まず一つ目。……ここに来るまで、お前はどこにいた?」

「ギンヌンガ・ガップ。エミルの方はパルマコスタだ」

「俺と同じ、か。ならば話が早いな、二つ目だ。俺とお前がここにいる場合、封印はどうなる?」

一瞬、ラタトスクが黙り込む。返事の代わりに、彼は立ち尽くしていた足を踏み出した。
リヒターもそれに倣い、少年の姿をした精霊と伴だって歩き出す。

「魔族どもが狂喜乱舞しやがるっつーのは間違いねぇな。つってもすぐな訳じゃねえ。
センチュリオンたちがいるし、扉も一旦は封じ直したしよ。……ちょい待て、イグニスがいるだと?
ちっ、確かにいやがんな。北東、か」

エミルが声をあげたらしく、視線を遠くするラタトスク。
川の上流をさらに越え、その向こう山並みさえまでも射抜く険しさにリヒターは思わず彼の肩を引く。
そうでもしなければ、この激しい気性の精霊は怪我も忘れて走り出してしまう気がしたからだ。
案の定、少年に宿った瞳の光は、燃え立つ炎の色でもって再び揺れ惑っていた。

「リヒター。止めるってのか、だったら容赦は……」

精霊は傷ついた腕を武器に伸ばす。
仕方なしにリヒターは、彼のむき出しの肩から、手を離す。
目覚めたとはいえ、気を失うほどの傷をおった少年をこのまま行かすわけにはいかないのだ。
かといって、こちらが斬られるわけにもいかない。
リヒターは、爛々と輝く真っ赤な瞳へ強い視線を返しながら思考し、口を開いた。


758 :No man cell and two man cell. 3:2008/09/08(月) 00:24:02 ID:MIhx4JA+0

×・×・×

――時間と川は、わずかに遡る。

朝日が差し込む林の中でくたびれ果てた男性の声があがった。

「……やれやれ、すっかり明るくなってしまったか。ルーティ、さすがにちょっと休憩にしないか?」

「じょーだん! アトワイト見失ってなるものですか」

彼の提案を一蹴し、なおもあたりをがさごそ探っているのはスレンダーで健康的な肢体へ、動きやすさ重視の軽装(※ただし残念なことに生乾き)を纏った少女だ。
自身と同じように夜通し林の中を移動し続け、あるかなしかのものを探していたのに彼女はこの元気とは。
全く年はとりたくないものだね、と内心呟き、彼はもう一度刺激的な服装の少女へ呼びかける。

「もう十分見失っていると思うがね。それより」

「なによ?」

「少し静かにしてくれ。君の声は、少々どころでなく、目立つぞ?」

「鳴子だらけのあんたにだけは言われたかないわよ、おっさん……」

「おっさんだと、失礼な。私はこれでもまだ29さ……ルーティ?」

まだ20代のクラースは抗議の声を上げかけ、ルーティの視線が林を抜けた先へ釘付けになっていることに気づいた。
あわてて彼女の目線を追えば、――ああ、なるほど。
木々の向こうの川岸を上ってくる人影に気づいた二人は、どちらが言うでもなく自然と藪に身を潜めることにしたのだった。

×・×・×

「勇気は夢を叶える魔法。だがな、蛮勇たることだけが勇気ではないぞ。
お前が『今叶えたい、叶えねばならない夢』は一体なんだ?」

手負いの、獣。
そう表しても間違いないほど余裕のない殺気をまき散らす少年をこれ以上興奮させないように。
リヒターは努めて冷静な口調で呼びかける。

「そんなの聞くんじゃねえよ! マルタを助けて、早くギンヌンガ・ガップに戻る以外に何があるってんだ!」

苛立ちを隠そうともせず、少年の姿をとった精霊は叫ぶ。手に力が籠もった。白刃を抜く。

「だったら、なおのことお前一人で行くのは下策だ。
三つ目の問い……いや、提案だ。マルタを助けたいのだろう? 俺と来い、ラタトスク」

陽光の下、瞳と刃をぎらつかせた少年へ、武器ではなく空っぽの手のひらを差しだして青年が言う。
精霊はしばしその手と傷ついた己とを見比べ……、どこか気恥ずかしそうに、怒鳴った。

「……ちっ、仕方ねえ。お前も連れて帰らねぇと帰ったって意味ねぇしな。一緒に行ってやるよ。
だがな! まずはマルタだ。
――マルタ、今は僕の守りを持ってないんです。だから、早く行って守ってあげなければいけないんです!
でも今の僕では、きっとマルタを守りきれない。リヒターさん、僕と一緒に来てください。マルタと僕と、三人で一緒に帰りましょう!」

怒鳴る声が、一転、必死に訴える声になった。
若葉色の瞳を持った少年は、頬を紅潮させながら言い終えると差し出されたままだった青年の手を取る。


759 :No man cell and two man cell. 4:2008/09/08(月) 00:25:28 ID:MIhx4JA+0
×・×・×

リヒターと組むことを決めたエミルへ、最初に施されたのはエルフの血を引く者にのみ与えられた力――魔術による癒しだった。

「……なんか、ずいぶん効き悪いですよね。これってやっぱり……」

「マナが希薄なせいだろうな。すまないな、エミル」

「えっ、いえ、リヒターさんのせいじゃないですよ。それよりリヒターさんこそ、大丈夫ですか?
さっきから結構、魔術使ってますよね?」

「心配するな、エミル。……痛むところは?」

「もう平気です。ありがとうございます。
……ところで、ずっと気になっているんですけど……」

川原の手頃な石に腰掛けて治療を受けていたエミルは礼を述ると、一転して声を潜めて尋ねた。

「いますよね、さっきからずうっと」

歯切れの悪い言葉に、リヒターが目で頷いた。彼が立ち上がったのに引き続き、エミルもまた腰を浮かす。

×・×・×

「……あたし、やっぱりおっさんが吊してるソレのせいだと思うわ」

「いいや、君の声のせいだろう。さて、どうするかね?」

「わかってて暢気にに回復してたーてっことは、あちらさんも殺る気なしと見たわ。
 それにさっきのアレ、おっさんのいう『法術』でも『晶術』でもないみたいだし?」

「確かに、気にするなと言うのは難しいな。――出よう」

がさり。あえて茂みを鳴らして、クラースとルーティは立ち上がった。

760 :No man cell and two man cell. 5:2008/09/08(月) 00:27:06 ID:MIhx4JA+0
【エミル・キャスタニエ 生存確認】
状態:HP80%、TP95%、マナの希薄さに困惑、主立った傷は治療済み、マフラーなし、マルタと封印の件で焦り気味(現在は非顕在)。
所持品:クィッキー、紫電、???
基本行動方針:マルタ、リヒター、イグニスとともに一刻も早く元の世界へ帰還する。
第一行動方針:目の前の人物への対応。
第二行動方針:マルタ、大丈夫かな……?
第三行動方針:イグニスが気になる。
現在位置D5北・川原

【リヒター・アーベント 生存確認】
状態:TP45%、健康
支給品:ストライクアクス、エバーライト、???
基本行動方針:ゲームに乗る気はない。ギンヌンガ・ガップの封印に戻りたい。
第一行動方針:目の前の人物への対応。
第二行動方針:元の世界に帰る方法を探す
第三行動方針:イグニスはどうにかしなければまずいな……。
現在位置:D5北・川原

【ルーティ・カトレット 生存確認】
状態:HP100% TP100% 半乾き濡れ 真剣
所持品:強力グミセット BCロッド
基本行動方針:死にたくはないがゲームは乗りたくない。
第一行動方針:赤毛の男が使っていた術が気になる。
第二行動方針:とりあえずクラースについていく。
第三行動方針:スタン、アトワイト達を探す。
現在位置:C5

【クラース・F・レスター 生存確認】
状態:HP100% TP100% 徹夜での野外活動によりお疲れ
所持品:ピヨノン 破魔の弓 グミセット
基本行動方針:ゲームには乗らず仲間を集め打開策を図る
第一行動方針:赤毛の男が使っていた術が気になる。
第二行動方針:ルーティと行動を共にする
第三行動方針:クレスとすずの他、仲間になりそうな相手・アイテムを探す。
現在位置:C5
※クラースはすずが近くにいたことを知りません。

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:30:57 ID:MIhx4JA+0
以上です。実は、近くにいたもう一組も含めて書いてたんですが、
先を越されて涙目でしたー。
削ってしまったところとの兼ね合いとかでおかしなところがあるかもしれません。
お手柔らかにお願いします。

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:34:56 ID:0wi3yXGl0
投下乙です
ラタ様は落ち着こうwしっかり諭してくれるリヒターかっけえな
ルーティ&クラースはエミルからすず&アトワイトの情報とか得たら修羅場になりそうw

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:36:52 ID:HSTPbIo9O
皆投下乙です!
マオレインはクラトスの助けになるのか?チェルシーはエルレインの抹殺リストに入って無さそうみたいだし。
豪快さんチームも平和だなぁ…カイウス、ズガンされないようガンバれww
エミルとリヒターは無事に合流出来たみたいで何より。エミルとラタ様はマルタマルタ言い過ぎww

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:49:06 ID:MM34m7xoO
皆様投下乙です
序盤はニヤニヤする展開が多くてヤバいw俺キモイw

ところでキャラクター能力に関する質問はここでいいんだろうか?

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:52:37 ID:fuBGUJh/0
>>764
いいと思うよ

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:53:41 ID:RgPaVojEO
投下乙です。
チェルシーに続いてマオども爆笑させてもらいました。
カイウス含めがんばれちびっこ!

ルーティさんはスタン行きのフラグもきたかんじがwktk

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:58:42 ID:MM34m7xoO
>>765
ありがとう

ディストについて聞きたいんだけどさ、まとめの譜術が使えるはず、って本当?
携帯アプリかなんかでディストには譜術が無かったから、てっきり使えないものだと思ってたんだけど
書き手依存?

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 01:08:38 ID:0wi3yXGl0
>>767
そこらへんは推測の域を出ないからなぁ……使えてもおかしくないし、使えなくてもおかしくない。
まあ使えたとしても、あんまり強力なのは使えないだろうね

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 01:16:55 ID:ldN9J9h4O
>>753
すっかり忘れてました…
一応、ルビアと同じED後のつもりでしたが…。

っていうか獣化にペイシェントは必要無かったかorz(たしかフォレストは持ってないし)
ってわけで修正版行きます

770 :まっくら山の中 1 修正版:2008/09/08(月) 01:18:58 ID:ldN9J9h4O
「そうなんですか、フォッグさんの居る世界では
そういう人も珍しくないんですね。」
フォッグとカイウスは、まずお互いの世界について
情報を交換していた。
お互いを知らなくては行動するうえで不便だからだ。
「おぅ。そういえば、坊主はレイモーンの民と人間のハーフって言ってたが、レイモーンの民ってのは何だ?」
ひとしきり情報交換が終わったところで、
カイウスの言う『レイモーンの民』とは
何なのか、という質問が出た。
「レイモーンの民は、獣に姿を変えられる種族なんですよ。」
「つまり、坊主はアレだな。森の…」
「クマさんじゃありませんっ!」
どうしてそうなるのかなぁ、などと呟き、
一呼吸置いた後真剣な顔をして続けた。。
「獣化すると姿だけじゃなくて、身体能力も上がるんですよ。」
「おぅ、そりゃすげぇな。」
意味を理解してないのだろうが、
とりあえずフォッグは返事をしてみせた。
「初めてのころは、暴走とかしちゃったんですよね…
それくらい、危険な力なんです。」
「まぁアレだ、使わなきゃいい話だろ?」
「簡単に言いますね…」
マイペースなフォッグに、思わずため息がこぼれる。
(フォレストさんみたいな人かと思ったけど、
なんか違うんだよなぁ・・・オレも年とるとこうなんのかな?)
等と緊張感のない思考が出てくるあたり、
緊張をほぐそうと彼なりに
頑張っているのだろう、と思うことにした。

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 01:22:34 ID:ldN9J9h4O
修正版投下終了です。

もう間違いはないかと思われますが、
なにかあれば言ってください。

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 01:27:56 ID:ZL91IIm+0
いつの間にか容量が490超してるのな
どなたか新スレ立てるのお願いします…

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 01:39:01 ID:z+jlWf1o0
おk、やってみる

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 02:01:36 ID:z+jlWf1o0
遅くなりましたが立てました。テンプレも貼っときました。
間違いがあったら訂正お願いします
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1220805590/

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